ふ、と寒さで目を覚ました。 覚醒しきれぬ頭と視界に飛び込んでくるのは自分の家ではない天井。 (あぁ、そういえば昨日は静雄さんの家に泊まったんだっけ…) 雨の中、傘もささずに立っていた帝人を見つけてくれた静雄。 自分が濡れるのも構わずに壊さないよう細心の注意を払って抱きしめてくれた。 それから風邪を引くからと静雄の家に連れて行かれて、 それから… 『帝人…』 低く掠れた声で己を呼ぶ静雄の声と昨夜の痴態が脳内に蘇る。 『帝人、無理するな…』 『ゃ、だいじょぶ…です。今日は僕がシます、から…』 そう言って背もたれに寄りかかる静雄を跨ぐような形になり、既に猛っている静雄自身にゆっくりと入り口をあてた。 『ん…ン…』 時間をかけて慣らし、慣らされたソコはずぷずぷと静雄を飲み込む。 痛みはそこまでないとはいえ、圧迫感と異物感は拭えない。 ようやく半分まで入ったところで大きく息を吐く。 『え、ひぅ…!あ、あぁぁあぁ!』 突然の衝撃に帝人からは嬌声がひっきりなしにあがる。 静雄が突き上げて一気に帝人の中に自身を埋め込んだからだ。 『あ、ひゃ…あぁん…!し、しずおさん…きゅうに、やだぁ…!』 まるで子供が駄々をこねるように帝人の頭が左右に揺れる。 『帝人が頑張ってくれてんのが可愛くて、な。悪ィ、限界。』 静雄の手が帝人のものを擦るとすぐに帝人は達してしまう。 『…早ぇな。』 『ヤ…しず、さ…まだイッて…ふぅぅ…ん…』 静雄はイッたばかりで敏感になっている帝人のものを擦る手をやめず、そして深く突き上げ出す。 『きゃぅぅ!や、ナカ、ふか…ぃ…!』 いやいやと首を横に振る帝人だが、無意識に静雄の突き上げに合わせるように腰が動く。 『っ…!帝人、イイか…?』 耳元で囁かれる声に思わず帝人は静雄の頭をかき抱き、こくこくと首を縦に振った。 『……く…っ!』 『ぁ、アアアッ…!』 熱い飛沫が帝人のナカに叩きつけられ、帝人も本日何度目かの絶頂を迎える。 大きく息を吐いた静雄は帝人の中から自身を抜こうとするが、帝人がソレを締め付ける。 『み、帝人…?』 『ゃ、ぬ、抜かないでくださ…///』 きゅうきゅうと締め付けてもっと、と強請る帝人に再び静雄の質量が増す。 結局、帝人が気絶するまで行為は続けられた。 (う、うわぁぁぁぁぁ!!///) そこまで思い出して帝人は手近にあった枕に顔を埋める。 今なら恥ずかしくて死ねる…!とまで思う。 チラリと横を見るとすやすやと寝息をたてる静雄の姿。 『抱き潰しちまうかもしんねぇから。』 眠るとき、静雄は一切帝人に触れない。 帝人としては自分も男だし、そんな簡単に壊れないと思っているのだが、静雄はそう思っていないらしく、頑なにそれを守り続けている。 しばらくあまり見ることのない静雄の寝顔を堪能していると、突如その体がぶるり、と震えた。 起きてしまったのかとも思ったが、少し身じろいだだけで閉じられた瞳が開くことはなかった。 (寒いのかな…) 見れば布団は若干下方にあり、手を伸ばしても届かない。 無理に取ろうとして起こしてしまうのも忍びないのでどうしようかと考える。 そうだ、と思いついた帝人はそぉっと起こさないように気をつけて静雄に抱きついた。 (…これならきっと寒くないよね…?) 静雄が触れてくれないのなら自分から抱きついてみればいい。 そこまで自分は体温が高いわけではないが、暖もきっととれると思う。 すると、すぐに静雄の腕が帝人の体を抱き返す。 ぎゅうぎゅうとこめられる力に苦しくないわけではなかったが、それ以上に嬉しかった。 ―――ねぇ、帝人君…それってさ… 頭の中に聞こえてきた臨也の声に帝人は緩く頭を振る。 (気にしない。大丈夫。僕がただ好きなだけなんだから、何を言われても大丈夫…) 聞こえてくる静雄の鼓動にあわせるように帝人は静かに目を閉じた。 大好きです。 (触れることを躊躇わないで) 「…み、みかど…!?」 (すぅ…) 「え、ちょ、何で俺帝人を抱きしめて寝てんだ!?け、怪我とかねえよな…」 「んん〜!や、だ…(ぎゅうぎゅう)」 (!!これは一体どういうことだ!?) fin. |