「っ…や…い、ざやさ…」



まだまだ未成熟な体が柔らかい寝台の上で跳ねる。
無意識の内に逃げる腰を掴んで引き戻し、既に尖っている突起を少し強めに摘むと快感に忠実な体が色づくのが愛おしい。

まだ幼い帝人の体を開いたのは臨也だ。
臨也の中で帝人への『興味』が『恋慕』に変わった日、思わず押し倒した臨也に帝人はこう言った。





『貴方が僕のものになってくれるなら、抱いてもいいですよ。』





そうして臨也は帝人を抱いた。
女性を抱いたこともない、それこそ自慰すら覚えてもいない少年の肢体を意識を飛ばしてしまうまで。
あの時ばかりは流石に大人気なかったかなぁと思ったものだ。

「っ…」

急に臨也の頭部に痛みが走る。見ると帝人の手が臨也の髪の毛を掴んでいた。

「なに、考えてたんですか…」
「ん…帝人君を初めて抱いた時のこと。」

柔らかく髪の毛を掴んでいる手をとり、口付ける。そしてそのまま横へと縫い付けた。

「最初から帝人君可愛かったなぁって思って。」
「中学にあがったばかりの頃、でしたね。」
「だったっけ?感度は結構よかったよ。初めてだったとは思えないくらい淫乱で。」
「っ…///うるさいです。」
ぎゅう、と意図的に中の臨也を締め付ければ眉根を寄せて臨也が呻いた。

「っ…ふぅん…」

怪しく口角を吊り上げて舌なめずりをすると、帝人の足を大きく開かせて更に深く腰をすすめる。

「あぁ、あぁぁっ…!!」

思わぬ衝撃に帝人の口からは抑えきれなかった唾液と喘ぎが零れた。

「ぅ、ひ…あぁ、ん…ん…!」

もはや閉じることを忘れてしまった唇からは嬌声しか生まれない。
がくがくと揺さぶられる度にぱさぱさと帝人の黒髪が揺れる。

「帝人君、可愛い。」

前かがみになり、その額にキスをおとす。

「も、やァ…!イき…た…!」
「うん。俺も限界。」

ラストスパートとばかりに勢いをつけて穿てばきゅうきゅうと臨也を締め付ける内壁に程なくして己の精を中へと叩きつける。
それと同時に帝人も白濁を吐き出した。























「ふ…」
「あ、起きた?水飲む?」
「ん…」

雛鳥が親鳥に餌をねだるように帝人が口を開けると、臨也は持っていたペットボトルの水を口に含んで唇を塞ぐ。
喉が嚥下したのを確認して再び水を口に含む。
幾度かそれを繰り返していたが、満足したのか帝人が「もういいです。」と首を横に傾けた。

「…ケダモノ。」
「開口一番それって傷つくなぁ。」

といいながらもまったく反省の色なく臨也は笑う。

「毎回毎回気絶するくらいまでヤられたら言いたくもなります。」
「帝人君が体力つければ問題ないと思うよ。」
「死ね。」

力の入らない足を無理矢理動かして臨也を蹴る。
するとその時、臨也の背に己の爪あとではない傷を発見した。

「…あれ?臨也さん浮気ですか。」
「えぇ!!?あれだけ愛し合った後になんてこと言うの帝人君!帝人君がいるのにそんなことするわけないじゃない。何をもってそんなこと言うの!」
「背中、僕がつけた傷じゃないのがあります。」

帝人がそういうと臨也はしばらく思案してから一般的に美形といわれる顔を醜悪に歪ませる。

「あぁ、これ昼間静ちゃんに標識でやられたときのだよ。チッ、掠ってたか…」
「たまに臨也さんの話に出てくる人ですね。標識…?ってあの道路の?」
「そ。俺の思い通りにならない人種で馬鹿がつくくらいの怪力の持ち主。しいて言うなら理屈の通じないただの暴力人間!」

口に出すのも嫌なのだろう、その顔は心底嫌そうに歪んだままだ。

「ふぅん…」

何かを考えている風な帝人に臨也は嫌な予感を覚える。

「…帝人君、何考えてる…?」
「えぇ?別にぃ。」
「ダメだよ!シズちゃんに興味なんか持たないでよ!?本当に危ないんだから!」
「うるさいです。もう寝るんで静かにしてください。うるさくしたらベッドから叩き落します。」

臨也との会話に興味がうせたのかうとうととその瞼が閉じられる。
大きく溜息を吐いて臨也は帝人の体を抱きしめ、一緒に眠りについた。

















その次の日、帝人はもう一人の金色の獣に会いに行った。


















きっかけはピロートーク。



    (失敗した…!これなら浮気って言ってたほうがマシだった!)






fin.



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