第三の嘘 (創作BL/学園物)
※このSSは創作BLサンプル用です。わりと雑食でリバやすれ違ってる両思い好きです。
※1シーンのみ抜き出しています。
登場人物
坂木 智樹**生徒/学校では優等生だがややモラルに欠ける。
久我**教師/生徒受けのいい教師だが――
「先生、見たんでしょ?」坂木は普段とはうって変わった尊大な態度で、教卓の上に腰掛けている。
特に恥じているようでも、憤っているようでもなく投げ遣りな態度だった。「……誰にも言わない、よ」
「ウッソだぁ」久我は“見なかった”、とは言えなかった。繁華街でまるで親子程年の離れた男と、坂木は腕を組んで歩いていた。
学校では決して見せる事の無い媚びた笑顔。目を疑う程の色気。服装も制服ではなく一見すれば五歳近くは年上に見えた。
だが久我には一目で坂木だとはわかった。と同時に、それまで如何に坂木という生徒の事をろくに知らなかったのかを強烈なまでに思い知る、事になった。
「嘘じゃない。僕が見たのは……君が誰かと一緒に歩いていただけだよ。そんな事わざわざ誰かに言う必要は無いだろう」
「へぇ。俺が女子でも同じ事言うんですか?違うでしょ?
――そう、“ウリでもやってるんじゃないか”って思ったんだ」
「そんな事――」
「だって先生逃げたじゃん、俺の顔見て」
「………それ、は」逃げた。
そう坂木が口にすると、その言葉の意味が久我には重くのしかかる。「で、これが女子だったら良くて停学、悪くて退学な我が校の教師としては、坂木智樹の行いについてどのようなお考えをお持ちで?」
「坂木君……僕は」
「職員会議にでもかけますか?それとも俺の両親を呼ぶ?」
「誰にも、言わな…」
「信じられるかよッ」教室中に響くような大きな音を立てて坂木が教卓から飛び降り、久我の胸倉を掴んだ。僅かに久我の方が背が高いが、そのせいか下から捻りあげるように掴まれ呼吸が阻害されている。
「さ、坂木く……ぐっ」
「あんた俺を庇う理由なんて無いだろ、二言目には校則校則言ってた癖に」
「そういう、問題じゃ……っ」
「別に俺の親の事なんざ気にしなくていいんだよ、どうせあいつ等は口封じに金積んでくるだけだ」
「坂木、君……」久我を強く睨む坂木の表情の鋭さとは裏腹に、声音は平淡だ。
成績も良く、どちらかと言えば真面目で人懐っこい印象だった坂木。
久我はこれが彼の本当の姿なのかと思うと、今まで何を見ていたんだという気分だった。こんな、荒んだ眸をする子だったなんて。
「……気に入らないんだよ、あんたの目」
「目…?」
「いっつもヘラヘラしてる奴が一番信用できない。俺を庇おうなんて奴はもっと」
「別に、庇うなんて」
「じゃあ何?……あぁ、あんたもあそこに居たって事は、そうか」
「え…っ」一瞬坂木の目が軽蔑の色を浮かべたが、久我には理解出来なかった。
「アッハハハ……そうか、そりゃそうだ。あんな所で逢うとは思ってなかったけど、そりゃ言えないよな」久我から手を離し、坂木は悶えるように笑っていた。急に開放された久我が僅かによろけ、驚いた目で坂木を見ている。
「な……っ」
「ご同類ってわけか。なるほどね、だから呼び出したんだ」
「何を言って…」
「やだなぁ先生、まわりくどい真似はやめてくださいよ」
「……っ! 何を」坂木はするりと久我の脚を割り、自分の腿を滑り込ませた。久我の股間を撫でながら、自らのその場所も久我の脚に押し付けている。
「久我って意外と凄いこと考えるのな」
「何を言ってるんだ、僕は――」違う、と言いかけたが、何が違うのかという思いがその先を躊躇わせる。
「生徒と生徒でそういう関係になりました、なんてそりゃ言えないもんな」
「……っ、やめ」
「へぇ、勃つと結構でかいじゃん」
「坂木君…っ、僕は……はぁ、こんな事しなく…ても、言わな……あっ」
「そんなのを信じろって言うの?」
「どうして……」
「いい顔するじゃん、先生」執拗に撫でる坂木の手によって、久我の雄が見事に主張していた。
自分の素直な反応に恥じ入っているのか戸惑っているのか、久我は顔を赤くしている。「君は……君は、普段から、こんな事をしてるのかい…?」
「さぁね。今年の初め辞めてった体育教師とならヤったけど」
「……っ」
「あっれ、何、今ぴくってなったけど何か想像した?」
「違う!」
「アハハハ、ねぇ先生、座ってもいいよ?」
「…君は……」
久我は坂木を睨みつけながらも、促されるままに生徒の机の上に腰を下ろしていった。そのまま坂木の手によって、完全に勃起した性器が露出される。
「服の上からちょっと触っただけでここまでって、バカじゃないの?」
「ひ…っ」からかうような口調で、坂木は先端をつねり上げた。急な強い刺激に、久我はまともな声も出ない。
「ここまできたんだし楽しもうよ、先生」
「さ、坂木、君……」久我が必死に欲望を抑えようとしているのを知っていてか、坂木は諭すように言い、手は優しく久我の猛った物を撫でていた。
きゅ、と偶に掴み、久我の反応を楽しんでいる。
「悪い話じゃないでしょ、俺のペニスもアナルもすっげえいいんだよ?先生がどっちか知らないけど、俺結構高いんだから」坂木は、繁華街で見たような媚びた淫猥な笑みを浮かべていた。
久我は先ほどから何度も唾を飲み込んでいる。
「そう…すれば、君は」
「あん?」
「僕を信じてくれる……のかい」搾り出すように、久我は言った。同時に涙まで流している事には気付いていなかった。
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