鶏の嘶きで目覚めた董白は、びっしょりと汗を掻いていた。
加えて、部屋中に妙な匂いが充満している事に気付いた。
何これ?気持ちが悪い・・・。部屋の換気をして、お風呂に入ろう。
董白はそう思ったが、全身が気怠くてなかなか起き上がれなかった。
あぁ何だっけ。何か大事な事を忘れている様な気がする。
頭に靄がかかったような、重苦しい気分。
そう言えば、股間の違和感がないなぁ・・・。
えっ?股間?
董白は恐る恐る股間をまさぐった。
ない。ない。ない、ないないない!
おちんちんが、なくなっている!
あれは夢だったの?ずっと悪い夢を見ていたの?
夢?どんな夢だっけ?思い出せない・・・。
「お姉様、起きて下さい!」
董白は傍らで寝息を立てていた呂姫を揺り起こした。
あれ?何でお姉様がいるの?いつ泊まりに来たんだっけ?
どうも記憶が混乱している。疲れているのかな?
「お姉様、直りました!おちんちんがなくなりました!」
・・・私は何を言っているのだろう?
断片的な夢の記憶を掘り起こして、意味不明な事を口走っている。
しかも【おちんちん】だなんて・・・はしたない。
これじゃ、お姉様に変な娘だって思われちゃうよぅ・・・。
「そう、良かったわね。」
あれ?話が通じてる・・・?
「夢を見たわ・・・。」
「夢?」
「左慈って仙人が現れて、ひとつだけ願い事を叶えてやると言うの。」
「左慈・・・?どこかで聞いたような・・・?」
「だから、董白を元の身体に戻して欲しいとお願いしたわ。」
「あ・・・っ!?」
曖昧だった記憶が蘇った董白は、思わず大声を上げた。
お姉様とひとつになれたのは、夢じゃなかったんだ!
お姉様の奇麗な身体。ぬくもり。喘ぎ声。とろんとした目つき。
お姉様のお口に、奥に、何度も何度も精子を注ぎ込んだ。
元の身体に戻れたのは嬉しいけど、ちょっと残念だな・・・。
「ありがとう、お姉様。」
それでも董白は素直に礼を述べた。
ただ、今まで通りの関係に戻るだけだ。
もう左慈に「自分勝手で我が侭」だなんて言わせない。
お姉様のお側にいられるだけで、充分幸せ。
「お姉様、お風呂に入りませんか?すぐに用意をさせますから。」
「そうね・・・でも、その前に見て欲しいモノがあるの。」
呂姫はムクリと起き上がると、着物の裾をたくし上げた。
「あ・・・っ!?」
董白は呂姫の股間に釘付けになった。
本来【そこ】に在る筈のない【モノ】が、ピクピクと脈うっていた。
董白は、舌舐めずりをした。