俺得設定なSPパロ第二弾。


以下簡単な設定。



帝人と静雄がSP。
帝人が特殊能力もち。
警護課警備部特殊班所属。

班長:平和島静雄
メンバー:紀田正臣、狩沢絵理華、遊馬崎ウォーカー、竜ヶ峰帝人

その他公安メンバー
門田、杏里、セルティ


















帝人はよく、己の能力を使うときに「潜る」という言葉を好んで使う。
感覚を研ぎ澄まして周囲に意識を溶け込ませる。それがまるで水の中で潜っているような感覚に似ているのだ。
以前、そのままを己の主治医に話したら苦笑いを浮かべて「そのまま溺れてしまわないようにね。」と言われたことを今でも鮮明に覚えている。
それからその当時はわからなかったその言葉の真意も…






で、あるからして…と壇上で声高らかに力説する脂ぎった政治家の演説を紀田正臣は欠伸を噛み殺しながら聞いていた。
ただでさえしばらくぶりの非番をこの親父の所為で返上させられ使い古された高説を聞かされていれば機嫌など急降下する。
本当に欠伸でもしてやろうかと口を開きかけたところで彼の耳に鋭い叱責が届く。

「お前、ここで本当に欠伸しやがったらこの先一ヶ月休み抜きにしてやるからな。」

すかさず開きかけていた口をぴったりと閉じて正臣はインカムのスイッチを入れて声の主に反論を試みる。

「勘弁してくださいよ平和島班長。俺が過労で倒れたりしたらユリちゃんやその他の女の子たちが心配するじゃないですか。」

アホか。そう言おうとした静雄だったが第三者の声がそれを制した。

「馬鹿じゃないの。ちゃんと仕事しなよ給料泥棒。」
「竜ヶ峰。」
「帝人。」

ホールの出入り口の一つから姿を現した帝人はマルタイから視線を外さずにそのまま静雄へと報告を続ける。

「ただ今戻りました班長。一通り潜って探してみましたがこの施設内に爆発物が仕掛けられている形跡はありませんでした。ですが嫌な予感がします。」

帝人の報告に静雄は小さく頷いて改めて各々に指示を飛ばす。
その姿に帝人は眩しそうに目を細めるがすぐに感じた悪寒に素早く会場内に神経を集中させる。
ぞわりと背中から湧き上がるような感覚は危険なものだと経験が告げていて早く原因を見つけなけばいけない。
耳元で聞こえる呼ぶ声が聞こえるがあえて無視して帝人は会場を駆ける。
そしてある一点に見えたのは懐に手を入れたスーツに眼鏡の男。

「会場左方、スーツに眼鏡の今立ち上がってる男!」

疑念が確信に変わった瞬間、ピンマイクに向かって叫ぶ。
視界の端では正臣、静雄が不審者へと、狩沢と遊馬崎がマルタイへと向かっているが犯人は既に懐から拳銃を取り出していた。
このままでは間に合わない。
これ、使いたくなかったんだけど…!と内心で文句を言いながら帝人は懐のボールペンを取り出して思い切りそれを相手に投擲した。
狙い通り犯人のふくらはぎに突き刺さったそれに苦悶の声を上げるが歩みは止まらない。
帝人とてそれくらいで犯人が止まるとは思っていない。ほんの数秒でもいいからその歩みを遅らせるだけでいいのだ。
それだけあれば詰めることが出来る。

「おい、止まれや。」

それが特殊班班長であり警備課の生ける伝説、平和島静雄という男なのだ。
ざわめく会場内においても圧倒的に響く。
進路を塞がれた犯人が無謀にもその銃口を静雄へと向けるが引き金を引くよりも早く拳銃を掴んだ静雄の手が銃身を握り潰した。
目を丸くする犯人に容赦なく静雄がその体を持ち上げ、壁へと投げつける。
一連の動作がまるで映画のように無駄がなく、いつの間にか場内は静まり返っていて静雄の手の払う音だけが響く。

「あ、これって手錠に繋いだほうがいいのか?」

帝人の方を振り返って首を傾げる静雄にとりあえずやってきた公安の刑事である門田の方を指差すしか出来なかった。






「まったくお前は毎度毎度やらかしてくれるよな…!」

眉間に皺を寄せて怒鳴る門田に煙草を燻らせながら静雄は飄々とした態度を崩さずに「未然に防いだからいいじゃねえか」と言って更に門田を怒らせる。
そんないつもの様子を見ながら今日も公安と特殊班の面々は各々談笑し始めた。
杏里と話している帝人の元へそそくさと狩沢と正臣が近づいてその両脇を掴み、ずるずるとその場から引きずっていく。
ぱちぱちと目を瞬かせる帝人ににやにやとした笑みを浮かべた二人。能力などに頼らずともこれは嫌な予感がする。

「ミカミカ〜!本当班長のこと好きだよね〜!」
「犯人投げ飛ばした時『班長やっぱりかっこいいなー』って思ってただろ!」

両脇から頬を突付かれ見透かされて帝人は顔を真っ赤にして二人を振り払う。
女子高生のようにきゃーきゃー言って逃げる二人に帝人は怒りと恥ずかしさでわなわなと震える。
怒鳴り散らしてやろうかというところで静雄の手が帝人の肩を叩いた。

「何してんだ?」
「え、あ、いえ…その…」

おろおろする帝人の隣で静雄はちりじりになっている狩沢と正臣を呼びつけて帰還を促す。
焼肉!焼肉!とコールする遊馬崎と正臣をあしらって車へと押し込んで静雄は帝人を呼ぶ。

「ほら、帰るぞ。」
「はいっ!」

狩沢か正臣かまたは班全員の計らいかはわからないがいつの間にか静雄の運転する車の助手席が帝人の定席になっていて静雄も何も言わずにそれを受け入れている。
そうして走り出す車の中で帝人と静雄は今日も他愛もない話をしながら警視庁へと帰っていく。

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