絶頂の余韻が収まり、だいぶ落ち着いてきた僕は、ふと浮かんだ疑問を里香にぶつけてみた。
それは自分で口に出すのが恥ずかしい疑問だけに、ストレートに聞くことは出来なかった。
「そういえばさ、こんなこと聞くのもなんなんだけど」
「ん……なによ?」
僕はベッドに横になりながら、僕の身体にぴったりと寄り沿って横になっている里香と話し始める。
僕を上目使いで見上げてくる里香の仕草の色っぽさは、かなり男心をくすぐるものだ。
「里香は……俺のをあんなに飲んで、大丈夫なのか? まずくないのか?」
同じ質問を学校帰りにしたら、カバンで殴り倒されてしまうかもしれない。
僕のそんな問いに対して、里香は意外とこともなげに答える。
「精液は美味しくはないけど、成分的には健康に悪くないのよ? 知らないの?」
今がそういうことをしている最中だからこその反応だったのだろうけど、
上手くかわしたような答えに、僕はちょっと拍子抜けしながら相づちを打った。
「まぁ、タンパク質とかたくさん入ってそうだからな……尿検査で引っかかる原因にもなるし」
「尿検査に? なんでよ?」
まずい、里香に対して、同年代男子には通じるネタを振るべきではなかった。
里香は不思議そうな顔をしている。
「いや、なんでもないや。忘れてくれ」
「?」
日常生活に慣れてきたとはいえ、こういう下ネタ的なモノが素でわからないことがあるのは、里香らしいといえば里香らしい。
……さて、僕の下半身の愚息はまだ絶頂の余韻を感じつつも、生まれたままの姿の里香を見ていたらスクスク元気になってきた。
里香も十分に休憩出来たようで、落ち着いた呼吸をしながら、瞳には静かに情欲の火を灯していた。
こういう時は、僕の方から誘うのがマナーというものだろう。
僕は若干の緊張を感じながら、里香に聞いた。
「ところでさ……今日は、その……大丈夫なのか? 付けた方がいいか?」
『大丈夫なのか?』というのは、里香は今日『危険日』かどうかということである。
……真面目な話、一時の過ちで、今の僕と里香との間に赤ちゃんが……ということにでもなったら、
それはそれは大変なことになってしまう。里香の身体のこと以上に、社会的に。
いや、もちろん将来的には話は別だけど、今はとにかくダメだ。
だから、僕と里香は避妊にはしっかりと気を使っている。
僕のそんな真剣な問いに対して、里香は少し間を空けて答えた。
「……ううん……今日は、何も付けなくても大丈夫だと思うわ」
「…わかった。一応、外に出した方がいいかな?」
「……中で、大丈夫だと思うよ」
里香の返答が少し遅かったのと、安全日とはいえ、コンドームを付けなくて、中に射精しても良いと言い切る里香に、
僕は少し違和感を感じて思わず反論したくなった。
確かに、出来ればコンドームを付けずにした方がお互い気持ちいいのだけれど、
その場合は膣外射精にする必要があるし、そうでなくても先走り液で妊娠しないとも限らない。
安全を考えるなら、まずコンドームはするべきなのだ。
「なら別に良いんだけどさ、せっかく備え付けのがあるんだし、念のために付けた方が……」
僕はそう言いながら、枕元に置いてあった一つの小さな袋に手を伸ばすが、その手を里香に止められる。
「里香?」
僕が更に何か言う前に、里香は話し始めた。
「あの……実は、少し前に病院で相談して、あたしが使っても大丈夫な薬を処方してもらって、もう家で飲んできてたの」
「えっ、そうなのか?」
「うん」
やや予想外の里香の答えに、僕は多少驚いてしまった。
確かに、安全日の上に避妊薬を服用していれば、膣内に直に射精されても妊娠する確率は低いだろう。
真剣な顔で頷く里香を見て、これは嘘じゃないなとは確信は出来た。
それに、里香はこういう時に嘘をつく女の子じゃないというのは、僕が一番良く知っている。
……でも、なんで里香はこんなに準備が良いんだ?
避妊薬を病院で相談して処方してもらったということだけど、それには検査だって要るかもしれない。
そもそも里香はここ最近、一ヶ月に一、二度しか病院には通っていないハズだ。
……そういうことをまとめて考えると、やっぱり里香の準備は良すぎる。
まるで、今日僕とエッチすることを、里香があたかじめ計画していたかのようだ。
僕がそんなことを考えていると、不意に里香の方が口を開いた。
「……実は、みゆきから教えてもらったの。ここのホテルのこと」
「それって……」
「……うん」
恥ずかしげに紡がれた里香の言葉と、そこに出てきた僕の幼なじみの名前。
その二つこそが、パズルに嵌っていなかった、最後のピースのようだ。
……もしかして、行きたいところがあるか、帰りたいかを聞いた時に、里香がさも考えるかのような仕草をしていたのは、演技だったのだろうか?
……もしかして、休憩できるところを探すようにしたのも、僕を誘導しつつ、このラブホ密集地帯に向かう為だったのだろうか?
僕は胸の高鳴りが強くなるのを感じながら、もう我慢できずに、彼女をベッドの上で押し倒すように抱きしめた。
彼女の白く細い肩を抱き寄せ、足を絡ませた。
そして、僕の喉から勝手に声が出てくる。
「里香……!」
彼女の温もりを感じながら、愛しいその名を呼ぶ。
里香も僕をきつく抱き返しながら、恥ずかしそうに囁く。
「ゆういち、しよ……?」
僕は、何よりも里香の気持ちが愛おしくて、嬉しかった。
僕と何も付けないで、妊娠を気にしないでする為に、わざわざ避妊薬を処方してもらってきたことや、
偶然を装って、下調べをしてまでラブホテルに連れてきてくれたことが嬉しかった。
僕は里香の頬にキスをすると、上体を起こして腰を引いて、正常位の体位を取った。
そして、丁寧に里香の両足を開き、その付け根にある秘裂を露わにする。
その行動に、里香は喘ぎのような声を漏らした。
「やっ……」
そこには、さっき達した跡が生々しく残っていて、秘裂はだらしないくらいに蜜を滴らせながら、ヒクヒクと震え、何かに貫かれるのを待っていた。
僕のペニスは、その光景を見てビクンと硬くなった。
里香はというと、秘裂の状態を僕にしっかりと見られて、さすがに恥ずかしそうに、僕の顔から視線を逸らした。
次に僕は、自分の両腕を里香の両腕に絡ませるようにしながら、腰を少し前に突き出す。
ピトッ……。
「ひゃんっ……!」
僕のペニスの亀頭が、里香の秘裂にぴったりと押し当てられる。
もう一押ししたら、僕と里香は一つになってしまうだろう。
お互い既に一度達している敏感な粘膜同士が触れあっているせいで、新鮮な血液の脈動を感じ合えるくらいだ。
「りか……!」
僕は腰を激しく突き出したい欲求を抑えながら、里香に最後の了解を求めた。
里香は、ただ静かにコクリと頷いたが、その目は昂ぶりのあまり涙ぐんでいた。
僕は意を決して、しっかり腰を前に突き出した。
ズプッ、ズププッ……!
水っぽい音がして、僕のペニスが里香の秘裂の中に割って入る。
「ああっ、ああ……!!」
里香は背筋をわずかに反らせながら、挿入の快感に大きく声を上げる。
僕はその様子を愉しみながら、それ以上にペニスにねっとりと絡みついてくる里香の肉襞に圧倒されていた。
一度射精したペニスは敏感になっていて、それが余計に快感を高めているのだ。
僕はもっと里香と一緒にその快感を味わいたくて、彼女にこんなことを言ってしまう。
「里香っ……! ここなら、いくら声出しても大丈夫だからな……っ!」
そう言いながら、僕は腰を必死に前後させる。里香の秘裂は、その動きを逃がすまいと吸い付いてくる。
「うん……! はぁん、はあ……!!」
里香も僕に短く答えながら、より大きく喘ぎ始めた。
こうなってくると、普通は彼女に強く働いている、理性のリミッターが外れてしまったらしいことがわかった。
……そう、僕や里香の家などでする時とは違って、今回はラブホテルでしているのだ。
いくら大きい声を出しても、他の人には絶対に見せられない痴態でしていても、誰にも見られないという安心感がある。
もちろん、ラブホテルから出てくるところを知り合いに見られる可能性もあるけれど、
それ以上に、僕と里香が周りを気にせずにすることが出来る場所や時間の価値は大きい。
恐らく、里香もそう思っているからこそ、僕をラブホテルに誘ったのだろう。
そんな里香への愛おしさを込めて、僕はより一層腰を強く突き出した。
「やあんっ……! はぁん……ゆういち……す、すごいよおっ!」
里香の奥を突き上げ、腰を引く。
その度に彼女は、心と身体の奥から悦んだ。
「はぁ……んっ! ひいっ……!」
里香の肌は健康的に汗ばんで紅潮し、顔は快感に染まっていく。
僕はそんな里香の痴態に更に興奮を高め、彼女の中にあるペニスがますます硬く大きくなるのを感じた。
そこで、大きくなったペニスを里香に見せつけたくて、大きくゆっくりめに出し入れをしてやる。
すると、里香はペニスに貫かれている秘裂を見ながら、快感のあまり舌足らずになりながらも言葉を紡ぐ。
「うぁ……やらよぉ……ゆういちのおちんちん、またこんなに……! やっ、やんっ……!」
里香は直接淫語を言いながら、自分で自分の痴態に更に昂ぶっていく。
そんな里香の淫らさに、僕も相づちを打つようなことを言う。
「何言ってんだよ……! 俺のをこんなにでかくしたのは里香じゃないか? 責任、取ってくれよ……!」
僕はそう言いながら、今度は少し早く強く腰を打ち付けた。
先ほどまでよりもきつく激しく粘膜が擦れ合い、粘着質な水音と里香の喘ぎ声が部屋に響く。
「ふぁうっ……! らめぇ、そこつよくするのだめぇ!」
「はあっ……はあっ!」
僕と里香の身体の動きでベッドがギシギシと揺れる、硬質な音が部屋に響く。
「あんっ……! ふあ、ぁ……!」
やはり普段よりも里香は乱れているようで、あからさまに感じている様を口で表す。
その口も、快感で息苦しくなっているのか、色っぽく開閉を繰り返している。
自然と、僕と里香、それぞれの絡み合う手や腕にも力が入り、結合部と同じくらいきつく、いやらしく絡み合う。
僕と里香は身体だけじゃなくて、心でも一緒になっている……。
そのことを僕は再確認すると、急速に身体の芯が熱くなってきた。
「里香……! ごめん。俺、もうそろそろ……」
僕がそう言うと、里香は喘ぎながらも微笑んで言った。
「いいよ……! わたしも、そろそろだからっ……!」
僕たちの間には、もうそれ以上の言葉はいらなかった。
僕は里香の腰をもっと深く突く為に、里香の腰を持って、少し上げさせた。
そうすることで、いわゆる『まんぐり返し』と『正常位』の中間くらいの体位になって、挿入がしやすくなった。
「里香っ……! 里香のここ、すげぇ気持ちいいからな……!」
僕は息を荒げながら、ラストスパートという勢いで里香の奥を突き上げる。
挿入がしやすくなって勢い余った亀頭が、彼女の子宮口を二、三度コツンと突く。
「ひいいぃあぁっ!!」
ここに来て新しく追加された快感に、里香は一瞬白目を剥くほど喘ぎ、膣は僕をキュッと締め上げる。
その反応の激しさに、僕も少し心配になってしまう。
「……里香っ、大丈夫か!?」
「うん……! だいじょうぶ。だけど……も、もうあたし、我慢できないかもっ……!」
僕は腰を激しく突き出しながら、里香に聞き返した。
「……イキそうなのか?」
僕がそう聞くと、里香はもう声を出すことも出来ずに、必死に目を瞑ってコクコク頷く。
僕は下腹に力を込めて何度も里香を突き上げる。
そして、とうとう限界が来そうになる。
身体の中の熱が、出場所を求めてペニスの根本の辺りに集まってくる。
「里香……! 出る、出るぞっ!」
僕は乱暴にそう言うことしか出来なかったが、里香も同じような状態だった。
「あたしも、もうイク……!いく……イク、イッちゃうよおぉぉぉ!!!」
その里香の激しい喘ぎと、里香の奥がキュッと締め付けてきたのが最後の引き金になって、
遂に僕は達した。
「ぐっ!」
そう僕が短い息を吐き出すと、激しい快感を伴いながら、暴発するようにペニスから熱い白濁液が迸る。
ビュクン!ビュクン!
それは里香の奥を直撃して、彼女を絶頂へと押し上げる。
「ぁんっ!! はああああぁぁんっ〜〜〜〜………!!」
里香はもはや我慢することもせずに大きい声を上げながら、背筋をそらして達する。
膣は僕のペニスが脈打つのに合わせるように、きゅんきゅんと締め付けてくる。
「……はああっ……はあっ……!!」
快感に流されて滅茶苦茶になりそうになる身体を押しとどめる為に、
彼女は震えながら、僕と繋いでいた手をギュッと握ってくる。
僕もそれを握りかえしながら、最後の一滴まで里香の中に注ぎ込んだ。
すると、流石に僕の愚息も疲れたのか、急速に里香の中で萎えてしまう。
しかし感度はまだ高いので、里香の中の粘膜の気持ちよさに耐えきれずに、
僕は思わず声を上げながら彼女の中からペニスを引き抜いてしまう。
「く……うっ」
僕は里香と繋いでいた手を解き、腰を引いてフニャチンを引き抜く。
里香の秘裂からは、収まりきらなかった精液や愛液の混ざりモノがトロっと溢れる。
「ふあ……っ……あ……」
里香はまだ強く残る絶頂の余韻と、ペニスを引き抜かれたことにより、甘く蕩けた声を上げる。
僕はその彼女の様子を見て満足すると、ベッドに疲れた身体を横たえて、彼女をそっと抱きしめてこう言った。
「里香……、気持ち、よかったか?」
「うん……」
僕の問いに、里香は満足そうな目を向けて言葉を返した。
「俺も、すごい気持ちよかった」
僕がそう返すと、彼女は恥ずかしそうに微笑んで言った。
「……ばか」
そう言う彼女の顔と声が本当に可愛くて、僕はついついキザなことを言ってしまう。
「好きだよ、里香……」
そう言いながら僕が彼女を抱きしめると、彼女も抱きしめかえしてきた。
……今更ながら、僕と里香の身体は汗やその他の体液でベトベトだったということを、お互いの身体に触れて気づいた。
これは流石にシャワールームで洗わないと、とても家には帰れないなと思ったが、
今はただ、里香の体温を感じていたかった……。
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