眼鏡と裸眼と距離の計り方(亮十) |
「だぁぁ!また負けた!」
両手をあげて持っていたカードが宙を舞う。そうしてそのままベッドへと沈んでいった。
ゴロゴロと転がってむくれる十代を亮は呆れたように見ながらカードを片付けていく。
「あー…いいとこまでいったのになぁ……」
ベッドに大の字になる十代に亮は集めたカードを渡す。
「そうだな、あそこでキーカードを引かなければ負けていたのは俺だ。」
「…別に慰めてくれなくていいよ。」
起き上がって亮の手からカードを受け取り「さっきはごめんなー」と言いながらかけている眼鏡を弄る。
「それ、癖なのか?」
「それ?」
「手持ち無沙汰になるとすぐにかけている眼鏡を弄っているだろう。」
亮に指摘されて自分の手がいつの間にかフレームに触れているのを自覚する。
「いつからかけているんだ?」
「小学校くらいの時かなぁ…外で遊んでたら階段から転げ落ちて目がちょっと傷ついたらしくて一気に視力がた落ち。」
あははと笑う十代に亮は苦笑いを零す。
十代らしいといえば十代らしい。
それからふと気になり、亮は十代に近付いて、かけていた眼鏡をとってしまう。
「カイザー?」
急に奪われた視界に十代は少しでも見えるようにと目を細める。
うすぼんやりと亮の姿は見えるがどんな表情をしているかまではわからない。
「外すとどれくらい近付けば見えるようになる?」
そう聞かれたので十代は亮の顔が見える位置まで顔を近づけていく。
ぼんやりとした輪郭が次第にはっきりとしていき十代が愛してやまない瞳がそこにある。
(あ……)
気づけば互いの吐息がかかるくらいまで近付いていた。
吸い込まれる。
そう感じたとき、十代は自然に亮の唇に口づけていた。
触れるだけのキス。だが十代からしたのは初めてだ。
眼鏡を外しているから亮の表情は伺えないがそれでよかったと十代は思う。
きっと表情が窺い知れていたら羞恥心で死ねる気がする。
「…十代。」
名前を呼ばれて顔を上げるとすかさず今度は亮からキスされた。
触れるなんて可愛らしいものではなく深く舌を絡ませるような恋人同士のキス。
「ふぅ、ん、んむ……」
時折耳に入る自分の声はいくらしても苦手で耳を塞いでしまいたくなる。もちろんそれを許されたことはないが。
ようやく唇が離される頃には十代は亮に縋り付くような形になっていた。
「やっぱりキスするときは眼鏡を外してる方がいいな。」
なんて言うものだから十代は亮の胸を思い切り叩いてやった。
でもだいすき。
(キスしたいときはめがね、はずそうかな…)
こ、こんな感じでよろしかったでしょうか…
全部まだ見てないので己の解釈でこんな感じになってしまいました…
そして亮十。
やっぱり亮十が一番書きやすかったので…というか亮十しか書けないかもということに気づきました。
持ち帰りも苦情もはるか様のみ受け付けております。
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