Going to school





その場所は混沌の体現

その世界は矛盾の重層

それは、ありえなかった筈の邂逅



世界を異にし、時代を異にし
種族を異にし、性別を異にし
信条も生き方も違う者達が相集う場所。

決して同じ立場とはなれず
しかし、互いに向き合うことは叶い
いずれは背を向け合う結末が待とうとも
今はこの限られた空間の中で、同じ時間を過ごしてゆく。

その歪なる場所とは学園。
その場に属し、会するは生徒と教職員。
只の一人であっても、一般とは一線を画する常識外の存在達は―――――






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「おはよーございます、マリオさん」

「イヤッフー! 今日も元気だねピーチ。
 何かいいことでもあったかな?」

「あ、その、朝から会えて嬉しってえええと何でもないデス!
 ああああの! そんなことより、この前ヨッシーさんが
 『ピーチにキノコで1アップとか、全くエロいな旦那はよぉ』って言ってたんですけど
 1アップって意味がよく解んなかったんですが、キノコお好きなんですか?
 ……あれ、マリオさんどうしたんですか? そんな、箒を握りつぶして」

「うん、ちょっと緑色の爬虫類を〆てこようと思ってね。
 とりあえず落とすか。穴に」

「私も手伝いましょうか、生徒的に。
 あとピーチはちょっと後でお話し合いしましょうか、後輩的に」

「デイジーちゃん!?
 何時の間に現れたの?」

「ずっと一緒にいたでしょうが。
 真理夫さんを見た瞬間、誰かさんの頭からは私の存在が消えたみたいだけどね」

「よく解らないけど、手を貸してくれるのはありがたい。
 じゃぁ、僕が穴を掘るから、デイジーは落ちた後で一緒に埋めてくれるかな。
 あの馬鹿緑は、穴に落としただけじゃ懲りないだろうし」

「呼んだ?」

「うん、ルイージ。呼んでないから。
 つーか、今ので呼ばれたと思うな悲しくなる」




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「ふぅ、いい朝だな」

「ダンボールから出てきて何ほざいてんですか、そこの浮浪者」

「おいおい、いきなりお言葉だなサムス」

「それはすみませんでしたね、この住所不定」

「はぁ、起きて早々ヘビーなことを言ってくれる」

「蛇(スネーク)だけに?」

「…………」

「…………」

「…………ふっ」

「よし、死になさい」




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「おお、サムス先生が今日も元気に射まくりだなぁ」

「それを全てかわす辺りがとってもスネーク先生だね」

「ファルコーンパァァァァァァンチ!!!」

「……そういやアイク。また後輩からラブレター貰ったんだって?
 やれやれ、もてる男は羨ましいな」

「マルス、君に言われたくは無いよ。
 何度も告白されてるんだろ? 全部断ったって聞いてるけど」

「仕方ないだろう? 僕より綺麗な子がいないんだ。
 つまらない相手を恋人にするくらいなら、鏡を見てた方が有意義だよ」

「いつか君刺されるぞ」

「ファルコーンキィィィィィィィィック!!!!!」

「「…………やかましいっ!!!」」





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「今日、ファルコンダイブってるのはアイク先輩とマルス先輩か。
 珍しい取り合わせだなー」

「ファルコン先生もねぇ。
 気合を入れるためだからって、朝から奇声を上げるの止めたらいいのに。
 ロイは参加しなくていいの?」

「いくらあの二人が幼なじみだからって、朝っぱらからの激しい運動はごめん被る。
 しかし、それで言ったらお前が羨ましいよ。
 あのゼルダ先輩が幼なじみなんだもんな。
 なぁ、あの二人と交換しないか?」

「無理」

「即答とスマイルは0円です、本当にありがとうございました」

「お釣りはいらないよ。
 まったく、誰とだって交換なんてするわけないじゃないか。
 僕が何のためにこの学校を志望したと」

「おはよう、リンク君。
 今日は遅いのね、寝坊しちゃった?」

「え、あ、お、おおはよう、ゼルダお姉ちゃん」

「こら、ダメよ。
 学校ではお姉ちゃんじゃなくてゼルダ先輩、でしょ?」

「ご、ごめんなさいゼルダ、先輩」

「よろしい、それじゃまた弓道部でね」

「…………あれ、俺ここでリンク殺しても許されね?」







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「イィィィィヤッハァァァァァァァァァァァァッ!!!!俺は速い俺は速い俺は風俺は光!!
 俺より先に行く者無く俺と共に走る者無く俺より後に来る者無し!
 ラブもコメも話の筋も前後の繋がりも俺の前では等しく無意味!
 何故ならば俺こそ最速だからだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」

「つまり、ぼっち?」





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「さっきの高速で壁に激突してた馬鹿は誰だ?」

「ソニックじゃないですか。よく見えなかったけど、たぶん。
 さっき、カービィが近く通ってたから
 また、あの球体に似合わん鋭い言葉をぶん投げられんじゃないです?」

「……あのピンクの悪魔がっ、許せんっ!」

「落ち着けスパイダーマン、じゃなかったデデデデ大王先輩」

「デが多いわっ!!!
 名前に言い易さを求めるな!」

「じゃぁ、落ち着けデ大王先輩」

「今度は少ないわっ!!! より言い辛くしてどうする!?
 最近、先輩への尊敬の気持ちが無くないか?」

「ははは、馬鹿なことを言わないで下さい。
 このメタナイト、わざわざ先輩へと捧げる尊敬の気持ちなど
 ハナから持ち合わせてはおりません。
 ところで大王先輩って呼びにくいから、もういっそデデデでいいですか?」

「どうやらピンクの悪魔より先に殺らねばならん奴がいたようだな」

「…………デ?」

「ぶっ殺す!!!!」





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「「今日もデデデ先輩は元気だね。
  あのハンマー捌きはあなどれない」」

「それを避けつつからかう手を休めないメタナイトは何者ですかね」

「「それは言わないお約束だよピット君」」

「はぁ、ああいうの見てると、何だかへこんじゃいますねー。
 キャラ薄いよなぁ僕って」

「「……ピット君、確かその羽は自前だよね」」

「そうですが?」

「「その弓も自分のだよね」」

「スタンドも目覚めさせられないような普通の弓ですけどねー」

「「ほほぅ、引き絞るだけで矢が装填される弓が普通とな?
  更にその格好は強制されたわけじゃなくて、自分で選んで着てる?」」

「もちろんですよ。
 この頭のアクセ、お気に入りなんですよねー」

「「月桂樹の冠がアクセサリーと申したか。
  ……うん、ピット君」」

「何でしょう」

「わざわざ重ねて喋ることで」「個性を出してる僕たちに」「「謝れ貴様」」

「!!?」






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「おぅ、ちょいと匿ってくれや」

「何だ、アイスクライマーの二人が騒いでいるようだが
 何かちょっかいでもかけたか」

「そいつは別件だ。ピットの野郎が下手やらかしただけさ。
 俺の方は、ちっとばかし調子に乗りすぎちまってよ。
 旦那の怒りを買っちまったのさ」

「またか。
 そのうち、本気でトドメを刺されるぞ」

「解っちゃいるがね。旦那は奥手な上、鈍感なんでよ。
 気が付いたときにゃ、運命的な出会いも時の彼方だ。
 たとえおせっかいと言われようが、俺みてぇな周囲の後押しが必要なのさ」

「急いては事を仕損じる、て言葉もあるんだ。
 やり過ぎは禁物だろう。
 ほれ、そこのを見習って少しはのんびりすることを学んじゃどうだ?」

「すぅすぅ」

「やれやれ、暢気なもんだ。こんな喧噪の中で熟睡かい。
 こっちも毒気抜かれちまうよ」

「お前は抜かれてちょうどいいくらいだろう」

「手厳しいねぇ。
 そんじゃま、改めて朝の挨拶といくか」

「ああ、それじゃ」

「でっていぅ!」

「ぴっかちゅー!」







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「ポケモン、ゲットだぜぐはぁっ!」

「俺のどこがポケモンに見えた飼育委員。
 目か脳が腐ってんのか」

「い、いやゴメン、クッパ。
 ちょっとゼニガメと見間違えて」

「よーし、そんな役立たずな目はいらんな。
 ちょっと待ってろ抉ってやる」

「おい待てクッパ、私が先だ。
 れっきとしたポケモンたる私、ルカリオが傍にいながら
 頑スルーとはいい度胸しているじゃないか。
 波動拳、昇竜拳、竜巻旋風脚、どれがお好みかね?」

「ま、待った! 確かにルカリオははどうポケモンだけど
 波導ポケモンであって波動ポケモンじゃない筈だ!」

「だが無視する。速やかに死にたまえ」





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「おはよう、オリマー。
 今日もピクミンが綺麗に咲いてるなぁ。

「花はいいね、人類の心だよ」

「うむ、おはようネス、リュカ。
 園芸委員として、手を抜くわけにはいかんからな。
 ところで見慣れない植物があるのだが」

「見慣れない植物って……」

「……何してるんだい、フシギダネ」

「不思議だね? いや確かに不思議ではあるのだが。
 君たちには見覚えがあるのかね?」

「あるも何も、クラスメートのペットじゃないか」

「何だ、ペットだったのか。
 どおりで口が付いてると思った」

「口が基準なんだ。
 オリマーも、もうちょっと教室に来ようよ。
 外にいる時間の方が多いって、先生から怒られるよ」

「むぅ、しかし常に面倒見てないとピクミンはあっさり枯れるからなぁ。
 具体的には数分程度で半死」

「どんだけ虚弱なの!?」

「植物なだけにもやしっ子なのだよ」





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「俺のバナナを食ったのは誰だ−!」

「俺だよワリオだよ!」

「僕のバナナを食べたのは誰だ−!」

「俺だよワリオだよ!!」

「私ノバーナーヲ盗ンダノハ誰ダー!」

「俺だよ違ぇよ誰だよお前は!?」

「ロボットデス」

「ロボだと!?」

「そこで胸叩いて威嚇すんなよ猿。
 ディディーは落ち着いてっけど知り合いか?」

「いや驚きで固まってるだけだって。
 僕も初めて見るよ」

「本日カラコノ学園ニ転校シテキマシタ。
 アア勘違イシナイデクダサイ。
 ロボットハ私ノ名前デス
 ソンナ自立稼働スルロボダナンテ非科学的ナ」

「黙れ科学の申し子」





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「そこで真新しいバーナー拾ったんだが
 フォックス、お前のバーナーじゃないか?」

「いや、初めて見る型だな。
 君には心当たり無いか、ファルコ?」

「ふむ、私にも記憶に無いな。
 第一、ランドマスターに使うには小さ過ぎる。
 個人用に使うものじゃないか?」

「個人でこんなバーナーを使うのは自殺行為としか思えんが。
 まぁ、万一捜しているヤツがいたら声を掛けてくれ」

「ああ、了解だ。
 ところでウルフ、今日も走りにいくのか」

「当然だ! 今日こそファルコに空中戦で負けたリベンジをしてやる!」

「ふっ、返り討ちにしてやろう」




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「ふむ、今日も皆の様子は変わりませんな。
 いつも通りに騒がしく、いつも通りに喧しく、いつも通りに姦しい。
 つまりは万事平穏ということだ。
 そうではありませんか、ゲームウォッチ校長」

「――――――――」

「まったくですな。私もそうありたいものです。
 しかし、平時において乱を忘れず。
 教育者としての立場上、この平穏をただ甘受するわけにもいきますまい。
 生徒たちの指標となり、礎となってこそ、真の教育者足りうるのではありませんか」

「…………」

「無論です。厳しいだけでは反発を生むばかりでしょう。
 解ってはおるつもりなのですが、ままならぬものですな」

「(゜∀゜)b」

「そう言って下さるだけでも、仕事に打ち込む甲斐があるというものです。
 ええ、それではまた後の会議で。
 ―――さて、と。貴様ら、もう予鈴がなるぞ!
 たとえ1秒であろうとも遅刻したものは
 このガノンドロフ、容赦せん!!!」

「「「「やべぇっ!!?」」」」







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――――――――――常識外の存在達は、意外と平和な日常を過ごしていた。




ここは、スマブラ学園
スマイルとブラックに満ちた学園。
それを略して呼ばれるようになった説があるが真相は定かではない。

これはスマブラ学園にて青春を過ごす人外魔境たちの
愛と勇気と希望と装飾と虚偽に満ちた物語である。






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