<ボクっ娘による犬の十戒>

 

 

知ってる? ボクってさ、君よりかなりさびしがり屋らしいんだ。

だから、ちょっとの時間でも君といっしょにいられないのはすっごく辛いんだよ。

 

 

ボクが「君がボクに望んでいること」を理解できるようになるまで

ちょっとだけ時間をちょうだい。すぐ覚えるよ!

ボクの「理想のボク」は、「君がかわいがってくれるボク」なんだから。

 

 

ボクを信頼して!

ボクは君の味方だよ! 他の誰よりも味方だよ!

君がそれだけ知っててくれれば、ボクはと~っても幸せだよ!

 

 

ボクを長時間怒ったり、罰として閉じ込めたりしないで欲しいな……。

君に怒られると、ボクが生きてる意味がないように感じちゃうし、

君に会えない時間って、ボクにとってどれだけの拷問だと思う?

君にはさ、仕事や趣味や他の楽しみがあるかもしれないけど、ボクには君しかいないんだよ?

 

 

たまにはさ、ボクに話しかけてよ! ボクはちゃんと理解してるよ!

君のことばをいつも一番真剣に聞いてるのは誰だか、君は知ってるのかな?

 

 

ボクはね、君からどんな風に扱われても、君の飼い犬だよ。

君がボクに何を言ったか、どうしたか、ボクはそれ全部覚えているし、ずっと忘れない。

でも、ボクはずっと君の飼い犬でいる。何をされても。

 

 

ボクをいじめる前に思い出してね。

ボクの歯って、人間の手の骨を噛み砕くことくらい楽勝なんだよ?

でも、ボクは君を噛まないって決めている。絶対にね。

 

 

言うことをきかない、頑固だ、怠け者だ、と怒る前に、

ちょっとだけでいいから、ボクがそうなる原因が何かないかな? って、考えてみて!

他の女の子と話してなかった? ボクのこと忘れて長いことほっぽってなかった?

ボクだって拗ねるんだい! 

 

 

ずっとずっと仲良くしてね!

君と一緒に大きくなって、成長して、歳をとって……。

でも、ずっとずっといっしょに居られたら最高だよね!

 

 

ボクね、死ぬときは君の足元で、って決めてるんだ。

ほら、いつもおもちゃにしてる、君のこの靴の上に、

いつものようにあごを乗せてね。

──だから、「辛いから」ってどっかに行っちゃだめだよ?

君に触れられて、君の声が聞こえるこの場所でなら、

きっとボクはどんな運命だって受け入れられるよ!

 

忘れないでね。――ボクって、君のことが大好きなんだよ!

 

 

 

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