「歓迎するよ、遊城十代。…ようこそ、ダークネスの世界へ。」
それは、誰の声だっただろうか。分からない、分からない、…分からない。
ただ、暗闇の中に堕ちていく感覚。生暖かくて、気持ち悪くて、けれど優しくて。
意識も記憶も、身体の端々までも全てが侵食されていくような。覇王の時ともまた違う、闇。
纏まらない思考に、重い瞼に逆らわず目を閉じる。…だってもう、疲れてしまったんだ。
「そうさ、そうやって全てを委ねてしまえばいい。」
頬を、誰かの手が滑る感触。ひんやりとした、手。
冷たさに、無理矢理目を開ける。暗闇の中にぼうと浮かぶ新緑。意識がはっきりしない。けれど視界の中の人物が笑っているのは、分かる。
「疲れたんだろう?背負うことに、力を持つことに、戦うことに、…全てにさ!」
ああ、そうだ。疲れた。…疲れてしまった。
覚悟を決めて、使命を…力を受け入れると。そう誓った筈なのに。でも、どうしても、苦しいんだ。
肌が、空気に晒される感覚。少しずつ少しずつ焦らすように、肌蹴させられる。
けれど何故だろうか、抵抗する気は起きない。そもそも身体が、言う事を聞いてくれない。指先さえも、自分の思う通りにならない。
「誰だって、苦しいのは嫌だ。辛いのは嫌だ。そうだろう?何故君一人で背負わなければならない?」
ゆっくりと体中を這い回っていた手が突然胸を握りつぶすように掴んできて、そこで漸く十代は本格的に意識を覚醒させた。
「……ッ!…っは、…お、前は…!?」
「誰だっていいじゃないか。もう嫌なんだろう?疲れたんだろう?なら考えるのをやめてしまえばいい。可愛い可愛いお人形のようにさ。」
もったいつけるように、ゆったりと、胸を揉みしだかれる。強弱を付けて、下から持ち上げられたり、ぎゅうと押しつぶされたり。
胸の頂を口に含まれて、十代は甲高い声を上げた。
「ひ…っ!!や、やめろ…!」
やわりと、歯を立てられる。何度も、何度も、何度も。噛まれる度に、背筋を駆け抜ける感覚が、怖い。
「手伝ってやるよ。お前がもう、何も考えなくてすむように、さ。」
呟かれた言葉の意味が良く分からず、聞き返そうとしたけれど突如として襲ってきた衝撃に、言葉を紡ぐことは叶わなかった。
秘部にいきなり彼のものを入れられたのだと、数瞬後に理解した。
「あ、あ…、うああああっ、あああ、いやああああああああ!!!」
脳天まで突き抜ける痛みに、十代は自由にならない身体を必死に捩って逃げようとする。みっともなく開かれたままの口から、涎が伝う。
ほんの微かな抵抗すらも容赦なく押さえつけて、若葉色の髪を持つ青年はにたりと嗤った。
上体を倒して顔を十代の耳元に近づけると、苦しいのか十代が呻いた。
処女膜を破られた痛みで脂汗すら浮かべる彼女に、彼は至極優しい声で囁いた。
「今までよく頑張ったね。…もう、休んでいいんだよ。」
さも本当に労わるかのように、しっとりと。
十代はその言葉に、心が縛られていくのを感じた。誰も言ってくれなかった言葉。けれど心の奥底ではいつも欲しがっていた言葉。
そんなものは自分には必要ないと己に言い聞かせて、ここまで頑張ってきたのに。
ああ、崩される。…崩されて、しまう。
揺さぶられて熱くなっていく身体に反比例して、心が冷たくなっていく。
囚われたと、朧な意識の片隅で十代は思った。
「…あ、う…!っん、や、あ…!」
「クク、チェックメイトだな、遊城十代。俺たちはお前の心の闇を理解した。お前は俺たちが心の闇を埋めてくれることを理解した。
…これでもう、逃げられないぞ。」
暗闇に、青年の哄笑と十代の微かな嬌声。
されるがままに陵辱を受ける十代の瞳は―――彼女を知る者がみたらぞっとするほどに、濁ったものだった。
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あとがき。
ダークネスに取り込まれる十代は萌だよねという話になったから書くことになった。
08.03.12のブログでちらっと語ってます。
ヨモさんが仕事早いから取り急ぎ短めのEROを。しかしながら藤原の名前が出てこない罠。
いいよね?髪の色の描写で分かるよね?(丸投げ)
(08.03.12)