私は鼻歌交じりにさっさと靴を脱いで、応急処置室の寝台の真ん中に陣取る。
荀攸殿は湯を絞った熱い手ぬぐいを手に按摩の準備をしていく。手際いいなぁ。
「えへへ……ホントにお願いしてもいいんですか?」
「ははは、期待しないでください。あまり上手くはないですよ」
火傷しない程度に熱い手ぬぐいを足にあてて、その上から押し揉まれる。
荀攸殿の手は、武人の手と比べてしまえば華奢で女性の手みたいだけれど、
私の手と比べるとやっぱり大きかった。
力も、私と比べれば荀攸殿のほうがやっぱり強い。
強さの強さも緩急の幅も、下女の揉みかたよりきもちいい。
痛きもちよくって、撫でられて心地よくって、揉みほぐされてとろけそう。
最初は座っていたけれど、あまりの気持ちよさに横に寝そべる。
私は眠ってしまいそうだったのか、荀攸殿に声をかけられる。
むぅ。ぐっすり寝れそうだったのに。
「大丈夫ですか」
「ふぁ……もう、おしまいですか?」
「いえいえ、まだ参りますよ」
「ひゃぅ!?」
荀攸殿は私の足を両脇に一本ずつ抱え込み、立ち上がる。
予想外の動きをされて、すっかり目が覚めた。
何をされるのか検討もつかなくって、縮こまるしかない。
足を閉じてしまいたいけど、荀攸殿の体を挟み込む形で足を抱え込まれているため、
完全には閉じることができない。
なんとかならないかとジタバタともがいてみる。
荀攸殿はガッチリと私の足を抱え込んでいて、放してくれそうにない。
荀攸殿の右足がそろそろと、私の旗袍(スカート)の裾から入ってきた。
下着ごしに私の「お大事」にたどり着くと、こねるように踏み散らしていく。
なんで踏みつけられてるの?
なんで大事なところばかり踏むの?
なんで荀攸殿がこんなことするの?
何をされていくのかよくわからなくて、疑問符の言葉しか浮かばない。こわい。
「じゅ、荀攸殿?」
つま先から土踏まずそして踵。
荀攸殿はじりじりと足をずらしながら、同じ場所を何度も踏んでいく。
「ひゃ…そんなトコやめっ、ダメぇ」
痛くはないけれど、女の子の部分をいじられて平気ではいられなかった。
恥ずかしさと、キュンキュンとこみ上げる甘美な刺激で胸がいっぱいになる。
こころなしか耳まで熱くなっているような気がする。
荀攸殿が、私の「お大事」をこねるのに夢中になってるんじゃないかと思って、
身をよじったり足をバタバタと上下させて、抵抗してみるけれど逃げられない。
それどころか、足でこねられる度に抵抗する力が抜けていきそうになる。
「ぁ、んぅ! そこっ、、は」
ただでさえ、恥ずかしくて死んでしまいそうなのに。
次第に、荀攸殿の足の動きにあわせるように腰がくねってしまう。
私が動くたびに敷布がしわくちゃになっていく。
荀攸殿は目を細めている。すごく嬉しそうな笑顔を浮かべている。
ふと、こねるような足の動きが止まった。
「どうかしましたか」
「ど、どうした、って……」
「濡れていますね」
「それは……荀攸殿が……」
からだ全体が火照っているみたいで熱い。
頭が真っ白になりそうで、なにも考えていられない。
「ははは、いつも文姫殿を守ってくれる殿方達が見たら、どうなるでしょうなぁ」
荀攸の言葉に思わずびくりと震えてしまった。
ホウ徳殿や楽進殿、曹仁殿に夏侯惇殿、張コウ殿、李通殿、賈ク殿
次々に顔を思い浮かべてしまって、より恥ずかしくなった。
荀攸殿の口の端が持ち上がっていくのが見える。
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