全部全部。奪いつくして差し上げましょう。





「随分と頑張るものですよねぇ。いい加減素直になっちゃってくださいよ。」
呆れるように、捕食者の少女が嗤う。
可愛らしい顔つきをおぞましいほどに歪めて、彼女は伴侶の身体を、心を喰らい尽くす。
通常の状態ならば上背のある彼が少女を跳ね除けることは容易いだろう。けれど永遠の密室に心を置く彼は抵抗すらもままならない。

豪奢なダブルベットのあちらこちらには彼の衣服が散らばっている。
唯一彼が覚悟の証のように背なに負っていたマントだけが残されたがそれは情けというよりも羞恥を煽るために違いなかった。
「ほら、ここはこんなに…感じちゃってるのにィ。」
つう、と裏筋を辿ると彼の身体が分かりやすく跳ねた。なんとも可愛らしいことだ。
行為を始めてから未だ彼は一度も達していない。それが最後の抵抗とでもいうかのように、どんなに虐めてやっても耐えてみせるのだ。
悲鳴すらもまともに出せない癖に、ましてや逃げることも出来ない癖に。なのに彼は一向に陥落しない。
どんな地獄に落ちてもお前だけには屈しないと。そんな声が聞こえるような気がして酷く腹立たしい。
「…やっぱり、気が変わりました。お楽しみは初夜にとっておこうと思いましたが、やめです。今ここで。私が戦人さんのハジメテ、奪って差し上げます。」
冷たく、冷たく言い放たれた言葉に戦人の顔から血の気が引く。微かに首を横に振るような仕草を見せたが、
緩慢なその動きではヱリカの行動を止めることなぞできる筈もなかった。
「おや、図星でしたか?てっきりもうあの雛とヤっちゃってるかと思ってたんですが。戦人さんって純情なんですねぇ。ふふ、可愛い。」
歯を食いしばるように先走りを溢す性器を手にとり、緩く二、三度扱いてやる。散々甚振ったせいかそれは芯をもってそそり立っていた。
あ、とかう、とか途切れ途切れの嬌声を散りばめながら震える彼の身体に跨る。…逃がさない。まぁ逃げられないだろうけど!
見下ろした彼の表情に怯えのようなものが見てとれて、少しだけ満足する。



迎え入れた彼のものは熱くて、大きくて、苦しいくらいだった。
けれど、そんなことはどうでもよくなるくらいの、快感。征服感が、ヱリカの身体を気だるく浸す。
「………ん、あぁ…、っは、戦人、さん…どうです?っん、キモチイイ、でしょう?」
「…、………ぁ、…………、」
声にはならないがその口が別の女の名前を形作るのが見えて、ヱリカは口の端を吊り上げた。
「残念でしたねぇえ、ベアトさんは、来ませんよ。…ッ万が一助けに、来たとして。今のあなたのこんな姿を見たら彼女、どう思うんでしょうねぇええ?」
その言葉に潤んだ黒の瞳から、涙が一筋零れ落ちた。彼らしくもない、静かな、静かな涙だった。
誇り高い彼の完全なる陥落を手にしようと下腹に力を込めると、小さく戦人が呻いた。
快感からなんとか目を背けようとしているのか。戦人の指が力なくシーツを掻く。けれど無慈悲な少女はそんな逃避すら許さない。
震える戦人の指に己の指を絡め、上下の動きを早くする。
「あっ、…はぁ、ほら、戦人、さん?ブチ撒けちゃって、くださいよ。アンタの、…ど汚い欲望全部ッ、私の中にッ!!」
「…っ、…っ、………ぁ、あ、―――ァ、」
食いちぎるつもりで締め付けてやれば今までの抵抗が嘘のようにあっけなく彼は達した。
じんわりと下から這いずってくる快感と、中で広がる白濁。腰を引くとずるりと性器が抜け、次いで白濁が太腿を伝った。
身体を弛緩させ横たわる彼のほうが犯されたみたいだ。あながち間違ってはいないだろうが。
陵辱に震える彼の唇を啄ばんで、花嫁は睦言のように囁いた。
「怖いですか?悔しいですか、戦人さん?よぉく、覚えておいてくださいね。…明日の婚礼が終わればそんなことすら、感じられなくなるンですから。」





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あとがき。
具合悪いのにうっかりいつもの癖でパソ子起動→更に具合悪いときほど何か書きたくなる悪癖発動→しかしネタg(ry→某Sさんがヱリバトリク
→逆レ○プのが書き易いから逆レ○プでおk?→おkおk→ご覧の有様だよ!

(サイトアップ 2010.12.03)





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