そして、黒き王の戦いが始まる。
「貴様が覇王とやらか。」
やけに高圧的な態度の男。白い制服を纏っていることから、斎王の手先であるだろうことは分かる。
「だったらどうする?」
「”消せ”と、斎王様の御命令でな。」
浮かぶ嘲笑は絶対的な自信故か。愚かな事だ。
軽く鼻で笑うと、たちまち機嫌を損ねたようで、分かりやすく顔を歪めた。
「…随分と、余裕があるようだな?」
「貴様如き相手に焦る理由が見当たらんな。」
そう返せば、彼の怒りは簡単に沸点に達したようだった。やはり兄弟だな、と忌々しげに呟く。
「本来ならばこのホワイトサンダー様が相手をする間でもないのだが。…覚悟しろ、その自信、へし折ってくれる。」
後ろに縮こまっていた翔が、小声で、どうするっスか、と聞いてくる。
「…愚問だな。我が道を阻むことなど、出来はしない。王に逆らえばどうなるか、その身をもって知ってもらおうではないか。」
黄金の瞳が、陽光を受けて煌く。さながらそれは、抜き身の刃のようで。
迂闊に触れようものならすぱりと切れる。…研ぎ澄まされた、刃のようで。
認めたくはないが何て威圧感だ、と万丈目は思う。デュエル場でこうして相対していると、余計に感じる。
しかしながら、負ける訳にはいかないのだ。あいつと同じ顔をした、この男にだけは。
あいつを超える為に、手にした力だ。あいつの兄弟くらい、超えられなくてどうする。
刺すような金の眼差しをねめつけて、ともすれば震えだしそうな手を叱咤しながら、最初のカードを引いた。
「先攻は俺が貰う!ドロー!」
「ねぇ剣山くん。怖いって思うのは、ボクだけかな。」
珍しく無言でデュエルを見守っていた翔が、ぽつりと呟いた。
「初めて会った時から思ったけど。無愛想で、怖そうだなぁって。それに他にも、怖いデュエリストを、ボクは、ボクたちは知ってる。
…でも…、」
「でも?」
翔の視線の先の彼が、カードを引いた。彼の呼びかけに応じ、また一人禍々しい戦士が姿を現す。
十代やエドと同じ…ヒーローと名を冠してはいるものの。何かが。根本的に、違う。
「こんなに…こんな、怖いデュエルをする人を、ボクは知らない。」
「丸藤先輩…。でも、今は、あの人を信じるしかないドン。」
「…そうだね。」
翔の呟きをかき消さんとするかのように、フィールド上の戦士が吼えた。
プラウザバックで戻ってください。
あとがき。
何も…言う事はないんだぜ…(あるだろう!ありったけの謝罪がよおおぉおお!!!)
結局デュエルの詳細描写は逃げました。1年もほっぽっといて結局これ!酷い!俺死ねばいい!
次回でサンダーと決着付けます。またきっと描写逃げるぜこの駄鳥!しょうがないジャマイカ難しいんだ!
(2009.04.26)