どこにいるの。
ねえ、どこにいるの。





夜の闇でさえ、これほど暗くはないだろう。
そう感じさえする、漆黒の空間。
「―――…、」
呟いた名前は、誰の耳に届くこともなく闇に消えた。


仰向けになる。
けれどどんな体勢をとっていようと、見える景色に変わりはなかった。
漆黒と、浮かぶ鏡。
「……。」
何かを求めるように、手を伸ばす。
けれど、何に?自分は何に向かって手を伸ばせばいい?
大切な友は、自分が消してしまった。
生き残った友も、自分から離れていった。
「……、ヨハン…!」
懇願のように呟く名前さえ、十代のもとには無い。
隣に立っていてくれると思った。持っているものを預けてもいいと思った。
なのに…なのに。
「ヨハン、」

あの鮮やかな蒼が、見えない。


「…ヨハン…。」
再びその名を呟くと、だれかにがちりと手を掴まれた。
指を組み合わせて、深く、深く。
「言ったろう、奴は死んだ、と。」
響く、絶対零度の声。
「それでもまだお前は求めるのか。お前を置いていった、あいつのことを。」
金色の瞳が、わずかながら細められた。…笑っているの、だろうか。


「いい加減に、忘れてしまえ。居もしない存在を求めるのは止めろ。
―――俺が、いるのだから。…そうだろう、十代?」

響く声に、大好きだったアルトがかき消されて、聞こえなくなった。




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あとがき。

初書きで背後からハグだったので、正面からハグさせてみよう!と思って書いたらこんなことに。
ハグじゃねえええええええええ(涙)(逃)

ブログ掲載:11/23
サイト掲載:12/8(冒頭微修正)






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