疑心と暗躍〜解決編





 もう一度記事の内容を思い出してみて――


 自分達を陥れた射命丸文を見つけたものの捕獲策が思い浮かばない中、霊夢は切り出した。
そしてそのまま藪の中に一人身を隠し静かに移動を始めた。

「え、ちょっ霊夢…………んうっ!?」
「フフ……魔理沙」

 一人で行動しだした霊夢に問いかける魔理沙だが、
咲夜は魔理沙に後ろから抱きつきその口を塞ぐように唇を合わせる。

「んふ、ちゅ……」
「んんっ、はぁ……おい、一体どういう……」
「アイツの事は霊夢に任せて……私達は私達で……」
「んぐ!?ん、んむぅ……うー……」

 何故こんな事をしてくるのか、何で今求めてくるのか……全く理解できない魔理沙だったが
咲夜はおかまいなしに魔理沙の口内に舌を侵入させ口の中全体を舐めまわし舌同士を絡めてくる。

 突然起こったとろけるような濃厚な口付けに魔理沙の力は抜け、咲夜はここぞとばかりに
ドロワーズの中に手を入れ湿った……というよりはびちゃびちゃと粘性を帯びた水音が鳴る魔理沙の秘所を
クリクリと指でこねくり回す。

「フフ……キスだけでこんなに濡らしちゃって」
「あぅぅ……咲夜ぁ、なんっで……あふぅんっ!」
「何でって……求め合うのに理由なんか要る?」
「いっ要るだろ、お、ぉ、ああんっ!」
「可愛い声出しちゃって……ほら、あの天狗も気づいたみたいよ?」
「んふぅ……え?」

 記事にできるネタを探し漠然と飛んでいただけの文だったが魔理沙の嬌声で
咲夜達二人に気づいたようだ。
二人に向かいゆっくりと移動しながらカメラを構えている。

 そして咲夜は文に見せ付けるように魔理沙のスカートをまくりあげドロワーズを降ろしチュクチュクと秘部を擦る。

「ん、んくぅ……はぁ」
「弄られてるの見られてそんなにキモチイイ?」
「くぅっ、そんっなことっ、ぉ……」
「……ここは嬉しそうにビクビクしてるわよ?」

 人差し指、中指、薬指がそれぞれ独立しているかのような複雑な指技に
魔理沙は耐え切れず更に大きな声をあげた。

「やんっ!ちょっ……待って、こんなとこ……ああっ!」
「ほらここがいいんでしょ?……いっぱい撮ってもらいなさい」
「やめっ、撮られてるっ撮られてるからぁ!いやぁ……」
「撮影されて感じてるんでしょ……とんだ趣味ねぇ」

 魔理沙が絶頂に近づくと共に文もより近くで撮ろうと二人に近づいてくる。

「いやっ、いやぁ!やめて、擦らなっいでぇ……いっ、イっちゃ……」
「イきそうなの?……ほらほら、イクとこもしっかり撮影してもらいなさい」
「やっダメ、ほんとに、ほんとにイっちゃうからぁ……あっあっあっ!いやぁぁぁぁっ!!!」


――うあああああっ!!!な、なんですか!?


 魔理沙が絶頂に達したその時だった、徐々に近づきながら撮影していた文が悲鳴をあげた。
よくみると咲夜が文を羽交い絞めにし、近くには霊夢がいる。
達した余韻で何が起こったのか分からない魔理沙だったが少しづつ正気に戻り二人に説明を求めた。

「な、なあ……コレは一体……どういう事だ?」
「あんたが痴態を晒してコイツを引き付けさりげなく近づいた霊夢がコイツの動きを封印で鈍らせる……」
「そして咲夜が時を止めて身柄確保……ってわけよ」
「え?……あ、あぁ……私は囮だったって訳か……それにしてもいつの間にそんな作戦を」
「霊夢のアイコンタクトに気づかなかったの?」
「まあ、私は注意さえ引き付けてくれれば何でもよかったんだけど」

 捕獲した文を縛りあげながら雑談を交わす三人にもがきながら文がわめき出す。

「なんなんですかいきなり!わ、私が一体何をしたと……」
「白々しいにも程があるわ」
「これ見てもとぼけていられる?」

 罪人の様に縄で縛られわめく文に先日の新聞の記事を突きつけると
少し躊躇した文だったがあくまで自分は間違っていない、という主張を貫いた。

「い、いい気はしないかも知れませんが……これは事実ですよ!隠れて間近で見てたんですから!」
「ほほう、まだシラを切ると申すか。魔理さん、咲さん、懲らしめてやりなさい」
「霊夢……何処のご隠居だよお前」
「ギャグかますところじゃないわよ……しかしコイツにはキツイお灸を据えなきゃいけないわね」
「だ、だから私はやましい事は……わぶっ!」
「ちょっと黙ってなさい、今処遇を決めるから……」

 咲夜が即席で作った猿轡を噛ませ静かにさせた後
三人でどういうお仕置きをするか会議を始めた。

〜少女審議中〜

「とりあえず凹った後示談でふんだくるとか」
「いやいや、千のナイフで胸を刺すとか」
「物騒な奴らだな、やはりここは性的な仕返しをだな……」

〜中略、少女結審〜

 自分達の事実無根の痴態をリアルに書かれた記事の内容からして極めて悪質、
と判断した三人はある結論に達した。

「ねぇ文……話し合った結果、貴女はとても人間を舐めているという結論に達したの」
「わうー、うー……」
「それでね、天狗であるあなたに人間の恐ろしさ知って欲しいと思ってある罰を思いついたわ」
「じゃあ担いでいくぜ」
「うー!うー!」

 文に有無すら言わさず三人は判決内容を決め、文はそのまま三人に担がれて人里へと移送された。

 そして人里―――

「よし、ここらでいいかな……もう喋っていいわよ、よいしょ……っと」
「んー……ぷはぁ、何を、何をする気ですかこんな所まで連れてきて!」
「まあまあ、今魔理沙がお客さんを連れてくるから……」
「……お客さん?」

 ここは人里の中でも滅多に人の目に付かない場所、外の世界でいう路地裏みたいな所である。
文は猿轡を解かれ喋る事はできるようになったが依然身体は束縛されたままだ。
縄で縛られているのは両手だけだが霊夢の封印が効いているのか思い通りには動けない。

 そしてお客さん、という単語に疑問を抱いているうちに「公衆便所」と書かれた看板を抱えた魔理沙が戻ってきた。
……一人の人間を連れて。

「一名様ご招待だぜ♪」
「あれ?この娘……」
「知ってるのかお客さん?」
「いつも新聞配ってる娘だろ、文ちゃんだっけ?……ずっと可愛いなぁって思ってたんだよ」
「わ、私……こんな人知りませんっ!」

 この人間は文の事を知っているらしい、というより結構人里の男の間では有名らしい。
新聞は上空からばら撒くので話をする機会は余りないがアイドル的な存在として
男達の間ではかなりの人気を誇っている。

「知ってるんなら話は早いわ」
「あぁ、文ちゃんは俺の嫁だ」
「お前既婚者だったのか」
「ちょっ違います!な、何勝手な事言ってるんですか!」

 この人間は相当調子がいいらしい、それに違和感無く乗る魔理沙もどっこいどっこいであるが。
しかしこの状況で文には冗談と思えないのか、思っているが個人的に相手が受け付けないのか本気で否定した。
そんな掛け合いはどうでもいいと思ったのか早く本題に入れ、と咲夜が促す。

「どうでもいいんだけど……あんたの嫁、今は動きを封じられてるから何でもし放題よ」
「おっとそうだった、ここは確か『公衆便所』だったな……さぁ、文ちゃん」
「い、いや……いやぁっ!!!」

 抵抗しようとするが全くの無力と言っていいほど文は動けず、
男は上から順にシャツ、スカート、下着と丁寧に脱がせてはいやらしい手つきで全身を撫で回していく。


「おお、大きすぎず小さすぎず……理想のおっぱいだ」
「いやっ!さ、触らないでください……」
「そんな事言っても……ピンクで綺麗なココはおっきしてるよ?」
「やっ……ダメ、つんつんっしないでぇ……」

 両の手を左右の膨らみに這わせ指で突起をツンツン、と突付く度に文は吐息を漏らす。
それだけでは足らず次は指で摘んだり口で含んだ後舌で転がし出すと
耐え切れず声を挙げ嗜虐心を刺激する。

「そしてここが文ちゃんの……おおっ!」
「いやぁ……見ないで、見ないでぇ……」
「すっげぇ……もう濡れてる」

 下半身に手を伸ばした男は躊躇せず文の下着をずり降ろし露になった秘所をまじまじと見つめる。
吐息、鼻息を荒くして隅々まで視姦する男に咲夜が煽り、また魔理沙もそれに乗る。

「あー、その娘は相当エッチだから……早く入れて欲しいんじゃないの?」
「そうだな、知らない男に裸を見られて濡らしてるくらいだからな。凄い淫乱なんだろうな」
「違……私、そんな淫乱じゃありませ……あふぅっ!」
「ぴちゃ……ほんとだ、文ちゃんはエッチな娘なんだなあ……お、俺もう我慢できないや」

 まさに疾風迅雷、と言った速度で男は自らの衣服を脱ぎ捨て極限まで膨張した自身を
文の縦筋を目掛けロックオンの体勢に入る。

「あぁ、文ちゃん……とうとう俺達、一つになれるんだね」
「いや、イヤです……なりたくないですぅ……ッ!?そ、それは!」

 今まさに挿入、というところで文は心臓が飛び出るほどビクっとした。
魔理沙があるものを文に向けている……そう、文が肌身離さず持っていたカメラである。

「ま、まさか……」
「しっかりと記録しといてやるぜ、お前達の愛のメモリーをな♪」
「おぉ、余さず撮ってくれよ……俺と文ちゃんのラブラブっぷりを」
「い、いやぁっ!!!それだけは、それだけはダメぇっ!!」
「じゃ、行くよ文ちゃん……」
「だめだめだめ……いぎぃっ!」

 ピタリと閉まった割れ目にギチギチと男根が侵入してくる。
赤子ほどの抵抗もできない文は受け入れる事しかできず、苦悶の声をあげる。
更にその様子をくるりと回り色んな角度から余さずシャッターを切る魔理沙。

 抵抗できない=力が入らない、ということなのか
最初の挿入から程なくしてスムーズにストロークは繰り返され
ぎちっぎちっ……とぎこちなかった音も、にちゅっぐちゅっ……っと言った水気を帯びた音になっていく。

「あふっ、んんっ……あんっ」
「感じてきてるようだな、ここまで音が聞こえるぜ……カシャ」
「あうっ……か、感じてなんかっああんっ!」
「あ、あ、文ちゃんっ……おっ俺もう、そろそろっ……」

 男の動きが早くなり両手で腰を捕まれ繋がっている文もガクガクと震動しだした。
まともに言葉も発せない男が向かうのは絶頂に達し、文の膣内に欲望の全てを吐き出す事のみ。

「ああっ出る出るっ!全っ部、出る、出ちゃうよっ!」
「やっ!らめっ、出さ、出さないでぇ」
「イクイクイクっ……ウウッ!!」
ドクッ!ドプドプドプ……ぴゅる
「だめだめだめぇっ……イヤぁぁぁあっ!!」
「んっんっ……ふぅ」

 ビクビクと身を震わせ全てを搾り出した男は大きな息をつく。
そこで黙って見ていた霊夢が男に向かって手を差し出した。

「お客様、昨晩はお楽しみでしたね♪」
「ふぅ、ふぅ…………え?」
「(チッ……突っ込み無しか)…………じゃあご料金を請求するわ、おっと中出し料も追加でね」
「え?……もう終わり?チェッ」
「お一人様ご一発までだぜ、生憎後ろがつかえてるんでな」

 首からカメラをぶら下げたまま会話に割って入った魔理沙が後ろを指差すと
そこには順番待ちと思われる数人の男が居た。

「終わったんなら早く代わってくれよ」
「チッ中に出しやがって」
「文ちゃ〜ん」
「幻想郷最速のこの娘が相手なら、俺のバットを試さざるを得ない」
「俺の息子が真っ赤に唸るッ文ちゃんを犯せと轟き叫ぶッ!」
「要チェックや」

 撮影に夢中でこれだけの来客に気づかなかった魔理沙は少し驚いた。
クールを装っていた咲夜も苦笑いしている。

「いつの間にこんなに……何か変なのも混じってるし」
「はいはい順番順番ー、前金で頂くわよー」

 衣服を破られ膣内に射精され、足を開いたまま放心している文の前で
順番に並んだ男達から嬉々とした表情でお金を徴収していく霊夢に魔理沙は呆れるしかなかった。

「な、なぁ霊夢……この計画、目的は金儲けじゃなかったよな?」
「ん、まぁね……あくまでコレはレミリア達の誤解を解くための過程よ」
「じゃあ、あの……金儲けに走る必要って……あるのか?」
「あんただって無意味にアイテムを蒐集するでしょ?私にとっての蒐集物は現金、それだけの違いよ」
「あ、あぁ……うん」

 かなり強引な解釈だが少し混乱気味の魔理沙は釈然としないながらも納得してしまう。
そして人間による性的な妖怪退治の第二ラウンドが始まった。

「じゃあ文ちゃん、早速行くよ?」
「え……ひゃっ!あっ」

 いきなり逸物をあてがわれ再び犯され始める文だったが
また終わるまで待たなきゃならないのか……と順番待ちの男達が不満げな表情になる。

 そして現在、文と繋がっている男が仰向けになり下から文を突き上げる体勢になった途端
男達の不満が形に表れた。

「おい、もう待てないぜ。俺達も参加させてもらうぞ」
「折角だから俺はこっちの穴を使わせてもらうぜ」
「うぶっ!んんっ……んふぅっ!!」

 二人の男が乱入しそれぞれが文の口と後ろの穴に膨れ上がった自身を突き立て
文を性欲処理の道具のように扱う。

「うくっ……いいよ文ちゃん、もっと吸って、舐めて」
「くぅ、こっちの穴もすげぇ締まる……!」
「んぶっ!ごほっ、うぇ……ひっ、痛、痛ひぃ!」

 長い物で喉を突かれ咳き込み、太い物を排泄用の小さな穴にめり込まれ痛みで涙を浮かべる文。
それでも、というよりそれが嗜虐心をそそるのか男達はより一層激しく突きたてる。

「お、おっ、やっべ、俺もう……イクぅっ!」
「んうっ!?……んぐっ!かはっ、けほっけほっ!」

 一人の男が射精し、引き下がるとすかさず並んでいた男が空いた穴に挿入する。
正に公衆便所だろう、顔も名も知らぬ者供に代わる代わる犯され続け足から頭まで
精液の付着していない部分などほとんどない。

 しかし文も流石に妖怪である。
いつになれば終わるのか、一人一度の射精で交代する事を知って
早く射精させればこんな狂った宴も早く終わるのではないかと思い、
次々に襲い掛かる肉棒に対し、自ら腰を動かし舌を絡め懸命に奉仕しだした。

「ん、ちゅぷ……れろ、んっ、ああんっ!」
「おぉ、自分から腰を……文ちゃんはえっちだなぁ、ウッ」
「くぅ、吸われる吸われるぅ……ウッ」
「おし、次俺な」

 くちゅっにちゅっパンパンッ……ずりゅ

「しかし……凄いわねぇ」
「えぇ、あんなの見せられたら……」

 文が自ら御奉仕している以上、和輪姦以外の何者でもない。
水気を含んだ肉と肉が絡み合う音と次々に出される精液と愛液の淫靡な匂い。
いつしか淫猥な雰囲気に呑まれた霊夢と咲夜は妖しげな表情を見せ、
順番を待っている男を二人ほど引っ張り出してきた。

「魔理沙、私達ちょっと用があるから引き続き撮影お願いね」
「え、おいちょっと……何の用だよ!?」

 魔理沙が気づいた時にはもう霊夢と咲夜の姿は無かった。
仕方が無いのでしばらく撮影を続けていると魔理沙と文と人間達が居るところからは見えない、
角の向こうから嬌声が聞こえてきた。

「な、なんだ!?」

 輪姦されている文の撮影を一旦放棄し、角のほうへ向かうと
そこではしゃがみこみ男性器を口に咥えている咲夜と
壁に手を付き尻を突き出し一心不乱に喘ぐ霊夢の姿があった。

「んちゅ、んむ……イッパイ飲ませて、あなたの精液……」
「あふっああっ!お尻イイのぉ、もっと、もっと突いてぇっ!!」

「な、なにをやっとるんだあいつらは……」

 とりあえずその場は見なかったことにして現場へもどる魔理沙。
そして数時間……文が犯され始めてどれほどの時が経っただろうか。
十数人いた男達も皆帰り、撮影に疲れて肩をコリコリと鳴らす魔理沙と
身体中白い粘液まみれで呆然とした表情の文のもとへ霊夢と咲夜が帰ってきた。

「あら、もう終わったの?」
「お前ら……何やってたんだよ……お肌がツヤツヤしてるぜ?」
「あー、ちょっとしたエクササイズよ。美容にいいの」

 平然とそう言い放つ霊夢と咲夜に全てを知っている魔理沙は
はぁ、とため息をついた。

「まあちょっと覗いたから何やってたか知ってるけど……レミリアに言い訳できないだろ、それ」
「できるけど?」
「……できるわよ?」
「出来ないだろ!二人して身も知らない奴とあんな……」
「いやいや魔理沙、私はちゃんと巫女の純潔は守ってるわよ?」
「私もお口だけだし」

 どうやら二人の基準では性器と性器が交わらなければ不貞行為では無いらしい。
そういう事だけは妙に堅い魔理沙にとっては信じがたい事ではあるが
ここで言い合っても何も進みそうに無いのでここは右から左へ受け流した。

「まあいいや……これからどうするんだ?」
「こんな目にあっても口を割らないなんてね……どうやら記事自体は本物みたいね」
「となると……私達の偽者がいるってこと?」
「うーん……」

 文は記事にした場面に出くわし撮影しただけで記事の内容にある事は捏造では無いらしい。
ではそんな場面を作ったのは誰なのか?
それぞれが考え込んでいると何も無い空間から突如として一人の妖怪が現れた。

「あらあら、人里で妙な事が起こってるって藍が言うから来てみれば……どうしたの?」
「うわ、紫っ!?」
「……ったくアンタはいつも神出鬼没ね」
「私にとってはどうでもいいことだけど……くっさい粘液塗れの天狗を囲んで何をしてるのかしら?」
「くひっ、ひぐっ……酷いですぅ……」

 予想外だったが紫が現れた事は霊夢たちにとって都合が良かった。
早速簡潔ながらも訳を話して何か知らないかと情報を聞き出そうとしたが……

「ちょっと記事見せて……ふんふん、あー成る程。あの事がねぇ……全部分かったわ」

 あっさりと分かったらしい、分かる者が眼前に居るとなれば真相を聞きださない訳には行かない。

「お、おい……分かったんなら一人で納得してないで説明してくれよ」
「天狗が見たものはね……『夢と現の呪』の応用なの♪」
「え、どういうこと?」
「ある人間がね、あなた達の淫らな姿を想像して自慰行為してたもんだからちょっとした悪戯で
 彼の妄想を具現化してみたのよ、するとあら不思議!彼が妄想どおりの場所で妄想どおりの宴が起こり始めた、と」

 何故か嬉しそうに語る紫に霊夢は血管を震わせながら胸倉を掴んだ。

「……全部あんたのせいか!」
「全部は酷いわ、私は半分くらいよ」
「そんな配分はどうでもいいぜ……とりあえずお前もお仕置きリストにだな」

 霊夢に続いて紫に詰め寄る魔理沙と咲夜。
流石にスキマ妖怪でもこの人間達を一度に相手にするのは分が悪い。
だがここで紫は機転を利かせあくまで冷静に対処した。

「あー、そういえばウチに外の世界から持ってきた魔道書があったような」
「なにィ!?……うーん皆、紫は許してもいいと思うぜ」
「そんなもんで釣られてどうすんのよ馬鹿白黒……私は許すつもりは」
「マヨヒガにお揃いの可愛いティーセットもあったわね……持ち帰った人間に幸福が訪れるといういわくつきの」
「そうね、罪を憎んで妖怪憎まずって事で私は許そうと思うけど……霊夢は?」
「はぁ……あんたら調子良すぎよ、だが私は違う。このスキマにはいっぺん痛い目に……」
「ウチにある茶葉と玉露と室町時代から伝わる茶器じゃダメかしら?」
「……私がそんなもんで転ぶと思う?」

 簡単にモノに転んだ二人と違い、強気の霊夢。

「えぇと困ったわね……」
「モノで転ぶ奴らと一緒にしないで!さあ紫、観念……」
「諭吉と稲造と漱石……誰が好みかしら?……聖徳太子もあるけど」
「諭吉諭吉!諭吉でFA!!!」
「霊夢……はぁ」
「人のこと言えないわね……」
「な、なによ!あんたらだって……」

 紫の妖力か、金の魔力か……いずれにしろ霊夢は現金に転び紫は無罪放免となる。
しかし放逐しただけでは紅魔館連中の誤解を解く事が困難なので
三人は紫を証人として紅魔館へ連れて行った。





――おじゃましま〜す♪

「うわっ!どっから沸いてるのよ!?」

 四人揃って一々正門から入るのが面倒だったのかスキマを使い
いきなりレミリアの部屋へワープする四人……当然ながらレミリアも驚きを隠せない。
そして誤解を解くため、ロビーへ移動しフランドールを除いた紅魔館の主要人物全てが四人の前に揃い
紫を証人としてイチから説明を始めた。

 幻想郷で最も胡散臭い奴が証人なため、皆最初は怪訝な表情だったが
紫の能力と三人の普段の行動から考えてようやく誤解は解けた。

「ね、これで誤解だったって分かったでしょ?」

 今までの経緯、つまり猥褻新聞は紫の悪戯によりある人間の妄想が映像化し、
それを文が見つけ撮影したものである事が証明された。
そして、それまで眉を寄せて疑いの表情だったレミリアにも明るい笑顔が戻った。

「信じてたわよ霊夢!」
「嘘つけ!思いっきり出てけとか言ってたくせに!」
「あ、あー……えーと、あれはたまたま機嫌が悪かっただけよ、ははは……」
「ほほう、素直じゃないわね……そういう子にはお仕置きしなきゃねぇ……」
「あーレミィ、取り込み悪いけど……図書館に戻るわね、行きましょう魔理沙、小悪魔も」
「え?あ、あぁ……」
「え、えっと私も門番の仕事に戻りまーす!」

 パチュリー、魔理沙、小悪魔は図書館に。
美鈴は門にそれぞれ戻りロビーに居るのは霊夢、咲夜、レミリアと数人のメイドだけとなった。

「ちょ、ちょっとあんたら待ちなさいよ!主人がピンチだと言うのに……」
「レミリアぁ、こっち向いて……何か言う事は無いかしら?」
「い、いや、あの……ごめんなさい、許してくれる?」
「……許さないと言ったら?」

 どうやら完全に立場が逆転したらしい、何処かの蓬莱人ばりにメラメラと炎を纏いながらレミリアに詰め寄る霊夢。

「え、あ……えと、メイド達!霊夢と図書館にいる魔理沙に食事の用意を!豪勢に、凄く豪勢にね!」
「……しょうがないわね、許すのは今回だけよ?」
「ごめんね霊夢……デザートも出すから」
「いいのよレミリア、過去のことは水に流しましょう♪」

 現金なものである、180度態度を変えた霊夢は満面の笑みで椅子に座る。

「あ、あのーお嬢様……?」
「あ、ごめん咲夜……咲夜は私の部屋で待ってて」
「は、はい……分かりました」

 席に着いた霊夢のもとに妖精メイド達が次々とおいしそうな料理が運ばれてくる。
異変解決に走り回りお腹が空いていた霊夢は久しぶりの食事に目の色を変えて肉を野菜を頬張りスープをすする。

 千年に一度の超戦士ばりに食べ始めた霊夢を確認し、レミリアは自分の部屋に戻った。
パタン……とドアを閉め中に居る咲夜と目を合わせる。そして……

「……咲夜、咲夜ぁ!」
「お、お嬢様っ!?」

 ガバァッ――

 咲夜と二人きりになってようやく我慢していた感情が溢れ出した。
ともすれば零れ落ちそうな涙を隠すようにレミリアは咲夜に駆け寄りしがみつく。

「ごめん、ごめんね咲夜……咲夜はあんな事しないって、分かってたのに……」
「お嬢様……」
「えへ……なんでだろ、1日2日会わなかっただけなのに……凄く懐かしい感じ」

 レミリアは咲夜の背中に手を回し、咲夜もまたレミリアの頭部を抱え
強く、強く抱きしめあった。

「……あったかい、咲夜の身体……それに柔らかい」
「お嬢様……私はいつでもお嬢様の傍に居ますから……」
「うん……咲夜、久しぶりにアレ、やろ?咲夜のが……欲しいの」

 手で涙を拭い咲夜を見上げるレミリア。
アレとは何か?……主従の間でだけでしか知られていない、知られてはいけない行為。

「あ、アレですか……」
「うん、だってこのままじゃ……まだっ……いっぱい……泣いっちゃいそっ……うで、ぅえっひっく……」
「……分かりました」

 了解すると咲夜は抱きしめていた手をほどき両手でレミリアを抱える、俗に言うお姫様抱っこというやつだ。
そしてそのままゆっくりと椅子に腰をかけた。

「くひっぐすっ……うえぇん」
「ほーらほら泣かない泣かない、レミリアちゃんは強い子でしょ〜?」
「うっ……んんっ……んー……」

 咲夜があやすとレミリアは泣き止む、そして今度は自分の親指を咥える。
その意図を理解し咲夜は豊満とはいかないが美麗な二つの膨らみを晒しレミリアの顔に近づけた。
そして突起に口を付け小さな牙で吸血しはじめた。

「んー……ちぅぅ」
「んっはぁ……レミリアちゃんはおっぱい大好きでちゅねー」
「ぅー……まんまぁ」

 まるで赤子のように甘えるレミリアと聖母のような微笑で血液を授乳させる咲夜。
吸うのは母乳ではなく血である、抱っこまでしなくてもいいのだが雰囲気が大事なのだろう。

 しかしミルクのような甘い光景が壊れるのは一瞬だった。
ガタッという物音と音のする方向にいた人物のおかげで。

「あぁ……もっと強く吸って……」
「ガチャ……レミリアー、入るわよ……って、ええっ!?」
「ちゅぅぅ……ままー……ゲッ!れ、霊夢っ!?」

 一瞬驚きはしたが霊夢の表情は短い時間の間に
驚愕から爆笑へと変化する。

「プッ、ププ……よ、幼児プレイって……はっ、ハハ……あっはははは!く、苦しい……」
「み、見たわね……生きて返さないわよ馬鹿紅白ー!」
「あはっあはははは!ふっ、腹筋を破壊する程度の能力……あははははっ!」
「待てーっ!笑いながら逃げるなー!!」
「お、お嬢様ー!」

 顔を真っ赤にして弾幕を撃ちながら追いかけるレミリアと
爆笑しながらも器用に避わしながら逃げる霊夢。
咲夜の制止もあってかいつしかレミリアは撒かれ追いかけるのを諦めた。
撒いたのを確認すると霊夢は図書館へ寄り今回の騒動の元凶を叩き潰すため魔理沙を連れ出した。
紫の説明にあった「ある人間」のもとへ行く為である。

「くっ、ぶふっ……」
「さっきからなんなんだ霊夢、笑いながら……不気味だぜ」
「ちょ、ちょっとあってね……ププ」
「変な奴……お、もうすぐ着くぜ!」

 二人は香霖堂の前に降り立ちドアに手をかけた。
直感で分かったのだろうか……どうやら犯人は店主の彼らしい。
グッグッ……と扉を開けようとするが開かない、どうやら鍵が掛かっているようだ。

「鍵かけてやがるな、この時間は店にいるはずなのに……どうする、ぶっ壊すか?」
「そんな野蛮なことしなくても……ほら」

 霊夢が閉じられた扉に手をかざし少し力をいれると錠が開いた。
結界を操る類の術だろうか。

「おー、凄いな霊夢……その術教えてくれよ」
「だめ、どうせ窃盗行為に悪用する気でしょ?」
「いやいや霊夢、借りるだけだぜ?……半永久的に」
「はいはい私語はここまで、さあ開けるわよ……」

 ガチャッ

 そっと扉を開くと中には店主の霖之助が居た。
霊夢達から見ると横向きに見える、椅子に座って下半身に手をやり
ブツブツと呟きながら一心不乱に反り上がった自身を上下に扱いている。

「なんか独り言いってるぜ?」
「自慰行為に夢中みたいね……返事がないと思ったら」

「あぁ、こんなにぐちょぐちょにして……本当に魔理沙はえっちだなぁ……はぁはぁ」

 スコスコスコ……

「また私がネタにされてるみたいなんだが……」
「おぉぅ、しゃぶるのが上手だな霊夢は……あ、そ……そんなに激しくしたらっ!ウッ!」

どぴゅどぴゅどぴゅっ!

「……果てたみたい……あ、おい霊夢っ」

 大き目の椅子に座り、果てた霖之助に向かいツカツカと歩きだす霊夢。
てっきり怒り心頭で夢想封印を叩き込むのかと思いきや……
霊夢は後ろから近づき霖之助の肩から顔を出し身体を笑顔で密着させ声をかけた。

「ね、おなにぃ気持ち良かった?」
「あぁ、気持ち……え、うわぁっ!!!」ガタッ
「私がおちんちん咥えるところ想像してたんだ?」
「私がエッチな格好してるところも想像してたんだよな?」

 霊夢に乗って魔理沙ももう片方の肩から顔を出し自慰現場を間近で見ながら
微笑みながら会話しあう。

「ふ、二人とも……いつの間に」
「そんなことどうだっていいだろう?……それよりいっぱい射精したんだなぁ……出し切ったのか?」
「いやいや魔理沙……このタマタマを見る限りまだ出せそうじゃない?」
「あっちょ……」

 霖之助が抵抗できないよう、霊夢は右手で霖之助の左腕を、魔理沙は左手で霖之助の右腕を押さえながら
霊夢がまず霖之助の睾丸を優しくさすりだした。
それに乗って魔理沙も霖之助の竿を優しくこする。

「こんなプニプニして……まだ精液が溜まってそうね」
「お、またおちんちんが大きくなってきたぜ♪」
「えへ、おっおぉう……」

 一度は大量に射精したが今度は妄想では無い、生の二人の手淫で再び元気を取り戻しつつある霖之助に
トドメといわんばかりに二人は霖之助の両頬に軽いキスをする。

「あ、大きくなったわね……ご褒美よ♪」
「ご褒美だぜ♪」

 ちゅっ×2

「うへへ……えへ」

「そろそろ準備完了だな」
「え……準備って?」
「ねぇ霖之助さん……これからどうすると思う?」
「しゃ……射精させてくれるんじゃないのかい?」
「甘い、甘いぜ……イージーモードより甘いぜ香霖」
「勃起する=性欲が最大限になる……この状態でこそ、この封印術は効くのよ」
「ふ、封印だって……?」
「断色『博麗封淫結界』!!!」

 霊夢はそう叫ぶと同時に霖之助の睾丸をぎゅっと握り締め握力の測定をするように力を込める。

 ぎゅうううぅぅぅ……みちみちみち

「あ……あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙ぁぁぁぁっ!!!」
「弾けろぉぉぉぉっ!!!!」

 プチプチプチィッ!!!

「んぎゃああああああああああああああああああああああっ!!!!!!!」

 幻想郷中に響き渡るような断末魔をあげ霖之助は気を失った。

「これにて一件落着だな」
「何言ってんのよ、仕上げが残ってるでしょ?」
「え……これ以上コイツに何かやるのか?」

 男にとって究極の痛みで完全に性欲を封印された霖之助をまだ責めるのかと
思いドン引きする魔理沙に呆れたように補足する霊夢。

「違う違う、里に行ってハクタクに霖之助さんの今日の記憶を弄ってもらうの」
「ああそうか、コイツにしてみりゃいきなりタマ潰されて訳分かんないもんな。人間不信になりそうだし」
「そういう事、ここをキッチリしなきゃ今後ここでお茶の試飲とお茶菓子の試食がしづらくなるでしょ」
「……色々と黒いな」
「何?」
「いや、なんでもないぜ」

 魔理沙は思った。
霊夢を絶対敵に回してはいけない、敵に回したら最後……
あくまで表面上は変わりなく、しかし後腐れなく霊夢の都合のいいように始末されるということになると。

          糸冬

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後書き


なんやかんやで三ヶ月くらい空いた……前編を書き上げた時は夏コミ前だった気がする(;'A`)
遅筆ってレベルじゃねーぞ、しかも後半ネチョ無いしなw


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