「いらっしゃいませ」
神社のお宮で、巫女服を来た里香が接客をしている。
ここは前にも里香がアルバイトをした神社だ。
以前のアルバイトの時に、世話をしてくれたおばさんからお誘いがあったらしい。
今日は酉の市。
酉の市は来客が多いため人手が足りなくなるらしい。
だから里香が臨時のアルバイトで前回のようにお宮で色々売っているわけだ。
で僕はそれをまた前回のように、お宮がギリギリ見える木に隠れて覗いている。
今回は司と山口はいない。
つまり一人でお宮を覗いている。
そのせいかさっきから参道を通る人々に、非常に痛い視線を向けられている。
が、僕はそんな事を気にせずに里香を、いや里香の回りを見張っている。
さっき、小太りのおっさんが妙にローアングルから里香を撮ろうとしていた。
幸い後ろから声をかけ少し威圧したら、逃げ帰ってくれた。
しかし注意しておかないと、何時またああいう奴が出てくるか分からない。
という大儀名分のもと、僕は木陰に隠れて里香を見ていた。
そうして眺めていると、突然里香がくすくすと笑い始めた。
目を凝らして見ると、里香の前には若い男が立っていた。
僕より5〜6才上の男。
ここから見てもかなり良い男であることが分かる。
その男と里香は楽しそうに話している。
それを見ていると、何か黒い物が僕を覆おうとする。
あの里香が、幾らバイトとはいえ赤の他人と親しげに話している。
そこには何も変な意味はない。
それは分かっている。
でも普段僕とか僕の回りにしか見せなかった笑顔を他人に見せている
顔が怒りとも悲しみともつかない感情で、歪んでいくのが分かる。
しかし例えどう感じたとしても僕は里香と里香と話す男を眺めているしかなかった。
「里香、正月はどうすんの?」
学校も終わり。師走も終わりに近づいたある日。
僕と里香は病院に来ていた。正確には今年最後の里香の検査に僕が付き添っていた。
検査と検査の狭間の時間。
僕たちは廊下に置かれた長椅子に座って、正月の事を話していた。
「んー、裕一は?」
久しぶりに見る病院のパジャマに身を包んだ里香は、逆に僕に問い返してくる。
「俺?俺は普通におせち食べて、初詣かな。特に誰か来るとかないし」
「そっか」
里香は僕の話に小さく頷いている。
僕はそれを横目に見ると、小さく息を吸い込んだ。
「それでさ、初詣一緒に行かないか?」
かなり勇気が必要だったが、何とか提案する。
純粋に僕は彼女と初詣に行く、なんていうイベントに少し憧れを持っていた。
初詣に限らず、クリスマス、バレンタインその他諸々に。
彼女とは言っても告白したわけじゃないけど。
里香とそれらのイベントを行うと考えただけでも心が踊る。
これっぽちも断られるなんて思ってなかった。
「ごめん。元旦は神社でバイトするの。だから行けない」
しかし里香は特に悪びれた風もなく真顔でそう言った。
「そんな、正月までバイトすることないじゃんか」
「でもおばさんに頼まれちゃったし」
里香は僕と出掛けるより、神社でバイトをしている方が楽しいのかもしれない。
違うと分かっているのにそんな考えが浮かんできてしまう。
その上、前に里香と親しげに話していた男の顔が浮かんで来る。
「それに裕一とはいつでも会えるから、いいでしょ?」
里香は普通にそう言った。
それが引き金を引いた。
「そうだよな、俺とは何時でも会えるけど、あの男とは神社でしか会えないもんな」
勝手に口が動いていた。
「あの男?」
「前のバイトで話してただろ。すっごい楽しそうだったもんな」
「な……」
「そりゃ俺なんかよりハンサムの方が良いよな」
口から酷い文句が飛び出ていく。
それは里香の明らかに傷ついた表情が見えても止まらなかった。
「覗いてたの?最悪」
それでも里香は悪口を言ってくる。
だけどそれにはいつもの切れ味はなく、僕が里香の小さな体と心を一方的に傷つけているのが如実にわかった。
それでも、僕の口は止まらずに悪態を突き続けてしまう。
「秋庭さーん」
検査室から里香が呼ばれる。
それまで一言も声を漏らさずに耐えていた里香は、立ち上がるとちらりともこちらを見ずに、検査室へ入って行った。
「採血しますね」
痛っ。
思わず顔を顰める。
いつもなら大したことない検査。
慣れてしまっていつもなら痛いとも思わない。
それが、一々勘に触る。
でも裕一と会う前なら口を突いただろう悪口も出ず、無言で検査を受ける。
「うん。今日はこれで終わりです。結果は来年かな?それでは良いお年を」
人の良さそうな先生の言葉を無視して、私は無言で診察室から出る。
「よお」
「亜稀子さん」
診察室を出ると待ち構えていたように亜稀子さんが声を掛けてきた。
「まーた酷い顔してるね」
そう言ってニヤニヤと笑う
「ほっといて下さい」
「連れないねぇ。上で話さない?ジュース奢るよ」
ニヤニヤと笑ったまま亜稀子さんはそう言って上を指差す。
問い掛けであっても拒否を許す感じではなかった。
「わかりました」
そう答え、亜希子さんより先に階段を登る。
「へぇ、すたすた登るじゃん」
亜稀子さんが後ろからニヤついた声で言う。
それが勘に触るが気にしない。
でもそれも事実。
入院してた頃はこの階段もゆっくりと上っていた。否、登れなかった。
屋上の戸を開ける。
裕一が挿した油はまだ効果を保っているらしく、特に力を入れる必要もなく開いた。
亜稀子さんは屋上に着くなり柵にもたれかかり、煙草を吸い始める。
私はいつも裕一と座っていたベンチに腰掛ける。
まだ屋上には冬の寒風が吹いていて、私を更にイラつかせる。
「で、用は何ですか?」
「いや別に。特に何もないよ」
「無い?」
「あんたが酷い顔してるから呼び止めただけだよ。喧嘩聞いちゃったしね」
「裕一酷いですよね。私のバイト覗いて。揚句邪推して。私が男の人と会うためにバイトしてるなんて言って」
何でだろう。怒っているはずなのに、声が震える。
「裕一は糞ガキだからね。イヤなら、あんな糞ガキさっさと振っちゃいなよ」
亜希子さんは大きく息を吐きながらそう言った。
「まあ裕一だって餓鬼なりに頑張っちゃあいるけどね。登校を10分早くして、座り心地のために油まみれになって改造して、あんたの話に付き合える用に色んな小説を読んだりね」
私が知らなくて、知っていた事が次々と詳らかにされていく。
「それにあんたを一生懸命守って。裕一なりに頑張ってるんだよ。まあだから何って訳でもないけどね」
「守る?」
亜稀子さんは小さく頷くとこう続けた。
「あんたの巫女服姿が盗撮されたんだよ。そいつは裕一がどうとかしたみたいだけど、何時また同じような奴が湧くか分からないからって次も行くらしいよ」
「でもあんなことまで言わなくても」
「あんなこと、ね。まぁ自分が言ったことをもう一度考えてみるんだね。裕一が自分より綺麗な女の子と親しげに話してたって事も入れてね」
「それは……」
「まああんたが裕一とどうしたいか。だよ結局は」
亜稀子さんは煙草を消し、立ち去ってしまう。
「明けましておめでとうございます」
ラジオの朝のニュース番組から新年の挨拶が流れてくる。
現在元旦の朝の7時。
僕は一人で家でラジオを聞いている。
母親は親戚の家に行ってしまい、里香とはあの時から話していない。
ロンリークリスマスならぬ、ロンリーニューイヤーだ。
里香と一緒の正月を妄想していた身としては正直、寂しい。
ピンポーン
呼び鈴が鳴る。
正月からなんだろう。
そう疑問に思いつつ、ベッドでうだうだと布団に包まっていた僕は、のっそりと玄関へ行く。
「はい、どちらさま?」
「裕一、おめでとう」
ドアを開けると、そこには里香がいた。
里香と言っても、 病院のパジャマとか制服ではなく着物姿だ。
更に、にっこりと笑っている。
「初詣、行こ」
里香は笑ってそう言った。
「う、うん。着替えてくるから、ちょっとだけ待ってて」
「待ってるから早くね」
「わかった」
何とか答えたものの、頭の中は混乱の極みだった。
僕と里香は神社に続く参道を歩いていた。
近くに伊勢神宮なんて言う大名物があるせいで、近所の神社はそこまで人はいなかった。
里香は着物姿。
対して僕は普通の恰好で隣にいる。
「里香、その着物どうしたの?」
「これお母さんの。仕立て直して貰ったの」
里香は小さく舌を出し、小悪魔のように笑った。そして“どう?”と言わんばかりに腕を上げてその場で小さく回る。
里香の機嫌は凄く良いよく、それも合間って見とれるほど綺麗だった。
「似合ってるよ」
「うん。ありがと」
里香は満面の笑みで笑ってくれる。
やっぱり謝らなくちゃいけない。
どうやら里香は不問に帰してくれているみたいだけど、僕がどうしようもない言い掛かりでこの笑顔を傷つけた。
それを忘れてはいけないと思う。
「里香、その……ごめん。病院であんなこと言って」
「ん、気にしてないからいいよ。それに……私もごめんなさい」
里香は僕に深々と頭を下げた。
「ちょ、里香どうして」
「ちょ、里香どうして」
僕は里香が頭を下げるという行為に度肝を抜かれる。
「分からないなら分からなくていいの」
里香は顔を上げてそういうと、エイッと僕に抱き付いてきた。
里香の顔が僕の目の前に来る。
その綺麗な顔を見ていると、唐突に里香と口付けしたくなった。
僕はその衝動に身を任せ、里香の顔を持ち上げ唇を合わせる。
心臓が激しく脈打つのが感じられる。
里香の唇はしっとりと柔らかかった。
「行こ」
離れがたい感覚を耐え、キスを終えると、里香は僕に手を差し出してくる。
「うん」
僕はそれをしっかりと握り参道を上った。
二人で一緒に歳銭箱の前に立ち、祈る。
「ねえ、何お願いした?」
「里香とずっと一緒に居れますように」
もうさっきの出来事で、ヒューズが飛んでしまったようで、恥ずかしい言葉が意識せずに口を突く。
「里香は?」
「内緒」
「なんだよそれ〜」
「えへへ」
里香の楽しそうで嬉しそうな顔を見ていると無理矢理聞き出す気にもならなかった。
「このあとどうする?」
「裕一の家行きたい」
「俺の家?」
「駄目?」
着物姿の里香が目を潤ませながら下から上目使いで頼んでくる。
里香の上目使いは主に僕に、圧倒的な破壊力を持っている。
それを断れる奴がいるだろうか、いやいない。(反語)
「いいよ。母さんいないけどいい?」
「うん」
里香は大きく頷いた。
「疲れた〜」
里香は僕の部屋に入ると椅子に座る。
そのまま背もたれにもたれかかろうとする。
「背もたれ倒れるぞ」
ドタンッ
僕の注意も間に合わず、里香は背中から床に落ちた。
「いった〜い」
「里香っ」
「何よこの椅子。もうやだ、疲れた、着替える」
僕の心配を余所に、大した事はなかったらしく、床に転がったまま駄々をこねていた。
やっぱり慣れない着物姿は疲れたらしい。
「着替えるったって、着替えないだろ?」
「裕一の服貸して」
里香が転がったまま顔だけ上げてまたも上目使いで見つめてくる。
断言しよう、この里香の頼みを断れたらそいつは男じゃないと。
部屋の外で立っていると、中から衣ずれの音がする。
いつも僕が暮らしている部屋の中で里香が着替えてると思うと、なんかやましい事をしているような気になる。
「覗かないでよ」
里香が中から牽制してくる。
「わかってるよ」
「入っていいよ」
「お、おう」
そこにはブカブカのTシャツを来た里香がいた。
その姿は色っぽくて、元々飛びかけていた僕のヒューズを完全に飛ばした。
「裕一?」
「里香、嫌だったら殴って」
僕はそう言うと、ベッドの上に腰掛けている里香を抱き付き、唇を奪った。
「んっ」
里香の細く華奢な体を抱きしめながら、唇を合わせる。
舌で里香の唇を突き、口内に侵入する。
「んむ」
里香の口内はぬめぬめとぬめり、柔らかい。
更に口内を蹂躙していると、おずおずと里香が舌を差し出してくる。
その熱く、柔らかいけど、芯のあるそれを絞るように舌を絡める。
「んあっ」
里香が声を上げる。
それも僕を加熱させる一要因としかならなかった。
ゆっくりと口を離すと、僕と里香の間にきらりと光った橋が架かる。
僕は強く抱きしめていた腕の力を抜く。
「里香、いい?」
もう止まらなかった。
もう止まらなかった。
里香のその華奢で今にも壊れそうな体も、長く漆黒な髪も、端正で綺麗なな顔も、つぶらな大きな瞳も、全て僕の物にしたかった。
「いいよ。私を、裕一に上げる」
里香はくすりと笑うとそう言ってくれた。
僕が見た中で一番色気のある顔だった。
「里香っ」
里香を布団に押し倒し、だぼだぼなシャツの裾から手を差し入れる。
ひんやりとした滑らかな肌の上を滑り、慎ましくもしっかりと存在する膨らみに手をかける。
「柔らかい」
「馬鹿」
僕の素直な感想に里香は顔を紅潮させて怒ったように言う。
でも僕は手の動きを止めずに里香の胸をふにふにと弄る。
「んあっ」
指先が何か固い物に触れると同時に、里香が声を漏らす。
「うん……ゆういちぃ…そこぉ…駄目……」
僕が胸のポッチを虐めると里香が悩ましげな声を漏らす。
もう止まらない。
「里香、触るよ」
一応宣告し、左手は胸を弄ったまま、右手を里香の秘部へと持って行く。
全体的にひんやりとした里香の肌とは対象的に、薄く生えた陰毛の下にある秘裂は熱く、うっすらと濡れていた。
「ふぅっ…ん……」
その上を優しく摩るように手を動かすと、里香は敏感に反応する。
「気持ちいい?」
僕がそう聞くと、里香は元々赤かった顔を更に赤くし、小さく頷く。
体は小刻みに震えて、僕の愛撫を受け入れるように動いていた。
「中に指、入れるよ」
人差し指を、しっかりと閉じた割れ目の中へ入れようとする。
「ぅんっ……あぁ」
里香の中に少しだけ指が入る。
里香のそこは、まだ爪の付け根位までしか入っていないのに僕の指をキツク、万力のように締め付けてくる。
「里香、力抜いて」
里香は僕の指示に従うように、大きく深呼吸する。
「いいよ、裕一」
「分かった。痛かったら言えよ」
さっきより大分柔らかくなったそこに僕は一気に指を突き進めていく。
「ひゃあぁっ」
里香が大きな悲鳴とも嬌声ともつかない声を上げる。
「里香、大丈夫か?」
「う…ん、なんかすっごい変な感じ」
里香は始めて異物を体内に受け入れた感触に戸惑っているようだった。
「痛くない?」
「うん、大丈夫」
それを聞いた僕は安心して指で里香の感触を味わう。
僕の指をきつく締め付け、かつザラザラとした所とぬるぬるした所が入り混じる。
指だけでこれだけ気持ち良いのなら、本物を入れたらどれだけ気持ち良いのだろう。
その想像に背筋を走る物が感じられる。
「里香、動かすよ」
里香は無言で小さく頷く。
指を里香の中を味わうようにゆっくりと前後させる。
ざらざらとした上側と柔らかくひだひだが擦りつけてくる横と下。
「んぁっ……ひゃん…」
里香は指を壁に擦りつける度に短く嬌声を上げる。
「我慢しなくて良いよ」
里香の声が聞きたかった。
僕は里香の体をいじめるように、指を少し曲げ色んなところを引っ掻くように指を動かす
「んあっ……裕一ぃ…ばかああい」
里香は僕の指に呼応して鳴く。
その姿は僕に里香が全て僕の物になったような感覚を与える。
「んん…あひゃ……うぁ」
里香が鳴く度に、ぬるぬるの量が増えていき、柔らかくなっていく。
「里香、その……いいかな?」
里香を散々弄り、その痴態を見ていたせいで僕のそこは最大限に膨張していた。
そして早く里香の中に入れたかった。一つになりたかった。
「いいよ。裕一の好きにして」
里香は荒く息を尽きながら、そう言って微笑んだ。
僕はまだ着ていた服を脱ぎ捨てると、里香の上に覆いかぶさる。
「あ、ちょっと待ってて」
里香のそこを直視した瞬間、避妊具の事を思い出す。
里香に子どもを作らせる訳にはいかない。
いや当然、何時かは欲しいけど、今はその時じゃない。
僕は財布を探り、コンドームを取り出す。
山西が配って回っていた奴だ。
貰ったときにはこんなに早く使うとは思ってなかったが。
とりあえず心の中で山西に礼をしておく。
そして僕は一物をさらけ出し、何とかコンドームを着けようとする。
が、いかんせん初めての経験なので上手く着けられない。
しかも里香の黙視の前でだ。
どんどん焦りが生まれてくる。
せっかく里香とここまで良い雰囲気で来たのに、こんな事でおじゃんなんて辛過ぎる。
そう思って恐る恐る布団の上で身を起こしてこっちを見ている里香を見ると、微笑んでいた。
しかも僕の視線に気付くと、クスリと笑って
「いいよ、待ってて上げるから」
なんて言った。
しかしまあ里香が怒ってるんじゃないかという想像に怯えていた僕としては、とても安心出来るお言葉だった。
「よし出来た」
安心したおかげか時間は掛かったものの、なんとかコンドームを一物に着けることが出来た。
「ねえねえ、裕一見せてよ。それ」
里香はそういうと覗き込むように僕の一物を視姦する。
僕はなんとか隠そうとするけれど、どうにも隠せなかった。
「変なの。あ、大きくなってきた」
どうやら僕は視姦に興奮する性質だったらしく、里香に見られていると思うほど、それが大きくなっていく。
でも目の前に全裸の里香がいるんだ。
その里香にあそこを丹念に見られて反応しない奴は間違いなく男じゃない。
だから僕はこれでいいんだ。
と心の中で必死に自己擁護をする。
「里香、そろそろ入れたい」
もう僕の一物は最大限に張り詰めており、里香と一つに成りたがっていた。
「ん」
里香は再度布団にあお向けで転がると、僕に向けて足を薄く開く。
僕も里香の足側に座り体制を整える。
そして薄く見える陰毛とその下に隠された鮮やかなピンク色の秘裂。
そしてそこからうっすらと垂れる粘液は元々飛びがちだった僕の理性を吹き飛ばすのには充分だった。
「痛いかもしれないけど……」
「ん、大丈夫」
僕はそれを見ると、一物を里香の秘所に合わせ、ゆっくりと突き進めていく。
「くっ、ん……」
里香は顔を顰めて耐えようとしている。
そして里香のそこは僕の物を痛いほど締め付けていた。
「里香、力抜いて。一気に入れちゃうから」
痛いのは一瞬の方が良い……と思う。
「ん、分かった」
里香は大きく深呼吸すると、僕の腕を強く握りしめた。
「いくよ」
僕は里香の中を一気に突き進む。
「んん……いたっ」
明らかに痛がっている里香を見ながらも、止めない。
いや、止めれない
引っ掛かりも強引に突破し、奥まで行き着く。
「やあっ」
僕の腕を渾身の力でにぎりしめる。
「里香、入ったよ」
里香はぎゅうぎゅうと僕の物を締め付け、今にも放出してしまいそうだった。
また里香も痛みに耐えてたから、僕は動かず繋がったままの体勢を保持した。
「里香、大丈夫?」
「ん、もうあんまり痛くない。本当に痛かったのはちょっとだけ」
「へぇ、初めての子の中には泣いちゃう人も居るらしいけど?」
里香はムッとした表情をする。
「私も初めてだよ」
里香が怒ったように言う。
「分かってるよ」
僕は苦笑して返す。里香のその姿は可愛い子犬が吠えているようで、いつもの恐さは全く兼ね備えていないせいか、余裕が有った。
「クスッ」
里香が小さく笑いを漏らす。
「なんだよ?」
「んー、裕一が笑ってるから」
どうやら僕も笑っていたらしい。
それに里香が笑い始めたせいか、今まで痛いくらいにキツク締め付けて来ていた秘所が少し緩み、里香が笑うたびに微細な蠕動感と刺激を与えてくる。
「里香、その……そろそろ」
「うん。動いていいよ」
里香の了承を得た僕は小さく腰を前後させ始める。
「んうっ……ひぁ…」
里香は噛み殺すように小さく嬌声を漏らす。
「里香、声我慢しないで」
僕は里香の中を削るように息子を動かす。
「ああっ……うああ…」
里香が声を上げるたびにキツク締め付けてくるせいで、僕は早々に暴発してしまいそうだった。
「里香、動かすよ」
僕は里香の返事を聞かずに、激しく紬送する。
「ふぁ…急にっ…ああいっうあああぁ」
「里香、出すよ」
「ああ…いいよっ……きてぇ」
僕は里香の中で爆ぜる。
「うんっ……裕一の、びくびくしてる……ああぁ」
凄まじく長い射精が終わると、それを中から引き抜く。
ゴムの薄皮に覆われたそこには、白濁液が大量に溜まっていた。
出ていた時間と比例して量も多かったらしい。
僕はそれを外すと、まだはぁはぁと息を荒げている里香の横に寝そべった。
そして里香が頭の下に腕を通し、反対の腕は体の上側に回す。
つまり里香に横から抱き付くような体勢になる。
僕の腕の中にいる里香からしっかりと暖かみが伝わってくる。
「いなくなるなよ」
それを感じた瞬間、僕はいつのまにかそう漏らしていた。
里香は驚いたようにこっちを見ると、僕の腕を両手で掴む。
「絶対離さないもん」
どこか幼い口調で言うと、僕を見て笑った。
「ん、俺も離さない。里香が嫌だって言っても、泣き叫んでも離さないからな」
僕は里香に笑い返す。
すると里香は僕に先程とは違う種類の笑みを浮かべる。
「じゃあ警察に行かないといけないね。ストーカーが居ますって。それとも亜稀子さんがいい?」
「うわ、勘弁してくれ」
どうやっても僕は里香に勝てないらしい。
里香、絶対離さないからな。
僕はそう決意して里香を抱きしめた。
このあと唐突に母さんが帰って来て、二人で大慌てで後始末をしたりしたけど、それはまた別の話
戻る