歩んで行ける




※すみません、甘いのを目指したらネチョまでが長くなってしまいましたぁぁぁ!
 ―――以下二百由旬↓
















「だから何度も言ってるでしょ、マジックのタネは魔法の糸だって!」
「何度も言わせるな、こっちには見えないから嘘だって言ってるんだぜ!」





 暑くも寒くも無い普通の気温の日、晴天でも豪雨でもない普通の日の夜。
今年に入ってから幾度も行われた普通の日の宴会で普通のことのように……
またか、といった具合で七色の人形遣いと普通の魔法使いが言い争っていた。
しかし今日だけはいつもと違う変化があった……

事の発端は魔理沙の煽り言葉だった――


      ― ― ―      


 普段なら宴会のとき、酔いが回ってくると自ずと誰かが芸を披露したりするものだが
たまには宴会で目立たない者の芸が見たい、という参加者の多数決により、
時折人里で見せる人形を生きているかのごとく自在に操る技を持つアリスが芸を見せる事になった。

「……ったく、何で私が魔法を宴会芸になんか使わなきゃいけないのよ」
「まあまあ、たまにはいいじゃない……普段目立たない奴がするって事だし」

 渋々と引き受け、席を立つアリスに霊夢がフォローを入れるが余りフォローになっていないようだ。
その霊夢の言葉に少しムッとし、「じゃあ凄く目立ってやるわ」と言わんばかりの勢いで
アリスの体中から人形が飛び出し、宙を舞い……人形同士で凄まじい弾幕戦が繰り広げられた。

「凄い……綺麗だわ」
「この人形達が出してる弾幕……全部アリスが操ってるの?」
「へぇ……」

 勿論人形を操っているのはアリスだが実際に弾幕を張っているのは人形である。
上海人形、蓬莱人形、京人形、倫敦、露西亜、西蔵、オルレアン……様々な特色を持った
人形が織り成す色とりどりの弾幕美に宴会に参加している者皆が口をぽかんと開け、釘付けになっていた。

 やっている事はただの弾幕ごっこなのだが何処かで見たことの在る弾幕、パターンは見当たらず
普段からアリスが口にしている

・弾幕はブレイン
・魔法使いの魔法は術者オリジナルであるべき

 この二つを体言しているかのようにも見え、この宴会の場に居る様々な人妖は改めて
彼女を見直した、というような雰囲気になった。

人形同士による弾幕劇が終り、地に降りて来た人形達を受け止めるアリス。
さあここで大拍手、という寸前で一人の魔法使いが文句をつけてきた。

「これが魔法か?……どうせアリスのことだから小型の妖精だか妖怪だかにやらせてたんだろ」
「……はぁ?」

 物言いを出したのは普通の魔法使い、霧雨魔理沙。
普段、宴会と言えば魔理沙が幹事をする事が殆どであり
宴会の主役も魔理沙の宴会芸で場を盛り上げる事が多い。
同じ森に住み、同じ蒐集家で犬猿の仲であるアリスが持て囃されるのが気に食わなかったのだろうか。

「魔法の糸で7体全部操ってるわよ!これが私の魔法なの!」
「糸なんか何処にあるんだよ!私には人形の形をした何かが勝手に動いてるようにしか見えないぜ!」

 普段は飄々としているアリスも流石に自分が得意としている魔法を否定されると
感情を抑えきれず怒りを吐き出した。

 そこで冒頭の言い争いに戻ることになる―――


      ― ― ―      


 シーンと静まった空気の中、しばらく両者共にまくしあい立てた後……
ふぅっと息をつき魔理沙がある一言を言い放った。

「兎も角、普通の人間には見えないぜ?……流石魔法使い様だな」
「何よそれ……あんたに何が分かるのよ!」
「分かんないから言ってるんだぜ、人間から妖怪になる奴の事なんか分かるか!」


――バシンッ!


 その瞬間だった、アリスの平手打ちが魔理沙の頬を襲った。
音が響き、少しの静寂の後に文句の一つでも吐こうとした魔理沙は躊躇した。

「つッ!何するんっ……え?」
「……皆、雰囲気悪くしてごめんね…………私帰るから!」

 アリスの瞳は潤んでいた、明らかに溢れそうな涙を我慢し溜めている眼。
魔理沙の躊躇を余所にアリスはその場から飛び立ち、
宴会にそぐわない居た堪れない様な空気だけが残された。

「あ……ちょ、アリス」
「あーあ、泣かせちゃった……この女殺し♪」
「はぁ……ほんっと馬鹿ねぇアンタ」

 前に手をかざし呆然とする魔理沙に茶々を入れたのは紫と霊夢。
自分とは関係の無い所で争っているのを面白がっている様に見える紫はともかくとして、
友人の軽率な言葉と……心にしまってある本音の違いに呆れる霊夢は
あくまで友人として一言、魔理沙を諭した。

「ねぇ魔理沙……このままでいいの?」
「あー、なにが?」
「本当はそんな事が言いたいんじゃないでしょ?……追わなくていいの?」
「人間、正直が一番よ?人間の魔法使いさん♪」
「紫……胡散臭いあんたが言うと最高に説得力が無いから黙ってなさい」
「はいはい♪」
「追って……どうするんだよ」
「あんたがアリスをどう思ってるかなんて知らないけど少なくとも……あんな侮辱するような事は思ってないでしょ?」
「う……あ、あぁ」
「じゃあ、それだけでも伝えてきなさいよ」
「う、うん……分かったぜ」





 霊夢に促されて飛び立つ魔理沙。
行き先は魔理沙の住居からも近い、アリスの住処。
ドアの前に降り立ち「私だ、入るぜ」と言うとノックもせずに家屋に入ると
椅子に座り背を向け洋酒をあおるアリスの姿があった。

「……何か用?」
「あ、あの……さっきはごめん、言い過ぎた」
「別に……用はそれだけ?じゃあ帰ってくれる?」
「あーあの、違うんだ!私はアリスを馬鹿になんかしてないしアリスの事も嫌いなんかじゃないんだ!」
「まあどうでもいいけど……ウチに入るなら入るでドア閉めてくれる?……蟲が入っちゃうじゃない」
「えっ!?あ、あぁ……お邪魔するぜ」

 魔理沙の方を向かず後姿のまま冷たく反応するアリスに
慌てて弁解しようとする魔理沙。
その様子が可笑しかったのか椅子をくるっと回し魔理沙の方を向いたアリスだが
表面上はあくまで冷静に問いかけた。

「……で、結局何が言いたいの?」
「あの、えーと何て言うか、本当の所を言うと……アリスの魔法を見てると悔しくなるんだ」
「……全っ然意味が分かんない」
「所詮、今の私は似非魔法使いだからな……私もなりたいんだ、完全な魔法使いに」

 最初は照れたような、軽いいつもの口調だったが段々と静かに、いつになく真剣な表情になっていく
魔理沙を見て、アリスも思うところがあるのか改めて魔理沙に問いただした。

「ふーん、分かったわ……じゃあアンタは何で魔法使いになりたいの?茶化さないで答えてくれる?」
「わ、分かったぜ……けど今は酔いが醒めてるからな、だから……一杯でいい、呑ませてくれないか?」
「いいけど……素面じゃ言えない様な事なの?」

 了承したアリスは小さなロックグラスにブランデーをとくとくと注ぎ、魔理沙に手渡した。
魔理沙は少しカラカラとグラスの中で氷を回すと……クイっと軽く、一口で飲み干し重い口調で語りだした。

「私が魔法使いになりたかったのは、魔法が好きだったのと……霊夢に負けたくなかったからなんだ」
「……霊夢に?」
「あぁ、修行もしないのに勘と才能だけで次々と異変を解決していく霊夢を見てて……嫉妬したぜ」
「ふぅん……アレは八割くらいは博麗の血がもたらしてるようなもんだから嫉妬しても、ねぇ」
「ソレは最近になって漸く割り切れたぜ……後は、凄い言いにくいんだが……」
「何よ?普段言えないような事なんだし……この際言いなさいよ」


 先ほどとは違い、冷めたような、それでいてしっかりと魔理沙の言葉を受け止めながら
アリスは聞き役に徹し……魔理沙の本音を探った。

「後は、アリス……なんだ」
「……意味が分かんないわ、私の存在が『あんたが魔法使いになりたい原因』の一部ってこと?」
「初めてアリスに会った時、人間なのに……凄い魔法を使う奴がいるんだな、って思ったんだ」

 初めて二人が出会ったのは……そう、幻想郷と魔界の境界が曖昧になり
幻想郷と魔界の行き来が簡単になった、という異変を解決しようとした時の事。
魔界へ侵攻した魔理沙は一人の魔法使いと出会う事になる、魔界人・アリスとの出会い。
その時のアリスは人間でありながら二体の人形を巧みに操り、目の前の標的を倒す事しか
頭に無い魔理沙は相当な苦戦を強いられた。
その後、グリモワールを手にしたアリスは究極の魔法までも使いだし……
霊夢、魔理沙、幽香、魅魔と幻想郷の実力者が総がかりで押さえ付けなければ収拾がつかないほどであった。

「まぁ……あの魔法は結局、溢れる魔力を制御できなくて使いこなせなかったんだけどね、今も封印してるけど」
「次にアリスに会ったのは冬が終わらなかった異変の時かな……あれから何年も経ってなかったのに」
「…………?」
「お前から感じた魔力は人間の物じゃない、妖怪の放つソレになっていた……悔しかったぜ」

 魔理沙の言う通り、アリスは魔理沙と初めて出会った時から数年後……
捨虫の魔法を得て、人間から魔法使いへと転生したのである。
魔法使いを目指す人間なら誰しもが目指すモノ、それが捨虫の法。
己が肉体の成長と衰えを極端に遅くさせることが出来、必要であれば若返らせる事も出来る。
普通の人間なら研究に研究を重ね年老いてから漸く会得できるかどうか、である。
一般的に魔女、と聞くと老婆のイメージが強いのはそのせいである事が大きい。

 その事を踏まえると、如何にアリスが魔法使いとしての才能に優れているかが良く分かる。
それは魔理沙が嫉妬に至るには充分過ぎる程であった。

「見た目もさ、私より年上っぽくなって……何より魔法使いの高みへとグングン登っていくアリスがさ。
 私には悔しかった、それと同時に……憧れだったんだ」
「魔理沙……」
「だからあの時……夜が終わらないからって、お前が私を連れ出したあの夜……凄く嬉しかった」
「……でもあの時あんたは」
「当り前だ、素直に嬉がれるか!だから……条件を出して仕方なく、って態度にならざるをえなかったんだ」

 自分よりスキルが高い者、何より憧れていたアリスに必要とされる……
嬉しい事ではあるが素直には喜べなかった。
頼られている、と思えばいい気になったままでもいられるが「魔法使い」に限定しなければ
魔理沙以外にも実力者は幾らでも居る。
その事を考えれば卑屈になり、アリスの気持ちや事情がどうであれ……
魔理沙にとってはむしろ見下されている様にも捉える事が出来た。
嬉しいと同時に悔しかった、だから素直になる事が出来なかった。

 静かに語り始めたはずが魔理沙の口調はいつの間にか熱くなり、
それに比例して目から頬に……熱い物が伝っていった。
それでも魔理沙はグイっと目から出る汗を拭い
感情の起伏など無かったかのように振る舞いながら口を開く。

「……な、面白いだろ?笑っていいぜ」
「いいえ……私は嬉しいわ、魔理沙の本当の気持ちが聞けて」
「…………」

 先ほどまで一歩引いたような感じとは違う、アリスの表情。
穏やかな瞳で微笑んでいる様にも見えたが魔理沙を馬鹿にした様な笑みではない。
心底……安堵した、というような微笑。

「魔理沙が言ってくれたんだから私も言うね、あの時あんたを誘ったのは……私の実力を見せたかったから」
「……厭味でか?」
「違う、私だけを見て欲しかった……何かあったら私を頼って欲しかったから……自分でも思うわ、
 素直じゃないって、ストレートに自分の気持ちさえ言えない卑屈者だって……」
「……素直じゃないのはお互い様だぜ」

 お互いに心根が変化したわけではない、普段胸にしまっておいたものを晒しあっただけである。
しかしぶつけ合った事で心境は変化したようで、まだ眼に赤みが残る魔理沙の肩を掴んだアリスは
今一度魔理沙の意思を確認した。

「ねぇ魔理沙……あなたは本当に魔法使いになりたいのね?人間という種族を捨てて……後悔しない?」
「後悔、か……するかも知れない、けど……半端な生き方のままで一生を終えるのは嫌だぜ」
「『捨虫の法』を得て人間から完全な魔法使いに成る為には一つ条件があるの……分かる?」
「分かんないぜ……いや、もしかして……『魔力の器』か?」
「そう、自己の身体を常に魔力を溜め込める器にするには……無垢な身体じゃダメなのよ」
「え?それって……」
「これ以上は言わなくても分かるでしょ?」

 人間の魔法使いは体内に魔力を溜め込む事ができず、何をするにも外部の力を借りる事になる。
今までの魔理沙が正にそうで、森のキノコや八卦炉など魔力を帯びた道具を利用しなければ
碌に何も出来ないのである、せいぜい空をふらふらと飛ぶ程度であろう。
そして魔力を体内で発生させ、溜めておく事が出来る妖怪の魔法使いならば何も使わなくても
空を飛んだり弾幕を展開できる、まさに「魔法使い」と呼ばれる所以と言えるだろう。
パチュリーの髪飾りのような、自己の魔力を増幅という名目で外部に溜めておけるマジックアイテムも
妖怪の魔法使いだからこそ利用する事が出来るのだ。

「あ、あぁ……でも、なんでその……処女、じゃあ駄目なんだ?」
「魔法使いという、体内に魔力を宿し魔法を操るには……処女のままでは穢れが無さ過ぎるのよ」
「そう……なのか」
「僧侶や巫女みたいに神の力を借りる法術ならともかく……『魔法使い』としての魔法を使うなら、だけどね」
「う、うん……把握、したぜ……私には無理だ」

 戸惑った魔理沙だが……無理、という答えはアリスの話を聞きながら考えた上で出した結論だった。
完全な魔法使いになる為に処女を散らせる……そのこと自体を魔理沙は拒否したのではない。
性的な交遊を持とうにも誰でも、という訳には行かない。
誰にでも図々しい位に好意的な魔理沙だがそこまで出来るほど淫らな人間では無い。

「そ、その……私にはセ、セックスをする……というのが無理なんだ」
「うん、まぁ確かに……女の子だもんね、男だったら誰でもいい……とは行かないわよね」
「あぁ……それもあるけど、その……なんだ」
「何よ、奥歯に物が詰まったような言い方して……あなたらしくないわね」
「あぅ、ごめん……言うぜ、この際だし……すぅ、んっ、ゴクン……」

 本当に魔理沙らしくない言い回しだったが、覚悟を決めたのか
魔理沙は少し息を吸うとゴクリと唾を飲み込み捲くし立てるようにある言葉を口にした。

「わ、私が好きなのは……アリスだからっ!だから、無理なんだ、ぜ……」
「……え?……あ、あの魔理沙……今、何て言った?」

 予期していなかった言葉に呆然するアリス。
叫んだ後、後ろを向いて真っ赤にした顔を俯ける魔理沙。

「な、何度も言わせるなよ……私は、アリスが……ごめん!忘れてくれ!」
「あ、ちょっと魔理沙!」

 ゴ ツ ン ッ !

「痛ッ―――」

 居た堪れなくなったのか飛び出そうとする魔理沙だったが扉が固く閉ざされているのを忘れていたらしい。
盛大に頭突きをする形になってしまい、転がって頭を抱える魔理沙。

 そしてアリスは、その傍でしゃがみこみ……魔理沙を抱き起こしながら呟いた。

「魔理沙、無理じゃないわ……だって、私も―――」
「え……んむっ!?」

 台詞の途中で唇と唇が軽く触れ合った。

「私も、魔理沙……あなたが好きだから」
「アリス……」

 卑怯なのかもしれない、相手の意思をハッキリ聞かないと自分の気持ちを言えないのは。
しかしアリスもまた立場は違えど魔理沙と同じような意地や性根で今まで素直になれなかったのだ。
今言わないと長い人生、一生後悔する……そう思った時、意思に関係なく身体が動き
一番ストレートな形で想いを表に出したのだった。

「アリス……もう一回」
「いいわよ、何度でも……んっ」
「あむ、ちゅっ……んぅ」

 今度は魔理沙が接吻を要求してきた。
瞳を潤ませ上目遣いの魔理沙の唇にそっと口付けると
アリスの舌は魔理沙の唇に侵入し……歯を、舌を存分に舐め回し絡ませあい互いの唾液を交換した。

「ん、はぁ……キスってこんなに、気持ちいいのか」
「……気に入ったの?」
「うん、もっと……して」
「いいわ、魔理沙ももっと……舌を出して」

 静かな森の中にある、静かなアリスの家。
綺麗に整頓された人形達が見守る中、舌と舌を絡め合う音、唇で唇を吸う音だけが響き渡った。
身体を求め合う、という割には下劣な物ではなく……
唾液は勿論、漏れる吐息をも吸いあう二人の行為はむしろ甘美な轟きが両者の心に響いていた。

 両手を繋ぎ合わせ、長いキスの中唐突に……魔理沙の目尻から再び涙が滲み出る。

「……?んっ……どうしたの?」
「ごめん、好きなのに、アリスが好きなのに……魔法使いになれないって思ったら……ひぐっ」

 互いの気持ちは伝え合えた、片思いではなく両思いだと言うことも分かった。
長く、永く甘いキスもした。
しかし……魔法使いになりたい魔理沙が愛したアリスは女性―――
処女のままでは完全な魔法使いになれないと聞いた魔理沙にとって残酷な事に思えた。
通常の概念で言えばセックスとは陰茎が膣に入って成立する物であり、
両者が片方しか持ち合わせていないのは致命的すぎるからだった。

「もしかして……セックスできないと思った?」
「……できるのか?」
「交淫ってね、体液を交換するってことなの……性別は関係ないのよ?」
「え―――?」
「だから……安心して」

 常識だと思っていた概念は解釈の違いという理屈で拭い取られた魔理沙は少しキョトンとした後、
潮が引くかのように悲しみが消えていくのを実感した。

 そしてアリスは抱きしめあっていた身体を少し離し、黒地に白のエプロンドレスを上に捲り上げる。
突然の事で我に返った魔理沙は慌ててアリスの手を制止し、恥ずかしさを口にした。

「ちょ、ちょっと待てアリス!」
「ん……どうしたの?」
「あの、明かり……消してくれないか?」
「明かり、消すわけないじゃない……ほら!」
「うわ、ちょっ……」

 アリスの掛け声と共に魔理沙の衣服は剥ぎ取られ膨らみかけの小さな胸があらわになる。
明かりに照らされた身体をまじまじと見つめられ恥ずかしさから顔を背ける魔理沙。

「魔理沙の胸……小さくて可愛い」
「あ、あんまり見るなよ……気にしてるんだぜ」
「いいじゃない、可愛いし……ほら」
「あっ、やぁ……そんっな、んっ」

 滑らせるように膨らみに手を這わせ小さな胸を撫で回すアリス。
好きな人に裸を見られている恥ずかしさと性的なマッサージの心地よさに思わず声が漏れる魔理沙。

「ほらほら、ココも固くなってきたわよ?」
「ひゃんっ!そ、ソコぉ、あんまり……弄るなぁ」
「敏感なのね……可愛いわ、魔理沙……ちゅ」

 すっかり固くなった二つの突起に触れた途端、魔理沙の身体がビクンと跳ねる。
その反応に気を良くしたアリスはその突起を唇で摘み、甘噛みし……時折舌を這わせ吸い出した。
そして、折を見てアリスは魔理沙の下半身……ドロワーズに手をかけた。

「ちょ、そこっ……ソコはだめっ!」
「へぇ、でもココ……湿って蒸れてるわよ、魔理沙……」
「あっ、あ……ダメぇ」

 普段の言葉遣いからは信じられない、別人のような変化。
男勝りの弾幕使いという感じは微塵もなく、そこに居るのは恥じらいに身を震わせる乙女そのものであった。
そしてズルズルとドロワーズを脱がせるとそこには……穢れを知らぬ、毛の一本も生えてない幼い
一本のスジと、ちょこんとした皮を被った雌芯が顔を出した。

「こんなに可愛いのに、こんなにピタっと閉じてるのにベチョベチョにして……いやらしい子ねぇ」
「いやぁ……そんな、見ないで」
「いいや、じっくりと見てあげる……魔理沙の可愛いココ♪」

 足と足の間に顔を置き、魔理沙の最も恥ずかしい所をじっくりと観察するアリスに足を閉じて
抵抗しようとするがそれはアリスの顔を挟みこむだけで余計にじっくり見られ墓穴を掘る形になった。
そしておもむろにトロトロと蜜を出す小さな一本の線に舌を這わすアリス。
ピタっと閉じられた一本線に指をあてがい、くぱぁっと開くと熱い粘液に塗れた秘肉があらわになる。

「やらぁ……恥ずかしぃよぉ」
「ん、れろ……」
「ひゃあっ!な、舐めるっ、なぁ……」
「魔理沙のココ……おいしいわよ?」
「ひいぃっ!舌ぁ、入ってるぅぅっ!!」

 必死の抵抗も快楽の前には意味を成さず力なく震えた声を出すだけになった魔理沙の反応は
アリスの愛撫を加速させるだけだった。
しばらくして、魔理沙の顔を見ると涙と涎で顔は悦楽に歪み息も絶え絶えといった所。

「あ……ア、リス……?」
「体液を交換するなら……ここからが本番よ?」

 ケープとスカートをはらりと脱ぎ去り魔理沙と同じで一糸纏わぬ姿になったアリスは
足を交錯させると互いの雌芯をピタリとくっつけた。

ズッズッ、ずりゅっ……

「はぁっ……どう?これで私の愛液……魔理沙にっ、流れ込むでしょ?」
「ひゃんっ!あそこが、あそこが擦れてぇ……あんっ!」
「どう、魔理沙……気持ちイイ?んっ、くっ…」
「凄っ、イイ、よぉ!アリスのが絡み合って……ひぅっ、あんっ!あう、もう、私ッ、んっ……」
「あふっ、イきそう?イきそう魔理沙!?」
「う、うんっ!アリスっ、アリスっ……キス、してぇ!」
「んっ、ちゅ、ろれっ……」
「あむ、ふぅんっ!……れろ」

 絶頂へと加速する魔理沙は下半身だけでなく唇でもアリスの体液を求め
高みに向かって腰を動かし擦りつけあう。
そして、くちづけを交し合いながら――

「はむ、魔理沙っ!あっ……」
「アリス、もうっイっ、イク、んっ!んむっ―――」

 喘ぎ声をキスで紡ぎオーガズムを迎えた魔理沙は力が抜け、アリスにもたれかかる格好になる。
そして口を放し唾液の糸を引かせながら吐息を弾ませアリスの腰に手を回した。

「はぁ、はぁっ……アリス」
「何?……魔理沙」
「アリスはまだ……イって、ないだろ?」
「え?あ、ちょっと!」
「へへ、今度は私がアリスを気持ちよくしてやるぜ♪」

 今度は仕返しといわんばかりに魔理沙がアリスの身体を撫で回し秘部に顔をつける。
アリスも抵抗はせず仰向けになり魔理沙の下半身に顔を向けお返しとばかりに秘所に口をつけた。

「ひゃっ!あ、アリス!?」
「今度は……舐めあいっこ、しましょ♪」
「……うん」

 その後、愛し合った二人の魔法使いは一晩中お互いの身体を求め合い、無限に沸き出る愛液を貪りあった。
疲れ果て、眠りに落ちるまで何度も何度も体中を刺激しあい……夜が明けるまで。





――その頃、神社では

 宴会も終り、帰路に着く者、その場で眠りこける者を尻目に
二人の魔法使いの様子をスキマから覗くスキマ妖怪とその隣で茶を啜る巫女が居た。

「うわぁ、凄いわねぇ……霊夢も見る?」
「そんな悪趣味じゃないわ、それよりいつまで居るのよ……早く帰ったら?」
「いけずねぇ、わざわざこんなの見せてまで求愛してるのにぃ……分からない?」
「分からないから早く帰れ」




  E N D 
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――



後書き

「ところでアリス……お前の初体験の相手は誰なんだ?」
「えっ!?だだだ誰でもいいじゃないそんなのっ!」
「誰でもいいって……そんなのって……無いぜ」
「えーいや、あの…あーうー…(言えない、幽香と魅魔に無理やり犯られたなんて言えないっ…※)」

※……怪綺談EXのエンディング

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