歌をなくしたセイレーン
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誰も知らない小さな噂。
どこの世界にも落ちこぼれはいて、それはセイレーンの間でも同じ事。
代々の中でも一際美しいセイレーンのアリアはしわがれ声で、仲間からは「老婆のアリア」と嫉妬こめて馬鹿にされていた。
「アリアよ・・・お前はセイレーンとして船乗り一人魅了できない落ちこぼれさ!さぁ、ここから出て行くがいい!」
失意のアリアは寂れた夜の海岸で一人、月を相手に恋を歌う。
でも、こんなしわがれ声で誰が恋をするというのか・・・
「こんばんは。のどを怪我しているかい?よかったら見せてくれないか?」
月の代わりに拍手をしたのは、医者のクレッシェンだった。
恋をしたのは月でもなく、医者でもなく、そう、アリア。
「大丈夫。これならすぐ治るよ。明日診てあげよう。」
本当?とアリアはクレッシェンに何度も訊ねた。
もちろん答えは同じ。
アリアは泣いて喜んだ。
これでセイレーンとして戻れる!船乗りもみんな虜にできる!それから、
・・・それから、クレッシェンも?
恋するクレッシェンも虜にできる?
なんでも言う事を聞かせられる?
でも、それは・・・
翌日、クレッシェンのお陰で、アリアののどは透き通る声をたたえていた。
「よかったら、もう一度その声で歌を聞かせてくれないかな?」
アリアはやさしく微笑むと、クレッシェンの手を取って、ゆっくりと口を開いた・・・
それからしばらくした今でも、クレッシェンに聞く野暮な連中は後をたたない。
「嫁が歌わない理由?はは、毎日歌ってるじゃないか。なぁ?」
クレッシェンの視線の先には、ほほえみながら透き通る声でクレッシェンドたしなめるアリアの姿があった。
そんな誰も知らない小さな噂。
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