これが陵辱、というものなのか。
男性経験を持たない谷口亜希子にはそんな知識など皆無なのでよくはわからない。
「ん、くぅ・・・」
自分から誘ったのだろうか、それともこいつは元々亜希子のことを襲おうと考えていたのか。夏目との問いかけをろくに訊かずに生返事で返していたせいで何について話していたかがものすごく曖昧になっていた。
「ああっ・・・!」
全身を走る電流のようなものが亜希子の思考を妨げる。見ると夏目の指が亜希子の秘所に存在する縦一文字のすじをなぞる様に這わせている。
「あんまりでけぇ声出すとバレるぞ?」
「だったらその手をどけたらどうなんですか・・・?」
現役を退いてなおも衰えぬ気迫を視線に乗せて、亜希子は夏目に眼をつける。
しかし彼女の口から言葉とともに甘い吐息を漏らしてしまっていてその迫力がいまいち様にならない。
「顔が真っ赤だが、酒でも飲んだのか?」
「勤務中に隠れて一升瓶抱えながら飲んでる駄目医者じゃあるまいし・・・」
「・・・俺は勤務中に飲んだことなんか無いがなぁ・・・」
そう言いながらも夏目は亜希子の顔から視線をそらす。
この医者、裕一をボコボコにした時のことも忘れているらしい、もっとも、それだけではなくちょくちょく酒を飲んでいるところは見かけているが。
「で、どうする?」
「はぁ?」
「続きをするのかしないのか、だよ」
どうやらあたしはこいつに犯されなければならないようだ。断る、
といって逃げることも普段ならできるだろうが・・・いま亜希子の体にはメンチを切れるほど力が入らない。
「逃げねぇってことは、いいんだな?」
二枚目の顔がニヤつきながら近づいてくる。
逃れることはできない。
激しい運動、もとい労働によって皺のついたナース服のスカートの中で、夏目の腕が蠢く。
服の中で下着をずらされ、乳房が弄ばれる。乳頭が服で擦れてわずかに痛覚を働かせた。
「触れてみて初めて分かるな、予想通りなかなか大きいじゃないか」
「あ、そ」
平静を装う為になんともないという感じで答えたかったのに、口が羞恥心に負けてどもってしまった。頬も紅潮しているのではないだろうか。
「あれ、おっかしいなぁ・・・感じないか?」
「あぁ何とも感じないね、下手なんじゃない?」
あの二やついた顔、間近で見ててすっげぇムカつく。しかもそいつの手のせいで力が入らないのがさらに悔しい。
それにこいつはあたしが感じているのわかってて言っている、そうに違いない、絶対そうに違いない。そう思うとさらにムカッとした。
「お前じゃ、役不足なんだ・・・ひゃぁっ!?」
「おっ乳首攻めは効くみたいだな」
「あはぁっ!?な、なにすんだ・・・」
「気持ちよくするに決まってんだろう。もっと強くつまんでやるよ」
「あ、あああああっ!!」
胸の尖端からから痛みと、そして快感が亜希子の脳に電流として走る。
急な刺激に脱力した体が一瞬硬直し、次の瞬間さらに強い脱力感が全身を襲った、筋力は重力に負け、ガクンと床に膝をついてしまった。
「おいおい、随分と早くいっちまったなぁ・・・まだまだこれからだぜ?」
言いながら夏目は亜希子の手を掴み、自分のズボンへと誘導した。
堅い「何か」が、そこには存在した。
「さぁ、本番だ」
初めての絶頂のせいか、それとも本能がそれを求めたのか。
亜希子は夏目のズボンに押し付けられた自分の手を動かし、その何かを解放した。
「あ・・・」
青年にしてはかなり大きいそれは、亜希子の目の前に強い臭気を放ちながら姿を現した。
勝手に鼻がひくつく。その匂いは脳へと運ばれ、まるで媚薬のように全身に行き渡る。股が熱を帯びるのを亜希子は感じた。
「・・・匂い嗅いでないでさっさとくわえてくれないかな?変態ナース」
「だ、誰が変た、むぅっ!?」
当然口を無理矢理開かせられ、熱く煮えたぎるそれをくわえさせられる。
大きくて顎が・・・。
「なめてくれ」
「あふ・・・」
甘い、脳が痺れる様な媚薬が鼻の先から漂ってくる。頬が、体が、股が熱くなる。
舌が快楽を求めそれを舐め回す。
もっと欲しい、甘い、熱い、痺れるような快楽が。


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