ねえ、ルパン。 何度あなたにこうして呼び掛けたかしら。
独り言。いつもそう。
本当にこうしてあなたに呼び掛けたとしても、
「愛してる」って いつも、そればかりね。 でも、知っているのよ。 その言葉すらあなたには、ゲーム。 ほんとうの心は、誰にも見せないのね。
孤独な人ね 強い人ね さみしい人ね
何時だってあなたは、とぼけたポーズで覆い隠してしまうけれど。 でも知っているのよ。ほんとうは泣いていること。
…いいえ、そうじゃないわね。 泣きたいのに、泣けないのね。
何処かに置き忘れてしまった涙、いつから? もうずっと昔からなんでしょうね。 …私には知らないことが多すぎるわね。
ねえ、ルパン。
多くの女たちに愛されながら、 あなたは何時も独りね。
決して立ち入ることを許さない
その心の奥底を
覗いて見たいと思うのは
やっぱり私が女だからかしら?
きっとあなたは、 「これ以上何を望むんだ」って、言うわね。 …そうね、その通りね。
…いいわ、騙されたフリをし続けてあげる。 あなたのゲームに付き合ってあげる。 そしてあなたを心の底から憎んであげる。
悪魔のような、あなた。
欲しいものを全て手に入れて、それでもまだ、 いったい何が、あなたを満足させられるのかしら。
それとも、
それこそが、あなたが求め続けている答えなのかしら。
堂々巡り、何時だって。 あなたについて考える時は、何時だって。
…そうよ、だからこの生き方を選んでいるの。あなたと同じ。 ほんとうに欲しいものが永遠に手に入らないと知っているから、 そうすれば、きっと、考えなくっても済むのよ。
たとえそうすることが空しいことだと、
…独り言、何時もそう。
私がもしもこうして弱音を吐いたら、 ねえ?ルパン?
…だから、独り言。
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