Half Moon Love(中)


――赤ちゃんを作ろうと決めてからすぐに、
僕と里香は、主治医さんや、若葉病院の産婦人科に、ちゃんと相談をしにいった。
そして、僕も含めて色々と面倒な検査を受けた結果、
改めて、里香が赤ちゃんを産むことにお墨付きをもらえたのだ。

その良い結果を聞いた時、僕はかなりほっとしてしていたが、
里香はというと、にっこりと笑って喜んでいた。

なんだかあの里香らしくもない気もするが、無理もない、と僕は思った。
何故なら、もしも里香が赤ちゃんを産むことが出来ないということになれば、
彼女自身が落ち込むのはもちろん、子供を作ることを持ちかけてきた僕との関係にも、
多少の悪影響が出てくるのは避けられないからだ。

‥‥そう考えると、里香は結果が分かるまでかなり不安な気持ちを抱えていたハズだ。
しかし、彼女の深刻な顔は、僕は見なかったような気がする。
全く、里香ってのは、ほんとに……。
さて、正式に「子作り」がスタートしてからというもの、
里香は何やら、几帳面に自分の体温を測るようになった。
毎朝、目が覚めた後、動かずに寝たままの状態で測った体温を、ノートに記録するのだ。
何でも、基礎体温というものを測っているらしいが、僕にはよくわからかった。

だが里香はちゃんとノートを作って体温や日付を計算したりして、
自分の、妊娠しやすい日、いわゆる「危険日」を把握するようになり、
そのことを僕に知らせてくれるようになった。
そして、今朝も里香から、子作りのお誘いがあったのだ。
その流れも、だいたいいつもと変わらなかった。

僕が里香の作ってくれた朝食を食べていると、
エプロンをほどいてテーブルの椅子に座りながら、里香が話しかけてきた。
「えっと……」
恥ずかしそうにうつむきながら、彼女は言葉を紡ぐ。
「今日からたぶん三日間くらいは、その……可能性が高いの。だから……」
朝っぱらから、こんな調子の里香を見てしまうと、これから出勤だというのに股間がきつくなってしまう。
と同時に、生きる為の気力が、腹の下辺りから湧いてきた。
「よしわかった!とりあえず今日は早く帰れそうだからさ、
 スタミナの付きそうなもんでも作って待っててくれよ」
僕の言葉に、里香は苦笑しながら返事をする。
「……いいけど、そんな風に、鼻の下伸ばしたままで会社に行かないでよね」
おっと、僕のやる気が顔に出てしまっていたらしい。
「うっ……だって、里香とエッチ出来るの、楽しみなんだから仕方ないだろ?」
僕が正直にそう言うと、里香は顔を赤らめながらも、しかし冷たく言い放った。
「裕一の馬鹿っ、スケベ……」
なんとも可愛い態度だ。
そう思いながら僕は残りの朝食を急いでかっ込んで、席を立つ。
出勤するためには、歯を磨き、パジャマから着替えなければいけないからだ。
その後は、特にいつもの朝の風景と変わらず、
僕は里香に見送られて出勤したのだった。

そして、こういう日は決まっていつも、僕は里香に言った通り出来るだけ早めに帰宅する。
家に帰り着くと、里香が作ってくれた、精の付きそうなメニューの夕食を食べ、里香と順番に風呂に入る。
二人が寝室に揃うと、ベッドの上で赤ちゃんが出来るように事に励む。
それが、最近の僕と里香の習慣だった。
……いわゆるセックスレスとまでは行かないものの、
実際、子供を作ると決める前までの僕と里香の関係は、性的な意味においては質素だったと思う。

何故なら、まず第一に、僕が里香の体調を気遣って、そんなにセックス自体を求めなかったし、
するにしても、あまり激しい行為をしなかったからだ。

里香にしても、僕の気遣いを裏切るまいとしてか、
彼女の方からの誘いというのは、皆無に近かった。

また何より、今までは僕も里香も、
お互いの傍にいられればそれで幸せ、という節があった。
……改めて認識すると、なんとも甘酸っぱい考え方ではあるが。

だが、赤ちゃんを作るためという大義名分が出来たせいで、
僕も里香も、最近では結構貪欲に快感を求めるようになっていた。
例を挙げれば、
里香は、以前は嫌がっていたフェラチオを、
場合によっては率先してするようになっていた。

詳しく説明すると、一度膣内に射精して疲れ切った肉棒を舐めしゃぶって刺激を加えて、
再び膣内に射精できるようにしてくれるのだ。
僕のフニャチンに一生懸命奉仕して、
ガチガチになるまで愛撫してくれる里香の姿は、
それこそ思い出しただけで勃起してしまう。

あるいは、里香が僕に愛撫された時の反応も激しくなっていた。
里香が、僕に手なり口なりで、秘裂を愛撫されて達した時のことだ。
彼女は、潮吹きと同時にプシャアッ……チョロチョロとお漏らしまでしてしまったのだ。
里香が僕の愛撫で感じてくれるのは大いに嬉しいけれど、
流石にその時は慌ててしまった。
何せ、ベッドの上でしていたのだから。
また、僕も出来るだけ里香を愉しませてあげたいと思って、
多少、場所や体位、あるいは衣装を工夫することもあった。

特に記憶に残っているのは、
わざわざ、半分の月がのぼる夜に、砲台山の頂上へ行って、
月を見ながらセックスしたことだった。
もちろんそれは、半裸での青姦だ。
しかも、里香の両手を砲台の台座に付かせておいて、それをバックでガンガン責め立てたので、
僕としてはかなり興奮したのをよく覚えている。
里香の膣の締め付けも、普段よりきつくて気持ちよかった気がする。
もちろん僕は、一滴残らず彼女の中に注ぎ込んだ。
そして帰りは、僕が里香をおんぶして、山の麓まで運ぶことになった。

……なお、家の中では、実は風呂場でするのが、僕と里香のお気に入りだった。
主な理由は、事後の後始末が楽だったからだが、
身体を洗うための鏡に、お互いの姿が映し出されて興奮する、というのもあった。

もちろん、お風呂場にはベッドが無い。
だから、片足で立ったままの里香の、
もう片方の足と、更にそれとは反対側の方にある胸を、
僕が後ろから抱えて挿入するという、
ややワイルドな体位でセックスすることになる。
なお、この体位は、里香の身体が小柄で、体重も軽いからこそ可能なものだ。
それでもバランスは悪いので、
里香の右手は風呂場のタイル張りの壁に付かせていて、左手は僕の肩に回されている。
「……里香も、こうやるの嫌いじゃないだろ? 
 ほら、俺のチ●ポが、こんなに深く里香の中に入っててさ。気持ちいいだろ?」
「そ、そうだけど、ばか、やめてよぉ……!」

風呂場の蒸気と熱気にまみれながら、僕と里香は繋がろうとしていた。
もちろん、身体を洗うための鏡に、お互いが結合したあられもない姿を映し出しながらだ。
風呂場の湿気でしっとりと濡れた里香の長い黒髪が、
鏡に映った像の艶めかしさを、より一層際立たせている。
ちゃんと照明がついている分、かえって生々しい。

何年か前の、僕に出会う前のわがままで潔癖だった頃の里香が見たら、
恥ずかしくて死んでしまいそうな状況だ。

僕は、もう少し里香に意地悪がしたくなった。
わざと股間に力を入れてペニスを脈動させながら、腰を振って出し入れする。
すると、その上下運動に合わせて、里香の秘部は僕の赤黒いペニスを、
ジュブブッ……と、飲み込んで蠢いてしまう。
ペニスを抜く動きをすると、
里香のサーモンピンクの秘裂が、僕のペニスに絡みつく様子が見え隠れする。

その様子を見て、里香は更に目を丸くし、頬を赤く染める。
僕の上半身は里香に密着しているから、お互いの顔がよく見えた。
また、口づけをするにも都合が良い。それも、この体位の良いところだった。
僕は里香を恥ずかしがらせながら、確実に快感を高めていった。

「ふあっ、っ……!ひっ、もう……!あんぅ……もっと、してぇっ……!」
しばらくすると、里香の口調通りに、
彼女の膣もヒクヒクと蠢き、吸い付きながら僕を迎え入れてくれるようになっていた。
「あぁ、俺も我慢出来ないよ……っと、んっ」
僕の方も、里香との体格差と、重力の影響で、
いつもより挿入しやすくなっているので、実に気持ちいい。
しかも、左太股を抱えている左腕を動かすと、
抜き差しのスピードや、挿入の深さを結構自由に調整することが出来る。

快感に慣れて余裕が出てきた僕は、また里香を言葉責めしてみることにした。
「里香とするの、マジで最高だよ。
 凄く里香の中気持ちいいし、それに里香だって、もうどこ触られても感じちゃうもんなぁ」
僕が里香の白くて柔らかい太股をもみもみと揉みながらそう言うと、
里香はイヤイヤするような感じで喘ぎながら否定する。
「ゃだぁっ……言わない、でぇっ……!」
「良いじゃないか、だってホントのことなんだし」
更に僕は、亀頭だけを里香に埋めながら、舌を突きだして彼女の唇を奪う。
「りかっ……んっ」
チュッ、レロっ……レロっ……。
里香は、快感に目を瞑り、素直に僕に口づけを合わせてくる。
かつてのワガママ娘がここまで変わったのかと、僕は妙な風に感動した。
チュッ、んちろっ、ちろっ、ちろっ……。
僕と里香の口が生み出す、可愛げのある粘膜接触の音が、お風呂場に響いていた。

さて、僕だけが気持ちよくなるのも悪いし、
そろそろ、お互いを絶頂に導いてゆく必要があると思った。

そこで僕はまず、里香の小振りな右胸を、右手で弄ってやることにする。
丁度掌に収まるくらいのサイズの乳房をグニッグニと揉まれると、
彼女はまるで電気が走ったみたいに、全身をビクッと強ばらせた。
「んっ……ああぅっ……!!ひっん……!」
同時に、里香の秘裂がきゅんと僕を締め付けてきて、射精を促す。
この調子なら二人ともイケそうだと、僕は手応えを感じていた。

僕は更に、ペニスを里香の膣壁にこすりつけながら、
彼女の右乳房を円状にこねくり回したり、
ひどく敏感な乳首を軽くギュッと摘んでやったりした。
その度に、里香は身体を震わせたり、
絶頂の予兆なのか、腰を反射的にビクッと引くようになっていた。
もっとも、腰を引いたところで、
今の彼女はほとんど地に足を着けていない上、
すぐに僕が押さえ込んでしまうから、かえって彼女の快感は高まったらしい。

そんなことを何度か繰り返している内に、僕と里香の息は荒くなっていた。
また、僕の左肩に回されている里香の左腕は、
疲れてきたのか、あるいは快感のせいか、少し力が抜けてきているようだった。
しかし、彼女の膣は、断続的に強い締め付けを繰り返してきていて、
絶頂が近いことを知らせてくれていた。
僕にしたって、言うまでもなく既に限界が近い。
それを体の芯に響くような快感で認識しながら、
僕は愛撫を少し弱めて里香に話しかけた。
「りか……っ、俺、きもちよくて、もう……!」
「あ、あらひもっ、らめっ……!!
 らから、ゆいちのあかちゃんのもとたくさんっ、なかにほし‥‥ひぁんっ!」
里香はもはや呂律も回らなくなりながら、
それでも必死に僕に膣内射精を懇願してくる。

……こんな風に里香に求められたら、もう僕も歯止めが効かなかった。
一番奥に一杯出して、孕ませてやりたい!
僕は、左腕を使って里香の腰を上に持ち上げ、
同時に腰を上下前後に振って、里香の中をジュッポジュッポと貫く。
「ふああ、あああんっっ……!!」
ラストスパートに入った僕の動きに、里香は一層激しい反応を示した。
「はあんっ‥‥!!やだっ、来る、くるよぉ……!」
絶頂に押し上げられながら、里香は腰をしなやかにくねらせ、僕を思い切り締め付けてくる。
僕も同じように、絶頂に向かいながら里香を突き上げる。
そして、ついに限界が来た。

「はぁっ‥‥出すぞ、里香!いちばん、奥で出してやるからなっ……!」
僕がそう言うや否や、ドピュッという快感の迸りと共に、
濃厚な子種に満ちた精液が、僕のペニスから、危険日の里香の胎内へと吐き出される。
自らの身体の奥で爆ぜたモノに呼応するように、里香も達した。
「ひっ……!!!ゆ…ゆういひぃ……!大しゅきいッッ……!!!」
精液をビチャビチャと膣内に叩き付けられながら、
里香は僕の名を叫び、激しくギュゥッとペニスを締め付けてくるのと同時に、
あられもなく開いている足を、ピーンと強ばらせている。
僕はいつも通り、里香の中に一滴残らず注ぎ込まざるを得なかった。
手や腰がプルプル震えていたのが、我ながら情けなかったと思う。
ともあれ、僕は快感に腰が抜けそうになりながらも、
何とか自分と里香の身体を支えきったのだった。

……それから、僕と里香はつながったままで余韻を楽しみ、
その後お互いの身体を洗ってから風呂を出て、そして隣り合って寝たのであった。


また、ここで取り上げたお風呂場での一件以外にも、
僕と里香は最近、色々工夫して、存分にお互いを気持ちよくしあっている。
その行為のどれもが、僕と里香の心と身体を一つにしてくれた。


――そして、今晩は、どんな風に里香と子作りをするのだろう。
無事に仕事を終えて家に帰り着いた僕は、
里香が待っている家の玄関に向かいながら、期待に胸躍らせていた。


僕が家に帰ってきて玄関の扉を開けると、
予想通り、里香が実にお嫁さんらしく出迎えてくれた。

『あなた、お帰りなさい。ご飯にする?お風呂にする?
 ……それとも、あ・た・し?』

……なんて、あの里香が言うハズも無かったが、
もう実際はそれに近いところがあった。
順番を聞かれないのと、あとは態度に示さないだけなのかも知れない。
もっとも、里香に答え合わせをしてみたら、きっと違うと言うのだろうけど。

さて、その後は、
例によって、夕食を摂って、お風呂に入って、
最終的には、里香と二人で寝室にいた。

まぁ、身も蓋もないことを言えば、
セックスを始める為のムード作りのようなものだ。
今はともかく、何かきっかけがあれば、すぐにでも事が始まってしまうだろう。

とはいえ、しばらくは、ベッドの上で二人仲良くテレビ番組を見ていた。
最近地デジ化をしたおかげで、映りは良い。

が、僕としては、テレビ番組の内容よりも、
よほど重要なことがあった。
それは、近くにいる里香の髪から漂ってくるシャンプーやリンスの香りや、
桃色で薄手のパジャマのおかげで、ほどよく浮き出た里香の肢体のラインだ。
僕は、やはりあっけなく我慢が出来なくなった。
「あのさ」
僕がそう話しかけると、
壁に背中を預けて、ルーズな体育座りとでもいうような姿勢で動物番組を見ていた里香は、
視線を僕の方に振り向けて返事をしてくれる。
「ん?」
大きくて黒々とした里香の瞳が、僕を見つめ返してくる。
僕は恥ずかしくなりながらも、少し遠回りに要件を切り出した。

「里香って可愛いな、ほんと。
 髪の毛も、こんなにキレイだ」
僕が里香の長い髪の毛を、右手でサラサラと梳きながらそう言う。
一応、これでも出来るだけ言葉を選んでいるつもりだ。

すると、少し嬉しそうな顔をしながら、里香は返事をしてきた。
「毎日見てるし、触ってるのに、よく飽きないのね」
と、意地悪げな口調で投げかけられたその言葉を、
僕はそっくりそのまま里香にお返ししてやった。
「そりゃ、お前だって同じだろ?」
僕がそう言い返すと、里香はそっと目を瞑って、
彼女の肩を僕の肩にトン、と寄りかからせてきて、小さい声で呟く。

「……だってあたし、裕一のこと好きなんだもん」

昔に比べれば丸くなったとはいえ、今でもあまり素直とは言えない里香が、
こんなことを言うなんて……これは反則級の可愛さだ!
何とも言えない温もりが、僕の心を満たしていって、
それは間もなく、体の芯をグツグツと燃やすような熱へと変わっていく。
僕は、テレビの電源をリモコンでプツンと切った後、里香に話しかける。

「里香……、俺も、お前のこと大好きだよ。
 だから、里香との子供、早く欲しいんだ」
僕は目を瞑って、里香の左手を握ってそう言う。
「うん……そうね。
 あたしも、裕一の赤ちゃん欲しいわ」
里香は僕の手を握りかえしながら、
穏やかながらも熱を帯びた口調で返してくる。

……その後、僕と里香は、どちらともなく抱擁やキスを始めてゆき、
気付けば、唇を絡み合わせたまま、二人でベッドに倒れ込んでいた。
今晩の睦みごとは、そうして始まった。
初めは、抱き合ったり軽くついばむようなキスをしあうだけだったのが、
お互いの息が荒くなるにつれて、少しずつ行為が激しくなってきた。
僕と里香は、一、二枚の布越しに、
お互いの身体の熱い部分をまさぐりあったり、撫であったりした。

「はぁ……っ……うっ……」
「やぁんッ……!ああんっ……」
僕は里香の甘い息を浴びながら、
無性に自分自身と里香の衣服を剥ぎ取りたい衝動に襲われた。

――もっと、里香と近づきたい。

パジャマを着ている里香は確かに可愛いけど、
今は布一枚の隔たりだって、里香との間に欲しくは無かった。
僕は、一時里香とのキスを止めると、
まずは自分の上半身に着ていたパジャマを脱ぎ捨てた。
次に、下半身に穿いていたパジャマと下着を、
ぐいっと強引にずり下ろし、その辺りに脱ぎ捨てた。
(どうせずり下ろすなら、里香のパンツの方が良いんだけどなぁ)
等と考えるのは、我ながらしょうもない性である。

すると、戒めから解き放たれた勢いで、
僕の愚息が弾力性を帯びて、ポロンッと外の世界へと飛び出した。
それが運が良いのか悪いか、ちょうど里香の右手の平に当たってしまった。
「おぅ……」
ペニスが里香の柔らかい手の平の中へと、すっぽりと収まった瞬間の感覚に、
僕は思わず妙な声を上げてしまった。
「……」
里香は無言のまま、
少し怒っているような、あるいは恥ずかしそうな表情をしたあと、
そっと指先で僕の亀頭を撫でて、突いた。
その刺激に、僕の愚息はピクンと震えた。

僕のペニスの反応を、面白いと思ったのだろうか。
気を良くしたらしい里香は、白くて柔らかい右手で、
僕のペニスを優しく弄んで、ガチガチに勃起させてくれた。
適度に力を込めて竿を揉んだり、
先走りの染みだした鈴口を、くすぐるように触ってきたりして、
気持ちよくなる為の強弱もちゃんと付いていた。

もちろん、僕だって負けていなかった。
里香の腰や背中をひとしきり撫でたあと、
パジャマのボタンに手を伸ばす。
里香は、『したければ、お好きにどうぞ?』という風な顔をしていたので、
僕もお構いなく、彼女のパジャマを脱がせた。
近頃はだいぶ外し方が分かってきたブラジャーも、スッと取り外す。

すると、今までパジャマの中に隠されていた里香の乳房や柔肌が、
蛍光灯の灯りの下に露わになる。
僕は思わず、ごくりと息を飲んでしまう。
そんな、相変わらずの僕の様子を滑稽に思ったのか、
里香がクスリと微笑む。
「な、何だよ……笑うなよ」
僕はそう言いながら、里香の秘裂に右手の指先を伸ばす。
里香の穿いていた紐パンの紐をほどいて、
そのデルタ状の布をスッと取り去ると、慎ましい茂みに守られた、里香の秘部が露わになる。
僕は右手の人指し指で、その奥にある秘裂をそっと下から上に撫で上げる。
「ひゃっ……!」
里香は目を瞑り、くすぐったそうに身体を小さく震わせた。
そして負けじと、僕のペニスを握りかえして、グニグニと弄んでくる。

……そんな風に僕と里香は、ベッドの上で横たわりながら、
互いを愛撫して、少しずつ昂ぶっていったのだった。
気付けば、二人とも十分に身体を火照らせて、良い感じに出来上がっていた。
里香の秘裂は、僕と結合する為の淫蜜を滴らせていたし、
僕のペニスにしたって、先端から先走り液を滲ませて、痛いくらいに硬く大きく反りかえっている。
そんな光景を見た僕は、我慢が出来なくなって、里香に懇願することにした。
「里香、そろそろ……」
自分のプライドが保てて、里香もイヤな思いをしない。
そんな言い方をしたつもりだった。

すると、里香はベッドの上で上体を起こすと、
僕の腰を軽く掴んで動かして、僕の身体を仰向けの体勢にした。
そして里香は、僕のふとももの辺りに跨るように座ったのだった。
まぁ、いわゆる騎乗位の、挿入していないバージョンだ。
反り返ったペニスが、里香の秘裂に触れるか触れないかという感じで、
なんだかとてもいやらしい。
また、僕から見た里香の姿や表情は、部屋の蛍光灯で逆光になっていて、
しかも上から見下されている感じがして、妙な扇情感があった。
里香の両手はベッドの上に置かれていて、少し無防備な感じがする。
また、灯りを付けたままするというのも、かえって非日常感が煽られて良い。

……そんな状況下で、僕はゴクリと喉を鳴らしてしまった。
すると、里香はそれをきっかけにしたかのように、口を開いた。
「裕一……、今日は、その、あたしがう‥‥動いてもでいいかしら?」
恥ずかしそうに、やや伏し目がちになりながらそう言う里香は可愛かった。
僕と身体と重ねること自体には、もう慣れているだろうにも関わらず、
こうして時たま恥じらいを見せてくれる里香は、本当によく出来た女の子だと思う。

もちろん、そんな里香の希望なら、僕はどんなアクロバットな体位だってする気だ。
だから、騎乗位で自分のペースで動きたいなんて希望は、僕としても願ったり叶ったりだった。
「そりゃ大歓迎だよ。里香の好きなようにしてくれ。
 ……でも、いきなりあんまり早くしないで欲しいな。こういうのは、ゆっくり楽しまなくちゃ」
「……裕一の、変態」
里香は少し真面目な顔をしながら、そう短く応じた。
どうやら、今の僕の言葉に暗に込められた、身体を気遣って欲しいというメッセージが通じたらしい。
僕は里香のことを、より愛おしく感じてきた。
だから、ついつい彼女の丸い腰を掴み、
秘裂にペニスの裏筋を押し当てて、自らの腰を動かしてしまう。
熱く敏感な粘膜同士が、ヌルヌルと擦りつけられ合ったせいで、里香は小さく声を上げて震えた。
「ひゃっ……!」
「ほら、里香が早く入れてくれないから、我慢できなくてこういうことしちゃうよ。
 俺、里香のこととなると変態になっちゃうからね」
「うぅ……馬鹿」
里香のペースに任せると言ったのに、僕は意地悪だろうか。
こういった振る舞いは、むしろ里香に似合うような気がした。
もしかしたら、里香の癖が移ったのかも知れないなと思いながら、
僕は里香の秘裂に執拗にペニスを擦りつけ続けた。

すると、不意に里香の右手が僕のペニスをギュッと握って来た。
亀頭の辺りが、里香の柔らかい手の平に包まれる。
「うおっ」
僕が思わぬ不意打ちに声を出して、その一瞬後に里香の顔を見上げると、
彼女は眉毛を釣り上げていて、ちょっと怒っているようだった。
やはり、僕の方から何か言って謝ろうとでも思っていたところ、
里香は僕のペニスを握ったまま、膝立ちをして自らの腰を浮かせた。
次に里香は、身体をごく小さく震わせながら、
秘裂を左手の人指し指と中指でクチャッ……と広げる。
蜜を滴らせながらヒクヒクと蠢く紅い肉襞が、
赤黒い亀頭からわずか数センチの高さに花を咲かせた。
「ふぅっ……んっ」
そして里香は、ゆっくりと腰を下ろして、自らを貫こうとする。
里香の右手の指が添えられているせいで、僕のペニスはつるんと滑ることなく、
じゅぶっ……と、秘裂に飲み込まれていった。
「んぁっ……!」
里香は、片目を閉じながら小さい声で喘いだ。
一方、僕も里香の体重と温もりを感じながら、
ペニスが完全に肉襞に飲み込まれた快感に、頭がジンジンとしてきた。
里香の太股も僕の腰の周りに乗っかかってきて、
余計に『一つになっている』感覚を高めている。
もちろん、ただ一つになっただけでは赤ちゃんが出来るハズがないので、
里香は両手をベッドに付けたまま、徐々に腰を振って、上下に動き始めた。
「あ……っん……! あんっ……んんっ……」
慣れない体位で一生懸命に腰を動かしていることもあり、
里香は恥ずかしそうに、より一層顔を紅潮させている。
ハッキリ言って、とても可愛いし、エロい。

だから、こんな里香を邪魔しては悪いと、
僕はしばらく何もしないことに決めたのだった。


「っ……はぁっ、あ……んっ……っ!」
……里香の喘ぎ声が少しずつ激しくなると共に、
彼女の腰の動きも速くなり、また僕の感じる快感も高まっていった。

すると、何故か里香が急に腰の動きを止めた。
ペニスが里香の奥深くに埋まった快感と、
下半身全体からの温もりが同時に伝わってくる。
何事かと思っていると、彼女は息を整えながら、僕に話しかけてきた。
「……ねぇ、ゆういち……もしかして、気持ちよくないの?」
少し不安げな、物足りなさげな顔をしながら、里香が聞いてくる。
「そんなことないよ、むしろ凄く気持ちいいよ」
僕はそう言った後、一拍置いてから逆に里香に問い返した。
里香の質問の意図を知りたかったからだ。

「というか、どうしてそんなこと気にするんだ?
 俺から見てる限り、里香だって気持ちよさそうなんだけど」
すると、里香は恥ずかしそうに視線を逸らして答えた。
「……だって裕一、全然動かないし、
 それに、なかなか……その……」
「あぁ‥‥そういうことか。うん、分かったよ」

……そもそも、ペースを任せてと言ってきたのは里香なのにも関わらず、
僕が里香の方からマグロかつ遅漏扱いされるというのは、やや心外な話ではあった。

こうなったら、やはりいっちょここは旦那さんらしく、
僕が里香をリードしてあげるしかない!

そう考えた僕は、まずは言葉を使って里香をさらに恥ずかしがらせて、
彼女の感じる快感を高めようと思った。
「……今まで俺があんまり動かなかったのは、
 この体位だと、里香に一方的に犯されてるみたいで興奮するからなんだ」
そこでほんの少し間を置いて、僕は続けた。
「俺、実はさ、ずっと前から里香に逆レイプされてみたかったんだ。
 なんていうかこう、なすがままにされて精液搾り取られたいっていうか……」
「………っ!?」
里香から見ても、明らかに誇張とわかる脚色が加えられた僕の告白に、
しかし里香は息を飲んで顔を赤らめ、目を丸くしてしまっている。
しかも、それと同時に彼女の膣内がキュゥッときつくなり、僕を強く締め付けてくる。

これなら、一気に最後まで行ってしまっても大丈夫だろう、
と僕は考えて、行動に移した。
「でも、動いた方が良いって里香が思ってくれるなら、
 これからは俺もちゃんと動くことにするよ」
僕はそう言った後、いきなり里香の腰を左右の手で掴んで固定して、
突き上げるようにして動かした。
里香の形の良いヒップを手で楽しみながら、僕は里香の奥をズンッと突く。
「ふぁっ……!?」
僕からの不意打ちに、里香は背筋を反らせて感じてしまう。
「ちょっ、いきなりこんな……っ……!?」
その里香の言葉には、僕への非難より遙かに多く、
激しい快感の彩りが込められていた。
「……やっぱり、夫婦での共同作業ってのは良いもんだなぁ」
僕がそう呟くと、里香も負けじと腰を振り始めた。
「ばかっ、ゆういちぃ……!はぁ、んっ‥‥!!」
お互いの上下の動きが、タイミング良く組み合わさることによって、
今までよりも大きな快感が生まれることになる。
里香の秘裂に僕のペニスがよく吸い付き、
まるで結合部の粘膜同士が癒着しているかのような一体感をもたらしてくれる。
この辺りは、夫婦らしく息が合っている、と喜ぶべきなのだろう。
「うあっ……りか、これっ、すごっ……!」
僕が素直に気持ちよさを言葉に表すと、
里香はしてやったりという顔をしたが、
その彼女自身の顔も、快感に酔いしれているとでもいうような、
だいぶだらしのないものになっていた。
僕は、そんな里香を更に気持ちよくしてあげたいと、
熱に浮かされたような頭の中で考えていた。
すると、僕の視界の中にある、
里香の双丘の、上品なピンク色の二つの頂点が、妙に魅力的に見えてきた。
そこで僕は、両手を里香の腰から一旦離すと、
おもむろにその手を、今度は里香の胸へと伸ばした。
僕の指先が、今日は今までほとんどノータッチだった里香の乳房を捕らえる。
手の平に収まるくらいのサイズの乳房を、僕は大きな動きで揉んでやった。
「ふぁっ……」
僕に合わせて腰を振っていた里香の動きが、一瞬止まる。
これは効き目がありそうだと思った僕は、
次に里香の乳首を、少し強くギュッと摘み上げた。
その瞬間、里香の膣内の締め付けが強くなったのと同時に、
彼女の口から勢いよく嬌声が溢れ出る。
「ふああっ!!」
快感によって里香の目の色が変わったのを見た僕は、
里香の様子を見ながら愛撫を強めることにした。
「里香、大丈夫か?もっと強くしてもいい?」
「う、ん……。もっと……もっと、ギュッてしてぇっ……!」
快感のあまり、幼い口調になってしまっている里香に少し驚きながらも、
僕は里香の乳房を揉みしだいたり、硬くなっている乳首を軽く抓ってやったりした。
その度に、里香は敏感に身体を震わせていた。
胸は小さい方が敏感だというのは、少なくとも里香に関しては本当のことらしい。
さて、僕の愛撫が強くなるにつれて、里香も徐々に貪欲になってくる。
「あっ……!イイよぉ、ゆいちのっ、奥‥‥はいってきてるぅ……!アンッ……アン……!」
里香の吐息や睦み言に混じって、
パンパンという、肉と肉がぶつかる音が部屋に響く。
そして、肉と肉がぶつかる度に、
僕のペニスが里香の肉襞に扱き上げられ、絶頂が近づいてくるのがわかる。
「っ……里香、今日、凄いな。ニュルニュルって、絡みついてくる」
僕がそう言うと、里香は恥ずかしそうな顔をしながら、
「ばかっ‥‥!だって、ゆういちのがこんなに……!ひゃうんっ!」
と返してくる。もちろん、腰の動きは弱めないでだ。
それどころか、里香は両手をベッドから離して胸元辺りに持ってくると、
自ら腰をグリグリと円形にくねらせて、挿入による快感を少しでも高めようとする。
すると、今までとは少し違った、ねじ込んでくるような快感に襲われて、僕は余計に気持ちがよくなってきた。

……正直、これ以上はもうあまり保ちそうになかったのだが、
里香の方はまだ僕より少し余裕があるようだった。

だから、里香は僕のペニスを、ワガママなくらい存分に味わっていた。
……長い黒髪を振り乱して僕の上で腰を降る彼女の顔は、
昼間他人に見せる賢い若妻としてのそれと比較すると、もはや全くの別人だった。
けれど、僕にとっては当然、どちらも掛け替えのない女性に違いなかった。

「ふあっ……!!こ、これすごいのぉ……!
 ゆういち、もっともっと、強く突いてぇ!!」
里香はさくらんぼのような唇でそう言いながら、知ってか知らずか、
僕のペニスで自らの子宮口を突っついている。
まるで、里香が僕のペニスで自慰をしているかのようにも思えた。
僕の亀頭が里香の子宮口に当たってグニュッと潰れる度に、
言い表せぬ快感が、僕の股間から脳髄にかけて奔る。

僕はふと、里香の腰の動きに合わせながら、
里香の美しい黒髪と汗ばんだ肌、乳房と結合部を改めて見た。
すると、心の中から自然と、言葉が感情に溶けて湧いてくる。

――今更だけど、里香って滅茶苦茶可愛いし、エロいよなぁ……。

そう考えた後、里香の顔を、特に目をよく見る。
彼女の双眸は、出会った時と変わらない、
いやそれよりもずっと増した深みと輝きとを湛えていた。
しかもその双眸の中には、里香の下で腰を振る僕が映り込んでいて、
なんだか気恥ずかしい気分になってしまった。

――このまま、里香の一番奥へ濃いのぶちまけて、孕ませたいなぁ。

そう、自分の心の中の考えを、言葉として汲み取ってみた瞬間、
下腹が急に熱くなり、同時に射精感が強まってきた。
しかも、里香のしなやかな腰の動きと、
程良いキツさの肉襞が、そそり立った僕のペニスを激しく扱き上げる。
このままでは、里香よりも先に達してしまいそうだった。
だから、僕は下腹部に力を込めて堪えながら、
里香に自分の限界を伝えることにした。
「くっ……里香、そんなに締め付けると……俺、もう!」
そう叫んだ時には、腹の下に溜まった熱が、既に暴発しかけていた。
「‥‥えっ……!?や、ちょっ……!?」
里香としては、僕の突然の告白に驚いているようだったが、
僕の方としてはもう我慢しようがなかった。
だから僕は最後の意思で、里香の太股を両手でがっちり捕まえながら、
狭くて暖かくて気持ちいい膣を、奥までズンッと突き上げた。
……僕の亀頭が里香の子宮口に当たって、グニュッと潰れた瞬間、
僕はとうとう達した。

「うお!お、お…‥で、出るッ!」
そう言い終わるか否かの時には、ドビュウッ!と白濁の塊が飛び出していた。
腰の感覚が無くなるくらいの快感が、僕の身体を駆けめぐる。
ビュルッ!ビュクッ!!という勢いで、
里香の一番奥に、濃厚で粘っこい僕の精液が注ぎ込まれる。
その熱さと勢いによって、幸いなことに、里香も絶頂に導かれたらしい。
「ひゃうっ!? ふあああんっ……!来る、くるぅ!」
里香は背筋をピンと反らせて、膣内を収縮させながら嬌声を上げる。
その表情は、予想外の快感に驚きながら、確かに快感を感じているようだ。
そんな里香を見ていると、今射精している最中の僕も、
余計に興奮して気持ちよくなってしまう。
「っ、いま、一番奥で出してるから……! ほら、孕めっ、里香!」
僕はそう言いながら、里香が逃げられないように、腰をグッと掴みなおす。
どうせ妊娠させる気なんだから、
最後の一滴まで、思う存分、里香の中に注いでやろうと思った。
まだ続くペニスの脈動の度に、精液がドピュッ、ピュッと吐き出され、
それと反応して里香の膣内も僕のペニスをキュッと締め付けてくる。
まるで、里香の身体が受胎を望んでいるかのようだった。
「ひっ、ひぁああっ!!なかに、あついのくるのぉお!!」
里香はひときわ大きな絶頂に達したらしく、
身体と膣内を震わせながら、歓喜の嬌声をあげた。
「あっ、っ、あっ、っふあああんっっ……!!」
その顔は、既に涙と涎まみれになっていて、
目や口等の顔のパーツも、ある意味素晴らしい蕩け方をしている顔だった。
写真に撮って残しておけないのが、実に残念だった。
……その後、僕の射精は流石に収まったが、
里香は時折、ビクッ、ビクンッと身体と膣内を震わせていた。
「ふあぁあああぁ……っ……!」
里香は自らの垂らした涎で胸元を色っぽく汚しながら、肩で息をしている。
さすがに疲れたのだろうと思った僕は、
「里香、俺は重くないから、倒れ込んできていいよ」
と、里香に楽な姿勢になるよう促した。
すると里香は、挿入はしたまま、
まっすぐに僕の方に倒れ込んできた。
ちょうど僕の胸板の辺りに、里香の頭が乗っかる形になる。
「ううっ……はぁ……は……」
四つんばいになるような格好で倒れ込んできた里香は、目を瞑ったまま喘いだ。
その口から出る喘ぎ声は、充実した睦み合いの余韻に他ならなかった。

……それからしばらくは、お互いの吐息と鼓動だけが、
寝室の空気を静かに震わせていた。
だいぶ落ち着いてきた頃、
僕は、里香への素直な感謝の気持ちを込めて、
僕の上で休憩している彼女に話しかけた。
「……里香の中、すげぇ気持ちよかったよ。ありがとう」
すると里香は、
「うん……あたしも、気持ちよかったよ」
と、恥ずかしそうな顔でそう言った。
顔だけ見れば、実に無邪気なものだ。

……僕は里香の顔を見ていると、また意地悪な気分になってしまった。
里香を恥ずかしがらせたい、という気分である。
僕はわざと芝居がかった口調で、さっきの出来事を振り返ることにした。
「今日さ……奥の方でたくさん濃いの出したし、
危険日だから、今のでマジで赤ちゃん出来ちゃうかもな」
僕の言葉に、里香の目が丸くなるのと同時に、
彼女の膣内がキュンッと、軽く収縮したのを感じた。
これは行けるかもしれないと思って、僕はまた続けた。
「里香の卵子、今頃たくさんの俺の精子に、
 あっちこっちからツンツン突っつかれてるだろうなぁ。
 今この瞬間受精しちゃってるかも知れないよね?いやでも、精子はまだそこまで行ってないか」
科学的に考えた場合、実際のところどうなっているかは知らないが、
とにかくそれらしいことを言って、里香を更に恥ずかしがらせたかった。

……と、同時に、
僕が本当に里香を妊娠させて、
彼女の子の父親になるかもしれないという自覚が、
里香への愛情と征服感とを伴って、僕の心に芽生えてきた。
そして、そういった気持ちは、
母親になるかもしれない里香の中にも芽生えてきているようだった。
何故なら、僕の卑猥な発言に、里香は怒ることもなく、
「裕一のばか……へんたい……」
と、トゲがありながらも優しげに返事をしてきたからだ。
僕は、里香の唇に軽いキスをすると、今一度彼女の身体を抱擁し、
お互いの身体の温もりを感じ合った。
……その後、僕と里香は半ば夢心地のまま結合を解いて、
気がつけばいつの間にか眠ってしまっていた。

心身ともに、色々と気持ちの良い疲れで満たされて眠ったせいなのか、
僕は何やら楽しい夢を見たような気がする。
だが、次の日の朝目覚めた時には、残念ながら夢のことは何も覚えていなかった。

でも、僕の隣で、まるで幼い少女のようなあどけない寝顔で寝ている里香を見て、
昨晩のことは夢ではなかった、と思い出せた。
だから僕は、朝からとても幸せな気分に浸ることが出来たのだった。


Half Moon Love(下)に続く。



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