「ミツやんを励ましにいくずら」
何日か前、どこかから隻眼の浪人が来た。侍が好きなミツのことだ、平蔵は落ち着かなかった。
彼が去ってしばらく経つが、ミツはどこか寂しそうであった。平蔵はそんな彼女を慰めようと、
思い立ったのである。
「あんっ」
「ん?」
ミツの家に近づくと、妙な音がきこえた。濡れた女の鳴き声だ。
(ミツやんの声!)
平蔵の心の臓はドクドクとなったが、こっそりと中の様子を覗いた。
声ははっきりと聞こえるようになった。
「かんすけぇっ」
そこにはあの男を思い、股を広げ、己を慰めるミツがいた。
自分で乳房を揉み、乳首を転がし、女の穴に指を出し入れする。曲げられたつま先が
がくがくと震えていた。
抜かれた指がぬめって光るのを見て、平蔵は虚しさを感じた。
何故、後一歩が踏み出せないのだろう。
このままでは誰かに盗られると、分かっていた筈なのに。
平蔵の足はいつの間にか、ミツの声の聞こえない所へと向かっていた。