帰国を目前に控えたある日、ヨハンは小さな置時計と大きなバッグを持って十代の部屋を訪れた。
「十代の一日を、俺に頂戴。」
それが、午前0時、5分前の事。



AM 1:18
ヨハンの願いに頷いたことを、十代は早くも後悔していた。
置時計の針が0時丁度を指すやいなや、彼は十代のことをベッドに押し倒したのだ。
そうして、十代の抗議の声を綺麗に無視したヨハンは、それはそれは楽しそうに十代の身体を愛撫し始めた。

最初の1時間ほどは、右腕だった。肩の辺りから始まり、指の間から爪の隙間まで余すところ無く舌を這わされた。
同じように、今は左腕を。ヨハンの唾液でびしょびしょになった右腕が空気に触れて冷えて、肌寒い。
止めさせようと空いた右手を伸ばす、途端凄い勢いでベッドに押し付けられた。不気味な笑顔に、止めてくれと言う筈だった口が凍りつく。
いい笑顔のヨハンは、十代に見せ付けるかのように、彼の人差し指を口内に含んだ。


AM 5:36
右腕、左腕、右足、左足と続いた愛撫は、今胸の蕾へと到達していた。
中心には全く触れられないまま、曖昧な快感だけを与えられ続けていた…そんな中、触れられた胸。
ヨハンの指が掠めただけでも十代は過剰な反応を示した。無理もない。十代はかれこれ6時間近く、前戯をされているのだから。
「っひ、い…!」
怯えたような声にヨハンは満足そうに笑んで、更に刺激を与えた。立ち上がったそれを押しつぶして、こねくり回して、摘む。
次いで口に含まれる。ざらついた舌が丁寧に胸の蕾を花開かせてゆく。十代の意志に反して行われる行為に、抵抗しようとまた手を伸ばした。
しかし直ぐにまたベッドに押し付けられる。この半日の間に何度も繰り返されたやりとり。だが、流石にヨハンはこのやりとりに飽きたらしい。
ベッド脇に置いてあった大きなバッグをごそごそと探る。「お、あったあった。」
そうして出てきたのは、鈍く銀色に光る手錠だった。


AM 6:02
「慣らしてもいいんだけど、やっぱり一番最初は俺のを入れたいよな!」
疑問符を浮かべる間もなく、十代の後蕾にヨハンのものが突き立てられた。十代を気遣うこともなく、一気に貫かれる。
跳ねた身体に合わせて、繋がれた手錠が鳴った。がしゃん、がしゃり。拘束から逃れようともがく様が酷く愛おしいとヨハンは思う。
十代を襲う、筆舌に尽くしがたい激痛。けれどたっぷり半日かけて焦らされた身体はその衝撃すらも快感へと変換する。
しかしヨハンが十代の中心を握ったことにより、快感を昇華させることすら封じられた。
「うあ、っや、やだ、いやだああああああああああああ!」
「最初ぐらい、一緒にイこうぜ?な?」
涙が散る。目尻に残った涙を優しい手つきで拭ってやって、ヨハンは律動を開始した。


AM 9:27
繋がり始めてから、一体どのぐらいの時間が過ぎたのだろうか。もう何日も経ってしまったかのように、十代には感じられた。(実際には、3時間ほどなのだけれど。)
喉は水分を失いまともな声を上げることも出来ず、全身の感覚も失われつつあった。反応が薄くなっていく十代を不満に思ったのだろうか。
ヨハンは、再びバッグに手を伸ばした。手錠が出てきたバッグだ!まともなものが出てくる訳が無い!!
そう思い逃げようとするが、如何せん杭を突き立てられたままの状態でそれは叶わなかった。
ヨハンが取り出したのは、薬の入ったビン。
「だいじょぶだって!もっと気持ちよくなるだけだからさ!」
だから、それが嫌だと、怖いというのが分からないのかこの変態!!!


AM 11:53
繋がったまま、ヨハンはペットボトルに入ったミネラルウォーターを、ぐいと呷る。
「さァ、続きしよっか、十代。」
十代の休憩?そんなもんあるわけないじゃん!!


PM 13:44
「十代に楽しんでもらおうと思ってさ!色々持ってきたんだぜ!」
件のバッグから取り出された、大小形状様々な玩具。楽しんでもらおうとか意味が分からない。そんな気遣いは無用だだからそれを入れないでくれ頼むよヨハン!
恐怖に泣き叫ぶ十代の懇願が届くことは、やはり無かった。
6時間以上繋がり続け、更に薬によって感覚を狂わされていた身体は、十代の心とは裏腹に喜んでその玩具を受け入れたのだ。
「あああ、うあ…っ、あ、あ…!」
「へへ、イイ声。けど、まだだぜ。ほら、スイッチ入れるぞ。」
ヨハンの言葉と共に、無機質な振動が十代を犯す。人のモノとはまた違う感覚に、十代は言葉にならない悲鳴を上げた。


PM 16:15
後ろを玩具に犯されながら、十代は口内でヨハンのものを慰めていた。
「もっと…深く咥えて。そーそぉ。やれば出来んじゃん。」
喉奥まで貫かれ気持ち悪さに吐き出そうとするが、後頭部を抑えられて出来ない。
「っ…ん、うぐ、う…!」
向けられる反抗的な視線に、興奮する。自分は今、彼を支配しているのだと。屈服させているのだと。錯覚だろうと構わない。
皆の太陽は、今、確かに自分だけのために輝いてくれている!!


PM 17:21
反応が薄くなれば薬を足され、意識を飛ばそうものなら暴力まがいの行為で叩き起こされた。
玩具をいっぺんに2本まとめて突っ込んでみたり、わざと入れず胸の蕾に当てて焦らしてみたり。
しかし流石に、先程打った薬は強すぎたらしい。十代の目の焦点は合わず虚空を彷徨い、口端からはだらしなく涎をだらだらと垂らして。
しかも何やら幻覚まで見えているらしい。よく分からない言葉をぶつぶつ呟いている。完全に、ヨハンの事を認識できなくなっていた。
けれどヨハンは、それでも十代を犯すことを止めない。だって、好きな人と繋がれているんだ!最高に気持ちのいいこの時間を止められる筈がないだろう!


PM 21:53
薬を打たれ、ショッキングピンクの世界を彷徨っていた十代の意識が現実に戻ってきたのは、もう一日も終わろうとしている時間だった。
「ヨハ…ン?」
「お。漸く気付いた?」
まだ頭はぐらぐらするし、下肢は痛みを通り越して感覚をなくしている。どうせ、自分が幻覚を見ている間にも犯されていたのだろう。
喉はひりひりとした痛みを訴えていて、言葉を発するのも辛い。ましてや、あんな嬌声を上げたりしたら今度こそ自分の喉は張り裂けてしまうに違いない。
「大丈夫。…もうしないよ。」
怯える十代の頭を、そっと撫でる。手錠が外されていたことと、その優しい笑みに、十代は身体の力を抜いた。


PM 23:37
言葉通り、あれからヨハンは行為をしなかった。精液だらけの身体を綺麗にしてくれて、服を着せてくれて、水も飲ませてくれた。
膝を枕に貸してくれて、たわいの無い話をした。そうだ、これがヨハンだ。今まで自分は、質の悪い夢でもみていたのだろう。そう思うことにした。
「なぁ、十代…。」
「ん?」
体勢を変えて、覆い被さってくるヨハン。嫌な予感に胸がざわめく。そんな。まさか。だって、もうしないって言ったじゃないか!
「最後に…もう一回だけ、イイだろ?まだ、0時になってないし。」
「ふ、ざけんな!もう、もう嫌だからな、あんな、あんな…!」
侵入してきた手が中心を掠めて、それだけで十代の身体は反応した。この24時間で、十代の身体はすっかり作り変えられてしまったのだった。
「十代のここ、こんなになってる。感じてるよ、ほら、俺が欲しいってさ…!」
「いや、やああ、っあ、んっう…う、や…!」
優しく擦り上げられて、また後蕾に入れられる。身体の隅々にまで、ヨハンを刻まれる。
飛び立っていこうとする十代を、縛り付けておこうとするかのように、執拗に。ヨハンは、十代の身体に己の証を刻み付けた。
「あ、あ…!あん、…もち、いい…!きもちいい、よぉ…!ヨハン…!!」
「これで…本当に、最後。出すぞ!」


ヨハンの精液が中に注がれるのと同時に、時計の針が午前0時を指した。





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あとがき。

4810祭投稿作品ダイサンダァ!
結局これが唯一のEROとなりました。うん。自重した。
ネタはいつだったかの茶で盛り上がった(主に俺が)、24時間耐久ERO。ヨハン頑張りすぎです。
そして最後の時間が11時となってたのに先程気付いた俺死ねばいい。修正しました…正しくは23時です…。

(サイトアップ:08.06.01)





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