Half and Half






01.苦労

所在「……げ。何だよこの冷蔵庫、黄色い液体しかねえじゃねえか」
海江「あー、できればリポビタンDをよろしくー」
所在「……え、これ全部か?」




02.マニアックス

所在「……げ。なんでここの冷蔵庫には黄色い液体しかねえんだよ」
海江「アリカもなんか飲む?」
所在「いらん。どうせグレープかレモンかリポビタンかオロナミンなんだろ」
海江「違うよ、全部じゃないよ。中にはね、最近はやりの尿療法とかで――」

 ガタガタッ!

所在「……俺はおまえを軽蔑する!」
海江「やだなあ、ちょっとした冗談じゃない。そんな本気にして、アリカも生娘なんだからー」
所在「娘じゃねえ! ついでに付け足すと今流行りでもなんでもねえ!」




03.バイト/横取り40金萬

所在「ツラヌイよ。ひとつ訊くが、おまえは何故に金を持っている」
未早「それはアルバイトしているからですよー(はぐはぐ)」
所在「喰いながら話すな。……で、どんなバイトなんだ? 場合によっては俺に斡旋してくれると有り難くもあるが」
未早「そうですねえ。ある意味、先輩向きと言えないこともありませんけど(かちゃかちゃ)」
所在「具体的には?」
未早「えーとですね、数ある食べ物屋さんの中から、『コレを○○分以内に食べきったら1万円!』というフレーズを探してですね」
所在「それはアルバイトじゃない」




04.バイト/時事

所在「そうじゃなくて、もっとこう俺でも出来るような明るく楽し……くなくてもいいから、とりあえず馬鹿にでも出来る仕事を、だな……」
未早「せんぱい、言ってて辛くないですか?」
所在「辛い。辛いから、早く仕事を斡旋してくれ」
未早「わかりました。他ならぬ先輩の頼みとあらば、付き合ってくれるという契約さえしてくれたら何度でもハローワークばりに紹介してあげますよー」
所在「ありがたい。正直付き合うつもりはないが」
未早「いきなり!? ……とほほ、また振られてしまいました。けれどもめげません。先輩に仕事を紹介して、少しでもわたしに恩を感じてくれれば活路はあります」
所在「案外あざといなおまえ。それはいいから、なんか目ぼしいのはあるのか?」
未早「そうですねえ、すぐにでも連絡がつくのは自衛隊くらいでしょーか」
所在「断る」
未早「何故!? 今、ちょうど人が足りないから狙い目なんですよー?」
所在「そういう問題じゃねえ」




05.バイト/大口径も撃てる

所在「その前に、どうして自衛隊にツテがあるのかを問いたい」
未早「知り合いが駐屯地にいるんですよ。銃も何回か撃たせてもらいました」
所在「……(こーいう奴を敵に回すと危ないんだよな……)」




06.くるぶしの辺りから

所在「……四肢は獣で出来ている……。左腕が黒犬で、右足が鮫……」
海江「そんな感じだね」
所在「つーことは、右足だけでエラ呼吸できるんだな?」
海江「……で、それがどうかしたの?」




07.両刀じゃねえよ

所在「本当に今更だが、おまえが男だっつーことに疑問を感じる」
海江「そう? 別にいいじゃない、どっちでも。所在だってそうでしょ?」
所在「……断じて違う。ったく、俺のどこを見てそんな感想を述べやがるんだおまえは」
海江「んーとね、マトさんに飼われてるところ?」
所在「……どっから突っ込むべきかは知らんが、おまえ近いうちに死ぬぞ」




08.監獄のメロディー

所在「……つーか、マトさんはあいつをちゃんと牢獄に閉じ込めてるんでしょうね?」
マト「病室だな。一応、蟻一匹入れないようにはなってる」
所在「……それならいいんですけど」
マト「まあ、私の気分で出たり入ったりしてる訳だが。現実、私の愛車に乗ってたりする訳だし――」

マト「……冗談だ。だからサルみたいに電柱に上るのはやめろ」
所在「…………だって、怖えし」




09.味覚異端

マト「ちなみに、今いちばん食べたいものは『お兄ちゃんの右腕』ということだが」
所在「それを言ってどうしますか貴方は」




10.ちょっと噛んだだけだよ

雪緒「――スゴ、スゴイグルジイ」

所在「……ラッパーみたいなんでもう一度言うが、病院行け」
雪緒「……それはラップの人に失礼だと思うわ」




11.ネーミング/暗号でもないよ

所在「憎悪ちゃん(仮称)ってことは、それ本名じゃない?」
海江「そだよ。正式にはベツクラシェインズバロベ・ロクサフォネイムサインクライシナーって言うんだけど、アリカには言えないでしょ?」
所在「おまえ今テキトーに言ったろ」




12.ネーミング/モザイク

海江「本当は田中さんなんだけどね」
所在「えらく親しみやすいな」
海江「で、下の名前は悪魔ちゃんなんだよ」
所在「……なんか揉めそうな名前だ」




13.ネーミング/つまるところ

所在「……まあ、くそ難しい名前してる俺らが言うことじゃないけどな」
海江「そだね」




14.ネーミング/お役所仕事

マト「……なんでこの名前で受理されるんだ」




15.ネーミング/男色の悪魔

所在「もしかして、あの鮫にも名前が?」
海江「うん。おすぎって言うの」
所在「……マジでか」
海江「マジだよ。それにちなんで、左足がピー」
所在「やめれ」




16.こっちが疲れる

木崎『申し訳ない。つかれたので払ってほしい』

 ガチャ。

所在「……もしかして、今のは『憑かれた』と『疲れた』を掛けているんじゃ……!

 ……だからどうした」




17.クロノなんたら

『ユキオ 食いすぎ やせろ。ビネガー注意』

所在「……しっかし、我がコトながらワケわかんねえな。あんな太ってるだけの雑魚キャラに注意しろってどういうことだ……?」
海江「アリカ、それって確実にわかんない人がいると思うよ」
所在「ビネガーパンツなんて正直いらねーし……」
海江「人の話聞いてる?」




18.たぶんレトリーバー

雪緒「――あの、神父さんですか?」
所在「悪いが俺はシンプソンじゃない」
雪緒「え、だから神父さんって今はっきり……」
所在「だいたいさ、黒い犬を連れたシンプソンなんていないでしょ」
雪緒「普通にいると思うけど」




19.右腕は掻けない

 プーン……。

所在「…………」

 プー……。

所在「…………」

 ……プー。

所在「……………………かゆい」




20.挟んで潰せない

所在「しかも片腕じゃ仕留め切れないんだよなあ……」




21.眼鏡を外すとガラ悪くなる人

所在「なんでおまえの義手は黒いんだろうな」
海江「そうだね。深く考えたことはなかったけど……。例えば、根性焼きとかじゃない?」
所在「なんでだよ……。煙草がなんか関係してんのか?」
海江「いや、なんとなくだけどさ」




22.女の美学

所在「おまえ、そんなに食ってよく太んないよな……」
未早「むぅ。わたしだってちゃんと太りますよー。普通の女の子なんですから」
所在「……ユキオみたいにか?」
未早「先輩。物事には限度というものがありましてー」
所在「そこまで難しい話はしてない」




23.男の美学

所在「俺は単に腹が減っているから小腸の許容量に限界はないとだけ言っておこう」
未早「結局それなんですね。でも、なあなあで食事を奢ってしまうわたし……」
所在「相互補助の関係ってことだな」
未早「相互依存の間違いだと思いますけど」




24.押収品

所在「マトさん、そんなに偉くなって何するんです? 世界でも征服するんですか」
マト「しないよ。そんな俗物的なことではなくて――。
 ただね、昔とある人に、『正しいことをしたかったら、偉くなれ』と言われたものだから……さ」
所在「あの。浸ってるトコ悪いですけど、今もあんまり正しいことやってるようには思えませんが」
マト「ほう。どのあたりが、だ」
所在「お金くれないところが、です」
マト「そうか。だったら、三途の川を渡るために必要な六銭をキミにプレゼントしようじゃないか。ほら」
所在「いりません。ていうかなんで常備してるんですか」




25.銃と悪魔の世界

所在「話を戻しますが、マトさんが思う正しいことってのは一体……」
マト「うん? ああ、そうだな…………。ところで、銃刀法というものはクソクラエだと思わないか?」
所在「一片たりとも思いません」







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