もう何度突かれたかわからない。
人の体とは都合の良いもので、長く痛めつけられていると痛みが鈍磨する。
とはいえ、そこに快楽など見出せる筈もなく、拷問に等しい行為を曹節はひたすらに耐えていた。
苦しげな呻き声を恍惚の表情で聞いていた曹丕の指が秘唇をなぞり、わざとかき回して粘つく水音を立て

る。
「良い具合だよ、節。これだけ蜜を垂らしていればさぞお前も愉しかろう?」
「そんな……そんなことは!」
緩く首を横へ振ると柔らかな髪が曹丕の頬を撫でる。
一房を口に挟み、唾を絹糸に似た髪にたっぷりと含ませながら言葉を紡ぐ。
「何だ、愉しくはないのか。ではあれを見るといい、愉しめるだろう」
曹丕が顎をしゃくった先に、ゆるゆると視線を向ける。
「……へ、陛下っ!」
その先…玉座に程近い柱の影から僅かに姿を見せたのは、見間違うはずもない、己の夫の姿であった。
うろたえて身を捩り逃れようとするも、僅かな身じろぎの度に臀部から全身に痛みが駆け巡る。
「た、すけ……」
震える右手を伸ばし、目から頬に伝う涙もそのままに呼びかける。
だが、劉協は動かない。切なげな視線だけが向けられる。
「あに、うえ…陛下、に、何をっ!」
自分が来る前に、何か酷い事でもされたのだろうか。
そんな思いが浮かび、掠れた声で兄へと非難の声を向ける。
だが、曹丕の口からは彼女の思考とは少しずれた言葉が流れた。
「ククク、節はやはり可愛いな、だが浅い。
 何故ここに私の侍者が居らぬのか、そして協が居るのか。少し考えればわかるだろう?」
その瞬間、曹節は悟った。何もかもが兄の謀であった事を。
わざと自分の耳に届くように禅譲の話を広めて。
それを聞いた自分が兄を詰問するであろう事を予想した上で。
夫をわざわざ呼び寄せて柱の陰に居らせ、そしてその目の前で自分を犯したのだと。
「そこまで、して……」
そこまでして、漢王朝を汚したいのか。
必死に声を堪えていた妹から零れた言葉に曹丕は一旦責めの手を止める。
先の言葉は曹節の口からは出なかったが、何もかもを知っていると言う風に頷き、告げた。
「いや、ただ単にお前と協を虐めたら愉しいだろうと思っただけだよ、節」

心が、砕けた。

自分が大切にしていた全てのものが、兄にとってはただの玩具に等しいのだと。
必死に皇帝の妻たらんとしていた自分の姿すらも、所詮は享楽の一つだったのだと。
ふつりと糸の切れた操り人形のように体から力が抜ける。
曹丕は急に腕に掛かった重みに一瞬眉を顰めるも、上着の裾から抜いた右手を曹節の腰に添え、
上体を反らす事で彼女の体を自分の方へと寄り掛からせる。
身長差ゆえにその動きで曹節の足は浮き、後孔を貫くモノが自身の体重に拠って更に深く埋め込まれた。
「っは、あぅんっ……!」
血で紅を差された唇から零れたのは、全てを捨てた嬌声だった。

「ん、んっ、は、あ、あ、あ……!」
「クク、随分良い声で囀るようになったな。こちらの具合も随分良くなってきた……ぞ!」
「っひああっ!」
体の芯に響く痛みはまだ残るものの、それ以上に腸壁を抉られる毎脳髄に快感が響く。
曹節は片足を曹丕の腕に絡め取られ大きく開かされ、
結果ドロドロに濡れた秘部が丁度劉協の正面に晒される形で幾度も中を突かれていた。
肉が擦れ合い粘液が吐き出される生々しい音に顔を歪めながら、
柱に寄り掛かるようにして立つ劉協は曹節の乱れる姿をじっと見つめていた。
刹那、涙と快感で白く滲む曹節の瞳と、視線が絡み合った。

見ている、陛下が、実の兄に尻を貫かれてはしたなく喘ぐ私を見ている。
曹節はすぐにでも自害したい程の罪悪感と同時に、
今まで夫と交わっていた時には一度も感じた事のない快楽が湧き上がるのを感じた。
腕の中でがくがくと震える体を感じ、曹丕は激しく腰を突き上げ曹節を揺さぶる。
「そろそろ頃合か。さあ、協の前で思い切り果てるが良い!」
同時に強く腰を押しつけ、左手の指で膣壁と肉芽をこそげ落とさんばかりに掻く。
「きゃ、あ、ぅ、んぅぅふああああっ!!!」
大きく股を開き、兄にもたれ掛かった体勢で曹節は果てた。
ぶしゃ、と音を立てて秘所から噴出した愛液が湯気を立てながら床へと飛び散り、新たな水溜りを作る。
同時に曹丕も妹の中に埋め込んだ楔の先から欲望の証を吐き出した。
快楽を貪るように幾度も突き上げながら射精する曹丕の動きに合わせて曹節の体が跳ね上がると、
その度にぴちゃ、ぴちゃ、と床に絶頂の徴が撒かれていく。
そして劉協は憎しみと自己嫌悪に襲われながらも、兄妹の絶頂の様から目を離せないでいた。
これだけ侮辱されていながらも、実の兄に犯されて達した妻の姿に、股間の滾りを抑えきれないままで。



やがて曹丕はまだひくつく孔から僅かに萎えた陰茎を引き抜くと、腕の中の体躯を無造作に振り払う。
力が抜けきった体の支えを全く無くし、曹節は膝から冷たい床へと崩折れた。
それでも、玉座に頭を垂れるようにして倒れこむ。漢の帝に足を向ける不忠は出来ないと。
曹丕は一つ息を吐いてその姿を見下ろすと、彼女の髪を掴み陰茎に纏わりつく粘液を拭い取る。
殊更に跡を残すように幾度も擦り取ると滑らかな黒髪にいくつも白濁の染みが生まれてゆく。
妹の上着で最後の清掃を済ませると、靴の音だけを響かせて謁見の間を後にした。
まるで子供が飽いた玩具に見向きもしなくなるかのように。

嘲笑の残滓が消え去り、静寂の合間に曹節の啜り泣きの声が混じる。
そして、床に力無く横たわる彼女の元に劉協は歩み寄る事すら出来ず……
ただひたすらその姿を見つめていた。


【終】

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