マスターチャージャー
あるとき、魔理沙はゲージがフルだった。
符力とか魔力とか、そういったものの充填具合を示すゲージである。
とある冬の朝、洗顔の後に鏡を覗きこんだところで魔理沙は気付いたのだった。寝ぼけまなこを瞬かせ、それから「おお」と目を丸くする。
何度も確認してみたが間違いない。ゲージは満タン、溜まりに溜まりきっていた。
魔理沙は寝癖の付いた髪をブラシで梳きながら首を傾げる。なんでまた、知らない間にこんなにも溜まってしまっていたのだろう。ここしばらくは本格的な弾幕ごっこに身を置いた覚えもないのに。
そもそもこのゲージという奴、基本的には臨戦時にのみ溜まるもののはずだ。攻撃行動を取ったり、あるいは敵からの攻撃を受けたりした場合に、びよびよと伸びていくのである。
あるいは自覚せぬままに、攻撃したりされたり、そんなことを経験していたのだろうか。魔理沙はここ最近の生活を振り返り、思い当たるところを探してみた。
<攻撃していたと思しき事例>
・台所で黒い悪魔を退治した
・屋台でツケた
・咲夜が入っていたトイレの個室をノックせずに開けた
・胸囲が増えた
・目玉焼きにソースをかけてみた(醤油派)
・本を返した
・賽銭を入れた
<攻撃されていたと思しき事例>
・辻閻魔に説教された
・枝毛ができていた
・紅茶に稀少品を入れられた
・香霖に胡散臭い薀蓄を聞かされた
・ブン屋にドロチラ写真を撮られた
・出涸らしもいいところのお茶を出された
・玄関前の木に藁人形が打ち付けられていた
・体重が増えた
・にこやかな白人男性の夢を見た
「……探してみるとあるものだなぁ」
人生は日々が戦いということであろうか。
しかし、よくもここまで溜まったものである。魔理沙は我がことながら感心し、それからこの溜まりきったゲージをどう扱うかに思いを馳せた。
鏡と睨めっこしながら考えることしばし、おもむろに懐からミニ八卦炉と一枚のスペルカードを取り出す。八卦炉の手を腰にあて、カードの手を高々と掲げ、ウィンクしながらなんとなく宣言。
「ファイナルマスタースパーク」
するとたちまち八卦炉の内にぎらぎらと、どぎつい白金色の光が灯りだしたではないか。なんだかとても身体に悪そうな色合いの光で、ガイガーカウンターでも近づけてみれば物凄い勢いで針が振り切れそうだ。ちょっと炉の口を緩めてやれば、一気に溢れ出して、正面に立ち塞がるあらゆる有象無象を吹き飛ばすことだろう。
掌の上で、八卦炉はほのかな熱を帯びていき、内部の圧力の高まりを訴えている。そのうち爆発か炉心溶融でも起こしそうだ。
「おお、やばいぜこれは」
魔理沙はものすごく楽しそうに、鏡の中の自分と相談を始める。
「どうしよう、これどうしよう」
とりあえず誰かに見せびらかすことにした。
そんなわけで魔理沙は、親に買ってもらったばかりの玩具を友人に自慢する子供のようなノリで、博麗神社へ駆け込んだのだ。
「霊夢、見て見てこれ見てー」
「ぎゃーっ!」
霊夢は朝食を終えてお茶をすすっていたところだった。ぎらぎら輝く情熱のミニ八卦炉を突きつけるようにしながら飛び込んできた魔理沙に、彼女は甲高い悲鳴と湯飲みとを投げつけていた。無理もない、腹にマイトの束を巻いてライターの火打ちをカチカチ鳴らす鉄砲玉に突っ込まれてきたようなものである。
「来るな! 殺す気か! 殺すわよ!」
「ほらほら、凄いだろ?」
「ぎゃわー、来るな見せるな触るなぁ!」
べそかいて逃げ惑った挙句、霊夢は障子を突き破って縁側に転がり出た。そのまま冬空へ飛び上がり、あっという間に遠ざかっていく。
魔理沙は後を追って縁側に飛び出すと、しつこく空へ八卦炉を向けた。だが霊夢の影は既に芥子粒より小さくなっていて、ほどなく完全に見えなくなった。
それを惜しむでもなく、魔理沙はやり遂げた乙女の顔で、額にきらきらと光る青春の汗を拭う。ふと口の端を震わせたかと思うと、小さく含み笑いを漏らしはじめた。
「……うふ、うふふふふふふ」
笑いながらゆっくりと縁側を下りる。箒にまたがると、彼女もまたいずこかの空へと向かって飛び去っていった。
あるとき、魔理沙は一個の爆弾だった。
まあ普段から爆弾小僧もとい爆弾小娘みたいな少女ではある。あちこち跳ね回って火花を散らす、そんなネズミ花火みたいなイメージがあることは否めない。しかし、しばしば誤解されがちではあるが、魔理沙だってごく可憐な女の子なのだ。顔を合わせるなり問答無用で主砲を斉射するような真似は、早々しない。相手をぶん殴る前にそれなりの手順は踏まえるのである。
だが、このときの魔理沙は、まさに一触即発の爆弾そのものの状態だった。魔理沙自身の理性という安全装置にも、もはや期待できない。いつ、どんな拍子に暴発するとも知れなかった。
そんなものが、今、幻想郷を遊行しようとしている。
「このままじゃ幻想郷はジリ貧よ!」
マヨヒガの八雲邸、その一室で、霊夢はまだぐずりながら、こたつの天板をばんばんと叩いていた。
向かいに座る藍は、持て余したような顔でいる。
「言ってることはよく分からんが、事の危険性は分かった」
普段の霊夢からは想像つかないほどの取り乱しように、よほど肝を冷やしたらしいと、藍は同情の念を抱かないでもなかった。だが、と首をかしげる。
「それで、なんだってお前がうちへ来るわけ」
「紫を起こすために決まってるでしょ! あいつなら、魔理沙のゲージをいじるくらいお手のものでしょうに」
「なるほど、確かに」
いわゆるチートである。
しかし季節は冬、紫は長い休眠期間に入ってしまっていた。霊夢はそれを知っているからこそ「起こせ」と要求しているわけなのだが、藍としてはおいそれと応じられることでもない。
「無闇に紫様を起こして折檻されるのと、今の魔理沙が暴発する場に立ち会うのと。どっちも同じくらいに御免被りたいところだね、私としては」
「かーっ、情けないわね! よくもまあ臆面もなく、そんな弱気なことを言えたものね」
泣きながら逃げ込んできた奴に言われてもなあ――藍は霊夢が突き破ってきた玄関の板戸の惨状を思い出し、溜め息をついた。
あからさまな皮肉をこめた吐息に、けれど霊夢は気付いた風もなく、ぶちぶちと何やらつぶやいている。
「だいたい、なんだってこんなときに限って紫は寝てるのよ。なんだって今は冬なのよ。これはもはや何者かの悪意すら感じるわ。紫が動けたらあっさり解決しちゃうだろうからって、わざわざ状況を冬に設定した奴がいるのよ……!」
「それは穿ちすぎだろう」
藍は溜め息を繰り返すと、やれやれと腰を上げた。
「まあ、ちょっと待ってなさい。紫様が不在時のために用意してくださった、非常時対策の手引きがあるから、それをあたってみるわ。もしかしたら、今回のことにそこはかとなく近いケースが何かの間違いで載っているかもしれない」
まずそんなことはないだろうけど――藍はそう考えていたが、このまま霊夢と向かい合っているよりは、何かしら用事を作って座を離れていた方がマシだった。時間をかけていれば、そのうち霊夢も落ち着きを取り戻して、帰ってくれるかもしれないし。
載っていた。
暇をしていた猫の手を借りて、書庫で分厚いマニュアルをめくっていたら、すぐにそれを見つけてしまったのである。
『☆ フルチャージの魔理沙が暴発しそうなときの対処 ☆』
「まんまじゃないの……」
目的の項をすぐに見つけられた喜びなどなく、ただただマニュアルを作成した紫の底知れなさに藍は戦慄し、頭を抱えたくなった。なんなのだろう、この用意の良さは。普段ずぼらなくせに、どうしてこんな発現性の低い問題への対策を手回ししているのか。もしかしたらこの事態は紫が影で糸を引いているのではないかと、そんな猜疑すら抱いてしまう。
「あ、藍様、もう見つけたんですね。さすが、すごいです」
別の本を調べていた橙が、目を輝かせながらぱちぱちと手を叩いてくれる。彼女の邪気の無さに、藍は複雑な笑みを返しながら、教本を読み進めた。
霊夢はこたつに顎を乗せた格好で、まだ少しすんすんと鼻をすすっていた。すすり上げながら、こたつに積んであった蜜柑を勝手に剥いて頬張っている。
そこへ突然、正面の襖をぶち破って黄金色の円盤が突っ込んできたのである。
「ぎゃーっ!?」
悲鳴を上げてのけぞった霊夢の鼻先を、謎の黄金円盤はかすめるようにして飛び過ぎていった。壁に当たると反射して、ピンポン球みたいに部屋中を跳ね回る。
「なに? これなに?」
それは、超高速横回転する藍だったのです。
紫電まで発しながら室内を荒れ狂う金色の嵐に、霊夢はようやく治まろうとしていた涙を再びあふれさせながら這う這うの態で逃げ出そうとしたが、
「どーこーへーいーくー」
その頭上を、ドップラー効果を伴う声が跳び越していき、彼女の目の前に着地した。
回転をやめた藍が、冷ややかな眼差しで見下ろしてきている。
「また逃げ出すのね。戦おうともせず」
「な、なによ。いきなりあんなもの見せられちゃ、誰だって逃げるわよ」
「弾の一発さえ撃ち返しもせず、かい? 出せるのは涙と洟ばかりってわけだ」
ははん、と藍は鼻で笑った。
「それでよく、幻想郷の異変解決は私にお任せ! なんて吹聴できたものだ。これからは魔理沙ひとりに任せて、お前は降板した方がいいんじゃない?」
「……なんですって」
「お前がそんな体たらくじゃ、巫女さんシューティングの歴史はこれまでだってことよ。それとも次回からは、もうひとりの巫女さんに出張ってもらうのがいいかしらね」
「…………」
その物言いに、霊夢は涙の浮かぶ目の端をきっと吊り上げ、藍のことをねめつけた。
藍は薄い笑みを浮かべたまま、あら、と小首を傾げる。
「なによ、まだそんな顔ができるんじゃないの。怒った? それとも危機感を抱いた?」
そして不意に、嘲弄の表情を消した。
「お前に足りなかったのは、それよ。常在戦場の心得ってやつ。魔理沙が有していたそれを、お前は持ち合わせていなかった。だから、ゲージがすっからかんだったの」
「……ゲージ?」
「ところが今はどうかしら……ご覧なさい」
藍は袖口から手鏡を取り出し、霊夢に向けた。そこに映っている自分の顔を見て、霊夢は目を瞬かせる。
「ゲージが、増えてる……?」
最前までは不毛の地の如く空っぽだったはずの、霊夢のゲージ。それが、わずかながらも、確かに芽を出していた。
「お前が戦うと決めた、その証よ」
這いつくばった格好でいる霊夢の前に、藍は腰をかがめ、顔を寄せる。真剣な眼差しを、霊夢と重ねる。
「脅威を前にして、怖くなるのは誰だって同じ。問題はそこで逃げ出すか、奮い立つか。――お前は立ち向かうと決めた。だから、ゲージが戦意に応えてくれたのさ」
白い指を霊夢の頬に伸ばし、そっと涙を拭ってやる。
「さあ、もっと。この雫をゲージの目盛りに昇華させるんだ。全ての恐れを勇みに変えろ。前に向けて踏み出せば、その一歩がゲージの一ドットになる」
霊夢は繰り返し、瞬きした。目尻に残っていた涙の残滓が乾いていく。
「……わかった」
やがてうなずくと、目元をごしごしとこする。最後に鼻をひとつすすると、そこにはもう、先刻までの負け犬じみた影は、きれいに消え去っていた。
「そうよね。他の誰でもないんだわ。私が、あいつを止めなくっちゃいけないのよね」
そして、ゲージが燃え上がる。
霊夢の中で、白い輝きが爆発的に増大していく。目を剥く藍の前で、燃え盛るゲージは次々とチャージレベルを更新していき、あっという間に上限へと達してしまった。
その勢いのまま、霊夢は力強く立ち上がる。
「行くわ、私。藍……ありがとう」
「……ああ」
霊夢は床を蹴って浮かび上がると、障子をぶち抜いて縁側へ出、冷たい大気で満ちた空へと駆け上がっていった。後には冷たい風がつむじを巻くばかりだった。
空の向こうに霊夢の姿が見えなくなると、藍はおもむろに大きな息を吐いて、がっくりと背中を丸めた。ぴんと毛並みの緊張していた金色の九尾も、へなりと萎れたようになる。
「うわぁ、恥ずかしかったあ……」
見事なまでに赤面していた。
「だけど、言ってみるものね。こんなに上手くいくなんて」
紫の手引書には、こうあったのだ――「霊夢あたりを煽ってカウンターチャージャーに仕立て上げ、それを魔理沙にぶつけちゃいなさいな」と。
藍はそれを実践したのである。口車で霊夢の戦意を喚起、攻撃衝動と防衛本能とを引き出して、ゲージの目盛りに転化させてやったのだった。
「ゲージの成分ってのは、結局それなのよねー」
紫の文体はなんともお気楽なものだったが、実行する方はそうもいかない。何が楽しくて、先ほどみたいな熱血青春劇場を演じなければならないのか。振り返るだに顔が火照る。
途中からはほとんど自棄になって、涙の数だけゲージが伸びるよとか、一歩一ドットの歩合制だとか、出任せにも程があろうことを言ってしまった。ちゃんと霊夢が乗ってくれたからいいものの、醒めた顔で「はぁ? あんた何言ってんの?」とか返されてた日にはもう、恥ずかしさで死ねるところだった。
「さすがです、藍様!」
「うひゃん」
いきなり背後から声を投げかけられて、藍は飛び上がらんばかりになった。振り返れば、自分の式神が、すぐそこに立っていた。
「ちぇ、橙……今の、見てたの?」
「はい!」
元気よくうなずかれて、藍はますます顔を赤くする。慌てて両手で面を隠し、いやいやんとかぶりを振った。
それを橙のきらきらとまぶしい真っ直ぐな瞳が余さず見ている。
「ほんとにお見事でした。まるで紫様みたいな口八丁でしたよ」
「いや、それは褒めてくれてるのかい……」
こんな形で八雲の継承者を実証してもなあ。
爆弾は幻想郷の冬空をあてどなくさまよっている。
「いかんなぁ、まったくいかん」
高揚した声で歌いながら、魔理沙はミニ八卦炉をあっちの空へ向けたり、こっちの大地へ向けたりしている。
「そろそろこの熱い滾りをどこかにぶっつけたいぜ。さもないと……うっかり溢れちゃいそう」
悪戯っぽく、くすくすと笑い、くるりととんぼを切る。躁状態っぽい。
今なら魔砲で月だって穿てそうなほどのアイキャンフライな全能感で満たされている彼女だが、残念ながら月が出るにはまだまだ早い時間だった。代わりに何か、吹き飛ばすのに適当なものを求めて太陽を追いかけている。
ふと、冬日がこぼす光の向こうに、何かが見えた気がした。
白黒の魔女は目を凝らし、そして捉える。
紅白の巫女が高速で接近してくるのを。
「お、久しいな、霊夢」
魔理沙は笑いかけながら、ミニ八卦炉をそちらの空へと向ける。
凶悪な砲口を再び突きつけられて、だが霊夢は先刻のように取り乱しはしなかった。速度を落とすことなく、真っ向から突っ込んでくる。
真っ直ぐに結ばれた視線、魔理沙は相手の瞳を覗き込んで、そこに自分と同じものを見出した。限界まで充填されたゲージの輝きを。
そればかりではない。霊夢は既にスペルカード宣言状態らしかった。手に、青白い光を纏った陰陽玉を握っている。
彼女の意図を知って、魔理沙はまばたきした。それから、ひどく嬉しそうに相好を崩す。先ほどまでの躁じみた、浮ついた笑みではない。張りのある、生気で輝く快笑だった。
こちらも霊夢へと向けて一直線に増速。
「ああ、今やっと分かったぜ。どうして、まずお前に見せびらかしたくなったのか。私はこいつを、お前に受け止めてほしかったんだ」
「まったく、いい迷惑だわ」
風の音の彼方、彼女の遠いぼやきを、魔理沙は聞いたような気がした。
「でも、まあ、しょうがない。幻想郷のお騒がせは、私が鎮めてあげなくちゃだもの。来なさい、魔理沙。受け止めてあげる」
「礼は言わないぜ。どうせお前だって、そいつをぶっ放したくてうずうずしてるんだろうしな」
「さ、どうかしら」
うそぶいて、霊夢は陰陽玉を持つ手を後ろに引いた。
魔理沙もミニ八卦炉の手を振りかぶる。
間合いが音の速さで失われていく。見る見る近付いてくる相手の顔、それで視界が占められた瞬間に、ふたりは握った拳を突き出した。
「ファイナルマスタースパーク!」
「陰陽鬼神玉!」
鋭いブローを相手の顔へ叩き込むと同時、ゲージを、全ての力を解き放つ。
天空の中央で炸裂したフルチャージクロスカウンターは、爆音と共にまばゆいばかりの光で世界を満たした。
元の色を取り戻した空の下、立ち昇る芳しき湯気がふたつ。
「相変わらず薄いお茶だぜ。これじゃゲージの足しにもなりやしない」
「なってたじゃない」
博麗神社の縁側に、霊夢と魔理沙は並んで腰掛けている。
ゲージの全てを空に散らし、ふたりは疲れきった様相で、互いに肩を預けあう形でいた。並べる顔は虚脱感に取りつかれ、だが奇妙につやつやしてもいる。
衣服もぼろぼろになって、あちこちに乙女の柔肌がのぞいており、こんなところを他人に目撃されたら、あらぬ疑いを持たれかねない。
なのに、
「いやあ、しかし」
ほぅ、と恍惚の色を帯びた息を吐き、
「気持ちよかったなぁ」
わざわざ疑惑を助長させるようなことをのたまう魔理沙である。
「霊夢もだろ? えがっただろ?」
「なんで親父臭い言い回しをするのよ。疲れただけだし」
「そんなこと言ってぇ。ほんとは愉しかったくせにぃ」
「ないってば」
「ちぇ、素直じゃないな」
魔法使いは肩をすくめ、湯飲みをあおる。
あるとき、魔理沙は普通の魔法使いだった。
「また溜まったら来るからさ。相手、してくれな」
甘えるように体をすりよせるも、
「いやよ、もう。あなたの相手は身がもたないわ」
霊夢はつんとそっぽを向く。
空っぽになっていた魔理沙のゲージが、ちょこんと伸びた。
SS
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