さて、穴場だから誰にも見られない可能性が高いとは言っても、もちろん場所は選ばないといけない。
何らかの障害物の影に隠れて事をしなければ、万が一人が来た際に一瞬で見つかってしまう。
幸い、小さい入り江の端の方には、二人で隠れるのにちょうど良い岩陰があった。里香が女の子達と磯遊びをしていた場所に近い。
「あそこでいいかな?」
僕が聞くと、里香は小さく頷いた。
僕は、持ってきた道具一式を回収して両手に携えながら、里香と一緒に岩陰に行く。
借り物のレジャーシートやクーラーボックスを、浜辺にそのまま置いておくわけにはいかなかったからだ。
僕は持ってきた荷物を、日陰になっていることが多いらしく、そのせいで湿り気が強めの砂地に置く。
その場所は、いかにも天然の逢い引き場所という感じがした。
里香は僕の後ろについてきていて、口数も少なかった。
僕は静かにしている里香の方を振り向き、そして彼女の手を握って聞いた。
「里香、いいか……?」
「……うん」
もう後戻り出来ないとはいえ、こんな時間にこんな場所でするのは、流石に恥ずかしいらしい。
そんな里香が可愛らしく、そして自分の手で乱れさせてやりたいと感じた僕は、彼女の虚を突くことにした。
岩陰を背にして僕の正面に立っていた里香の、その後ろにいきなり回り込んで抱きしめたのだ。
「きゃっ!」
里香は可愛らしい悲鳴を上げ、その身体を強ばらせる。
「へへ、里香の後ろを取ったぞ」
僕は面白がるような声を出しながら、同時に里香の身体の感覚をじっくりと楽しむ。
今の彼女の身体の感触や匂いは、自宅でシャワーを浴びたすぐのものとは、だいぶ違う感じがした。
しかし、肌の温もりや滑らかさは確かに里香のものだった。
正直あまり我慢が出来なくなっていた僕は、左手を里香の左胸と水着の間に、右手を里香の秘部に少々乱暴にあてがう。
「やっ……ちょっ、ばか! 加減しなさいよおっ……」
里香は抗議の声を上げて身じろぎをするが、彼女の左脇の下には僕の左手が差し込まれていて、逃れることが出来ない。
僕は里香の抗議には構わず、本格的に愛撫を始めた。
僕の左手は、里香の乳房のサイズを確認するようにまさぐる動きをし、右手は、水着の上から里香の秘部を指で擦るように動かした。
「あっ……あぁ……っあ」
里香の声には、早くも甘いものが混じり始め、僕の愛撫に抵抗することはなかった。
「っく……はぁ、あっ!」
里香は気持ちよさそうな声を上げながら、僕に体重を預けるような体勢になってきた。
……よく考えたら、僕と里香は今までの付き合いの中で、お互いの性感帯をかなり開発してしまっているし、
性経験自体も、もうかなり完成しているのだ。行為が始まった以上、今更嫌がることがおかしいくらいなのだ。
上下共にずらした水着の隙間から、僕は指を差し入れて、里香の乳房や秘部を直接愛撫する。
赤くて感度の良い乳首を、人指し指でコロコロ、チクチクと弄んでやると、更に固くなった。
秘部の方は、下から上に割れ目に沿って撫でて、最後にクリトリスを刺激する動きを繰り返して愛撫していると、すぐに濡れてきてしまった。
「はっ、はあぁっ、やっ……! ふぅん‥‥!」
表情は見えないものの、里香がしっかり気持ちよくなっていることを確認した僕は、
今度は、吸血鬼が美女の首筋に噛み付いて血を吸うように、里香の首筋や耳元に口で愛撫した。
甘噛みしたり舐めたりすると、その度に里香の小柄な身体は小刻みに震えた。
「ひゃああぁん……っ……!」
そんな声を出す里香を素直に可愛く思っていた僕はふと、自分の股間と海パンの辺りに違和感を感じた。
どうやら、勃起している上に、先走りで内側から海パンを汚してしまっているらしい。
そのままにしておくのも窮屈なので、左手を里香の胸から一時離し、自らの海パンを掴んでずり下げ、脱いだ。
すると、既に僕のペニスは十分に大きくなっていて、鈴口からぬらりとした先走りを漏らしていた。
そうして露出したペニスを、目の前の里香の身体に触れさせたくなるのは、当然のことだろう。
「んっ!? やっ……ゆいち、なにして……」
里香が急に慌て始めたのは、僕が彼女の後ろから、ペニスを股間に挟んで、腰を前後に動かして擦りつけているからだ。
いわば、立ちバックの体位で素股をしているのに近い状況だ。
もっとも、水着越しに擦りつけているわけだから、「素」股ではない。水着股とでもいうべきだろうか。
「ごめん……でも里香のに擦りつけるの、気持ちいいんだ」
僕と里香には体格差があるせいで、ちょっと無理な体勢になっているのが、擦りつける際の快感を増す要因になっていた。
「ううっ……ばかあっ……あッ、あんっ!」
直接擦りつける素股の方が柔らかくてヌルヌルしやすい分気持ちいいのは確かだけど、水着越しに擦りつけるのは初めてだったし、
布一枚越しに里香の秘裂があるのかと思うと、かえって興奮した。
里香が感じているのは、どうやらクリトリスも擦られてしまっているからのようだ。
僕は里香をさらに感じさせるために、左手だけではなく右手も用い、両手で彼女の胸の乳首を弄くり回すことにした。乳首は先ほどよりも硬くなっていて、弄り甲斐があった。
「やだあっ……それされると、感じすぎちゃ……!」
その時、また僕は股間に違和感を感じた。なんだかペニスが、左右から温かいものに圧迫されているような感じがしたのだ。
その部分に目をやると、なんと今度は里香が白い太股で、僕のペニスを強く挟んできているではないか。
どうやら彼女は、身体を震わせたり強ばらせたりしているせいで、無意識に下半身にも力がこもってしまい、知らぬ間に僕のペニスを挟んでしまっているらしい。
それどころか、先走りや愛液のせいで、ペニスと太股の間までヌルヌルしてきていて、正直予想だにしていなかった快感が僕を襲った。
このまま、挟まれながら擦り続けたら、間違いなく射精してしまう。
「あの、里香、あんまりその……強く挟まれると俺、出しちゃいそうなんだけど……うっ!」
「そ、そっちが先にしてきたのに……何言ってるの……!? 私だって、もう止められないよおっ……」
……元は軽い前戯のつもりだったのが、いつの間にか僕も里香も燃えてきてしまっていたらしい。もはや、双方一度達しないことには、この場は収まらなかった。
湧くように分泌されてくる、先走りと愛液のせいでで、里香の秘部を覆っている水着の布地は、もはやネチョネチョになってしまっていた。
そのおかげで、ペニスと水着の間の摩擦が少なくなり、より一層擦りつけるスピードが上がる。
ずりっ、ぐちゅっ、ずりっ、ぐちゅっ!
「やだ……水着、汚れちゃ……うっ!」
せっかく僕と一緒に選んで買った水着が、淫らな液で汚れることを嘆く里香だったが、どうせ海に入れば汚れるものだしと割り切ってもらうしかなかった。
今はただ、僕も里香も、快感を貪るしかないのだ。
射精欲が高まってきた僕は、より一層勢いよく里香の水着に己の分身を擦りつけた。
すると、自分でもあっけないというか、物足りないくらいに早く限界が訪れた。
「ごめん里香……もう出る……ウッ……!」
「え、ちょっ……」
里香の戸惑いの声などおかまいなしに、僕のペニスは勢いよく脈打つ。
量はさほどでもないが、勢いよくビュルッと飛んだ白濁の粘液は、
里香の水着や下腹部、それにふとももを少し汚した後、足下の砂地に降り注いだ。
「ふぅ……」
僕が絵に描いたような射精後の溜息を漏らしている一方、達していない里香は不満なようだった。
「はぁっ、はぁっ……自分だけ先に気持ちよくなるなんて、これだから裕一は……」
里香の恨みがましい抗議の声に、僕は負けじと言い返そうとする。
右手を里香の秘部にあてがい、そこで多量の淫液を指に絡ませる。
そして、里香の眼前で手を大きく開き、ぬらぬらと光っているモノを彼女自身に見せつけながら話しかけた。
「何言ってんだよ。里香だってイッてないにしても、こんなに感じてたみたいじゃないか」
「それ……私のだけじゃなくて、裕一のも混じってるんじゃないの?」
こんな時でも、妙に冷静な里香には困ったものだ。
「いや確かに、混じってるかも知れないけどさ」
「もう……わかったわよ……。だから、続きしましょう?」
素直になった里香は、僕の顔を熱い視線で見つめてくる。
その視線は、先ほど一回射精したばかりの僕のペニスを休ませてはくれそうになかった。
「うん……今度は里香の方も、ちゃんと気持ちよくしてやるからな」
僕はそう言うと、里香を抱きしめていた腕を解き、彼女の身体を自由にしてやった。
身体が自由になった里香は、すぐに続きがしたいといった感じで、ゴツゴツとした岩に両手を付き、こちらに背を向けて、お尻を突き出す格好をした。
なるほど、つまり里香は立ちバックでする準備が万端のようだ。
「ん……裕一、もう私は、大丈夫だから……」
首を回して僕の方を見ながら、里香は懇願していた。
「……わかった。あっ、そうだ。水着、ちょっとずらすぞ?」
僕はそう言いながら、里香の下半身を隠している水着の白い布地を右手で摘むと、ずいっと左にずらした。
すると、蜜壷から滲み出してきた愛液が誘うように粘着質に輝いている、里香の秘裂があった。
その光景を僕に見られた里香は、恥ずかしさを隠すようにこう言った。
「もう……いっそのこと、脱がせばいいんじゃないのよ?」
「いいよ、このままで。する分には困らないし」
本当のところは、敢えて水着を脱がさずにおいて、ずらして挿入した方がそそるからこのままにしておきたいのだが、
そんな理由を一々里香に説明したら、きっと怒られてしまうことだろう。
僕は次に、里香の張りの良いお尻を両手で掴み、ウズウズしているペニスを彼女の秘裂にピトッとあてがった。
その感覚に、里香は可愛い声を漏らす。
「はうっ……」
熱い粘膜同士が少しだけ直に接触している感覚に、僕も興奮してきた。
そう、泳ぎに来るのに、はなからゴムなんてもってきていないせいで、もちろん生での挿入だ。
また、考えてみたら、避妊をしないで里香とするのは、かなり久しぶりだということにも気付いた。
(これじゃ、ほんとに子作りだな……)
僕はそう自嘲的に考えながら、抜き身のペニスに体重を掛け、里香と一つに繋がろうとする。
「んっ……」
ズズっとした感触がすると同時に、僕のペニスは濡れそぼった里香の中にあっさり埋没する。
一つとなったお互いの脈動が、じんわりとした熱いリズムで伝わってくる。
その反応に良い手応えを感じた僕は、早速腰を前後に振り始める。淫らな水音が、僕と里香しかいない入り江に響く。
よく考えたら、何せさっきまであれだけ激しい前戯をしていたのだ。二人揃って達するのに、今回は時間がかからない気がした。
僕のペニスが里香の中をスムーズに前後する度、結合している二人に大きな快感をもたらす。
「ふああっ、あっ、はぁっ、あっ、あっ、いやっ、はぁん……!」
僕に無防備な背後を突き上げられる里香は、甘い息を短く断続的に吐き始める。
なんとなくだが、里香の乱れ方は、普段より激しいような気がした。
……これは、何度か身体を重ねている内にわかったことなのだが、里香は行為中に一度スイッチが入ってしまうと、なかなか止まらなくなるようだ。
その理由を本人に聞いてみたことは無い。ただ、あくまで僕の推測なのだけれど、里香は今まで何度も「死」に触れてきたから、
その反動で、生きていることをこれ以上無く確かめられる、僕とのセックスを強く求めるのかも知れない。
というわけで、里香が乗り気なこういう時は、少しばかりやり過ぎかなと思うくらい激しく責めてやると、結果的に里香はとても悦んでくれるのだ。
僕は腰を振るスピードを上げながら、里香に話しかけた。
「里香……俺達さ、真っ昼間っから、人が来るかも知れない外で、それも海でヤッてるなんて、よく考えたら相当サカってるよな?」
「うっ……うん」
まず、自分たちのしていることのエロさを教えた後、次に、気真面目な里香には耐えられないようなことを想像させてやる。
「もしもさ、さっきの子供達が何かの理由でこの入り江に戻ってきて、この岩陰で声がしてるのを聞いて、こっちに来ちゃったらさ……」
「……ッ!」
里香が短く息を飲む瞬間、彼女の膣はきゅんっと僕を締め付けてきた。
「それでさ、俺と里香がヤッてるところを見たら、一体どんな顔をするかな、あの子達は? 興奮して覗いてたりするかな?」
「やああんッ……! 裕一の変態、バカァッ……! そんなこと、想像させないでよぉ……」
言葉責めによって、淫らで背徳的な想像をしてしまう里香は、僕の予想通り更に昂ぶっていった。
「そんなこと……言ったって、里香もスケベなんだろ? ほら、どんどんキツくなってるぞ」
僕は結合部の辺りを右手の指先でよく触り、僕のペニスと里香の媚肉がどれくらいしっかり絡み合っているかを確かめる。
「やだぁっ……そんなとこ、触らない、でッ……!」
「里香もよく言うよなぁ、ホントはイキたくて仕方ない癖に。はい、これもどーぞ」
僕はそう言いながら、今度は充血したクリトリスを右手の指で掴み、コリコリと弄んだ。
「っつあ!」
すると、里香が激しい嬌声を上げて少し体勢を崩すのと同時に、秘裂の締め付けが一段と強くなる
僕はそれに負けないように突き上げを強くしながら、耳元で里香に問いかけた。
「里香? そろそろイキそう?」
僕がそう問いかけると、里香はコクコクと必死に頷く。
「俺もイキそうなんだけど、中でいいのかな? 危険日じゃなくても、妊娠するかも知れないよ?」
そう問いかけると、里香は更に僕を奮い立たせるようなことを言ってくれた。
「いいよぉ……裕一の精子、私の中に一杯出して欲しいよ……裕一を、直接感じたいの……!」
その一言で僕の射精感が急激に高まる。
「了解っ、しました……っあ!」
僕は話しながら、自分でもややあっけない位に、本日二回目の射精してしまった。
激しい快感と共に、多量で濃厚な精液が、たちまち里香の胎内を白く汚してゆく。
ビュクッ!ビュクッ!
「んああああぁぁっっ!」
すると、僕が射精したのとほぼ同時に、里香が絶頂に達した証である嬌声を上げながら、僕のペニスをきゆうぅっっと締め上げる。
僕は、彼女が気持ちよくなってくれていることが素直に嬉しかった。
僕の射精と里香の絶頂が収まるまでの時間は、長くも短くも感じた。
……と、僕はそこである違和感を感じた。
里香の中で果てた快感は、もちろん素晴らしいものだったが、不思議と僕の勃起はまだ収まらない。
「はあぁっ、は―っ、ああっ……」
絶頂の余韻で、息を荒くしている里香だったが、彼女の締め付けは、まだ断続的に続いている。
どうやら、このまま続けて第2ラウンド突入ということになりそうだ。
まさに、僕と里香の若さが為せることであった。
「里香……もう一回、続けて出来そうか?」
僕はそう言いながら、まだ固いままで里香の奥に挿入されているペニスを少し動かす。
「はぁっ……はぁっ……うん、わたしも、したい……」
首を回して僕の顔を見た里香は、ハッキリと僕を求めた。
「よし……! いくぞ、里香」
僕はそう言いながら、再び腰に力を入れて里香を突き上げる。
すると、僕の出した精液により、里香の胎内はさらにぐちゃぐちゃになっていることに気付いた。
「うぅっ……裕一の精子、凄くヌルヌルしてる……」
僕と同じことを里香も感じたらしく、彼女はこんなことを言い始めた。
「はあっ……はあぁっ……。 こ、こんなにだされたら……わたし、本当に妊娠しちゃうよぉっ……!」
彼女がそう言いながら、自分の言葉で更に昂ぶっていくのが、強くなる締め付けからわかった。
これでまた、里香を言葉で責め立てるポイントが出来たと思った僕は、すかさず言葉を紡ぐ。
「もしも、さ……これで赤ちゃんが出来てさ、それでその子が大きくなった時に、またここに一緒に来るとするじゃないか」
「う、うん」
「その時に、実はあなたはここでした時に出来た子よなんて、絶対に言えないよな……」
すると、僕の言葉に反応して、里香の中がヒクつくのを僕のペニスが感じた。
「そ、そうだね……恥ずかしいお父さんとお母さんだねって、思われちゃう、ね……ああっ、はっ、っん!」
「あぁ、特に里香の淫乱さは教えられないなぁ。教育上悪すぎるよ」
「うぅ……その言葉、裕一にそのまま返すわよ……」
僕から里香の顔は見えないが、彼女の顔はきっと恥ずかしさで真っ赤になっていることだろう。
「まぁ、男の子にだったらギリギリ聞かせられるかも知れないけど、女の子には、トップシークレットだなぁ……はあっ、うん!」
僕は、なおも腰の動きを激しくしつつ、敢えて挿入を浅くして、里香のGスポットに狙いを定めて突き上げた。
「ふああんっ! そ、そこそこっ! そこゴリゴリされるの気持ちいいよおっ!」
里香が急に、声を上ずらせながら身体を震わせたので、僕は彼女にこう囁きかけた。
「ん? ナニで何処をゴリゴリされるのが里香は気持ちいいんだ? ちゃんと言ってみてよ」
これはたまに僕が使う手なので、どういう言葉を使って言わなければならないかを、里香も当然知っている。
「そ、そんなこと……」
「えー、ハッキリ言わなきゃ、気持ちいいことしてあげないよ?」
僕はそう言いながら、少し腰を振る勢いを弱くする。
すると、里香は物足りなそうに自ら腰をくねらせるが、僕は応じない。
「うう……」
後で覚えておきなさいという感じの恨みがましい目つきで僕を見ながら、里香は恥ずかしそうな口調で僕の要求に応える。
「ゆ、ゆういちのおち○……ちんで、わたしのお……おま○この中のっ、Gスポットをっ、ゴリゴリされるのが気持ちいいんです……っ!」
里香はそう言いながら、自分が話した言葉の淫らさに、プルプルと膣内まで震えている。
普段は僕に対して主導権を握っている里香が、こんなにも乱れていて、しかも僕の命令を聞くというのは、かなりの快感だった。
「よしよし、ちゃんとエロい言葉を使って言えるなんて、里香は偉い子だ。ご褒美やらなきゃな」
そう言って僕は、今度は奥深くまで突き上げてはやや乱暴に引き抜く動作を繰り返す。引き抜く際に、わざとカリを肉襞に引っかけるようにしてだ。
ちょっと無理矢理な感じがして、僕としても気持ちはいい。
「やらあっ!! だ、ダメ……そ、そんなにされたら‥‥わたしの、めくれちゃうよお……!壊れちゃ…‥う‥…!」
もっとも、本当に里香の秘裂がめくれたり壊れたりすることなど無いが、普段の里香の理知的な精神は、今やほぼ完全に快感に塗りつぶされている事がわかった。
「しょうがないだろ? これくらいやらないと、里香は満足してくれないんだし、さっ!」
「あ……あ……! そんなっ……ふああん……!!」
僕の激しい責めに、里香も堰を切ったように乱れ出す。
僕の腰の動きに合わせて、自分の尻を振っては喘ぐのだ。
「や、あああ……っ!!……!」
目の前の里香の痴態と、なおも強くなる里香の締め付けに、僕もどんどん昂ぶっていく。
僕は今度はただ愚直に、力強く筋張ったペニスで里香の膣内を後ろから突き上げる。
パンッ、パンッ、パンッ……!
里香の身体も連携したピストン運動により、僕の股間と、里香のお尻とがぶつかり合う。
二人分の喘ぎ声と、乾いた音が、湿った岩陰で規則的に響く。
それがしばらく続くと、僕と里香はもう頂の近くにいた。
「里香っ、俺もう……!」
切羽詰まった声を出す僕よりも、少し先に里香の方が限界を迎えたようだった。
「……はひっ……わっ、わらひっ、イクッ! またっ、ゆういちに射精されながらイクのぉっ!」
里香が切なげな声で激しく叫ぶ。
同時に、彼女の秘部は、僕をくわえ込んでいる奥の方から激しく痙攣しながら締め付けてくる。
それが僕にも限界を迎えさせる。
「うあ……っ!」
僕の口から無意識に息が漏れるのと同時に、強制的に勢い付いた射精が始まる。
ドビュッ!! ビュッ、ビュルッ!
「あっ……くる、くる……! っ、なかにゆういちの精子出てるぅっ……!!」
ペニスが脈動して、本日三回目とは思えないくらい十分な質と量の熱い白濁を吐き出す度に、股間から脊髄を灼くような快感が僕を襲う。
同時に、胎内に激しく精液を流し込まれた里香はその刺激により、背筋を勢いよく反らしながら、更なる高みに昇り詰める。
「ああっ!!はうっ、ぁ……!……ひゃああああああああん〜〜〜………!」
僕にしっかりと尻を押さえられながら精液を流し込まれた里香は、普段はラブホテルでする時でないと出さないような嬌声を上げながら達する。
ビュッ、ビュッ。
「はあっ……あ……あつい……っ!」
女の子が射精を熱く感じるのは嘘だというのを聞いたことはあるけれど、
少なくとも里香は僕と同じように、灼けるような快感を感じているらしい。
その時、僕は結合部に違和感を感じた。
ぷしゅっ!
どうやら、里香は僕に射精されながら、激しく潮を吹いてしまったらしい。もしかしたら、Gスポットを刺激していたのが効いたのかもしれない。
里香の外から中への白濁した流れに逆らって、中から外へと湧き出す透き通った潮が、結合部を汚し、白く泡立つのを僕は見た……。
すると、今まで僕を強烈に締め付けていた、里香の媚肉の圧力が急速に弱まるのを感じた。
同時に僕のペニスの方も、先ほどまでは激しく膨張し里香の胎内に精液を放っていたとは思えないほど、
急速に力を失ってしなびてしまい、今やとても肉棒とは呼べない状態だった。
「はーっ、はーっっ、はあぁーっ……」
激しい快感の中で息を荒くしながら、里香はなんとか立っているという感じだった。
「里香……一回、休もうな」
僕はそう言いながら、里香のお尻を掴んでいた手を、彼女のお腹の前で組むようにして体重を支えてやる。
里香は夢見心地といった口調で僕に応じた。
「うん……とりあえず、よこになりたい……」
里香の膣から急速に圧力が失われるのと同時に、彼女の身体からも力が抜けていた。
僕は少し慌てながら、しなびたペニスを里香の中からヌルリと引き抜く。
結合部から糸を引いてポタリと垂れた淫液の混ざりモノが、足下の砂地を汚す。
「ふあっ……」
引き抜かれるペニスに、敏感になっている秘裂を擦られたことで吐息を漏らす里香を、僕は背中から抱きかかえるようにして立たせ直し、
ゴツゴツとした岩に寄りかからせて少し安定させた。
次に僕は、近くに丸めて置いておいたレジャーシートを急いで取りに行き、その辺りに敷く。
何故レジャーシートが必要かというと、何も敷かずにそのまま砂地の上で横になると、砂だらけになってしまう恐れがあったからだ。
そして、僕は力の抜けた里香の身体を優しく抱きながら、砂地の上に敷いたレジャーシートの上に仰向けに寝かせてやる。
里香の頬に軽くキスをした後、自らもその隣に寝て休憩することにする。
僕と里香の周りには、本来海辺にはないような、生臭くもかぐわしい匂いが充満していた。
叔父さんから借りたレジャーシートが、僕と里香の体液で汚れてしまうのは問題だったが、後で洗うか拭き取るかすれば大丈夫だろうと思った。
僕は次に、手を伸ばしてクーラーボックスのフタを開け、中に入っているモノを取り出して里香に渡す。
「里香、これ飲んで」
まだ冷えているペットボトルが、僕の手から里香の白い手に渡る。
「うん‥‥ありがと」
ゴクッ‥‥ゴクッ‥‥ゴクッ‥‥と、里香は喉を大きく鳴らしながら水分と栄養分を補給をする。
「あぁ……まるで生き返るみたい‥‥! ……裕一も、どうぞ?」
今度は里香の白い手から、僕の手へとペットボトルが渡る。無論、間接キスでの回し飲みということになる。
「うん」
僕も里香と同じように、喉を大きく鳴らしながら水分と栄誉分を補給をする。
そんな感じで、僕と里香は残しておいたスポーツドリンクを、回し飲みしながら休憩した。
何せ、色々な体液を身体から出して、喉がだいぶ渇いていたので、本当にありがたく感じた。
回し飲みが恥ずかしいという感覚は、互いの尻の穴まで見た僕と里香の仲においては、もはや無いに等しいし、
それ以上に、昼間から海辺で青姦をしていた結果として熱中症になったのでは、若さ故の過ちというにはあまりにお粗末で酷い。
第一、ここではとっさに助けを呼ぶことすら難しいのだ。
……そんなことをぼーっと考えながら、僕は自分が疲れていることを実感した。
流石に、連続して3回も射精すると疲れは半端なものではない。
特に、始めに水着股で射精してしまったのが、予想外の出費という感じがして手痛かった。
里香にしても、身体に負担をかける体位で連続でしてしまったせいで、だいぶ疲れているようだった。
彼女は目を閉じ、仰向けで、ずれている水着を直すこともなく、少し荒い息のまま余韻を味わっている。
まだ叔父さんの家に帰るは早いと感じた僕は、里香としばらくは、さざ波の音を聞くことにした……。

……気だるい感覚の中、横になって休んでいると、不意に、肩の辺りに重みを感じた。
どうやら、里香の身体が当たっているらしい。
「……う〜ん、何だ?」
ふと気付くと、仰向けに寝かせたハズの里香が、いつの間にか、僕の顔の方へ身体を向け、彼女の肩を僕の肩にくっつけて寝ている。
まるで、一緒にベッドで寝ている時の里香のようだ。
いつもの里香と違うのは、彼女がずれた水着も直さず寝ていることで、その様はとても無防備に見えた。
可愛いなと思いながら、僕は彼女の頬に軽くキスをする。
すると、彼女はぱちくりと目を覚まし、上体を起こしながら白い指で目をこする。
「ごめん、起こしちゃった?」
「ううん、大丈夫。元から寝てないし……」
「まぁ、こんなところじゃ仕方ないよ。暑いし」
僕がそう苦笑いしながら立ち上がり、ぐーっと背伸びをする。
すると、正座を崩したような感じでちょこんと座っていた里香が、不意に僕の手を握る。
「ん、どうしたの?」
僕がそう聞くと、彼女は何故か恥ずかしそうに顔を伏せながら、ちょっと予想が付かなかったことを言い出した。
「ねぇ……裕一は……もう、無理そう?」
「え……?」
里香の言葉に、僕は一瞬固まってしまう。
彼女が僕に何を求めているかは、明確だ。
しかし正直な所、僕はもう後は叔父さんの家に帰るだけだと思っていたので、もう一戦交える覚悟はしていなかったのだ。
それに何より、里香をまた満足させることは、今の我が愚息では不可能だと思ったので、僕は里香の申し出を断るしかなかった。
「ゴメン、里香。やっぱり、流石に今日はもう無理かと……」
僕がそう言うと、里香は黙って顔を下に向けてしまった。
「……」
据え膳食わぬは男の恥とも言うくらいだし、女の子の方から誘わせておいて断るのは、とても恥ずかしいことだ。
これは、里香の機嫌をかなり損ねてしまったかなと僕が冷や汗をかきそうになっていると、里香が急に身体を動かした。
僕が何だと思っている間に、彼女はレジャーシートに仰向けになり、彼女自分の左手を使って股を開いてきたのだ。
僕の視線が、無防備に晒された里香の大切な部分に否が応でも注がれる。
「えっ……ちょっ里香さん、一体なにをっ!?」
僕が素っ頓狂な声を上げるのとは対照的に、里香は興奮してやや上ずった声で、僕を求めた。
「ゆういち……おねがい……もう一度だけ、して」
自ら左手で左の太股を押さえつつ股を広げるという体勢を取って、里香は僕を誘ってきたのだ。
さきほど、水着を着けたまま激しく後ろから突き上げられていたせいで、本来秘部を覆い隠しているハズの水着は、紐が外れてなんともだらしがない。
左右に少し開かれた秘裂からは、里香自身が分泌した透き通った淫液と、僕が吐き出した欲望の残滓とのカクテルが漏れ出ていて、
それが里香の薄い恥毛と絡まり合い、なんとも淫靡であった。
「あたし……裕一を、もっとたくさん感じたいの」
何より、今の里香の表情と来たら、色っぽく半開きにして涎を垂らした口と、涙目になりながらもなお情欲の炎を灯したままの双眸がたまらない。
愛おしいまでに乱れた里香のその姿は、疲れ切った僕の愚息を再び戦闘態勢にするのに十分だった。
里香の淫液に塗れてしなびていた僕のペニスに、再び新鮮な血液が通い、海綿体を膨らませ、赤黒い肉棒が痛いくらいにそそり立つ。
同時に、睾丸の辺りがジンジンと疼き出した。まるで精巣が急遽、里香の膣内に放つ為の新しい精子を作り始めたかのような感じだ。
僕の愚息のそんな様子を見た里香は、恐れるかのような、欲しがるかのような、感心するかのような表情でこう言った。
「うわぁ……。さっき、あんなに出したのに……」
里香は上気した顔で、僕のペニスを見つめる。
「うん、前言撤回するよ。 ……コレでもう一回くらいなら、気持ちよくしてやれそうだからな」
僕がそう言うと、ペニスがビクンと脈打って上下した。
「ふふ、おねがいします……」
「全く、里香と一緒にいると、こっちが持たないことが多すぎるなぁ」
僕は早速腰をレジャーシートの上に下ろして、ピクピクしている亀頭を、左右に少し開かれた里香の秘裂にピトリとあてがう。
互いの鼓動に合わせて、僕と里香の性器の粘膜が震えているのがわかる。
里香の髪の毛と同じ色艶を持つ彼女の控えめな恥毛が、僕の亀頭に触っているらしい感覚もした。
「んっ……! でも、裕一は……それをわかって、ずっとあたしと一緒にいるのよね。やっぱりマゾなんじゃないの?」
里香が少し小馬鹿にするような感じでそう言ってきたので、僕はちょっとした仕返しのつもりで、喋りながらいきなり里香の秘裂を貫いてやった。
「あぁ……、里香みたいな良い女は、他の何処にもいないからなっ!」
既に色々な液でヌルヌルしていた里香の膣は、長槍のように突き出された僕のペニスによって、容易に最奥まで貫かれてしまった。
貫かれた里香の媚肉は、熱いうねりとなって僕のペニスに絡みつく。
「ふあっ!? うああっ……!」
僕からの不意打ちに、里香は目を見開き、大きく身じろぎしながら嬌声を上げる。
「どうだ? 俺をあんまりからかうと、ほら、こういうことになるんだぞっ……!」
「ひぃんっ! んぁ……っ!!」
僕は獣が獲物を貪り食らうように、里香の細い身体に覆い被さって激しく腰を突き出す。
同時に、里香の肩の辺りを右手で抱きしめながら、左手で里香の乳首をコリコリと弄び、舌先で胸の手術痕をチロチロと舐め上げる。
里香はもはやまともな言葉を話せず、ただただ僕の動きに合わせて、甘い声で喘ぎ続けた。
「はあっ……んッ……あ、あっ、あん……やぁ!…‥ふぅ……っく……あん」
少し余裕が出てきた僕は、里香に対して文句の一つでも言いたくなった。
「……全く、どうして里香はこんなえっちな女の子になっちゃったんだ。確か、会った頃はこんなんじゃなかったぞ?」
僕が少し呆れたように言うと、里香は喘ぎながらも、必死に真面目になって反論した。
「だってそれは……ゆういちが、裕一が……あたしにたくさんするからっ……! 
 だから……あたしの色んなところが、裕一の指や、お、おち○ちんの感触覚えちゃってて……」
スイッチが入ってしまっているらしい里香は、こっちが恥ずかしくなるくらいのことを話してしまう。
膣内もヒクヒクと断続的に強く締め付けてきていて、かなり感じているらしい。
「そりゃ、里香の方から、あっちこっちして欲しいって、ねだってくることもあったくらいだからなぁ」
僕は腰を振りながら、さも里香ははしたないといった口調で言う。
「うぅ‥‥そんなこと言われても……あたしはやっぱり、裕一のことが……好きだから……。
 だから、裕一になら、何されてもいいって思えたから……!」
里香が感情を昂ぶらせ、瞑った目から涙を流しながらそう言うので、僕も俄然やる気になった。
「っく……里香にそんなこと言われると、俺……我慢出来ない!」
僕はそう言いながら、少し無理な体勢で里香の唇を奪って、半ば強引に舌を絡ませる。
「ん……っん……! ぷはぁっ……あたし‥‥ゆいちと‥‥してるとき‥‥っ……し、しあわせだよおぉ…っ…!」
僕との荒っぽい口づけを終えた里香が、その唇で僕への殺し文句をまた放つ。
「うん……俺も、すげえ幸せだぞ……!! 里香とエッチしてる時が、人生で一番幸せだ!」
「あんっ……あぁっ、あたしもっ、ゆういちとしてる時が‥‥いちばんいいよぉ……! ふぁんんっ!」
里香の言葉に興奮した僕は腰を振るペースを更に上げる。
麻痺しているような、あるいは逆に敏感になっているようなペニスからは、よくわからない強い快感が伝わってくる。
しかし、そのペニスの根本の方では、新鮮な白くて熱いものが湧き上がってくるのを僕はハッキリと感じていた。
それを僕の表情や息づかいから察したらしい里香は、彼女自身も限界だという感じで僕を諭した。
「ゆういち、もう、我慢しなくていいからっ……!」
里香は喘ぎながらの途切れ途切れの声で、しかし明確と僕に意思を伝える。
「全部……ぜんぶ中に出してぇっ! ゆういちのをあたしの奥にっ、またたくさん種付けしてぇ……!」
里香のその言葉が、僕に快感の分水嶺を超えさせる。まったく、里香は一体、どこで種付けなんて言葉を勉強してきたのだろうか。
とにもかくにも、里香の言う通りに僕は、下腹部に必死に力を込めて、最後まで残っていた精液をありったけ放とうとする準備に入る。
急速に射精感が高まり、僕の腰がみっともないくらいにブルブル震えながら射精が始まる。
「里香っ、出すぞ! り、かっ‥‥!! かは……ッ!」
僕が深く腰を突き出して切羽詰まった息を漏らした時に、今まで引き絞っていたモノが、里香の深いところにある温もりの中へと、一気に溢れ出た。
里香の子宮口に押しつけられた鈴口から、熱い白濁が迸る。
ビュルッ!!ビューッ!
……本日4回目の射精は、冗談抜きで、自分の魂さえも出し切ってしまいそうな射精だった。
何度も射精しているせいで量が減って中身も薄くなり、やや水っぽい精液が、しかし勢いは良く、里香の胎内の奥深くに放たれる。
同時に、里香の膣がペニスをきゅうきゅうと、まるで、自分を確実に孕ませるまでは離さないといった感じで締め付けてくる。
「ッッ!! はあああああんんッ〜〜〜…………!!!」
僕の射精が引き金になったらしく、里香はガクガクと身体を震わせながら、これ以上ないくらいに激しく達する。
「……ぁ……くっ………!!」
(い、痛っ!)
理性をひとかけらも残さず押し流されそうになる里香は思わず、僕の背中に爪を立てて快感に耐える。
しかし今の僕には、その鋭い痛みさえも快感に感じてしまう。
僕と里香はそのように、感覚と思考の全てを、ほとんどまるごと快感に変換されてしまったかのような、激しい絶頂を味わったのだった。
……嵐のような快感が駆け抜けた後、僕と里香は荒い息を吐きながら、未だ魂をかき回すような余韻に絡みつかれている。
「やばっ……気持ちよすぎて、頭おかしくなるかと思った……」
僕はそう言いながら、壮絶な連戦を終え、もう今日は文字通り再起不能となった愚息を、里香のドロドロの秘裂から引き抜く。
秘裂からふにゃふにゃになったペニスが引き抜かれる瞬間、里香は身体をぶるりと震わせ、まるで夢を見ているような口調で僕に返事をした。
「……っふ……! あたしも……こんなの、はじめて……はぁ……」
「ふぅ……俺も‥‥すげえ気持ちよかったぞ。ありがとう」
僕はそう言いながら、今まで覆い被さっていた里香の身体からどいて寝直すと、彼女に抱きつく。
「やっ……!」
里香は小さく声をあげたが、それ以上の反応や抵抗はなかった。
僕は里香の身体の温もりを感じながら、しばしの間目を瞑って、この極上の余韻に浸ることにした……。
……僕と里香は、二人でこれ以上無い高みに達した後、疲れ切ったお互いの身体をさっき交わっていた場所でそのまま横たえ、重ね合わせて余韻を楽しんでいた。
結合を解いても未だ敏感になっている、お互いの性器や乳首といった性感帯を手で弄りあったり、
舌や唇を使って、互いの顔を唾液でベロベロにしあったりしているのだ。
身体が疲れているだけに、余韻はとても味わい深く感じられる。
「りか……はむ……んっ……」
僕は里香の唇を貪りながら、彼女の髪を撫でてみる。もう随分と潮気を含んでいる漆黒の髪の毛からは、普段のサラサラ感はとうに失われていた。
梳くつもりで入れた指に、黒く長い髪の毛がしっとりと絡みついてしまう。
「これ……早くシャワー浴びた方が良いんじゃないか?」
僕がそう言うと、里香はコクンと頷いたものの、まだ余韻を楽しみたいようだった。
「ふあっ、ゆいち……キス、して……。 んんっ‥‥れろ……れろ……ぴちゅ、ぴちゅ」
僕以外の前では決して見せないような気だるくはしたない顔で、しかし心地よさそうに僕の舌に自らの舌を突き出してくる。
「まったく……しょうがないなぁ……。んっ……れろ、れろ」
「っ、んむっ……ゆういち、だいすきだよ……はむ……れろ……れろ」
里香はとても淫らでそそるもので、愚息の元気さえあればもう一戦交えたかったのだが、流石にそれはもう無理だった。

……ふと、僕と里香の身体が帯びている、ジンジンとした熱い余韻のリズムと、寄せては返す波の音が、僕にはなんだか重なって感じられた。
そんなことを考えながら、僕は再び里香と舌を交わらせようとして、

急に、大きな忘れ物があったことに気付いた。


――あっ、カメラ持ってくるのを忘れた――

いや、カメラ自体は自宅から車に乗せてちゃんと持ってきていたのだが、叔父さんの家に他の荷物と置きっぱなしにしたようで、
肝心の入り江に持ってくるのを忘れてしまったらしい。
それは僕にとっては、相当に不覚で残念なことだ。
今まで里香と出かける時には、愛用のカメラをいつもきちんと整備して、必ず持って行っていたし、
海辺で楽しく元気にはしゃぐ水着の里香を撮影してアルバムに残したら、どんなにか良い記念になったかわからない。

……けれども、よく考えてみたら、機会があればまた何度でも、ここに来ることは出来るのだ。そういう考え方をすると、そんなに残念には感じなかった。
少なくとも今は、目の前に里香がいてくれれば、十分過ぎるくらい幸せだった。
あるいは、カメラを忘れるくらいの余裕が出てきたことこそが、本当に幸せなのかも知れないと感じた。

……日が傾いてきて夕暮れになってきたなら、夕焼けに赤く染まるであろうこの入り江を、里香と一緒に歩いて、旅の思い出を増やそう。
その後、べとべとになってしまっている身体を、海で軽く洗うのも悪くない。叔父さんの家に帰るのは、それからでも遅くないはずだ。
僕はそう考えながら、里香としっかり唇を絡ませた――。



―――ちなみに、この海辺での一件から約二ヶ月経った日に、里香の妊娠が発覚するのだが、それはまた別の話だ。


おわり。




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