――心では繋がっている。そう信じているから今まで我慢できた。
美紗子さんの家に行くまでは・・・。
「いいか?今日のことは絶対にしゃべるんじゃないよ。あんたがどんなに情けなくい男でもそれぐらい出来るだろう?」
病室の前で、僕は再び亜希子さんから忠告を受けた。――と思う。今の僕にはそんな声なんか聞こえない。
僕のスイッチは、まだ入ったままだから・・・。

警備員などに見つからない様に息を殺し、東病棟に向かう。
目指す場所には目をつぶってでも行くことが出来るくらい道順は体に染み付いている。
――里香。
前に多田コレクションで陵辱もののエロ本を読んだことがあった。
か弱い女を押さえつけ、泣き叫ぼうとする口を押さえ込み、獣の様に腰を振る。
そんな風に里香を『犯そう』。汚れた僕に、彼女を愛する資格はないから。
誰にも渡さぬよう、どこにも行かぬよう――
彼女を『犯そう』
きっと僕がいつ来ても良い様に仕掛けておいたのだろう。ドアに蜜柑が、黒板消しトラップのように仕掛けられていた。
欲望に満ち満ちた頭は氷の様に冷たく、冴えていた。こんな子供だましには引っ掛からない、いつものドジな僕は何処へ行ったのだろうか?それほどまでに目の前の「女」が欲しいか。
「むにゃ・・・ゆー・・・いちぃ・・・」
「・・・・・・」
彼女の夢にまで僕は出て来ているらしい。夢の中の僕もやはり奴隷のごとく彼女のわがままを聞いているのか。きっとにやにや笑いながら言われるままに使われているだろう、いや、使われていてほしい。それが一番楽しかった。
「里香・・・」
彼女の名前を呟いた。
今の僕はもう昨日に戻れない、そんな気がしたから。
昨日の僕を忘れないでほしいから。そんな気持ちから呟いた。
「里香・・・」
彼女に別れは告げた。
さぁ、『犯そう』
僕は早速彼女のパジャマをひっぺがした。知識があるといった訳ではない、それでも僕は快感が欲しかった。
ただそれだけを求めて里香の下半身にかぶりついた。
「んんっ!?裕一?!」
急な下半身への刺激に寝ていた里香が目を覚ました。
だが知ったことか、僕は里香の秘所を舐めてやった。
「何してるの裕い・・・きゃぅっ!」
ほとんど病院から出たことのない彼女、やはり処女だ。好きな女の初めてを奪う。
僕はそのことに異常なまでに興奮し始めた。
まず彼女の自由を奪う。抵抗する彼女の腕を押さえつけ、口を口で塞いだ。
「いやっ!裕一やめっ、んぐっ!?むむぅ・・・!」
すべての物理的な抵抗手段を奪われ、彼女はただ目に水晶の様に美しい水滴を浮かべた。
でも、もう涙で痛む良心なんてない。泣いても無駄だよ里香、一緒に快楽に溺れよう。
僕は残った片手で自分のズボンを降ろした。

「っ!!・・・んぅっ・・・はっ・・・」
病室内は静寂に包まれていた、微かにベッドの揺れる音、そして小さな喘ぎ声。
待ちきれなかった僕は自分のを里香の秘所に勢い良く入れてしまった、本とかの知識だと多少濡らしても初めては痛いらしい。
僕と繋がった彼女の目からは涙が溢れ、その量が一定以上になる度に頬へと流れている。
「はぁ・・・締め付け過ぎだよ里香・・・」
体の激しさをわりに口からは優しい言葉が彼女に放たれた。
当然だ、資格はなくても好きなのだから。
「裕一ぃ・・・もう・・・やめっ・・・んぁぁっ!っ!!」
悲痛な彼女の声が僕の脳を、前立腺を刺激する。脳が体に更なる快楽を要求する。命令に従い腰の動きはさらに速く、激しくなる。
「はぁっはぁっ・・・里香、里香!里香!!・・・」
「んっんっはぁっ!あんっ、ああっゆっ、いちぃ・・・!」
自然と声が大きくなってくる、涙を流し、涎が口の端から垂れる。
お互いに初めての快感に理性が飛び始めた。もう里香も拒むことを忘れ、僕のもたらした快感に溺れている。
そうだ、壊れてしまえば良いんだ、落ちて来てくれ。
資格のない僕のところまで、低い位置まで。
「!」
急に里香の膣が僕のを強く締め付けた、見ると里香は体を軽く痙攣させながら放心状態になっている。
(・・・イッた?)
初めて女性が絶頂を迎える姿を見て僕もイキそうになったが、それ以上の怒りが僕の体を支配した。
「おい・・・なんで先にイってるんだよ・・・」
「え・・・?何?裕・・・」
「なんで一緒にじゃないんだよっ?!」
まだ余韻の残っているだろう里香の体に僕は再びのしかかった。
そして、再び彼女の秘肉を思い切りめくり上げてやる。
「あひぃぁっ!くぅぅっ・・・!」
絶頂を迎えたばかりの体に再び快楽が、波打つ様に走り、暴れる。
「裕一っ!んんぅっ!もうっ、む、りぃ!!抜いてぇ・・・!」
里香の哀願が耳に入り、抜けていく。
「抜く?何を馬鹿なこと言うんだよ里香。一緒にイこうよ?」
「だから、も、無理なのぉっ!私が、こ、われっ、ちゃうよ・・・」
押し寄せる快感に理性の檻が壊れようとしていた。
そう、していたんだ。
でも僕は今の里香の、性欲をくすぐるような甘い喘ぎを前に――
完全に崩壊した。
「いいから壊れちゃいなよ・・・」
このまま、彼女を、死ぬまで『犯す』
最近の体育の成績はそこまで良くない、まして入院患者になってからは図書館に行って帰ってくるだけで疲れて快眠な日があったほど体力は落ちていた。
そんな体の何処にこんな力が残っていたのか。
時刻は既に零時を過ぎていた、半分の月は何処にもない。
東病棟の一室で、僕はひたすら里香の体に快楽を求めていた。

「里香っ、里香っ!里香っ!!」
愛する資格を無くしても、なお僕は腰を振り続ける。疲れは全て快楽が持っていってくれる。
「はっ、はっ、はっ、んっ!あぁっ・・・!んぅ・・・」
彼女は既に二回目の絶頂を迎えていた。涙と愛液でグシャグシャになったシーツを掴む手は、まるでそれが理性も繋ぎ止めているかの様に力が込められている。
でも僕は未だに絶頂を迎えていなかった。だから腰を振る、里香の中にこの欲望をぶちまけるまで。
「うっ!里香!イきそう・・・なかに出すよっ!」
「え・・・あ、なか?・・・ダメ・・・なかはダメぇっ!」
後少し、きっと後一突きだ。漸く彼女の、里香のなかにぶちまけられる!
一度自分をぎりぎりまで引き抜き、僕は体中の力を全て溜め込み、力一杯彼女の膣を突いた。
はずだった。
何かが後ろから僕を思いっきり彼女から引き抜いた。その衝撃で僕はそのまま自己の欲望をぶちまけた。
「あう・・・熱・・・」
一部が里香にかかる、僕によって白く汚された里香は二つの悲痛な瞳を僕に向けていた。
それが僕に見ることの許された、最後の里香の姿だった。
振り返ると、そこにいたのは病室に僕がいないことに気づいた亜希子さんだった。
彼女の目は、まるで汚いものを見るかの様に僕を見下していた。
「・・・このクズがっ!」
強烈な痛みが側頭部に走り、僕の視界には月も、何も映らなくなった・・・。

その後、僕は自分の家で目が覚めた、追い出された、僕はその事実をすぐに理解することができた。
下の階ではあのクソ親父が死んだ時の様に、母さんは泣いている。僕があのダメ人間の様に成り下がったからだろう。彼女は涙のもとがなくなるまで泣き続けるに違いない。
「里香・・・」
好きだった人の名を呟いた、一時の快楽の為に裏切った人の名を。
壊した、僕が彼女を完全に壊した。壊してしまった。
あまりにも下らなすぎる幕切れだ。彼女が全てだったのに分かっていつつも、それを壊した。
「り、か・・・」
欲望に満ちた白濁によって汚された、最後に見た彼女の壊れた姿を思い出し、僕は柱に頭を付け、泣き続けた。
過ちで失ったものは、二度と戻ってこない・・・。




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