孕み月【後編】


僕の額や口の痛みが引いてきたくらいの時、明るくなった里香が、何やら新しい話題を振ってきた。
「……そう言えばね」
その口調は、決して暗いものではなく、むしろ何か楽しいことを期待しているようなトーンだった。
「ん?」
僕は里香の言葉の続きが気になり、すぐに促した。
すると、里香の口から、僕が予想だにもしていない言葉が飛び出てきた。
「安定期に入ったら、適度な運動していいっていう話なんだけど……実はその、セックスもして良いらしいわ」
その時、もしも僕が口に飲み物を含んでいたら、必ず吹き出したであろう。
「え……そういうもんなの!? てっきり、絶対しちゃダメかと思ってたんだけど……」
僕の中の常識を崩すような里香の発言を、思わず疑ってしまう。
しかし里香の方は冷静に、これは事実だという感じで僕に返す。
「母親学級でも教わったんだけど、安定期に入って久しぶりにする夫婦は多いんだって」
「そ、そーなのか……でも、本当にしても良いのか? 男の俺にはよくわからないんだが」
「夫婦がコミュニケーションを取るのは大事なことだし、妊娠経過が順調なら問題ないって。
 ただもちろん、赤ちゃんに負担がかからないようにするのが大前提よ」
状況を受け入れつつある僕は、里香の望んでいることを理解した。
里香が僕と久しぶりに深いスキンシップを取ろうとしていることが、とても嬉しく感じる。
「……なら、俺と里香が昔からしてるような感じですれば、大丈夫なのかな?」
「えぇ、そういうことになると思うわ」
その里香の言葉を聞いた僕は、ガバッとベッドから上体を起こす。
「……そういや、明るくした方がいいかな?どうする?」
「あたしとしては、どっちでもいいけど」
「なら、暗いと周りがよくわからなくて赤ちゃんに危ないかもしれないから、電気付けるよ」
「うん、そうね。構わないわ」
僕はそれらしい理由を付けると、里香も賛成してくれた。
が、実際には、僕が里香の身体を久々にしっかり見てみたいという理由も大きかった。
ベッドから一度出た僕は、何歩か歩いて寝室の中心に立ち、目の前にぶら下がっている紐を、カチンカチンと2回鳴らして引いた。
すると、寝室の中は、蛍光灯の明るい光に照らされる。
急に明るくなって目が慣れないなと僕が思っていると、里香はベッドの上で上体を起こしているところだった。
次に彼女は、恥ずかしそうな顔をしながらも、ベッドを軽く整えた後、自らのパジャマのボタンを外し始める。
どうやら、今晩は僕に脱がされたくない気分らしい。
上のパジャマの次は下のパジャマ、その次は下着や腹巻きと、見る見るうちに里香は自分が身に纏っているモノを脱ぎ捨てていく。
とうとう、里香が身につけているのは、いつも前髪に付けている髪留めだけになってしまった。
その光景に思わず見入ってしまっていた僕も、慌てて服を脱ぎ捨てる。
……生まれたままの姿になった僕は、ベッドの上に仰向け寝て、同じ姿で僕を待っている里香にそっと覆い被さる。
里香の下腹部にくれぐれも体重をかけないようにしながら、僕は柔らかい女体を抱きしめる。
「あ……んっ」
里香が可愛らしい吐息を漏らしたのを確認した僕は、彼女の鎖骨の辺りから唇まで、満遍なく唇を這わせる。
色白で張りの良い里香の肌は、僕に愛撫される度にプルプル震えた。
「はぁ……や……ッ……!」
少しずつ荒くなる里香の吐息を感じながら、僕は彼女の唇を奪う。
すると里香は、舌を上手く絡ませてきて、僕の歯茎を舌先で撫で回す。
「んっ……はむ、むちゅ……!んっ……! ……ぷはっ」
最初は軽いキスにしようと思っていたのに、里香がなかなか離してくれないせいで、
二人で息が苦しくなるまで口づけを続けてしまった。
「ふぅ‥‥。里香、いきなり飛ばし過ぎじゃないか?」
「だ、だって……久しぶりだから」
僕の抗議に対して、里香が少し分が悪そうにそう言うと、僕は思わず笑みをこぼしてしまった。
「そっか、里香も俺と同じで、溜まってたんだな」
「もう!……そういうこと言わないで!」
僕のデリカシーの無い発言に、里香は眉にシワを寄せて怒り、自分に覆い被さっていた僕の身体を手でどかした。
僕の身体は里香の身体から上に引き離されてしまう。
「あぁ、ゴメンゴメン。言葉に気をつけるよ」
僕が謝りながらまじまじと見た、蛍光灯の光の下に照らし出された里香の肢体は、
以前と同じように基本的にはほっそりとしているものの、より女性らしくふっくらとしていた。
また、やはり一番変わったのは、彼女が母親になることに関わる部分である。
胸のほぼ中心にある手術痕のその両サイドにある里香の乳房は、
乳腺の発達に伴って、妊娠する前よりおよそ2割ほど大きくなり、その乳首は桜色ではなくやや褐色を帯びている。
また、新しい命が宿る下腹部は、さすがに張りが目立ってきていて、お臍が少し縦に延びてしまっている。
もともと太っている妊婦さんならともかく、里香のようにやせている妊婦さんは腹囲が小さいから、
その分、おなかの大きさが目立ちやすい傾向にあるのかなと僕は感じた。
なんにせよ、今の里香の身体のアンバランスさは、なんとも言えない淫靡さを醸し出していた。
「う〜ん、ここしばらくちゃんと見てなかったけど、乳首の色、変わってきたなぁ。なんだか胸自体のサイズも大きくなってる気がするし」
特に僕が気になったのは、乳房だ。
検診の度に必ず見るお腹はともかく、最近全然見ていなかった乳房の変化は、印象的だったからだ。
「それは……赤ちゃんの為に身体が準備してるんだから、当然のことじゃない?」
自分の身体の変化のことを不思議そうに言われて、多少不本意そうに里香は言う。
「そう言われたら仕方ないけど、男としては人体の神秘ってのを感じちゃうよ。
 だって、ここからおっぱいが出て、赤ちゃんがそれを吸うんだもんなぁ……」
「あら、哺乳類ならそれが普通じゃない? それに、裕一にもあたしにも、そういう頃があったわけだし」
「まぁ、その通りなんだけどさ」
その時僕は、里香の発言の中から、彼女の乳房を愛撫する良い口実を思いついた。
「……そうだ、生まれてくる赤ちゃんがおっぱいを吸いやすくする為に、マッサージしておかなきゃな」
「えっ……きゃっ!」
里香が嬌声を上げたのは、僕が里香の右乳首を咥えてコリコリと甘噛みしながら、左の乳房を右手で揉みしだき始めたからだ。
僕に甘噛みされた乳首は急速に勃起して固くなり、鋭い快感を里香に送る。
「あっ、そこっ……ダメ……ッ……!!」
里香が激しく感じているのを見て得意になった僕は、少し乳首から口を離してこう里香に言った。
「里香、嫌がっちゃダメだよ。赤ちゃんにおっぱいあげる練習だと思わなきゃ」
「たっ、確かに練習は必要だけどっ……」
里香は背筋を震わせて、僕に対して必死に抗議する。
「こんな大きな赤ちゃん、いるわけないでしょ……! ひゃぁあん!」
里香が甘い悲鳴を上げたのは、再び僕が愛撫を再開したからだ。
僕は今度は、里香の右乳首を母乳を飲むように、ぢゅるるると吸い上げながら、左の乳首を右手でギュッ、ギュッと摘み上げた。
「はあっ、やああっ!! それ‥‥それダメェッ……! 吸っちゃだめぇ‥‥ッ……!」
里香は身体をプルプルと震わせ、乳房が吸われる鋭敏な快感に身もだえる。
里香の母乳が出るようになったら、本当に飲ませてもらっても良いかもしれないと僕は思った。
「うぅ……感じすぎて‥‥胸、おかしくなっちゃう‥‥っ‥‥!」
もちろん、まだ妊娠六ヶ月の今の里香の胸から母乳が出ることはないが、
いずれ生まれてくるであろう我が子への授乳の練習を、こんな形でさせられることに、里香はかなり羞恥心を感じているだろう。
僕が今度は、左側の乳首も吸い上げてやると、里香の息はますます荒くなる。
「ひいんっ……!あっ、そっちもなんて……やっ、やめ……はぅ……ん!」
そして、しばらくして、
「っ‥‥だ、だめぇ……あっ、あたし、イッちゃうぅっ……!!  〜〜〜…………っあ……!」
里香は、乳首をピンと勃たせながら、達してしまった。それは、僕が思っていたよりも、早くて激しかった。
「はぁ……はぁ……ふぅ……」
「里香、大丈夫か?」
息を整えている里香を僕は気遣うが、激しい反論を受けることになる。
「う〜〜! もう……裕一のケダモノ!調子に乗り過ぎよ!」
鈴を激しく鳴らしたような声のその剣幕はかなりのもので、僕は一瞬で気圧されてしまう。
「ごっ、ごめんなさい!」
「……どうせ謝るんなら、赤ちゃんにも謝って欲しいわ。あんなに激しくしたら、びっくりしてるかも知れないじゃないの」
「ご、ごめんな〜…‥。 お前のママ、怒らすと恐いんだから、生まれてから気をつけろよ」
僕が精一杯おどけてそう言いながら、里香のお腹をそっと撫でさすると、彼女はまた怒る。
「こら、そうやって茶化さないの」
「わかってるって……次からは、ちゃんと気をつけるよ」
僕の声に真剣味を感じた里香は、矛を収める気になってくれたようだ。
「‥‥わかればいいのよ、わかればね。まぁ、あたしが感じ過ぎたのも悪いわけだし……」
少し恥ずかしそうな顔をしながらそう言った里香が可愛くて、僕は新しい提案をする。
「じゃあさ……仲直りのキス、してもいいか?」
僕の問いに、里香はコクンと頷いて肯定した。
それから、僕と里香は抱き合って、ローペースながらも濃厚なキスを重ねた。
互いの舌と舌を絡め合わせ、鼻と鼻を擦り付けあう。
「はむっ……んっ……ッ……むちゅ……っうん………」
空気を時折補給しながら断続的に続けたので、口づけはとても長い間続いた。
その間、ずっと里香と里香のお腹にいる赤ちゃんの温もりを全身で感じていたせいか、
僕の心身は徐々に不思議な幸福感と高揚感に包まれていった。
僕と里香の手は、お互いの身体をまさぐりあって撫で合う。
ふと、僕が里香の秘部に指先でそっと触れると、そこは既にねっとりと濡れていた。
くちゅ……という淫らな水音が寝室に微かに響く。
「なるほど……里香は、えっちなお母さんだなぁ」
僕がキスを一時中断してそう言うと、里香はお互い様という調子で僕のペニスの先端を触って言った。
「あら……裕一こそ、もうこんなになってるじゃない?」
既に最大のサイズまで勃起したペニスの鈴口からは、透き通った先走り液が漏れだしている。
里香は次に、先走りでぬらぬらしている亀頭を白く細い指先で掴むと、クニュクニュとしばらく揉みしだいた。
圧力を加えられた僕の亀頭は、里香の意のままに形を変えて弄ばれる。
その快感に僕が気持ちよく感じていると、里香がペニスをまじまじと見つめながら妙なことを言い出した。
「……これで私、妊娠させられたんだよね」
里香にとってその発言に別に他意はなく、ただの事実を述べただけのなのだが、
僕の心身は敏感に反応してしまう。
「そういうこと言われると、余計にな……」
僕のペニスは、ビクンと震えて、握っている里香を少し驚かす。
「あぁ、元気になっちゃうのね」
里香は、仕方ないなぁという顔をした後、僕のペニスから手を離す。
そして、僕の先走りがねちょねちょと付着している指先を自らの口元に持って行くと、
妖しく微笑みながら、舌先を出して先走りをペロリペロリと舐め取る。
その姿がとても妖艶で、僕はますますいてもたってもいられなくなった。
「里香……!ごめん、もう俺、我慢出来ないそうにないんだ……」
僕が恥も外聞もなくそう懇願すると、
「うん‥‥。あたしも、裕一としたい」
焦らすこともなく里香は了承してくれた。
とはいえ、絶対に忘れてはいけないのが、今の里香は妊娠していることだ。
とにかく、里香のお腹の中にいる赤ちゃんに負担をかけないような体位でしなければならない。
そういう現実的な問題に対処する為に、僕は素直に里香に助言を求めた。
「里香、一体どういう風にしたらいいんだろう?」
上体を起こした里香は、何やら思い出しながら返事をする。
「うーん、なんていうかその、男の人が女の人を、後ろから抱えるような姿勢ですればいいって教わったような気がするわ」
「ということ……こういう感じかな?」
僕はそう言うと、股を開いてその中心にあるペニスを屹立させつつ、ベッドの上にやや斜めに寝る。
「で、里香は足開きながら、背中から俺に寄っかかってくれよ」
「うん」
里香は僕の言うとおりに白い太股を開きながら、僕に背中を預ける形で身体を密着させてきた。
すると、小柄な里香の身体は、僕の身体に後ろから抱えられる姿勢になる。
僕の視界には、里香の後頭部が主に広がっている。
反り返ったペニスは秘裂に擦りつけられて、里香は甘い声を上げる。
「やっ……」
僕はというと、里香の脇を下から通して、彼女の胸と腹の中間辺りで手を組み、まずは体位を維持する。
「なるほど、これなら赤ちゃんに負担はかからないわね」
里香の言うとおり、僕と里香が今とっている体位なら、赤ちゃんがいるお腹には、何の重みもかからない。
里香は安心したという様子で、自分の膨らんだお腹を優しく撫でている
しかしこの体位は、赤ちゃんを守れると同時に、
里香にとっては、後ろから僕にやりたい放題されてしまう無防備な体位だということに、里香は気付いていないらしい。
また、今の里香の秘部は、彼女が僕に合わせて股をM字に大きく広げてしまっているおかげで、あまりにも大胆に『ご開帳』してしまっている

それが僕からはあまり見えないことが、残念でならない。もしも真正面から見たら、きっと凄い光景だろうに。
「じゃあ、良いか……?」
我慢出来なくなってきた僕がそう聞くと、里香は熱っぽい目をしながら首を縦に振った。
里香の許しを得た僕は、腰を動かしてペニスを里香の秘裂に押し当て、少し力を込めて挿入する。
ズププッ……!
「はああんっ……!」
既に奥まで濡れそぼっていた里香の膣は、僕のペニスを難なく咥え込んだ。
「よし、動くぞ……里香。もし痛かったりしたら、すぐ言ってくれよ。くっ……!」
僕は身体に力を込めながら、ずちゅっ、ずちゅっとペニスを出し入れする。
里香が快感に眉毛を歪めながら、思わず感想を述べてしまう。
「ああんっ……! これ、これだよぉ……!」
ずっとしていなかったことが影響して、上手くいかないことを僕は心配していたが、
里香の肉襞はむしろ、久しぶりに受け入れた僕のペニスを大歓迎しているかのようにうねっている。
安心した僕は、里香を突き上げるペースを少しずつ上げていく。
ズッチュ、ズッチュ、ズッチュ!
「ふあ、ああんっ! っあん……あん……!」
僕にペニスで後ろから秘裂を突き上げられる度、里香の孕み腹が微かに揺れる。
里香がお腹を大切そうに押さえているのも、なんだか淫らに思えてしまった僕は、更にペースを上げる。
すると、里香が喘ぎながらも僕の方を振り向いて、
「はぁっ! ねぇ、裕一……ちょっと、早すぎない?」
と、赤ちゃんを気遣って要望を出してきた。
僕は振り向いてきた里香に軽くキスをしながら、腰を振るペースを落とすようにする。
僕はペニスの長さを上手く使って、間隔の長い、ゆっくりとした出し入れを繰り返す。
「んっ……! そうだね……これくらいがいいわ……はんっ!」
僕はしばらく、里香と赤ちゃんに負担をかけないようにして、ゆっくりと腰を振る。
激しい突きは出来ないが、その分ねっちりとした快感を僕も里香も感じることが出来る。
また、里香の膣内の輪郭をペニスでゆっくりとなぞるように突いてやると、彼女は甘い息で喘いだ。
……ただし、そんなことだけでは少し物足りなくなってきた僕は、今度は、里香の無防備になっている部分を両手で覆った。
「やっ……!?」
僕の両手が、まるでブラジャーのように胸を覆ったので、里香は驚いたようだった。
しかし僕はそんなことはおかまいなく、まずは里香の乳房の外縁部を、円を描くように愛撫する。
「ちょっ……ゆうい……ひっ!」
里香の言葉が途切れたのは、僕が里香の胸から母乳を絞るような動きをしたり、乳首を触ったりしたからだ。
僕の右手の人指し指と中指が、里香の右乳首を指の側面でムギュと挟み込む。
「あん……! やめっ……! ひゃんっ!」
里香は甘い声を上げつつ抗議するが、僕の手を無理矢理退かすような真似はしない。
調子に乗った僕は、左手の親指と人指し指で、里香の左胸の乳首をギュッと絞り上げた。
「あああぁっ……!ダメ、おっぱい気持ちよすぎるよおぉっ……!」
里香の反応が良いことに気が良くした僕は、里香への胸の責めを、緩急をしっかりと付けて繰り返した。
同時に、ペニスも軽く動かすことによって、里香は3種類の快感に襲われる。
「やらぁ……!あたし、お母さんになるのに、こんなに感じて恥ずかしいよおぉっ……!」
自分の淫らさを恥じることで、里香の膣は更にキュッと締め付けを強める。
「まったく、里香は恥ずかしいお母さんだよ……っと!」
僕がそう言いながら軽く突き上げると、里香の膣内が急に震えたような感じがして、
「っあ! あ……今、赤ちゃんがお腹蹴ったかも……!」
と、里香が口走った。
里香が激しい快感を感じた影響かはわからないが、赤ちゃんの動きが活発化しているらしい。
里香は両手でお腹を触りながら、その中に宿っている赤ちゃんの動きを探ろうとしている。
僕もこれ以上は自重するべきだと思って、手や腰の動きを一時止めた。
すると、里香は、
「あっ‥‥! 赤ちゃん……やっぱり、お腹の中で暴れてるよぉ……!」
と、切ない声で僕に訴えかけた。その目には、赤ちゃんの成長を素直に喜ぶ母としての意識も感じられた。
「そうか……もしかしたら、俺達の仲の良さに嫉妬してるのかもな」
僕は苦笑しながら、里香のお腹を丁寧に撫でてやる。
「でも悪いな、里香との付き合いは、まだお前よりも俺の方が長いんだ。
 生まれてくるまでは、俺にもう少しくらいママを独占させてくれないか?」
僕がそうお腹を撫でながら言い、そして里香にキスをする。
「ふあっ……ゆういちひぃ……」
すると、里香は目を瞑りながら、僕の唇を追いかけるように口づけを更に求めてきて、
それに伴って、僕の腰の動きも激しくなった。
ズチョッ!ズチョッ!ズチョッ!
里香の長くて艶々した髪の毛が、僕の腰の動きに応じて揺れる。
僕と里香は、上の口と下の口で繋がりながら、更に上へと昇っていく。
息が苦しくなってきてキスをやめると、里香の目はすっかり快感に染まっていた。
「今なら、中に出してもかまわないから……だからっ、裕一も、我慢しないでぇ……!」
激しい口づけをしていたせいで、口元から涎を垂らしながら、里香は懇願した。
「あぁ、わかってる……!」
僕はラストスパートに向けて、腰を激しく里香に打ち付ける。
きつくなっている膣内に、僕のペニスが激しく締め付けられる。
「くぅ……」
僕が思わず声を漏らしていた時、里香は絶頂に向かい、激しく喘いでいた。
「はぁっ、はあっ……! んっ、やぁっ……!はあんっ……ぁ、はぁ……!!」
里香の膣内が、彼女の息が荒くなるのに合わせて急速に僕のペニスを締め付けてくる。
どうやら、里香はもう今すぐに達してしまいそうになっているらしい。
出来るだけ里香と一緒に果てたかった僕は、里香の奥底を強めに突き上げる。
そこで、僕と里香に限界が来た。
堤防が決壊したように、一気に快感の波が僕と里香に押し寄せてくる。
「うああっ……! 里香、出すぞ!お前の中に、たくさん出……ウッ!!」
何ヶ月も前に自分が孕ませた、愛する人の胎内に、僕は再び大量の子種を放つ。
ドクン!!ドクンッ!
激しく波打ちながら、快感を伴って吐き出された濃厚な精液は、里香の奥を直撃する。
「ふああっ……!出てるぅ‥‥!! ゆういちのおち○ちん、ビクビクしてるぅっ……!」
里香は身体をビクビクと震わせながら、絶頂に達した。
「あ、あたしの中……ゆういちのでいっぱいだよおぉっ……!」
膣内が僕の精液で満たされていくことに、里香は更に興奮したらしい。
彼女の肉襞は、僕のペニスが半ば硬度をなくしてしまっても、激しく絡みついて締め付けてくる。
ふと結合部に目をやるとゴポッ……ゴポッと、溢れ出た精液と愛液の混ざりモノが泡を作っていた―――。

久しぶりのセックスを存分に楽しんだ僕と里香は、ベッドの上で深い余韻に浸っていた。
「もう……あんなに出して……まさか、赤ちゃんまで妊娠させるつもりなの?」
気持ちいいが気だるいといった調子で余韻に浸る里香が、お腹を愛おしそうに撫でながら僕をなじる。
「ご、ごめん」
予想していたよりもエキサイトしてしまったという負い目がある僕が謝ると、
里香は微笑んで僕に抱きつきながら言った。
「ううん……凄く気持ちよかったし、裕一も久しぶりにスッキリできたみたいで、嬉しいの」
「それならいいんだけど……赤ちゃん、やっぱりびっくりしちゃったかなぁ」
僕がそう言いながら里香のお腹に手で触れると、里香はその手に自分の手を重ねる。
「ふふ、生まれた後に覚えてなければいいわね」
「はぁ……もしも覚えられてたら、恥ずかし過ぎるな」
すると、僕の言葉を聞いて、里香はニヤリとしながら口を開く。
「その時は、お父さんのせいということにして説明するわ」
「おいおい、そりゃ無しにしてくれよ」
「ふふ……」
「うははは……」
夫婦のそんなやり取りが胎教に良いのかはわからないが、
少なくとも、僕と里香は幸せを思う存分に噛み締めていた……。


―――その後、僕は里香を後ろから抱きしめて眠った。
精神的に満足出来たせいか、僕も里香も、もうそれ以上の行為を望むことはなかった。
僕と里香の手は、里香の膨らんだお腹にあてがわれていた。
僕と里香と赤ちゃんは、その晩、3人で一緒に寝たのだった。


おわり。




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