<ママは依存女・2>

 

ママー。お腹すいたー。ごはんまだー?

昨日の夕ごはん、おいしかったなー。

あれ、なんだっけ、満漢全席のなんとかって料理。

パパがいるときしか作ってくれないけど、あれ、真美大好きなんだよねー。

今日のおかずはなんだろう……。

……って、ママ……? 台所、まっくらだよう……。

え? え? え?

な、なんで包丁持って突っ立ってるのかな、ママ……?

え……今日、パパ帰ってこないって……。

そう……。

と、とりあえず、包丁は下ろそうよ、ママ。

そうそう、包丁しまって……。

……それで、なんでナタのほうを持ち出してくるかなあ……。

うわあ。ステンレスの台が真っ二つ……。

マ、ママ。

一家心中なんてよくないよ、うん。

「その前にあの小娘バラバラにして食らってやる」って……。

真美、夕ごはんにそんなの食べたくないよぉ……。

──ちょ、ちょっと待っててね。

パパに電話してくるからっ!!

 

 

──パパ?

いい、よーく聞いて。

愛人さんの酢豚定食、食べたくなかったら、急いで帰ってきて。

超速球で!

真美もバンバンジーの材料にされちゃいそうなんだからっ!

え、愛人さん、今日安全日? 生でできちゃう日?

──そんなこと、どうでもいいから帰ってきてってば!

安全日が何よっ!

──ママなんか、今日、こってこての危険日よ!

でも、パパに生でさせちゃうんだからっ!

真美の弟も妹も作り放題なんだからっ!

それで足りないなら、もっとママにおまけ付けさせるよう。

今ならママ、なんでも言うこと聞くよ!

……え?

パパ、そんなことしたかったの?

……やっぱりパパってエッチ!

いいわ。ママは真美が説得しとく。

大丈夫。それくらい、なんとでもなるって。

え、――十年間、いっつも断られてたから絶対無理だって?

あー、もうっ!

パパったら、ほんっと、ママの操縦法しらないのね。

いいから、真美にまかせて!

 

 

──ママ!

パパ、帰ってくるって!

ちょっとお仕事が増えたから遅くなるだけなんだって!

でも、ママ。その後どうなるかはママしだいよ。

──パパねえ、ママのお尻で遊びたいんだって!

うふふ。どうしたの、ママ。おろおろしちゃって。

え?

ママってお尻でしたことないの?

うん。そうだよね。

パパがしたことないって言ってるんだから、当然ママはしたことないよね。

ママ、パパしか男の人知らないもん。

でも、パパは「一回、女の人のお尻で遊んでみたいっ!」、って言ってるんだー。

真美、「ママは絶対OKするよっ!」って答えちゃった。

パパ、きっとわくわくして帰ってくるよ。

……でもママが「そんなのイヤ!」って言ったら、きっとがっかりするだろーなー。

パパ、またお外に行っちゃうかもねー。

あ、そういえば、ママ。

こないだテレビで

「最近のジョシダイセーはすごくススんでる」って言ってたよね。

きっとお尻でエッチするのなんて当たり前なんだろーなー。

……あれ、ママ、決心付いたの?

んんー。じゃあ、危ないからナタはしまっちゃおうね。

はい、代わりにこれあげる。

うふふ、ほら、お浣腸。

こないだ真美がお腹張ったときママが買って来てくれたやつの残り。

パパが帰ってくる前に、これでお腹の中きれいにしておいてね、ママ。

あ、でもその前に、真美の夕ごはん作ってよね!

 

 

──あ、パパお帰りー。

今日も夕ごはん、ご馳走だよー。

三十分でこんなの作れるママは料理の天才だよね!

え、ママ? さっきおトイレに行って、お風呂に入ってるよ。

もうすぐ上がるから、パパは夕ごはんいっぱい食べて、体力つけて待ってなさい!

 

 

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