「・・迂闊だったわ。」
董白は自室でひとり毒づいた。
庭で乗馬を嗜んで居た所、うっかり季儒の毒の範囲に入ってしまったのだ。
「バージョンアップ」で範囲が狭くなったにもかかわらず、だ。
まあ若干のだるさはあるものの、威力も弱体化したって話だし、
放っておいても大して問題ないだろう。
と、思っていた。
実際、かつての威力の面影はなく、
お世辞にも「暗殺の毒」などとは言えない代物だ。
しかし・・
しばらくすると、下腹部が僅かにうずき、だるさは心地よさに変わり、
甘いため息とともに、体の力は抜けてしまうのだった。
「はぁっ・・何で・・私・・」
ベッドに腰掛け、そのまま横たわると、
左手を自身の胸に当てる。鼓動がいつもより早いのを感じる。
右手を腹部にあてがう。再び甘いため息が漏れる。
無意識にはしたなく脚を開き、右手をそこに伸ばす・・
・・コンコン
「ははははいっ!」ビクン、と我に返る。
「今晩は、董白、いるかしら?」
とりあえず声の主が女性であることに安堵し、
扉を開ける。
先ほどの驚きのおかげで、どうにか人と話をするくらいはできそうだ。
どうやら貂蝉はお菓子を差し入れに来てくれたようだった。
無下に追い返すのもアレなので、お茶の用意をして、テーブルに座ってもらう。
貂蝉はお菓子を皿に盛り付け、董白はお茶をカップに注ぐ。
準備を終えてお互い椅子に腰掛けたところで、
またしても「はぅ・・」とため息をついてしまう。
自分では判らないが、既に頬は紅潮し、耳まで真っ赤だ。
「どうかした?疲れてるの?」と貂蝉に問われるが、
本当の事など言えるはずもなく、適当にはぐらかした。
「それならいいんだけど」とお茶を飲む貂蝉。
(あー・・やっぱりすごい美人・・)
(胸も大きいし・・)
(それになんだかいいにおい・・)
「・・白?董白?大丈夫?全然手を付けていないみたいだけど」
気づけば後ろに貂蝉が立っていた。
相当ぼーっとしていたみたいだ。
「ごめんなさい。今日はやっぱり体調が・・」
「そう?熱はないみたいだけれど」
貂蝉の左手が不意に額に触れる。
それだけでも声をあげてしまいそうだったが、
右手が耳の裏から喉、首筋を撫でてくる。
「ひ・・あ、ぁ」
吐息とともに僅かに嬌声が上がる。聞こえてしまっただろうか。
「熱じゃないとすると・・どこが悪いのかしら?」
貂蝉は細い指先で董白の喉を擽り、私の髪を撫でながら囁いた。
「それ、は・・」
耳元で囁かれると、吐息が耳にかかり、貂蝉の香りも先ほどよりも近く感じる。
思考は完全に蕩けてしまい、
すでに私は、貂蝉の手首を力なく掴む事くらいしかできなくなってしまっていた。
「あっ・・あ、んぅ」
貂蝉の指が両胸を愛撫していくのに合わせて、
自然に声が漏れてしまう。
片手は服の上からそっと優しく、
もう片手は、肌蹴させた服から強引に進入し、先端を直接触れてくる。
「やぅ、く、あぁっ」
既に硬くなった先端を弄られてしまうと、
僅かにあった抵抗の意思もすぐに消え失せて、
その感覚に身を任せ、甘い痺れに肩をぴくぴくと反応させる。
「ああ、ん・・っ、は・・あぁあ」
貂蝉は何も言わないが、かえって心を見透かされているようで
董白は両手で自身の口を覆う。
掴まれた手首を解放され、服の上から董白の胸を愛撫していた手は、
そのまま下腹部をなぞり、董白の太腿に触れる。
外側から、指先と掌でゆっくりと撫でていく。
董白は無意識のうちに脚をきゅっと閉じるが、
貂蝉の細い指は構わずに進入してくる。
同時に全身をぞわっとした感覚が走る。
貂蝉の唇が董白の耳を挟み、舌が耳の内部を犯す。
「ぅああ・・!貂蝉・・っそれ・・だめぇ・・ぅうん」
意識は耳に集中し、脚はあっさり開いてしまう。
びっしょり濡れた下着の上からクリトリスを刺激されると、
それだけで意識が飛んでしまいそうになる。
「あん、ふぅ、あっ、あぁっ」
(も・・もう・・・)
そうしている間にも敏感に硬直した乳首を摘み、摩られ
(だ・・めぇ・・っ)
ようやく耳から離れた唇は、董白の唇に重ねられ、
舌を絡め取られて、そのまま口腔も犯される。
「んっ・・ぁ・・あぅっ!・・ん、んん・・っ」
全身がぞくぞくと痙攣し、頭が真っ白になる。
秘部からは一層蜜が溢れ、貂蝉の指をいやらしく濡らしていった・・。
「はぁ・・はぁ・・はぁ」
気づくとベッドにうつぶせになっていた。
貂蝉が運んでくれたのだろうか。
意識が先ほどよりはっきりしてきた。
「暗殺の毒」の効果時間が終わったのだろうか。
あれこれ思索していると、貂蝉が隣に腰掛けてきた。
「ふふ、董白ちゃんがあんなになるなんて意外だったわ」
「違っ・・それは毒のせいで!」
体を起こし、顔を赤面させて反論するが、
貂蝉はくすりと微笑むと、再び董白の秘部に触れる。
今度は下着を下ろし、直接。
「ぅああっ」
董白も抵抗したが、もともと腕力の差などなく、
一度イッてしまった上に毒で弱った身体では到底押し戻せない。
「ふふ、本当かしら。あなたの身体は今でも熱く疼いているみたいだけど」
つぷ、と2本の指を挿入し、中で数度動かす。
「あん、あふっ!違・・違うぅ」
董白の蜜を纏った指はさらに激しく動き、
董白にとめどなく快楽を与え続ける。
「じゃあどうしてこんなに感じてるのかしら」
そうだ。確かに毒は切れたはず。
でも・・
「毒なんかなくても気持ちいいんでしょう?」
「ふあ、ぅあっ、あっん、はあっ」
結局董白は貂蝉の問いには答えられないまま、
ただ口をだらしなく開き、全身に走る快楽に身体を任せながら、
シーツをぎゅっと握ることしか出来なかった。
「ふふ・・毒なんてとっくに切れていたのよ」
董白の膣をしなやかな指で犯しながら耳元で囁く
「なんで・・まさか・・!んむぅっ」
言い終わる前に、貂蝉の指が口を塞ぎ、
膣を犯すのと同じように口腔を責め、舌を愛撫する。
「んぅう、あむ・・んむ、んぐ・・ふあう」
「そうよ・・余計な事は考えずに、楽しみましょう?」
董白の小さな耳に口付け、そのまま舌を這わせる。
「ぅああっあぅん、やらぁ・・んっむ、またぁ・・」
耳と口と膣を犯され、董白は再び達した。