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ステルヴィアの必須科目7 557(◆cboFLV.7rc)様


− ガガーリン5号の看護生見習い −

「あのっ・・・・私、私にも、何か出来ることないですかっ?」

声を掛けられた2人連れの片方、ステルヴィア看護本科の制服を着た看護生は振り返った。
何事だろうと見た先には一人の予科生の女の子が立っていた。長い髪を器用にツインテールにまとめて
その前髪の向こう、妙に大きくて印象的な茶色の目、まっすぐな瞳をしてこちらを見つめている・・・・

予科生?この船に予科生なんか乗ってる筈がないんだけどな・・・・看護生はうろんな目で彼女を見つめて
おぼろげに訝しがりながらそう考えていた。でも・・・・確かにその大きな白い襟、赤いリボン、オレンジ色の制服は
ステルヴィア学園の予科生のものだった。これ・・・・このリボンの付いた制服・・・・看護生は胸に疼きを感じながら思った。
私の・・・・お気に入りだったんだけどな・・・・。彼女自身もまた3年程前にはこの制服を着た学園の予科生だったのだ。

今の看護本科の制服に不満がある訳じゃないけど・・・・今、思いがけずこうしてその予科の制服を身に付けた女の子を
目の前にすると・・・・看護生はなんとなくそのいかにもといった印象の予科生のニーソックスを付けた制服姿が気に入らなかった。
それにこの声・・・・何だか虫が好かない。それにしても一体どこからステルヴィアの予科生が・・・・

今、彼女たちが乗っているステルヴィアの輸送鑑ガガーリン5号は到着まで40日近く掛かったウルティマでの任務を終え、
これからステルヴィアへの帰途へと就こうとしている所だった。
ウルティマでの任務は、例の国籍不明機との度重なる交戦が原因で一時避難が決定したその住人たちを収容・護衛して
ステルヴィアへ送り届けるといった比較的簡単な物になると出発前には説明を受けていたのだが・・・・
実際には思いがけぬ交戦発生でウルティマからの避難民はおろかガガーリン5号のケィティ部隊のパイロットにまで大量の負傷者が出て、
その一方でガガーリン5号の側にはその負傷者達を受け容れる為の充分な医療態勢が整っていなかった。
お陰で私たちも・・・・普段とは人が違った様に妙に張り切った様子の蓮花の指揮の元、連日、目の回るような勤務体制を強いられてきている。

何で私たちが一体誰のせいでこんなに忙しくならなきゃいけない訳?
・・・・だいたい・・・・あの蓮花先生なんか元々は只の保険医の筈じゃなかったっけ?なんであんなに偉そうにしているの?
しかもこの忙がしさの一因となったパイロット達の負傷は、同じく只の学園の教官だった筈の白銀教官、蓮花と付き合っていると噂の
どう見ても昼行灯のタイプにしか見えないあの白銀教官が、現場で無謀な戦闘指揮を執ったためだと聞いているし・・・・
まあ解ってるのはああいう才能が有るって言われている人達って結局実際には馬鹿ばっかり、という事よね・・・・
本当は現場で働いている私達の方が頭が良いって事を・・・・いつかどこかで解らせてやらなければいけないんだけど・・・・

まあとにかく目の前のこの子は・・・・また身の程を知らない看護の立候補者よね。先日も何を食べてそうなったのかは知らないが
妙に胸の大きい女性と、いかにも足手まといになりそうな子供が傷病者の看護を名乗り出ている。
そのいかにも善意であなた達の仕事を手伝ってあげますという様子がいつもこちらをむかつかせるのだ・・・・
どうせ手間ばかり掛けさせるのに決まってるのに。
その為の訓練も受けてないあなたたちに一体何ができると思ってるのかしら?
この子も・・・・予科の制服着てるのはよく解らないけれど・・・・どうせウルティマへの旅行中か何かだったというところだろう。

「せっかくだけど・・・・」

そう考えながら適当にあしらって体よく追い払おうとした所へ隣に立っていた同僚が口を挟んできた。

「あなた・・・・もしかしたら片瀬志麻さんじゃない?あのインフィニティのパイロットの?」
「え?えっえっえっ・・・・ええとっ・・・・そうなんですけど・・・・」

最初に声を掛けられた看護生は驚いて、改めてその予科生を上から下まで眺めまわした。
ではこれが・・・・あの、片瀬志麻という訳なのか・・・・。ステルヴィアの天才予科生。
話には聞いていたけれど・・・・今自分の目の前にいるこの子は上級生と話すのが苦手なのか妙に畏まった様子の只の予科生にしか見えず、
訴えかけるようにこちらを見つめている瞳といい、そのトロそうな舌足らずの話し方といいとてもそんな特別な存在といった風には見えなかった。

インフィニティのサブパイロット、片瀬志麻。グレートミッションがその要めであるグレートウォールをくぐり抜けてきた巨大隕石の為に
失敗に終わろうとしていた時、アストロボールで優勝するまで目立たない存在だったこの片瀬志麻とメインパイロット音山光太の2人の予科生が、
ステルヴィアの倉庫に有ったインフィニティに偶然に搭乗する事になって、結果としてそれでGMを成功に導くことになったという話は
誰でも知っている。この2人はそれで一躍有名人の仲間入りを果たした訳だ。

私に言わせれば・・・・何でそんな物が存在するなら最初から正規のパイロットを乗せて待機させておかないの?ということになるんだけどな。 というか・・・・本当に馬鹿じゃないの?そうしてあったなら、この2人を有名人にしてつけあがらせる事なんか無かった筈。
でもこれで私の第一印象はまたしても当たった事になる。なんてでかい目なのかしら?そしてこのいかにも天然そうな馬鹿面。
この片瀬志麻は老いぼれてもうろくしたあのリチャード教官にひいきされてその資格も無いのにステルヴィアに入学し、
全くマシンの操縦が出来なくて放校されかかったところを同じく白銀教官やレイラ教官に取り入って学園に居残り続け、
最後にはメインパイロットの音山光太に取り入る事に成功してインフィニティのサブパイロットの座を手に入れたという話だ。

ウソ泣き、ブリッ子、天狗、八百長なんでもありの馬鹿女。よりにもよって仲間内ではしーぽんとかと呼ばれているそうだが
男どもがそんな馬鹿女を可愛らしいとかと言って祭り上げているのを想像すると正直同じ女として虫酸が走るしむかつきもする。
こんなのに騙される音山光太も音山光太だと思うのだが・・・・

正直言って音山光太はそう悪くはない・・・・年下の男の子が良いなんて言うのは気が知れないが、あの子なら半ズボンを穿かせてその辺に
飾っておいても悪くない感じだ・・・・だが同じ看護科の子が酔狂にも音山光太に交際を申し込んで断られ、それはいい気味だったが
その原因がこの片瀬志麻にあると聞いた時には驚きに愕然とした。最初聞いた時には私はぽかんと口を開けてそれを聞いていたかも知れない。
・・・・音山光太がそんな風に誰かと付き合ってるなんてそれまで話ひとつ出てなかったのだからそれも当然だ。
その話を聞いた瞬間殺意まで浮かんだのを覚えている。片瀬志麻にも、その彼女を選んだ音山光太にも・・・・
何でそういう話になんの?私を馬鹿にしてる訳?
もし可能ならばその殺意を大勢に向けてわめき散らしたい気持ちだった・・・・沸き上がってきた感情が収まるまで。
それには何ヶ月もかかる事が解っていたが・・・・

「あ、あのぅ・・・・どうかしたんですか・・・・?」

これだ。このタイプはいつも決まってこう。こちらが顔を合わせただけでこれだけむかついてるっていうのに、
向こうは一切何が起こってるのか解らないという顔をしてくる。馬鹿だからきっと他人への配慮が全く回らないのに違いない。
そうでなければ顔を合わせた瞬間むかついてるこちらの方がまるで腹黒だと言っているみたい。
・・・・それは違うわよ。相手を見て話の出来ないあなたが社会不適合者なだけ。
そんな奴は私の住む社会には要らない。必要ないでしょ?そんな子は。才能がどうだか知らないけれどね。

・・・・決まったわね。さすがにインフィニティのサブパイロットともなれば簡単に排除する訳には行かないけれど・・・・
本来あるべき社会の仕組みを覚えて貰う事にしたほうが本人の為よね。
そう決心して看護生はにっこりと微笑むと、こう片瀬志麻に告げた。

「ううん。何でもないのよ。ちょっと驚いただけ。
 私、この看護グループの主任を任されてるの。主任って呼んでくれればいいから。
 あなたのようなひとが私達の仕事を手伝ってくれるなんて嬉しいわ。で、いきなりでは何だから
 もし本当に手伝ってくれる気があるのなら明日また同じ時間にここに来てくれる?
 是非頼みたい仕事があるの。当てにしてても良いかしら?」

「はいっ!よろしくおねがいします」

ぺこりと頭を下げて嬉しそうに立ち去っていく志麻を見送りながら主任看護生は考えていた。
それはそれとして・・・・後で問題にならないかしら?
まあ・・・・このタイプはいつもそうだけど・・・・今回も自分からしたいと言ってきた訳だからどこからも文句の出てくる筋合いはないわよね。
とにかく何でも頑張れば上手く行くと思ってるみたいだから・・・・お望みどおり手伝ってもらいましょうか(笑)。
・・・・看護科のお仕事をね。

そう考えて薄く嗤うと彼女は同僚を従えその場を去った。明日の準備をするために。 幸いここ数日に限っては仕事は全く忙しくなかったから、ちょうど良い暇つぶしができそうな予感に嬉しげに笑みを浮かべながら。

宇宙を航行する輸送船の深夜の艦内は少しだけ夜の病院に似ているかも知れない。艦内は擬似的な夜を創り出す為に定時には
居住ブロックの全てが消灯されていて音もなく静まりかえった人気の無い通路を緑色の非常灯だけが照らしている。
ただ一つ違うのは通路に嵌め込まれた強化ガラスの窓の向こうに瞬くように光る無数の星に彩られた宇宙が広がっている事。
その星々はステルヴィアから眺めるのよりも一つ一つがよりはっきりしているように見える。

ステルヴィアの外にも宇宙は広がっている・・・・本科生になってから随分経つような気が自分ではしていたけれど・・・・
初めての軌道外任務を思いがけずもこんな形で体験する事になって、そして自分の狭い世界の外にも宇宙が、人の営みが広がっている事を
こんな気持ちで実感する事になるとは思わなかった。

ステルヴィアのパイロット本科生、町田初佳は消灯され自販機の明かりが辺りを照らしているだけのラウンジのベンチに
コーヒーの紙コップを片手に一人座り船外に広がる宇宙を眺めながらそう考えていた。


・・・・一体いつから自分はステルヴィアの・・・・狭い社会の中での自分の在り方にこだわるようになっていたんだろう。
そしていつのまにか他人にも自分と同じ在り方を求めるようになってしまっていた・・・・
こんな風に人はまるで星のようにそれぞれ色とりどりに違って光っているというのに・・・・

ウルティマでのミッションが終わって少し時間に余裕ができた為、輸送船ストレルカから此処ガガーリン5号に移ってきていた初佳は
長い帰路の間の船内時間をレイラやメカニックのジュノ達と過ごすことが多くなっていた。
幾つかの宇宙ステーションを渡り歩いたという2人は、地上で選抜されてステルヴィアの予科生となり
その後もずっと学園内だけで過ごしてきた自分からは想像もできない多くの経験を作業の合間に話してくれた。
それは狭い世界にとらわれていた初佳自身の考え方を変えてくれるのに充分な物だったと思う。

そして・・・・今、この夜の中を音も無く静かに航行する船から見る宇宙の姿・・・・
以前の、船外任務で作業中のステルヴィアの外殻から見るそれはいつも自分の前に深く冷たく広がっていて冷酷な物だった。
もし甘い考えで向かいあったならそれは人の生命を一瞬にして奪ってしまう。それが全てだった。自分にその思いが足りなかった為に
かつて実際に死にさえしなかったものの・・・・初佳は友情を、そしてステルヴィアで共に過ごせた筈の時間を、その両方を失ってしまったのだ。

だが今ここから見る宇宙の姿、瞬く星の光は以前と違うもっと優しい光、日が沈みきる前の色を失った夕闇の中で遠くに見える街の
その家々に一つづつ点っていく灯りの群れのように見える。そのひとつひとつに人生があって自分がそれを遠くから見ているような
今の自分にはそんな風に見える。

自分の住む世界の外にもこんな風に宇宙は広がっている。同じように人の人生の在り方も。
初佳は目の前の星の光、自分の手の届かない所にあるその灯りの一つ一つに胸の疼くような憧れを感じながらそう考えていた。
そんな当たり前だけれども自分が見失っていた事を・・・・たぶんもうこれから先は忘れることがないだろう。
ビック4の皆はお帰りなさいと言ってくれた。嬉しかったけれど多分自分は以前とは変わってしまった様に思える。少なくとも以前のような
自分では無くなったような気がするのだ。それはその分また・・・・これから先、別の形での試練があるという事かしら。
素直にそれでも構わないと思える今の自分が初佳には嬉しかった。

初佳は船外の宇宙にもう一度目を投げて、それから紙コップを片手にしたまま船内の自分に割り当てられた自室に
戻ることにして、今居たラウンジを横切りテーブルと椅子が立ち並ぶ隣の一画に入った所でそこにもう一人の人影が佇んでいるのに気が付いた。

「あら・・・・片瀬さん・・・・」
「あ、町田さん・・・・」
「こんなところで・・・・」

何をしてるの?という言葉を初佳は飲み込んだ。自分だって一人で出歩くにはあまり普通ではない深夜の時刻なのだし・・・・
何より自分の言葉が先輩風を吹かせた咎める口調になって欲しくなかった。

「眠れないのね」
「えっと・・・・そうです・・・・」

しかたなく代わりに尋ねた言葉に要領を得ない返事が返ってきてそれから気まずい沈黙が流れた。
何か疲れたように目の前のテーブルの上に身を投げ出していたらしい志麻は初佳に気付いたときに慌てて身を起こした様子で
今は所在なさげに制服のしわを伸ばしている。いつも通りその白い襟と赤いリボンが目立つ予科生のオレンジ色の制服を着た志麻。
今、この船に予科生は彼女と音山光太の2人しかいない。ステルヴィアを出発してから一月半あまり、ずっとその間正規のチームの、いわば
大人の社会に馴染んできていた初佳には志麻のそのステルヴィアにいたときそのままの姿には違和感があるように感じられた。
初佳は志麻の斜め向かいに再び腰を下ろす事にしたが、志麻はそんな初佳の方を首を竦めるようにして窺い見ているように見える。
上級生と話すのが苦手なのかしら、と初佳はそんな志麻を見てそう朧気に考えた。

志麻と最初に出会ったのは・・・・教官サポートで予科生の授業に参加していた初佳が暴走する志麻のビアンカを阻止するのを
手伝った日の事で、その頃からずっと志麻の初佳に対する様子は変わっていない様子に思える。2回目が確か・・・・罰当番を
命じられた志麻にキツイ言葉を放った格納庫での事だったから・・・・あれで私への印象が決まったのかも知れないけど。
今の志麻はステルヴィアでビッグ4と肩を並べる、もしかしたらそれ以上に重要なインフィニティの操縦を任された優秀なパイロットなのに
こうしているとそれを忘れてしまいそうになる。そして・・・・

以前私はこの娘にパイロットとして私と同じように在る事を要求した。 ・・・・初佳はつい先刻まで一人で考えていたとりとめのない想いに引き戻されていた。
最年少のビック4として何かと注目される初佳はこれまでもずっとある特定の種類の同性達から嫌われてきた。
様々な点で恵まれているとはいえ他の全ての社会と同じく競争のある学園内で成績優秀であることを矜持としている以上、
それはそれで構わないと思ってきたのだが・・・・やよいとの事があってそれがなかなか割り切れず、周囲から嫌われる存在である自分を
嫌悪する、そんな自分の気持ちが抑えきれなくなってきた時に出会ったのが初佳から見て天真爛漫すぎるように思えるこの少女だった。

一方のやよいには再会したときすぐに彼女のリタイアの原因となった練習試合を申し込んだ事を恨まれているらしい事が解っていた。
再会後の2人の会話が以前とは全く違ったよそよそしい物だったから。
初佳は最初から事故を起こしてやよいのリタイアを引き起こすつもりで練習試合を申し込んだのだと、そうやよいは考えていたと
それに機関部の故障でやよいのビアンカが流され始めた時も、初佳が後を追ってきたのは形だけで救出する気は全くなかったと思っていたらしい事も
後からそれとなく解った。初佳には彼女のパイロット志望の理由について不満があってそれを正すつもりで練習試合を申し込んだのは事実だったから
その旧友との冷ややかな関係も甘んじて受け止めてきた。
結局成績を自分と競いあっていた彼女がリタイアしてしまいステルヴィアでの生活を続けられなくなったのは事実なのだから・・・・
だから自分が彼女を陥れた事になったと言っても間違いはないだろうと思ったからだ。

だがそれでも・・・・割り切れない想いでいた上に、新たに目の前に現れた志麻とやよいを重ねてしまって何度もためらった上で、
ようやく直接志麻本人を前に話をしたときに、パイロットの志望理由に他愛ない自分の夢を挙げた志麻を・・・・
その時の初佳は結局受け容れる事ができなかった。

ステルヴィアの、それも優秀なパイロットはステルヴィアに自分が在ることの意義をもっと真剣に考えるべきだ。自分と同じように。
そうでない人間、ただ才能だけに頼り努力しない人間がその為に血の滲むような思いをしている自分、今そこに立つために
その為の代価を支払ってきた自分と同じ場所、成績を競い合う同じ土俵の上に立っている事が許せなかった。
今では・・・・その時の自分の考えが狭量だったのが解っている。志麻や、やよいが自分達がステルヴィアに居る動機に自分の夢を語ったからと言って
それで彼女たちが努力をしていなかったということにはならないのだし、第一に他人の在り方にそこまでこだわる必要などどこにも無いのだ。
そして結局、練習試合で叩きのめす事によってその志麻の考えを正せるかもしれないという初佳の試みは失敗したのだったが・・・・

この娘とはでもあの後、ちゃんと話をしていない。その機会がなくて・・・・
それにいつも明るい性格だという印象しかなかった彼女がこんなところでこんな表情をして一人で居るのが不思議だった。
そう思った初佳は口ごもりながらも思い切って切り出す事にした。

「片瀬さん・・・・あの時の事、御免なさいね。私・・・・」
「えっ?あ・・・・いいんです。私、私もあれから町田さんに言われたあの時の言葉をずっと考えていて・・・・」
「え?」

返ってきた言葉が意外な物だったから初佳は思わず尋ね返した。

「あの・・・・練習試合の前に町田さん私に言いましたよね・・・・
 あなたは何の為にステルヴィアに来たの?って。それに別にパイロットでなくてもよかったって事かしら?って。
 私、自分が何の為にパイロットをしてるんだろうって考えてたんです・・・・なんだかこの間の事を思い出しちゃってて・・・・
 ・・・・
 この間も・・・・ウルティマで最初に戦闘になった時、私・・・・
 恥ずかしいんですけど・・・・泣き出してしまって何もできなかった・・・・。足手まといなんです。」

「そんな・・・・
 あなたは今や名実共にビッグ4と肩を並べる・・・・ううん、それ以上のパイロットだから選ばれてこうやってミッションに来てるのだし
 この間の戦闘でもあなたがインフィニティの操縦プログラムを整理したから、それであの機体をケイティ並の機動性に出来たって
 そう聞いてるわよ。考えすぎじゃないかしら・・・・」

「私が今インフィに乗っているのはGMの時に偶然光太君と一緒に乗ることになったせいだから・・・・
 それにウルティマでの最初の戦闘の時・・・・多分私が泣き出してしまっていたから、だから
 光太君は多分攻撃を命中させることができたのにしなかった。たぶん・・・・あれ以上私を混乱させたくなくて。
 それがなかったらその後の被害も負傷者ももっと少なくて済んでたかも・・・・」

「それは・・・・彼が、音山・・・・光太君がとりわけ優秀で冷静だったってことじゃないかしら。
 それなら私にも少し解るような気がするけど・・・・」

初佳は手の中の紙コップに目を落としながら以前の自分の経験を思い返していた。

「でも、みんながみんな他の人と同じように振る舞えるわけじゃない。
 私達は私達の、自分に出来ることを精一杯やるだけ。そうでしょ?」

それは初佳にとってまだ充分に確信の持てる言葉ではなかったが、それでも志麻はまっすぐな瞳でそう言う初佳を見つめていて
そしてその言葉をしばらく反芻するかのような表情のあと、幾分明るさを取り戻したかのような様子で笑うと話を続けた。

「そう・・・・ですよね。光太君は特別なのかも。
 このあいだ戦闘の終わりにDLSで変な・・・・声のような物が一瞬見えて、後でその話を光太君としたとき私、気付いたんです。
 光太君はテストのときからずっとそれが見えてたって言ってた。
 私はインフィの同じコクピットに居てずっと光太君と同じ物を見ながら一緒に操縦してたつもりだったけど違うんです。
 光太君は前からずっと私とは違う別の物を見てたんだ、って。

 私、望んでインフィのパイロットになったわけじゃないけれど・・・・光太君が私を気遣ってくれるのも嬉しいけれど・・・・
 一度パイロットになったからにはそんなのじゃ嫌なんです。もっとちゃんとした一人前のパイロットになりたい。
 それに・・・・そうしないといつかみんなと・・・・光太君とも離ればなれになってしまう気がする。

 でもそれが出来ないのは何故パイロットをしているのか解らないせい?何か別の物でも良かったのかな?って思うんです。
 ずっとステルヴィアで皆んなと一緒に居てそこでみんなと一緒にパイロットを目指すのが当たり前だったけど
 こうして長い間ステルヴィアや皆んなと離れているとそんな事を考えちゃって・・・・
 自分に出来ることはなんだろう・・・・ずっと光太君や色んな人に助けられてきたから・・・・
 自分ひとりで出来る事って何だろうって・・・・

 えへへ・・・・変ですよね。皆んな私と同じなんだから皆んなと同じように予科生として頑張っていればいいんですよね。
 初佳さんにはまた怒られちゃうかも・・・・」

「それは・・・・」

それではこの娘もまた自分の置かれた立場に甘えていつも仲間とはしゃいで日々を過ごしているただそれだけの娘ではないのかも知れない。
そう気付かされて初佳は胸を打たれる想いで志麻を見返した。考えてみればあの時もそうだった。私はあの時、この娘の何を見ていたのだろう。
この娘は自分の自分だけの夢をまっすぐに先輩である私に向けて語った筈。その時私はただその夢という言葉に苛立っただけだったけれど・・・・

同時にこれまでは思いもしなかったがインフィニティのパイロットである彼女を気の毒に感じている自分に気付いた。
考えてみれば予科生だった頃の自分自身はどうだったろう?飛び級で本科生になってビッグ4に追いつこうと努力はしていたかも知れない。
でもそれはこの娘のようにいきなり重要な兵器のパイロットである責任を負わされた訳ではない。
そして仲間達から切り離されてミッションに駆り出され周囲の大人達の中で一人前になろうと焦っている姿はかつての自分と同じだ。
・・・・初佳はそう考えながら言葉を選んでいつもより儚げに見える相手に声を掛けてみた。

「ねえ・・・・昼間暇な時間は・・・・どうしてるの?インフィニティは船外曳航してるから触れないんでしょう?
 あなたさえ良かったら私と一緒にレイラ先生やメカニックのジュノさんとメンテナンス作業に参加しない?
 以前あなた確かマニュピュレータアートに興味があったってやよいから聞いた気がするし、面白いと思うけど。」

「私、正規授業はこのミッションの為に全部中断されちゃってて・・・・今、聞いても話が解らなくなっちゃってるかも・・・・
 ジュノさんのお話は聞いてみたいですけど・・・・」

志麻は淋しそうにそう答えてそれから少し明るい表情を取り戻してから言った。

「あ・・・・でも、ありがとうございます。
 それに私、看護科の方にお願いして明日から傷病者の方の看護のお手伝いをする事になってるんです。
 大した事はできないと思うんですけど・・・・頑張らなくっちゃ」
そう笑って明日の為にもう寝ます、とぺこりと頭を下げて小走りに去っていく志麻を初佳は見送った。
予科生のオレンジ色のスカートとツインテールの髪をなびかせて駈けていく志麻の姿はステルヴィアでの学園生活をつかの間思いださせる。

初佳は考えていた。良い娘よね。どうしてかつての私はあの娘に不満を持ったのだろう、と。 それに・・・・あの娘にはまだ借りが残ってる。謹慎期間中、初佳が自分自身に自己嫌悪して世界中の誰も彼もが自分を嫌っていると、
自分にはそれだけの理由があると、そう思いこんで落ち込んでいた時、その初佳の部屋を訪れてドアの前で帰省のおみやげ品の
包みを差し出したのは志麻だった。緊急事態発生の為に自分自身半日で地上から呼び返されていてそれを辛く感じてない筈はないのに・・・・

誰も自分の事など気に掛けていないと思っていたとき、誰も彼もが自分の事を嫌っていると感じていたときに
最も彼女の事を恨んでいても良い筈の志麻のそんな訪問と、その時の邪気の無い彼女の様子は、引き籠もっていた初佳の心を打つのに充分だった。
そんな風に自分を、人を嫌うことをしない人間が居る。
その事実に勇気づけられて、初佳は恐れながらもやよいに自分が嫌悪されていないか確かめに行くことが出来て、
そして以前そうだったようにやよいと和解する事ができた。

借りは実はもう半分位、性技科目の補習の時にあの娘が付き合っている同じ予科生の音山光太に支払ったような気がする。
でも・・・・これから先もできるだけあの娘を見守ってサポートする事にしよう。今の自分ならそれが出来る。
今まで自分の事だけに夢中になってここまでやってきた気がするけど・・・・脳裏にレイラの姿を思い浮かべながら
初佳は思った。・・・・そんな自分も悪くはない。
そして初佳は自分も眠るために紙コップをくず籠に入れると足を輸送船の通路に向け割り当てられた自室への帰途についた。

主任看護生は開け放たれたままの部屋の入り口にもたれ掛かり腕を組んで中を眺めていた。
この大部屋はウルティマの主として戦闘要員の傷病者たちを収容する為に蓮花の指示で作られた臨時の病室で
彼女の立つ位置からは、病室の通路とは反対側の窓際のベッド位置でシーツ交換をしているエプロンを付けた志麻の姿が良く見えた。

「片瀬さん、そっちのシーツ交換が終わったらこっちのもやってくれる?」
「あ、はいっ、すぐこっち終わりますっ」

予科生の制服の上に何処から見つけてきたのか赤色のエプロンを付け、頭には看護生の小さな帽子をかぶっている、といった
いでたちの志麻はいつも通り甲斐甲斐しく忙しそうに傷病者達が寝ているベッドの間を飛び回っている様子だった。
帽子は主任看護生が自ら与え志麻に載帽させた物であったが・・・・
全然似合ってない。主任看護生はいつもながらそう思った。

志麻が主任看護生の元を訪れてから1週間が経過していた。本来志麻に用意された仕事はこうした看護の手伝いといった物とは全く
別の物だったのだが、その本来の仕事の合間にその他の手伝いをする事を志摩自身が申し出て、それ以降複数ある臨時病室の幾つかで
志麻は看護助手をする事になったのである。とは言ってもその内容は志麻が今しているようなシーツの交換や患者の食事や入浴、
体位変換の介助、入浴できない患者の清拭やせいぜいが投薬する薬剤の薬取りに走らされるといった程度の物だったのだが・・・・

だが当然のごとく志麻と同室で働く正規の看護生たちからはその志麻の様子に不満の声が上がった。
それも当然よね・・・・その時、主任看護生は溜息をつきながらそう思った。私達看護生の仕事は本来医療行為を行う医師の
医療上のサポートをすることにあるのだ。シーツの交換や患者の様々な介助などは専門の介助員か、患者の家族達がすれば良いことであって、
決して私達看護生の本来の仕事なんかではない。志麻がそうしたいわばやらなくて良い雑務を懸命にやればやるほど
患者達はそれと同じ事を今度は私達にも求めてくるようになる。本人は良かれと思ってやっているのだろうがとんでもない話だ。
志麻は私達正規の看護生の本来やらなくて良い仕事を増やしているような物なのだ。

何故そんな事が解らないのだろう。まあ誰も何もそれについては教えてない訳だけれど・・・・
・・・・天才なんでしょ?ならそれ位は分かって良い筈。
だが一方で主任看護生は自分が指導に当たっている後輩達や同僚の不満の声を抑えて、志麻をそのままにしておくように
そう徹底する様にと指示しておいた。それでもまだ不満顔を見せて自分の元に押し掛けてくる数人の後輩達には、
自分も本当に困り切っているのだという困り顔をして見せて、
志麻本人に少しでも人間的に見込みがあるなら・・・・いずれ自分で気が付くと思うの、と答えておいた。
それでどの後輩も自分への尊敬を改めたようなまなざしでこちらを見て、そしておとなしく口をつぐんで引き下がっていった。
結果志麻は何も知らされないままで懸命に働けば働くほど周囲の仲間からの反感を集める状態にあった訳だが。

馬鹿な事に本人は周囲の状況に何も気付いていないわよね、・・・・あの様子じゃ。含み笑いを抑えながら主任看護生は思った。
状況は彼女の満足できる物だった。志麻は何をするにしてもその懸命さで患者達や医師達の間でさえも人気者になりつつあった。
彼女から見てもこうして甲斐甲斐しく働いている時の志麻の笑顔は明るくて実に生き生きとしているのだからそれは無理はない。
だが一緒に働いている看護生達の志麻を見る目は全く違う。

そしてそれに・・・・主任看護生は込み上げてくる愉悦をその表情の下に押し殺すのに苦労していた。
彼女はそんな風に良い表情で働く志麻に声を掛けるこの瞬間がたまらなく好きだった。

「片瀬さん?片瀬さん。そろそろ時間なんだけど・・・・準備の方いい?」
「あ・・・・・・・・はいっ・・・・今、行きますっ・・・・」

すぐに返事を返しながらも志麻はすぐにその瞳を下に落とし憂い顔になる。一瞬にして志麻のそれまでの表情が翳るのを見るのは
主任看護生にとって堪えられない楽しみだった。
まあ・・・・見てあの顔、何て顔してるのかしら(笑)
といつも思う。実際の表の表情はもちろん素知らぬ振りをしたままではあるが。

患者たちは何も知らないが、志麻の同僚看護生たちは彼女がこれからどんな仕事に就くのか内容を知らされている。
志麻の背後の近くの窓際に立つ2人の看護生は志麻の後ろ姿をみてしのび笑いをもらしあっていた。

もう一人の看護生はそんな彼らの前で露骨に志麻の全身を眺め回すアクションをして見せて、それから志麻の前に立つと
エプロンの下になっている制服のリボンや襟元を笑いながらわざとらしく直してやったりして見せていた。
主任看護生はそんな志麻の様子を楽しめるだけ楽しんだ後、その志麻を連れて志麻本来の仕事場所へと向かう事にしていた。
前を歩くその主任看護生と瞳を落としたまま少し遅れてそれに続く志麻。看護生たちはその姿を目にするのに今ではもう慣れてしまっていて
まるで売られていくおとなしい小動物を目にするような様子で志麻を見送るのだった。

志麻の仕事部屋は臨時病室が集まっているブロックからさほど離れていないところにある手術室の小部屋だった。
本来そこは手術の前処置等を行う為に用意された部屋であったが、これもまた予定外に膨れあがった傷病者の対処の為に
別のブロックにより近い位置にもうひとつ手術室を作ることとなり手術台や設備がそこへ移動された結果、それ以来その場所は
手術前後の医師の控え室といった扱いになっていたのである。

その日志麻を連れて志麻の仕事場所である小部屋に到着したときには既にそこには若手とおぼしき術着姿の医師が
一人居て着替えの最中の様子だった。

「あら先生・・・・予定より早かったんですね」

と尋ねる主任看護生に医師は大儀そうな様子で頷いただけで白衣姿に戻る着替え作業を継続し続けた。

「開けてみたらそんなに難しい状況ではなかったのでね。交代は無しで5分前から45分の休憩入り。
 ただ時間は掛かるから終了時間は予定通り5時間後、連絡はそれ位かな・・・・あれ・・・・」

医師は主任看護生の後ろに控えている志麻に気付くと少し表情を和らげて話しかけてきた。

「あ・・・・君は・・・・片瀬君だっけ。人手が足りないんで回診の時の介助を手伝って貰った・・・・
 あの時は薬取りに走って貰って助かったよ・・・・本来なら・・・・」

医師は主任看護生を窺い見ると溜息をついて話を続けた。

「本来なら僕が自分で取りに行かなければならない所だったし、なにしろ忙しくてこの状態だから
 自分で走ったりなんかした日には自分が気絶しちまうよ・・・・まったく洒落にならない・・・・
 消毒と包帯交換を介助してもらった時も気がきいてたし・・・・君は努力すれば良い看護生になれるから頑張ってね。
 ・・・・・・・・
 って、ここに居るってことはまさか・・・・」

この先生をうまく納得させられるかどうかここが正念場よね、と主任看護生は考えていた。
まあこれまでにもう何人もクリアしてきているし、この先生なら拒まないだろうという確信が有って志麻を連れてきているのだが。

「ええ。この片瀬さんが今日一日先生たちの介助をしますので。一応私もサポートに付きます。
 片瀬さん御挨拶して。」

「片瀬・・・・志麻です。慣れないので御面倒かけるかも知れませんがよろしくお願いします。」

若手医師は相当に驚いた様子だった。

「うああ・・・・まいったな。いや困るということはないんだけれど・・・・
 君は・・・・まあ子供ではないだろうけれどこの・・・・仕事には向いてないんじゃないかな・・・・
 まあそれは言っても仕方ないんだろうけど。色々手伝って貰ってて一生懸命なところが気に入ってたから・・・・やりづらいよな。
 だいたい片瀬君はまだ見習いじゃなかったの?」

「それでなんですけど、片瀬さんはまだ口技の方の実習が済んでないので
 先生申し訳ないんですが性器の方を使った行為ということでお願いします。検査の方は済んでおりますので。」

「お願いしますって・・・・・・・・」

少し絶句してそれから持ち直して医師は言った。

「それは・・・・僕の方は・・・・構わないけれど・・・・
 片瀬君はそれで良いのかな?」

「ええ。じゃあ片瀬さん準備してね。時間がないから手早くお願い。」

「はい・・・・」

手早くとは言ったものの志麻には相手の医師の目に印象的に映るようゆっくりと服を脱ぐのだと申し付けてある。
志麻はもう見慣れてしまったいつも通りの手順で、医師と主任看護生2人の前で正面を向いて立ったまま
両手をスカートの下に差し入れて、ゆっくりと下着を引き降ろし足元で片足を少し上げてそれを順番に足から外す。

畳んだ下着を近くのデスクの上に置いて、その後は今度はウエストに手を回してスカートのファスナーを探り、それを下げ始め
降ろし終わると同様に畳まれ下着の上に置かれることになる。上着は既に襟元で止められたリボンはそのままで正面のファスナーを
すべて引き下ろし胸がはだけるように開かれていて上の下着は時間節約の為と言って普段から付けさせていない。
沈黙の中、部屋には制服の衣擦れの音だけがしていてそれが終わるとニーソックスと上に羽織った形の制服の上着、という
中途半端に裸になった志麻の姿が部屋の中に現れる。

医師と主任看護生の2人が見守る中、そこまで終えると志麻は部屋の一番奥のデスクの前までいくと、その機能性が重視された船内の
部屋にはあまり似つかわしくない、リクライニングさせた肘掛け付きの皮の椅子をこちらに向けて、靴も脱いでおとなしくそれに正面を向いて座り
羽織るように上に上着を掛けただけで前がはだけて裸の上体を背もたれにもたせかけ、それから無防備なその姿でしばらく躊躇したあと
思い切って両脚を引き上げて肘掛けに膝を載せるようにして椅子の上で広げる。
志麻の片手は性器を開くようにしながら陰核を撫でていて、もう一方の手の指は性器の中への挿入を開始していて、
見ている間にもその差し入れられる指の深さが次第に深くなっていく。
椅子にもたれかけ広げた両脚を高く掲げての自慰行為、それがこの仕事で志麻が行う準備と呼ばれる物だった。

この娘・・・・毎回医師と私の前でこれをさせるのだけれど・・・・自分が2人からどんな風に見えるか解っているのかしら?
分かっていたらとうていできそうにもないわよね普通・・・・それにこの娘の外見を気にする性格から言っても。

膝の上の太股まで志麻の両脚を包む白いラインの入った黒いニーソックスが、その間にある脚の付け根のふくらんだ様子と
正面から見える志麻の性器、それからその上の下腹の部分の肌の白さを強調してしまっていて、その開脚した姿はたとえようもなく
いやらしかった。
性器のすぐ上で小さく不自然な位にそこだけ残されてある淡く茂った茶色い陰毛の茂み以外は膣口周辺を丹念に剃毛してあるから、
志麻がいま自分のその指で広げている性器はその形をくっきりと露わにしていて、開脚した志麻の両脚の中央で本来の姿よりもっと
大きく見えて存在感を強めていて、見ている者にとってはその赤い粘膜の生々しさが脳裏を刺すように視界に入り込んできているかの
ように印象的だった。

志麻は背もたれに寄りかかるようにしながら両手を脚の中央に伸ばし、下腹部でその両手を可愛らしく揃えるようにしながら
両方の指先で自分の性器を弄り続ける。志麻はその指がおそらくは経験が少ない為にまだ過敏な陰核にぶつかってしまうたびに
両腕に挟まれるような形になって普段より高く盛り上がっているように見える胸のふくらみを揺らしながら身を震わせていて
その懸命さは伝わってはくるものの、完全に俯いてしまわないよう時々顔を上げては開いたままの瞳で自分の痴態を見つめている
相手の表情を見上げているその様子では、本来の性器の準備というその行為の目的ははかどっているようには見えなかった。

何だかまるで・・・・可哀想な動物の瞳よね(笑)
無駄に大きな目だと思ってたけれど・・・・そうして椅子の上で開脚して自慰をしながら、正面の2人を窺うように見上げるときの
志麻の瞳、まだ完全に意識は残しつつも性器から伝わる感覚に時折大きな瞳を見開いたまま眉根を寄せざるをえない時の
少し憂いを含んだその志麻の瞳が主任看護生のお気に入りだった。

主任看護生はなんだかんだと言いながら文句を付けていた筈の医師が、椅子の上の志麻のその姿態を確認しながら慌ただしくズボンを
引き下げ始めるのを確認すると、これもまたいつもどおりの手順として椅子の背後に回り、懸命な様子で自慰中の志麻の身体の
はだけた制服の前を引き開けて、志麻のその胸や乳房から腰、下腹部や性器、ニーソックスを付けたまま広げられた脚の剥き出しの太股
それら全てが正面の医師から見て全て適性に露出して見えるよう志麻の様子を整える。それから用意してある綺麗に折り畳んだ白いタオルを
志麻の尻の下に敷き、性器が上向きに見える位の角度に調整を行う。
そしてそれらがすっかり終わると背後から胸を中心に両手を使った志麻の身体への愛撫を開始する事になっていた。

胸を背後から舐めるように愛撫されながらとはいえ、短い時間での自慰行為では大して性器が性液で濡れることはないのだが
それでもその準備がひととおり完了すると志麻は伏せていた瞳を上げて正面の医師に、

「あの・・・・準備できました・・・・どうぞ。性器の挿入の方、お願いします。」

と告げる。既に志麻の正面に立ち怒張した性器を持て余している様子の医師がその志麻自らの許可の言葉を合図に
身体を覆い被せる様にして志麻の脚の間に男性器を近づけると、志麻は脚の間に伸ばした両手で包むようにしてそれを受け取り
不器用な様子でそれを撫でるようにしながら自分の性器の入り口にあてがって先端の膨らんだ亀頭だけを膣口に咥え込ませて再び医師を見上げる。

下から見上げるその上目づかいな瞳が医師の瞳とぶつかってお互いの理解を確認し終わると、志麻は後は医師が腰を突き入れて
自分の中に深く男性器を挿入してくるのを待ち受けるだけの状態になる。性器を最初に挿入されるこの瞬間がそんなに恥ずかしいとでも
言うのだろうか、志麻は正面を向いていることが出来ずに背もたれの上で俯き加減に横を向いてしまい、持ち上げた片手の握った手のひらを
こちらに向けるような形で腕を自分の額に押しつけその下の大きな瞳を震わせてその瞬間を待っている。

目の下の頬を紅潮させた顔の見開いた瞳が・・・・泳いでいて・・・・涙ぐんでしまってるみたい。後悔してるような瞳の色にも見える。
可哀想にね(笑)
主任看護生はそんな志麻の横顔と、性器にあてがわれた志麻には少し大きすぎるのではないかと思える医師の男性器とを見比べながら
密かに笑っていた。そうして自分の眼前の医師、自分を抱きかかえるようにしてすぐ背後に座る主任看護生の2人の視線に見守られながら
その中で志麻は息を詰めた表情で背中を反らし胸を突き出すような姿で少しづつゆっくりと医師に男性器を挿入されていく。

医師が志麻の性器への侵入を完了すると、次いで開始される男性器の前後運動に合わせて志麻の断続的な喘ぎが部屋の中に響き始める。
それはこの特別な仕事が割り当てられて開始した頃の志麻の、行為中ひっきりなしに継続して続く悲鳴のような泣き声とは異なり、
充分に抑制されていてそれでもなお医師の性器に志麻の性器が引きづられる感覚に耐えきれずに思わず漏らしてしまうような
そんな鳴き声に変わっていた。それは主任看護生とその同僚が志麻にそうするよう仕込んだ鳴き声だった。

「あ・・・・あのっ、私の性器の具合、どうですかっ、
 力の加減とか、あっ、
 至らないところがあったら、指示してください、あ・・・・」

そうやって医師の男性器の動きが本格的になる前、まだゆっくりと志麻内部の感触を確認しているかの様に動かされている間に
行為されながら相手に具合の悪いところがないかどうか問い合わせるよう志麻には指示してある。
医師はただ単に男性器を入れ始めた実感としてそれしか頭にないせいなのだろうがどの医師達も大抵、
志麻君のはとても良い具合だよ、といった間の抜けた返事を返す。

それをお世辞だと考える頭の無い志麻は、行為を開始以来、はじめてその時だけ幾分か明るい表情になって
両脚の間に男性器を挿入されて動かされているその姿のままで

「ありがとうございますっ」

と幾分頬を紅潮させて屈託のない表情で相手に笑って見せる。まあだが志麻のそんな馬鹿な様子は長くは続かない。
その行為の最中の志麻の笑顔に感銘を受けた様子の医師の男性器の動きが早まるからだ。

志麻の性器は膣口が狭い上にその奥、子宮口の手前で若干膣道が傾斜しているようだ、というのが
志麻の身体を吟味した医師達の共通した所見だった。そんなことの真偽など分からないが、
とにかく男性器を挿入した時と引き抜くときに引っかかりがあってそのため行為の前半、志麻の身体の
まだ受け入れ態勢が整っていない状態では医師達の腰の動きは志麻の下半身に腰をぶつけるような激しい物になりがちだ。
だからその後にはその激しい前後運動に合わせて引き起こされる志麻の断続的な喘ぎが部屋の中に響き始めることになる・・・・

それにしても・・・・医師の志麻の性器を突き上げる動きに合わせるようにして、志麻の乳房の輪郭をじらすように両手でなぞりながら、
既に充分なほど高くなっている志麻の体温をその両手に感じながら、そうして2人の間に挟まれ喘ぎを漏らす志麻の表情を確認しながら
主任看護生は考えていた。

良い体になったものよね・・・・ここまで扱いやすいのであれば弄り甲斐があるわ・・・・
元々友人同士で性技の自主練習をしていたという話は聞き出してあったし、まあ同じ予科生とはいえ音山光太という
決まったパートナーが元々いた訳であるしまたそういう端境の年齢だったのかもしれないが・・・・

初めてこの椅子に志麻を座らせて、倒した背もたれに寄りかかり既に男性器を受け容れ鳴いている最中の志麻の制服の前を
ゆっくりと開いていき、周囲の同僚や医師達としのび笑いを交わしながら最後にさあ御開帳と言わんばかりに剥き出しにしてやった時の
志麻の身体は、まだ少女らしい肉付きで未成熟な胸の膨らみやその上の乳房の先端や性器のまだ淡い色合いばかりが目立っていて
16才という年齢に相応な幼いと言って良い体つきに見えた。さすがに肌だけはまだ綺麗なものだったけれど・・・・
こんなので医師達の相手が勤まるかしら、と心配になった程だ。
行為を受けながらそうして全裸にされいまだ自分の置かれている状況が信じられないといった様子で
紅潮した表情で周囲に立つ自分達を見上げる志麻の瞳があったからなおさらそう感じたのかも知れない。

だがその志麻の身体を使って生理現象の解消を行う医師達からは志麻の身体は好評の様子だった。
そう口に出す者も居たがそれでなくとも様子を見ていれば解る。これが志麻でなくて他の看護生であったならもう少し行為を手控えるよう
医師側に申し入れをしているところだったかも知れない。
何でよりによってこんな娘にそんなに夢中にならなければならないの?
一方で志麻を責めて貰わなければ困ることに気付いて苦笑しながら主任看護生はそう思ったものだが、まあ心当たりが無い訳でもなかった。

同性から見ても女らしい体つきなのに、どんなに露出の多い水着を着たりしてみてもそれほど男性からの反応を引き出せないような娘がいる一方で
ほんの少し肌を露出させただけで男性から大騒ぎされるタイプの娘がいたりする。男どもからその露出した肌の一部がまるで性器であるかのような
扱いを受けるタイプの娘、そんな主任看護生からしてみれば我慢のならない言わば淫売のタイプのひとりがこの片瀬志麻だという事なのだろう。

それほど大きな胸でもないし魅力的な身体とも思えないのに・・・・その乳房にさわり性器からの刺激でその白い肌が次第に紅潮していく様子や、
弄った淡い色の乳首が堅く隆起していくのを見つめたり、男性器で突き上げられるたびに身体をくねらせ背を反らせてそれを受け止める志麻の様子を眺め
ひたすらその反応を引き出そうと夢中になっている医師達の姿は主任看護生からしてみれば異常だった。
普段日常生活で会話を交わしていっしょに仕事をすることだってあるんだし、それにやりずらいって言っておきながら医師達のこの様子は・・・・
幼くてとてもそんな事を想像できない志麻の日常での姿と、行為されるための準備がすっかり完了している牝としての志麻の姿のギャップ、
志麻のそんなものまでもが志麻の性器に男性器を入れ前後動させ続ける医師達を異常に興奮させているかのようだった。
まあ天才というだけあって淫売の資質も満点ということよね。同じ男子予科生たちから人気があるというのもそれで納得できる。


それに短期間の間にこれだけ複数の男性から性行為を受け続け、精液を身体に放たれるという経験が身体に影響を与えることも
あるのかもしれない。確かにこうして医師に行為されている最中の志麻の裸の身体を見ていると・・・・依然として少女らしさを残してはいるものの
肌の色や肉付きを含めた身体付きや喘ぎ声、微かに立ち上ってくる匂いまでもが・・・・以前とは違う、男性を受け容れ行為することを
本格的に学び始めた少女のある種の危うさのようなものをこちらに訴えかけてくるような・・・・
志麻の裸身がそんな身体になりつつある印象を主任看護生に与えていた。

まあ・・・・たった今そんな風に変えてしまっている最中なのかも知れないけれど(笑)
内心で舌を出しつつ主任看護生は思った。その志麻は今、背後から同性の柔らかい女の手で体中をまさぐられ
愛撫されまわされる感触と、正面から身体の中央を男性器で突かれる規則的な動きが伝えてくる性器からの感覚を受け容れるのに
もうすでに手一杯であるかのような喘ぎ声と訴えかけるような瞳を先刻から医師や時折こちらに向けても送ってきていたが・・・・
当の主任看護生としてはその志麻の瞳に応えて手加減する気など全くなかった。

もっとおかしくなってしまえばいいのよ。
脚を大きく押し開かれ精一杯に男性器の激しい動きを受け容れながら、そうされている最中の下腹部を2人の前で剥き出しにしながら 医師の、男の顔の目の前で抑制できない鳴き声を隠しきれずに上げ始めた志麻の裸身を眺めながら主任看護生は嗤った。
こういうの何て言うんだっけ?・・・・はしたない?
まだ予科生だっていうのに・・・・同性と異性にこんな風にされて鳴くことを覚えてしまってどうしようというのかしら?
だが実際にはまだ志麻は生意気にも時折唇を噛んでその鳴き声を押し殺そうと努力する様子を止めようとしてはいない。
生意気に・・・・
それは志麻が外見を気にする性格であることを見抜いた彼女たちがそうするよう強く志麻に強いたものに過ぎず、
志麻としてはその指図に懸命に従って声を殺しているだけなのは分かっているのだが。

それもどこまで保つかしら・・・・今日も一日楽しませて貰えそう(笑)
志麻の下腹部には痙攣が走り始めてきていた。だらしない。まだ一人目でまだあと4人は居るはずなのに。
主任看護生はあれこれと考えて楽しむのを棚上げにして医師と協力して志麻を責めるのに集中しはじめた。
身体を両側から挟まれ行為され続けている志麻の大きな瞳はすでにその刺激に耐えかねている事を示すかの様に
虚ろになりかかっている。その逝きかけてもはや何も分からなくなった虚ろな様子の瞳を見おろしながら志麻をなぶるのが一番楽しいのだ。

だいたいにして一体なあに?この子のこの目は(笑)。もうどこかに逃げ込もうっていうの?
さすがに努力もしないで楽をすることだけ覚えている子は違うわね。どこにもそんな場所はないのよ(笑)

主任看護生はそう嗤うと片手を志麻の下腹部に伸ばしてその淡い陰毛の茂みの下、医師が男性器を出入りさせている志麻の性器の上にある
膣口近くの陰核を指の腹でなぞるようにして擦り上げる。まだ敏感なその部分を刺激され、とたんに志麻がその挟まれ押さえ込まれた
不自由な姿勢のままで鳴き声を上げて身体を跳ね上げ、医師の身体の下で限界に達した現実へと引き戻された瞳で
今度は追いつめられたかのようにあちこち宙へその瞳を走らせ始める。

逝きたいのよね、可哀想に(笑)。志麻のその様子を見ながら主任看護生はあざ嗤った。
だがどうしてこんなに覚えが悪いのかしらと言わんばかりにあきれ果てた様子を作って見せながら、志麻には何度も何度も医師より先に
逝ってはいけないのだと繰り返して念を押してある。これはあくまで医師の生理現象解消の為に志麻が医師にしている医療措置なのだから
それを途中で中断してはいけないし、性行為と勘違いして自分が逝ってしまうなどということは問題外だと。
だから志麻はこの限界一杯の様子を見せ続けながら刺激に耐え続けるしかない。

志麻の高い鳴き声、同じ予科生の男子連中たちから可愛らしい声だともてはやされているに違いないその鳴き声が
押さえきれなくなった様子で志麻の口から漏れ続けていて、主任看護生からしてみればそれはただのうっとおしい鳴き声に過ぎなかったが
志麻の性器の感触と合わせてその鳴き声を聞き続ける医師たちにはその鳴き声は志麻の性的魅力と映るらしかった。
そうして志麻を突き上げる動きが一段と激しくなってそれがさらに志麻の鳴き声をかき立てることになる。

耐えられるだけ耐えて医師がその状態の志麻の身体を楽しんでそれから最後に射精を開始すると、志麻は自分の状態とは関係なく
相手の瞳を見つめ、男性器を締めつける膣の動きも緩めずに、できるだけ完全な形で医師の射精を完了させるよう努力する事と指示されている。
たった今、射精されているその女の子としての自分の姿、性器の奥に精液を送り込まれている自分の姿を強く相手に印象づけることで
男性医師たちのより完全な射精を導きだすのだと志麻には教え込んであった。

どちらが逝くのが先だろうか・・・・志麻の両脚を開いて太股を押さえ腰を使って志麻の性器に男性器の出し入れを続ける医師の腰の
前後の動きが激しくなってきていた。志麻はその男性器の動きに合わせ小刻みに身体ごと揺すられてしまっていて、
背もたれの上で背をそらせ2人の前にさらけ出した形の乳房と乳首が前後に揺れて見える。その上で志麻の顔はもうすでに
追いつめられてしまってどうしたら良いか解らなくなってしまった瞳を見せていて、なんとか先に逝かずにおこうと懸命に耐えて
みせてはいるものの、性器を突かれる度に上がる頻繁な鳴き声を押さえきれない状態だった。身体に合わせて頭も規則的に揺らされていて
さらに性器からの刺激にじれた様子でときおりその頭を左右に振るために細い茶色の髪の毛が乱れて身体の上を散乱してしまっている。

医師側の限界を悟ると主任看護生は前に手を伸ばして追いつめられた瞳の志麻の左右に振られた頭を正面に向けしっかりと固定する。
その瞬間に自分に射精する医師の姿とその2人の結合された箇所、射精される自分自身の姿を志麻に見せておく必要があるのだ。

「あっ、あっ、あっ・・・・。・・・・。あぁぁ・・・・・・・・」

男性器の行為がそれなりに激しかっただけに、荒れてしまった膣道を満たす精液の感触が志麻には伝わってきているらしい。
自分の男性器を性器に咥えたまま頭を押さえられ正面を向かされこちらをまっすぐに見つめる志麻の大きな瞳、その絶頂近くの志麻の震える全身を
目の当たりにして医師が最後の男性器の動きとともに精液を射精し始めると、志麻はその感触で悲しげな長い泣き声を上げる。
それは同性である主任看護生にとっても心を揺さぶられるような切なげな鳴き声だった。

医師はその志麻の姿と瞳を見つめたままその声に触発され2度3度と腰を痙攣させて思い切り出せる限りの精液を志麻の身体に放ち続ける。
志麻は脚を広げたまま行為の余韻にまだ収まらない喘ぎをこちらに響かせたまま、明らかに身体の奥のその感触を反芻するような虚ろな瞳で
微か眉根を寄せて精液を受け止めている姿をこちらに見せている。
志麻のそんな姿は男性に行為され射精された女の子の姿として主任看護生が期待する、この上もなく満足のいく姿だった。

やがて射精を完了して引き抜かれた男性器の先端から、糸を引いて伝う精液を下腹部に受け止めながら、おとなしくそれを待つ
行為を終えたばかりの志麻の姿を主任看護生は楽しげな様子で見守っているのだった。
何度そうしてきた事だろう。それがもうここのところの彼女の日課となっている。
「先に出してもらえてよかったわね(笑)。ちゃんとお仕事ができてたみたい。」
と相手に話しかけながら。

なかば放心したようなあるいは幾らかは後悔しているかの様子でそれでも微笑ってみせる裸身の志麻に
本当に馬鹿な娘よね(笑)。せいぜいあと4人この調子で頑張って頂戴(笑)。
と内心であざけ嗤いながら・・・・

「・・・・・・・・どうしたんだい?初佳?」
「あ・・・・御免なさい・・・・ちょっと・・・・」

ここはガガーリン5号の前に初佳と志麻が出会ったのとは別のとあるブロックに食堂と並んで用意されている
カフェテリア形式のコーヒーラウンジだった。
何か私って・・・・人と話をするときにはいつもこうやってお茶を飲んでるような気がするんだけど・・・・
初佳は今、小さな円形のテーブルに差し向かいで座っている相手を前に口ごもりながらそう思った。

「あれ・・・・片瀬さんじゃないかしら・・・・」
「そう?なんだか・・・・昔を思い出すね。
 あの頃の君は僕が片瀬君のパイロット実技試験の成績の話とかを持ち出すと、決まって私の眼中にはありませんとか
 そんな怒った返事をしてたけど(笑)」

どうしてこんなに目を輝かせて話をするのかしら?初佳はそう思いながらも相手に落ち着いた微笑を返していた。
初佳が長い精神的な引き籠もり状態から脱出したのを目に見えて一番喜んでくれたのもこのビッグ4メンバーの一人
ケント・オースチンだった。初佳が飛び級をする前、予科生の頃からの知り合いだったから・・・・考えてみるとかれこれもう
ずいぶん長いつきあいになる。

ビッグ4のメンバーとは仲間づきあいをしてきていてお互いの間に先輩後輩の意識はない。
それでも知り合った最初の頃の意識に引きずられて初佳は時折ケントに対してはよそよそしい態度をみせてしまう事があった。
あるいはそれは自分でも意識しないうちに相手の反応を確かめる・・・・そんな自分の不器用なやり方だったのかも知れないけれど・・・・
それももう終わりにしても良い頃かもしれない。

そんな事をとりとめなく考えながら
「私が片瀬さんの事を気にするようになったらおかしいです?
 これでも一時は私、あの子たちの寮長だったんですから」
と応えた初佳は、そう言った後に相手がまた笑ってるのに気付いた。

「いや、その堅苦しい初佳の口調がちょっと懐かしくてね(笑)」

初佳がビッグ4に復帰したのはそんなに前の話ではない。その分手放しで喜んでいる様子のケントを見つめてそれから目を逸らし
いつかこの人に自分がどんな回り道を辿ったのか、それを話す日が来るのだろうか?と初佳はそんな事を考えた。
どんな場所でどんな風にだろう・・・・もしかしたらそんな事は起こらないのかも知れないけれど。

それはともかく・・・・コーヒーカップを口元に運び相手に微笑を返しながら、初佳は先刻見かけた志麻の姿に考えを引き戻した。
初佳は最初、目の前のケントと整備班の目を盗んで自分のケイティの整備をするところまでこぎ着けるにはどうしたら良いか
白銀司令に予定外の訓練飛行を認めて貰うには・・・・といったそんな類の雑談をしていて
ラウンジの入り口に立った志麻の姿に気付かなかった。今そうしているようにコーヒーカップを口元に運んで
ふと右手にあるその場所に目をやったとき、なんだか複雑な表情をしてこちらを見ている志麻に気が付いたのである。

志麻は最初何だか疲れているみたいな様子でぼんやりこちらの姿を眺めているように見えた。そのうちにその視線が・・・・どうしてだか
自分の姿を仔細に点検しているようで初佳は居心地の悪い気持ちになった。
そんな筈はないのだけれど・・・・志麻の目がまるで自分の身体を値踏みしている時の異性と同じように思えたのである。
何も変な所は無いはずだけど・・・・初佳は微かに身じろぎしながら考えていた。でも最近あまり気を使ってなかったから・・・・

初佳はパイロット本科のこの紺色の制服があまり好きではなかった。端的に言って自分には女らしすぎる制服のように思えたからだ。
そんな事を言ったらステルヴィアの制服はどれもこれも似たり寄ったりなのだけれど。
予科の制服が幾分ゆったりと着こなすことが出来たのに比べ、パイロット本科の制服はそのあまり機能性のないベルトデザインの為に
ウエストがきっちりと詰められていて身体のラインが丸見えだった。それに濃い茶のストッキングと黒のタイトなミニスカート着用である。
初佳は元々あまりファッションに興味を持つ時間が無く、持っている私服もどちらかといえばボーイッシュな物が多かった。

せめてもう少し胸が無ければ目立たなかったと思うのに・・・・パイロットスーツと同じく厳密に採寸済みの個人データを元にオーダーメイドされ
本科進学の数日前に届けられた制服を最初に身につけたとき、鏡の中で自分のウエストに手をあてて初佳はそう小さく嘆息した。
どこもかしこも身体にぴったりするよう詰められていて余裕がない。
意識しすぎだとは思うけど・・・・これじゃ・・・・飛び級先での先輩男子本科生たちが自分を見る視線を想像して初佳は一人赤面した。
自分はここ数年では唯一の飛び級生として周囲より年下のついこの間まで予科生であった女の子として、これから先自分より年上の
本科生たちに囲まれて生活をする筈だった。そして実際にも飛び級の後しばらくの間はそうした男子本科生たちの好奇の目に悩まされて
食堂などで座るときの自分の身体が相手に見える角度にまで気を使ったりする事になったのである。
私は全然そんなタイプなんかじゃない。周囲の目にそのときそう強く思った事も初佳が学科の成績を気にかけ始めた一因だったと
言えなくもなかった。

ただ、今はそんな風に年下の同性の女の子である志麻にそんな目で見られる理由がない。
初佳は訝しげにそう思って腰を浮かせかけケントの肩越しに志麻に向かって声を掛けようとして、その時目を上げた志麻と瞳が合った。

今壁際に手を遣りそれで身体を支えているような志麻は・・・・
明らかに何か話したい事があるような・・・・そんな訴えかけるような震える大きな瞳でこちらを見ていて
そんな瞳でこちらを見ていながら、何度もためらって考え直したように視線を下に落としうつむいてそれからまたこちらを見上げる
そうした様子を志麻は繰り返していた。

それでも最後には意を決したように瞳を上げて近づいてきて、いつものように相手に話しかけるのが苦手な様子で
「あのっ・・・・」と声を掛けてくると思ったのに、志麻はそのあと初佳と同席しているケントに改めて気が付いたという様子を見せて
その後2人の様子を交互に見比べるようなそぶりを見せた。私達を幸せそうな恋人同士かなにかと勘違いしたのかしら・・・・
初佳は後でそう考えたが、その時の志麻は最後に唇をまっすぐに引き結んだまま紅潮した頬の上の大きな瞳を震わせて初佳を見つめて・・・・
そしてふいといきなりきびすを返して足早に立ち去っていってしまったのである。

志麻のあの様子は・・・・いったい何だったのだろう・・・・それに・・・・初佳にはもうひとつ気がかりな事があった。
・・・・あの娘・・・・どうしてあんな変な歩き方をしてたのかしら?

遠い昔になんとなくその姿に見覚えがあるような気がして思いを巡らせているうちに初佳の表情は曇り始めた。
看護科の手伝いをしてるって言ってたけれど・・・・確認しに行ったとしたら志麻にはお節介だと思われるだろうか?
でも・・・・

カップから顔を上げたとき、再び今度は心配そうな表情をしてこちらの表情を覗き込むようにしているケントに初佳は気付いた。
ケントは初佳としては余り見慣れない躊躇いがちな様子を見せながら言った。

「こんな事を言うとお節介だと思うかもしれないけれどね・・・・
 今度また何か悩むようなことが有ったら、もうすこし僕達にも相談してくれていいと思う。」

まあ・・・・それじゃあここにはお節介焼きが2人居るわけね(笑)。
初佳は思わず少し失笑してしまったが、ケントのその気遣いは嬉しかった。
私はもう大丈夫。でも片瀬さんは・・・・そうね、あの娘は初佳が引きこもっていた時期を通してビッグ4の残りメンバからも
好かれていたみたいだから・・・・彼らにもあの娘を心配する権利はあるのかも。

時期を見てナジマや笙人にも相談してみよう。何もなくて気のせいだといいのだけれど・・・・
そう考えながら初佳は志麻が立ち去った方向を見つめていた。





志麻が主任看護生の元を最初に訪れてから2週間が経とうとしていた。
その志麻は今、この手術室の隣の狭い小部屋、看護生達が志麻の仕事部屋と呼んでいる部屋で
椅子に座った医師と向かい合う形でその膝に座り、腰を中腰にして今まさに医師の男性器を自分の性器に収めようと
している所だった。

「そこでストップ」

・・・・まあ良い顔ね(笑)。主任看護生は心の中でそう嗤いながら無様な姿で動きを止められてこちらを見ている困り顔の志麻を見返した。
そのまま腕を組んでわざと椅子の回りを歩いて見せて椅子の上で不格好にもつれ合っている2人の姿を眺め回してみる。

志麻は脚にいつもの黒いニーソックスを付けている以外は完全に裸の状態で、靴も脱いでしまい
背もたれに寄りかかって座る男性医師の膝の上に医師と向かい合うかたちでまたがって、こちらに裸の白い背中を見せている。
その背中からその上の首筋、ツインテールの頭の上へと視線を巡らせてみると、その志麻の頭の上には看護帽が載っていて
椅子の上で全裸で医師に抱きついている姿の志麻には相変わらず似合っていない。
志麻はつい先刻までその状態で、肘を曲げ両手を医師の肩に掛けて、その両肘と胸で相手の頭を抱きかかえるようにして
下半身だけで腰を振り自分の性器の中の男性器を擦り上げる動きを続けていたのだった。

ストップが掛かったのはその腰の動きが激しすぎて男性器が志麻から外れてしまい、それを志麻が慌てた様子で挿入し直そうと
していた時の事だった。今、志麻は片手を医師の肩にかけたまま反対側の手を自分の股間に伸ばし手を差し入れて
相手の陰茎を掴み、その先端の膨らみを自分の性器の入り口にくぐらせようとしていたところだった。

懸命に腰を振っていた為、志麻の背中、相手の身体に押しつけられた腰、そこから剥き出しの尻へと続く背中の窪みと
志麻の白い肩に汗が少し見えていて、身体全体が微かに濡れているように見えていた。
その志麻は先刻まで身体全体を擦り上げるように上下動させながら相手の顔へと押しつけていた胸と身体を相手から離し
自分の身体の下の医師に
「あ・・・・、えっと・・・・入れ直しますね」
と声を掛けると手を伸ばしそれで支えて自分の身体を持ち上げて男性器を自分の中に収め直そうとしていた。

医師がそれに応えて志麻の胸元に顔を置いたまま優しげな言葉を返して、男性器を手で探りながら志麻はそれに対して
「えへへ」といった様子で微笑み返す・・・・
主任看護生はそんな2人の様子が気に入らなくてストップをかけた。・・・・遊びでやってるんじゃないわよ。

行為に集中している時ならともかく、動きを止められて男性器で半分開いた恰好の自分の性器と、中腰のそのあられもない自分の
今の恰好を意識させられているのがよほど恥ずかしいらしく、志麻は紅潮した顔で目を見張った困り顔で
それでも唇を引き結んで羞恥心をなんとか抑えている様子でこちらを見つめている。

「片瀬さん。片瀬さんにはその男性器を受け入れて自分の中に入れる瞬間をもっと大事にして欲しいの。
 相手の先生側からしてみれば片瀬さんがそうやって腰を落としていって、自分の男性器をゆっくり片瀬さんの身体の中に
 入れていく時のその片瀬さんの様子って大事な物なのよ。
 
 何度も言うようにこの介助行為はあなたの側の気持ちを相手の先生にどれだけ伝えられるかが重要なポイントだから、
 常にその辺り細やかに気を配って性器挿入しないと駄目。
 顔赤くしてうつむいてしまってるのは別に良いけれど、そうやって相手の男性器を飲み込んでいく自分の姿を相手にきちんと見せて頂戴。
 わかった?」

「相手に自分の顔と身体を見せながら、柔らかく相手の男性器を擦るようにゆっくり腰を落とす・・・・
 ちょっとやってみて・・・・そう・・・・ずいぶん上手になったと思うわ。
 やれば出来るのよね。腰はそのまま動かし続けて・・・・
 
 唇はもっと顔全体で相手の口に押しつけるようにして舌を使って。何度も言うようだけれど只されてちゃ駄目よ。
 片瀬さんの側が先生に処置するの。口が離れる時は舌を外に出して押しつける感じで相手の唇に余韻を残して・・・・
 相手の顔舐める位の気持ちで良いと思うわ。
 その間も性器に意識集中して動かすのを忘れないでね。」

本当はこれでもう何十分も医師の上で腰を振り続けているのだから志麻にはほとんどそんな余裕などない筈。
主任看護生はそう思いながら、それでも相手の身体に自分の身体を擦り付けるようにして身体をくねらせ喘ぎながら行為を続け、
相手の顔に自分の顔を寄せて愛撫する様子の志麻を見守っていた。

それでもまあ・・・・予想していた邪魔も入らずここまでこぎ着けることができたし、最初の頃に比べれば
ずいぶん楽な物よね。志麻はこれで今日は3人目。多い日で一日5人の相手をさせてきたが、今日はまだ次の割当の医師の
時間までにはまだ間があるから、今志麻と行為している医師にはもう少し頑張って貰わねばならない。

医師と言っても彼らは実際には研修医にすぎなかった。正規の医師が志麻の相手を努めている時には
さすがに主任看護生といえども、している最中の行為を止めさせて志麻にあれこれ指示を与えたりする事はできない。
そんなことをしたら相手の医師が怒り出すか少なくとも不機嫌になってしまうかのどちらかだろう。
だが研修医たちであれば話は別だった。かれらは業務の手順実施の上で、正規の勤務者である看護生の許可を得なければならない事が多く
看護生には頭が上がらない立場にある。年齢も正規の医師よりはずっと若くて本科生とあまり変わらない。

今回志麻にあてがった研修医達も普段から主任看護生達の言いなりだった。志麻はまだ気付いていない様だが実際の所、
この部屋での一回の行為をいつ終わらせ志麻に射精するのかさえも主任看護生が研修医に密かに送る合図で決められていた。
だから主任看護生はその日その時々の気分で自分の好きなように、いつもより長く志麻の身体を研修医に責めさせたりすることが可能だった。

最初の予定より期間が長くなってきているから・・・・もう少し研修医達の数を増やしてみてもいいかな?
この話が外に漏れるのを恐れて最小限の人数しか用意していなかったのだ。だがここまでの志麻の様子を見る限り余所へ
自分がしている事を漏らしている様子はなかった。普段世話焼きの友人達に囲まれて過ごしているらしいから・・・・
一人になると相談する相手もいないのだろう。というより自分がどういう立場に置かれているか理解できていないのかも知れない。
いい加減状況がおかしいと強く思い始めてもよさそうな物だったが・・・・

とはいえ志麻は最初はこんなことになるとは思いもしなかった筈だし、主任看護生自身も成り行きで始めたこの事態が
ここまで続くとは思っていなかった。
主任看護生はその時の事を思い返していた。

志麻にその特別な仕事の内容を伝えたのは、最初に会った日の翌日だった。
再び自分の元を訪ねてきた志麻を主任看護生は同僚を伴ってこの部屋まで案内し、しばらく当たり障りのない会話で
相手の緊張を取り除いた後、おもむろに本題を切り出した。

「それで片瀬さんにお願いしたい仕事というのはね、こういう事なの。
 片瀬さんも今この船が傷病者の対応で大忙しなのは分かってるでしょう?本来ここまで負傷者が多くなるとは予測してなかったから
 受け容れ体制が全然できてなかったの。それ自体問題なのだけれどね。馬鹿な事にここまで来るまで誰も本当に戦闘になるなんて考えて
 なかったのよ・・・・。
 それでベッドや医薬品や必要な医療器具とかもそうなんだけれど、今、私達看護生や先生達の数が絶対的に不足しているの。
 それでも軽傷者の応急手当はなんとか一段落したのだけれど、それで今度は手術が必要な重傷者の処置が始まっていて
 今は特に先生達のオーバーワークが問題になってる・・・・見ていても解るわよね。」

「はい・・・・なんとなく分かります。」

「で、看護生の仕事は医療知識が必要でその為の勉強をしていない人には任せてはいけない物がほとんどなのだけれど、
 片瀬さんには看護生がする事になっているある特別な、医師の介助業務を手伝って欲しいの。
 さっきも言ったように先生達は皆んなオーバーワークで疲労が溜まってる。これに今度は重傷者の手術が加わって
 手術の中には6時間とか8時間とか10時間以上かかる物もあるのよ。大変でしょう?」

「うわあ・・・・ほんとに大変ですよね。」

「それで先生達なのだけれどそういう極限状態まで疲労が蓄積すると男性の先生達はある生理現象が起きて
 医療作業に集中できなくなってしまうの。パイロットとかでもある話なのだけれど片瀬さんも聞いたことがないかしら
 極限状態では男性器が勃起してしまってそれを何とかしないといけなくなるって。
 特に手術中とかでは集中力欠如は致命的。それで大規模で長時間掛かる手術が行われる事になるとスタッフが術中に
 交代で休憩時間を取る事になってるんだけれど、私達看護生は通常その時間を利用して男性医師達の男性器勃起解消の
 介助をしているの。」

「え?」

「具体的には先生達に性技をするってこと。
 片瀬さんも予科生なら必須科目の性技は学んできてるわよね。
 私達は通常口技や手技を使っているのだけれど、片瀬さんは予科生だからまだその辺りは実習が済んでない筈よね。
 だから仕方ないので通常の性技でお願いしたいのだけれど・・・・性技は先生達の体力負担になるから本当は口技とかの方が
 望ましいんだけれどね。それとも片瀬さん個人的にそういうスキル持ってる?」

「え、え、えっ?」

「片瀬さん口技で男性を射精させられる?」

「え・・・・いえっ・・・・無理だと思いますっ。したことないですし・・・・」

「それじゃ先生達には無理を言うことになるけど片瀬さんには性技で介助してもらう事になるかしら。
 口技や手技はスキルがないといつまで経っても終わらなくて先生も片瀬さんも悲惨な事になりそうだし」

「・・・・えっえと・・・・それ・・・・本当に私がしなくちゃいけませんか?
 私・・・・
 それに性技科目あんまり得意じゃなくて・・・・私・・・・自信ないです」

「そうよね(笑)。そんな風に見えるわ。
 でも困ったな・・・・昨日片瀬さんのお話聞いて任せられそうに思ったからスケジュール組んでしまっていて
 いまさら他の子には変更できなくて・・・・」

渋る志麻を説得するのは難しそうだったが主任看護生には過去の経験から言っても上手くやれる自信があった。
今回は彼女の同僚看護生も手を貸してくれる筈だったし、この時もすかさず彼女の後を引き取って話を続けてくれた。

「ねえ、聞いてたけど大丈夫よ。同じ予科の同級生とかと違って先生達はみんな優しいし人数も限られてるから。
 片瀬さん性技の競技とか出てるでしょお?要はあれと同じ様な物よ。場所はここだから競技と違って他の人の目も気にしなくていいしね。
 それに全部とまでは行かないけれど私か主任のどちらかができるだけ片瀬さんに付いて先生達が無茶しないように
 監視する様にしてあげるわ。実際の所、片瀬さんが協力してくれるとホント助かるんだけれどな。
 どう?」

「あのぅ・・・・」

「無理強いしては駄目よ。片瀬さんには片瀬さんの都合があるんだし。
 ただ自分に出来るかどうか分からないから断るっていう話だったら最初から申し出て貰いたくなかったんだけれど・・・・

 ・・・・そうね。どのみちいきなり先生の介助に付いて貰うってつもりはなくて
 どっちみち今日は片瀬さんがどれくらい性技を修得してるかテストして確認させてもらうつもりでいたの。
 その様子を見て決めて貰うって事でどうかしら?
 それも駄目?」

半ば強引にテストの実施の了承を志麻から取り付けたあと、いいかげん志麻との会話が鬱陶しくなってきていた主任看護生は
その後もそれってどういう・・・・と言い募る志麻の言葉を無視して部屋の一番奥、そこに配置されたデスクの前の椅子を指して、
まず下着を上下とも外してその椅子に座って準備をして欲しいの、と志麻に告げたのだったが・・・・
その準備というのが自慰の事だと解った時の志麻の顔は見物だったもののそこから先が結構それなりに一苦労だったと
主任看護生は苦笑しながら思い返していた。

同僚と2人がかりで渋る志麻をなだめすかして性器の検査もしなければならないからと言って下着を取らせ何とか椅子に座らせる事には
成功したものの、志麻は脚をぴったりと閉じてなかなかこちらの思い通りに自慰を開始しようとはしなかった。
まあ普通はいきなり人前でそんな事ができる方がおかしいのだが。

主任看護生と同僚は性技競技と違って今回は潤滑剤など用意していない事、医師はあくまで自分の生理現象の医療上の処置を
志麻に求めているのであって、多忙なことも含めて前戯などはしないから志麻の側で準備ができていないと大変な事になること、
きちんとそうした準備が出来をさせずにテストなどしたらむしろ主任看護生やその同僚の責任問題になることを説明して
それでようやく椅子の上で志麻が指を使った自慰らしきものを開始して、そこからやり方が形になっていないからと言って
同僚に手を添えさせて志麻の指を強引に動かさせ、最後にはまだ女性として未成熟な志麻が医師の介助をするには
一度志摩自身が絶頂に達する位に身体の準備が出来上がっていた方が良いようだと一方的に結論付けて
実際に志麻がそれに近い状態になるまで強引にその行為を続けさせた。

決めてあった時間に間に合わないかと思ったけど・・・・もうあとほんの一押しで絶頂に達するだろう志麻を横目にその時主任看護生は
自分の携帯端末で時刻を確認していた。背もたれのリクライニングを倒し脚を持ち上げて手すりに掛けて広げてしまっている志麻は、
そのほとんど身動き出来ない姿勢で絶頂近くのその身体を微かに震わせていた。
主任看護生はその志麻の左から脚を押さえ込むようにして手を伸ばし性器を弄る志麻の指に手をそえてそれを動かし続けていて、
彼女の同僚はと言えばやはり志麻の反対側の脚を押さえ込んで右から志麻の胸を愛撫していた。
2人はあらかじめ自分達の座る位置をずらし脚を広げて座る志麻の正面に立たないように気をつけてあった。
この部屋は奥行きがあまりないから・・・・通路に面したドアからすぐ正面にその大股開きの志麻が鎮座している事になる。

そのドアにノックがあったとき、志麻はほとんどそれに気が付いていない様子だった。
だが「入るよ」と男の声がしてそれに応えて主任看護生が「どうぞ」と返事を返した時には何が起こっているのか気がついたらしい。
ドアを開けて3人の白衣姿の研修医たちが部屋の中に入ってきて部屋の入り口、志麻の正面で立ち止まった。
何が見られるかは前もって説明してあったから、その研修医たちの表情は驚きと言うよりは呆れ顔とあからさまな好奇心が入り交じった
にやけ顔だったように思う。

主任看護生は目の前の椅子の上で信じられないといった表情で大きな瞳を見張っている様子の志麻を見て
ほんの少しだけその志麻に同情したいような気持ちを感じていた。逝きかけで・・・・ここまで大股開きじゃあねえ(笑)。
志麻は椅子の上で押さえつけられた脚を大きく広げたままで動けない。片腕は折り畳んで両方の乳房の間に押しつけるような形で
持ち上げ手を口に当てて瞳を見張っていて、そしてもう一方の手は主任看護生に押さえつけられ自分の性器に当てたままだ。

「・・・・そんな・・・・そんな・・・・いや・・・・」

とまだ状況が解らずつぶやく志麻の悲鳴をこの上もなく楽しく耳の中に響かせながら主任看護生は
その状態の志麻の自己紹介を始めた。

「彼女が片瀬志麻さんです。よろしくお願いしますね。
 で・・・・ご覧の通り、準備の方が時間が掛かってしまっていてまだ終わってなくて。そのまま少しだけ待っていて貰えます?
 たぶんもうすぐ終わると思いますので。」

それは言葉だけは丁寧だが明らかに指示といって良いような物で、それに従っておとなしく壁の前に立ちニヤニヤとこちらを見ている
研修医たちを前に主任看護生は続けて

「さあこのまま準備の方を終わらせてしまいましょうか」
と志麻に宣告した。紅潮した顔で絶句したままこちらを振り返る志麻ににこやかに微笑み返したまま。
その様子を目にして同僚は少し引いたようだったが主任看護生は構わず志麻に自慰行為を続けさせた。
既に極限まで達し掛けている身体の志麻の抵抗などまるで抵抗と呼べる物ではなかったから意に介する必要はなかった。

志麻はもはやそのどうしようもない姿を医師たちを前に晒していた。
中途半端に倒された椅子のリクライニングの所為で半ばずり落ちそうになりながらも志麻の顔は真っ直ぐ正面を向けば
自分を見守る医師たちと目が遭ってしまう状態にある。その顔の下、剥き出しになった白い乳房の上には制服の赤いリボンが
その姿勢のためか普通より盛り上がった状態にある乳房に引っかかるようにして載っているが、それも緩んで乱れてしまっていて
胸の膨らみの間を流れるようにして汗ばんだ志麻の身体に張り付いている。

さらにその下の性器はと言えば、両脚を肘掛けに掛けるようにして大きく開脚したままその位置で両側から押さえられてしまっているために
すっかり剥き出しになってしまっていて、途中で椅子が汚れてしまわないようにと志麻の尻の下に敷いた白いタオルが
志麻の赤い色をした性器の卑猥さを強調してしまっていた。
主任看護生は志麻の手に添えた自分の手で思うがままに強制的に志麻の性器を刺激させ、良い頃合いと見ると
手を離して既にもうなにも解らなくなった様子の志麻がそのまま自らの指で自らの性器をまさぐり、見守る5人の前で
もうどうしようもなくなった哀れな掠れた鳴き声を上げて伸ばした脚を震わせ志麻が絶頂に達するのを楽しく眺めていた。

さすがにステルヴィアの必須科目である性技競技にも自慰科目というのはない・・・・
というか・・・・自分の意志で始めた物ではないとはいえ、見ず知らずの男性達の前でここまでしてしまったら・・・・
ステルヴィア期待のエースだか何だか知らないけれど(笑)
・・・・女の子としてはお終いよね(笑)
主任看護生は志麻を嘲笑しながらこっそりつぶやいた。

でも本題はこれからなんだけどな。
主任看護生は既にベルトを外してズボンを降ろし始めた様子の研修医の一人を自分の近くに招き寄せて
まだ他人の面前での絶頂で放心している様子の志麻の頬を手で軽く叩いてその瞳をこちらに向けさせた。

「片瀬さん?大きく深呼吸してそれから息を吐いてみて・・・・
 吸って・・・・ほら・・・・」

そして研修医に合図をして志麻に告げた。
「入った(笑)」

椅子の上で大きく開脚している志麻の性器に研修医の怒張した男性器が侵入を開始し深く収まっていた。
なんの前置きもなくいきなり男性器を挿入されてしまった志麻は信じられないといった表情で目を瞠っている。
限界まで瞠られた志麻の瞳、自分が何をされているのかまだ理解できないといったその瞳を主任看護生は小気味よい気持ちで見おろしていた。

馬鹿な娘、自分が何をされているのか、どうしてこんな事になったのかまだ解んないの?(笑)
世の中には教科書より複雑な事なんかそこらじゅうにあるのよ?
その志麻の様子を堪能したあと主任看護生は最後に笑ってこう告げた。

「じゃあこれからテストの本番ね。あなたこれを了承したのだから頑張ってね。3人いるからとりあえず一巡で良いかな?
 普通に行為してみてどれくらい性技を修得しているか見せて頂戴ね。時間がないから連続になっちゃうけど。 ね。
 じゃあ頑張ってね。
 ・・・・・・・・」
と。

その後、志麻は最初の一人とそれに続く2人の行為の間ずっと泣き続けだった。
本当に器用よねえ。こんなに泣き続けで過呼吸とかにならないものかしら?その時主任看護生はそう思ったものだ。
まあ状況としては実際無理もないのだけれど・・・・

行為中の志麻が身をよじりそれで椅子の上の不自然な姿勢では椅子からずり落ちてしまいそうになるために
主任看護生と同僚の2人は志麻の肩を、研修医の2人が脚を支える体勢でそこに5人目が志麻への行為を続ける恰好になってしまっていた。
同僚と自分は行為中の志麻の胸や性器を上から弄り回していて残る2人の研修医も同様である。
さらに位置が下になる志麻の、上を見上げる懇願するような瞳に触発されてか5人とも異常に興奮した状態になってしまい
そんな風に予科生の女の子をとり囲む自分達の姿はもし他人の目があればそれこそ異常な姿に見えてしまっていたに違いなかった。

研修医の一人目が志麻の身体に射精し終わった後、主任看護生は志麻に向かってこう宣告しておいた。
可哀想な状態にある今の志麻にさらに駄目押しをしておきたいと思ったのである。

「うーん・・・・もういいわ。
 片瀬さん、あなたには・・・・せっかく自分からこれをやるって言って貰ったんだけど・・・・
 先生の生理現象解消の介助の仕事というのは純粋な医療行為で性行為なんかじゃないの。
 あなたのこの様子だと・・・・ただ行為されて良がっているだけに見える。まあそういう人だったなら仕方ないけど。
 ちょっとこれでは使い物にならないみたい。とてもじゃないけどあなたの今の状態で先生の前に出す訳にはいかないし・・・・」

そして呆れ果て本当に困った様子で続けて志麻に言葉をかけておいた。

「困ったわね、任せられるつもりでもうスケジュール組んでしまってるから予定を動かせないのだけれど・・・・
 最悪片瀬さんのこの仕事を誰か他の子に自分の仕事と合わせてやって貰うしかないけどそれじゃその子が余りにも大変だし・・・・
 私、ちょっとスケジュールを確認してくるから、後は任せたわ。

 片瀬さん、彼女ともう少し努力してみてもし駄目だったら、看護科の仕事手伝って貰うのはもういいわ、ありがとう。
 忙しいから看護科には他にも色々な仕事はある事はあるんだけれど・・・・厳しいことを言うようだけれど
 一度信頼してあなたに割り当てた仕事が出来ないようだと・・・・私の方であなたにまかせられる仕事はもうないの。
 まだ学生とはいえ仕事という物についてその辺のこと、解るわよね?
 先生達、もう少しだけ協力の方をお願いしますね。」

二人目の研修医の男性器を受け容れながら哀れな瞳でこちらを見上げている志麻にそう宣言して
主任看護生は部屋を後にして隣の部屋へ入った。彼女は志麻から返ってきたただただ驚いているような表情と瞳を思い出し
込み上げる笑いを抑えるのに苦労していた。
本当に馬鹿な娘(笑)。これで志麻としては自ら承認した恰好になっているものの懸命な思いで受けたであろうテストとそれに先立つ人前での自慰が
まったく無駄に終わる結果になる。そしてさらにその上残り2人から行為を受け続けていなければならない。

少し鈍いのではと思える志摩がすぐにそれに思いが至らなかったとしても、興奮しきっているとはいえ残り2人の研修医が
行為し続けてそれぞれ出し終わるまでには相当の時間が掛かるだろうから・・・・志麻がそう気付いて後悔する時間は充分にあるだろう。
行為され続けでそんな余裕があればの話だが。
志麻達が居る隣の処置室とさらにその向こうの手術室の処置経緯を記録する部屋の機材をチェックしながら
主任看護生は薄くほくそ笑んでいた。映像記録も・・・・ちゃんと撮れているようだ。

モニタの上では今二人目の研修医が志麻に行為していて、同僚がその行為中の志麻の顔を正面の研修医の方を向けさせて
手で優しげになで回して目に掛かる前髪を払ってやっているのが見える。志麻の仕事を助けていると言えば聞こえが良いが・・・・
医師達に志麻の身体を供するのに熱中している様子にしか見えない。
あの娘の女の子好きにも困ったものよね(笑)。・・・・でも今回はそれで助かったから良いか(笑)。

とにかくこれで志麻はもと居た場所へ泣いて帰るだろう。自分が看護生の仕事を手伝える、役に立つなどと考えた報いで良い様だ。
手元に残る映像記録はまあ・・・・有効利用させてもらえば良いかな(笑)。
映像の志麻の声が激しくなってきている。その鳴き声が主任看護生には小気味良かった。
3人目には部屋に戻って自らもう少し虐めてやろう。映像の志麻を見つめながら主任看護生はそう考えていた。

それが2週間前、主任看護生がこの部屋で志麻を初めて医師達に提供したときの出来事だった。
意図に反して志麻は逃げ帰らなかった。
全てが終わってぐったりした様子の志麻を見降ろし、主任看護生が再び、
もしこの割り当てられた仕事ができないようだったら・・・・それは他にまかせることの出来る仕事もないということだから
お引き取り願おうかしら、という言葉を繰り返したときに志麻はこの仕事を続けさせて欲しいという返事を返したのだ。

まあまた余計な何かを考えているのだろうけれど・・・・頑固そうな志麻の一面には薄々は気付かされていたのだが
咄嗟に、そう、それは良かった。とりあえず明日はどうしようかしら・・・・という返事を返したものの
主任看護生はその時、当初の思惑通りに志麻が動かなかったことに腹を立てながら思ったものだ。

本当になんて馬鹿な娘だろう。それは主任看護生がもう100回は繰り返したのではないかと思える程に何度も
志麻を見ながら内心でつぶやき続けた言葉だったが、今回はそれに怒りが混じっていた。
自分に出来なさそうな事を引き受けてしまってこの娘は一体どうするつもりなのだろう。

このタイプの娘はこうやって何でも自分に出来ない事まで引き受けてしまって、そして当然のごとく壁に当たって
それをいかにも辛がって見せて周囲の同情を買うのだ。まあこれから先の事もこれではいわば自業自得よね。私が直接手を下さなくても
この娘は結局どの道どこかで自滅するタイプなのよ。
まあそれならそれでこちら側としては幾らでも頑張ってもらうやり様がある訳だけれど・・・・

初日にテストをした時の志麻への思い知らせ方が不十分だったとは主任看護生には思えなかった。
彼女が志麻たちの居る部屋へ戻ったとき、部屋の中では既に3人目の行為が開始されていて
その半ばで既にもう志麻は逝きかけそうになっていた。

元々が行為そのものに弱い上に何度も逝くことのできるタイプよね。面白くて都合が良い事に(笑)。
その主任看護生にしてもこうやって目の前で行為されて身体を揺らされ続けている同性を目の当たりにし続ける経験は
そう多くはなく、椅子の上で医師や同僚たちに囲まれ胸や髪を揺らし喘ぎ続けている志麻の姿から目が離せなかった。

志麻は深く倒された背もたれの上で背を反らし胸を突き出すような恰好でその上体を硬直させている。
羞恥の所為だろうかこうして連続して行為されることに慣れていない所為だろうか、その志麻の身体は全体的に上気して
赤く染まって見えてしまっていて、その透けた肌の桜色に見える乳房を、志麻の頭を抱きかかえるようにして傍らに座る
主任看護生の同僚が手を伸ばして指でなぞるようにして執拗に弄んでいた。

志麻はその桜色に染まった自分の肩と胸元に顎を埋めるようにして俯いた様子で時折首を振り、鳴くような喘ぎ声を押し殺しながら、
片腕で同僚の腕にしがみつくようにしてもう一方の手で必死に肘掛けを押さえて、そんな懸命な様子で上体をよじり動かし続けていた。
それは医師の男性器の前後動に椅子の上からずり落ちてしまうのを防ぐつもりなのか、胸への愛撫の手から逃れようとしているつもり
だったのか・・・・いずれにしてもそんな志麻の様子はとり囲んでる医師達の目に自分達の身体の下でうごめく志麻の身体を
印象付けて志麻の身体を弄ぶ側の興奮を呼んでしまっているだけに見えた。

「片瀬さん?片瀬さんこっち向いて聞いて」

主任看護生は椅子からずり落ちないように同僚に支えられ、医師の男性器の前後動に上下する乳房を規則的に揺らし
茶色のお下げ髪の細かい乱れ髪を揺らしながら自分の性器から伝わる感覚に次第に追いつめられていく志麻を眺めながら
その志麻の頬に手を伸ばしてこちらに向けさせ動物のような濡れている志麻の瞳を覗き込むようにして言った。

「何回も逝ってるみたいだけど、まだあなたのこの様子って普通の性行為を無理矢理されてるような何だかそんな
 感じなのよね。逝き方もちゃんとしっかり逝けてないように見えるの。
 それじゃ辛いんじゃないかしら・・・・」

実際に今起きているのもその通りの事で、言われた側の志麻としても鳩が豆鉄砲を喰らったような瞳を返して
ただ行為されながら聞いてるしかないだろうけれど(笑)
・・・・主任看護生はそんな様子の志麻を見ながら笑い出してしまわないよう気をつけて話を続けた。

「ちょっと目を閉じさせて貰って・・・・そう・・・・そんな風に目隠しして貰っててそのまま聞いて。
 あなた彼氏は居るわよね。素敵な彼?
 確か音山光太君だっけ?普段は何て呼んでるの?光太君?
 返事してくれる?」

「・・・・光太・・・・君って・・・・呼んでます」

返事を強要されて志麻がその喘ぎをなんとか押さえて答えを返すと
主任看護生は続けて言葉をかけた。

「じゃあ目を閉じたままその光太君の顔を思い浮かべて・・・・
 今、あなたの胸を撫でて乳首を持ち上げてる手がその光太君の指だと想像するの。
 あなたの身体に入ってきてる男性器もね。
 で、喘ぐの我慢して声に出して光太君って呼んでみて?
 できるでしょ?」

「・・・・」

今度は志麻の返事はすぐには返ってこなかった。主任看護生は今志麻に挿入している医師に合図して
男性器の前後動の動きのペースを速めさせた。すぐに志麻は苦しそうに喘ぎ始めた。
性液に濡れぬめったように光りながら志麻の性器へ出入りを続ける医師の男性器を見つめながら
主任看護生は話を続けた。

「ねえ、返事して。呼べるでしょ?光太君って繰り返して言ってみて。
 相手の顔や言葉や様子を想像するのを忘れずに・・・・ほら、どうしたの?
 そんなのじゃいつまで経っても終わらないんだけどな・・・・」

志麻はそれでも抵抗し続ける様子だったが・・・・結局消え入るような小さな声で指示されたとおりに
光太の名を呼び始めた。

「・・・・光太・・・・君。
 ・・・・・・・・・・・・(泣)
 ・・・・光太・・・・君!光太君っ!光太君っ!」

そうして渋りながらも一度声に出してしまうと目隠しされながら行為される志麻にはもう歯止めが効かない様子だった。
自分達に囲まれ恋人の名を鳴き声で呼びながら行為されよがる志麻の異様な姿を前に、同僚や医師達は目に好奇の光を宿らせて
黙り込んでしまっていて、部屋の中にはその志麻の光太を呼ぶ鳴き声の繰り返しと挿入役の医師が志麻に性器を打ち付ける音だけが
響き続ける。

志麻の鳴き声にはそれまでとはあきらかに違って聞こえる切なげな響きが混じり込んで来ていて
それがどんどん強くなっていった。主任看護生はその志麻の様子を半ば楽しみながら半ばその瞬間を慎重に予測しながら
志麻の新らたな限界が間近な頃合いを見計らって、再び乱れた茶色の髪の毛を張り付かせて鳴くように喘ぐ志麻の顔に手をやって
注意をこちらに向けさせ話しかけた。

「気持ち良い?返事できなかったら頷いて見せて。
 どう?気持ちいいの?片瀬さん?」

志麻は短い鳴き声を上げてすすり泣くだけでもう返事ができる状態ではなかった。
それでも繰り返して尋ねられるのに健気にも頷く様子をしているのを確認するとその志麻に主任看護生は駄目押しを続けた。

「気持ち良い?そう・・・・そんなに気持ち良いの?
 ・・・・そうよね。恋人にされるのって特別な物よね。
 じゃあ・・・・今度は手を離すわね。そのまま目を開けてみて。
 どう?」

絶頂に達しかけてもうほとんど返す言葉も上げられない志麻のその突然目を開けさせられて
ただひたすらに大きな瞳を見開いた表情を主任看護生は楽しげに見つめていた。
恋人にされるのが特別?あなたの場合本当にそうかしら?(笑)

何かその光太君だけにしか解らない特別な魅力が自分にあると思いこんでるんじゃない?
気に入らないわよね。あんたにはどこにもそんなものはないわよ。
どうせその資格もないのに上手く引っかけた男の子相手に初めて腰を振る事を覚えて
それでその時の快感が特別だと思い込んじゃってるだけなんじゃないの?

「目を閉じては駄目。
 ほら、しっかり良く見て。今、あなたの性器に男性器を入れてる人の姿が見えるでしょう?
 これは誰?

 これはあなたの恋人の音山光太君じゃないわよね。
 信じられない?繋がってるところもみえるでしょう?あなたのあそこに先生の性器が出入りしてるところが。
 解る?解った?あなたは恋人相手じゃなくても・・・・
 相手が音山光太君でなくても、あなたは誰が相手でもそんな風に気持ち良くなれるの。
 あなたはそんな娘なの。
 どう?」

「あ・・・・」

主任看護生は志麻の限界まで見開かれた瞳と見ている間にもそこに志麻の涙がどんどん湧き出てきて
溜まっていくのを眺めていた。唇はまっすぐに引き結ばれていて震えている。
そう・・・・なるほど(笑)。この娘は本当につらいときにはこんな風に泣くのね(笑)。
まったく・・・・何この顔、笑っちゃうわ(笑)

「・・・・嫌ぁぁ・・・・」

見守る主任看護生の目の前で志麻はひと声この上もなく切ない泣き声を上げると限界に達した。
決壊が崩れたように涙が溢れ出てきて目を大きく見開いたままそれを頬に伝わらせている。
志麻はこれまでと明らかに違った様子で深い絶頂に達してしまっているらしかった。

痙攣する志麻の性器の動きに医師が驚き声を上げる中、そうして見るとまるで渦を巻いているように見える
志麻の見開かれた瞳が虚ろな瞳に変わっていって、泣き声を上げたまま椅子の上の全身を引き延ばして震えている様子で
志麻はそうして長く長く続く絶頂感に我を忘れている様子だった。

「(笑)」

志麻が堕ちた瞬間、主任看護生は笑った。そんな様子で男性医師の性器に貫かれて震えている志麻を見ていると
最初に音山光太が志麻とつき合っていると聞いてショックを受けたときからの溜飲が一気に下がる思いだった。
その他の全ての同性を代表して志麻に鉄槌を加えているような気持ちになって主任看護生は心の中で志麻にこう叫んでいた。

そうよ・・・・あんたは売女なの(笑)。それも特別に淫売なね(笑)
恋人が相手じゃなくても、どこの誰だか解らないような相手でもそうやって気持ちよくなれるのよ。
いったい何よ?その声は(笑)

それにねえ・・・・あんたの今のその姿のどこが私達と違う特別な存在だっていうの?まあ良い格好だわよ(笑)
泣きながらそんなに痙攣しちゃってて、そんなに気持ちいいの?

天才だって言うならもっと天才らしいよがり声を聞かせてみてもらいたいものよね(笑)
どうせ楽ばっかりしてて何もしなくても男が手に入るものだからこんな風に泣かされた事もないんでしょうけど。
それにこんな風に逝かされてしまってこの娘この後、音山光太本人にどんな顔をして会うつもりなのかしら?
この娘の性格じゃ・・・・これでお終いかな。まあ残念ね(笑)

一方で、志麻が上げる絶命するか弱い小動物の断末魔のような鳴き声、
男性器を掴んだまま痙攣する志麻の性器の感触、それにおそらくはそれまで長時間続けられてきた行為で
部屋の中に充満しているかのような志麻の汗や性器から立ち上る愛液の匂い、そういった志麻の様子の全て

それらに刺激されたかのように医師は腰を使って志麻を激しく揺り動かし続けていて、それから射精を開始して
そうされる女の子にふさわしい様子で精液を受け容れる志麻の身体に長い時間をかけて精液を満たし始めた。
言葉にならない声を上げてそれを受け止める志麻の様子にその医師の射精はなかなか終わりそうになかったほどだった。

主任看護生はその様子を見守り、残り2人の研修医達に命じて志麻に休む間を与えずに
それまでと違うもはや何も解らなくなってしまったかのような瞳の色を見せて鳴き続け身体を揺らされ続ける志麻への
2巡目の行為に入らせた。

天才と言う割には、思ったより物覚えが悪い様だから・・・・
自分がどんな女の子なのかたっぷりと身体と・・・・自分の上げる鳴き声で覚えて貰わないとね(笑)

志麻はこの後逃げ帰るだろうからおそらくこれが最後だろう。まあ遠慮無くやって頂戴な(笑)
それまでのやりとりの模様にすっかり興奮してしまった様子の医師達が志麻に上げさせる鳴き声を
耳に心地よく響かせながら主任看護生はその時そう考えていたはず。
だが実際には彼女の意に反して志麻は引き下がらなかった訳ではあるが。

何?何なの?この娘は?いったい何を考えてるの?
というよりここまで解らせてやって、いったい何をまだ考える事があるっていうの?

主任看護生はその志麻の様子に一度は苛立った。だがそれは次に志麻にさせる事を考えつくまでの短い間だった。
それならそれでこちら側としては幾らでも頑張ってもらうやり様があるわよね(笑)
乱れる志麻の様子を見おろしながらそう考えて主任看護生は笑ってしまっていた。
考えてみれば志麻の意志でこの後もずっとこれを続けられるというのに何も困る事など有るはずがないのだし・・・・
最高に笑える展開じゃないかしら。





そして今、この部屋で志麻にさせている仕事の内容は2週間前のただ行為されるだけで済んでいたその時よりずっとエスカレートしている。
実際にもそうだったのだがベッドは緊急用の簡易ベッドを含めてすべて予定外の傷病者の為に出払ってしまっているという理由で
志麻にはこの椅子をずっと仕事に使わせてきている。
今日も目の前の志麻は椅子の上の研修生にまたがりほとんどその相手の意のままに腰を振り続けていた。

もっと浅く先端だけを上下に擦るようにして。今度は深く全体を上から下までグラインドするようにして。上下だけじゃなくて
腹をこちらに押しつけるようにして腰を回してみせて。
そう医師に指示されるたびにいちいち喘ぎ声を押さえた声で、はい、と小さく応えて見せて志麻はそんな様子で
医師の指示内容どおりに腰を振って相手の男性器を擦り上げて見せる。相手が射精するまでそれを続けるのである。

相手にしがみついてしまわないで。肩に手を掛けて相手とは一定の距離を保って上下動を続けている最中も背中を真っ直ぐに保つ事。
そうして男性器を咥え込んで行為している最中の自分の裸の姿が相手に良く見える様にして。
志麻にはそう教え込んであった。向かい合って行為中の医師は手を伸ばして上下動する志麻の腰から背中を確かめるように触ったりする。
だがそれは今まさに自分の男性器を咥え込んでいる相手、自分がこれから射精しようとしている相手をよく確認しようとしているだけにすぎないのだと。

同じ様にただひたすら性器を使って鳴き声を上げているだけではなくて、時折は相手に剥き出しの胸を良く見せて瞳で誘うものだと志麻には
指示してある。そして相手がそれに応じて志麻の胸に顔を埋めて舌で乳首を愛撫したり、同様に半開きの唇の奥の濡らした舌を見せるようにして誘って
乳房と交互にキスを受けたりしている最中も、相手は志麻を愛撫しようとしていると考えてはいけないのだと。
あくまでそれは志麻がそうして相手に自分自身をよく確認させて射精に導くための医療行為なのであり、志摩自身が快感に夢中になってしまっては
それは只の性行為になってしまう。看護生見習いの志麻としては自分が医療行為を行っている事を行為の最中では常に忘れてはならず
あくまで同時に相手の性器を擦り上げる集中力を持続し続けていなければならない、と。

それを忘れて快感に溺れ自分が逝ってしまうことに夢中になるようでは看護生とは言えず言葉は悪いけれど・・・・只の淫売だ、と
志麻に向かって釘を指すことを主任看護生は忘れなかった。
まあ・・・・あなたがそういうタイプの娘だとは思わないけどね、と言い添えて。

そうした言葉を真に受けて懸命に腰を振り続け最後には相手を射精させてしまう志麻の姿を主任看護生はその傍らで嘲笑しながら
眺め続けてきた。
医師達も医師達で普段の日常生活での志麻の幼い外見や天然で明るい振る舞いをする志麻の様子、
その志麻と、こうして自分の膝の上で自分の性器を咥え込み激しく腰を振る志麻のギャップ、それに自分の顔のすぐ目の前で
唇をまっすぐに引き結び、うつむき加減に顔を紅潮させながらその頭とお下げ髪を左右に振り、片手を胸の前にあわせて
握った手のひらを口に押し当て必死に喘ぎ声を抑えるしぐさを見せながら、それでもひたすら刺激に耐えて
あくまで医師を射精させる事に懸命な様子を見せる志麻の表情を楽しみきっているように見えた。

元々行為そのものに強くなく逝き易い性質らしい志麻は何人もの相手をする内に何度も軽い絶頂に達してしまう。
今こうして見ている間にも上下動しながら医師の肩に手を伸ばして身体を支えている志麻の剥き出しの肩に軽い震えが走り始めていて
その時が近いのが容易に見て取れた。この体位で自分の絶頂が押さえられない事を悟ると志麻はその快感に眉根を寄せた困り顔で

「ちょっとだけ・・・・しがみつかせて貰って・・・・少しだけペース上げてもかまいませんか?
 すぐ・・・・終わりますから・・・・」

と相手に告げる事になっている。それで了承が得られると向かい合った相手の首に両腕でしっかりとすがりついた姿勢で
相手の肩に自分の顎と頭を載せたまま、器用に下半身の腰の上下動を早めて自分自身を絶頂に導く。
上半身と胸を相手の身体に擦り付けるようにして白い背中にツインテールの髪の束からもつれさせた乱れた細い髪を張りつけたその姿で
そうしてすぐに泣くような掠れ声を上げるのと共に相手の肩に載せた頭と全身を震わせながら、その肩で震える志麻の頭を
その様子に驚いたように抱きかかえたまま苦笑している医師を前に志麻は絶頂に達して、それから少し落ち着くとさすがに少し恥じらった様子で

「済みませんでした・・・・ありがとう・・・・ございます・・・・」

と言うと再び元のペースで医師を射精させるための上下動を再開する。一度逝ってしまった後の身体ではそれもそう長く続ける事はできないのだが
その場合でも2度もこれを続ければ大抵の医師はその志麻の様子と痙攣する志麻の性器からの刺激で射精を開始する事になる。
志麻は相手の頭をしっかりと抱き締め相手の頭に胸を擦り付けるようにして、相手の射精に応えるように長い長い掠れた鳴き声を上げてそれに
応じる。裸の白い背中と腰を医師の最後の一滴まで搾り取ろうとするかのように蠢かしながら。
医師たちはそんな様子を見せる志麻を抱き締めながら性器を2度3度と脈動させて志麻の体内に大量に精液を送り込むのが常だった。

そうして医師の射精が完了したあと、相手の肩に回した手を伸ばしてゆっくりと密着していた身体を引きはがす志麻の汗ばんだ身体からは
少女らしい香りだけでなく同時に濃厚な女らしい淫靡な匂いさえ立ち上って来はじめたように主任看護生には感じられる。
主任看護生はそうしたおそらくは後戻りの効かないであろう変化を志麻に与えている事を充分に楽しんでいた。
まあ・・・・ここまでできるようになれば・・・・立派な淫売というものよね(笑)
それにこうした事のプロでもここまで・・・・献身的な娘はいないかも(笑)。

ついこの間までは椅子に座る医師のリクライニングを浅めにして背もたれを立てたまま志麻に行為させていた。その姿勢だと大柄な医師相手に志麻は
その膝の上の相手の首に手を伸ばし、ほとんど相手にぶら下がった状態で両脚を椅子の背中に回して白い背中をのけぞらせて
ただひたすら相手の突き上げるような行為を受け容れるだけの状態だった。懸命に医師にしがみつく志麻の身体の汗が医師の白衣の前面に
染みてしまっているのが解って中止する事になったのである。
頭に看護帽を載帽させたままその相手に押しつけた腰を持ち上げ揺すり上げられて否応なしに逝かされるだけの志麻の後ろ姿の背中を
しばらくの間、楽しく眺めたものだったが・・・・
今、唇を引き結び懸命に快感に耐えている様子で懸命に自ら腰を振り続け相手を射精に導く志麻の姿の方がそれよりはよほど面白い。

これから・・・・この娘をどうしてやろうかしら・・・・。主任看護生は楽しげに思案していた。
最初にテストした段階で志麻が逃げ帰っていれば話はそこで終わっている筈だったのにね(笑)

とりあえず・・・・一度、大部屋に連れ出してそこで行為される経験をさせておくのも良いかな。
はだけた制服の前を押さえただけの恰好でうろつかせて大部屋のベッドに手を突かせたり、
通路で人気が無くなった頃を見計らって壁に手を突かせて研修医たちに後ろから行為される事を覚えさせてやってもいい・・・・
この部屋の中でこうやって行為させてやっている限りは、あくまで志麻はこれをこの場所だけの特別な経験として考えるかも知れなかった。
一度外で同じ様な経験をさせてしまえば・・・・後々も色々な事をさせやすくなる。考えれば幾らでも志麻にさせる面白い趣向が思い浮かびそうだった。

なにしろこのガガーリン5号がステルヴィアに帰り着くまであと3週間はたっぷり残っているのだ。
身体から立ち上る淫靡な匂いを部屋に充満させたまま、今この瞬間にも医師の上で身体を動かし続ける志麻を目の前に眺めながら、
そう考えはじめると主任看護生は笑いが止まらなかった。
志麻は相変わらず医師の膝の上で白い背中を剥き出しにしながら腰を振り続け男性器を擦り上げ続けている。
明らかに楽しまれながら2回も続けざまに放たれるのじゃあ生理現象の解消も何も理由になってないんだけれどな(笑)

主任看護生はその揺れる長いお下げ髪、相手の顔に胸を擦り付けるようにしながら腰を振り続ける志麻の姿を見つめて
それから自分の携帯端末を取り出して時刻を確認した。
今日は開始時刻が遅くて定時後のナイトタイムになってから始めたから・・・・時刻はもう深夜に近くなっている。
朝までには志麻を部屋に帰さなくてはならない。でないと明日使い物にならなくなるのだ。

明日も明後日もその次の日も・・・・これだけ頑張れる娘にはもっと頑張って貰わなくちゃね(笑)。
元々が色々な才能に溢れた将来有る天才的な淫売なのだろうから、志麻にはもっともっとその本性に相応しいように
なって貰わなくてはならない。まあまだその先の道のりは長そうだけど・・・・
こういうの何と言ったっけ?・・・・
そう・・・・
千里の道も一歩から?(笑)
・・・・違ったかしらね?(笑)

この船がステルヴィアに到着するまでに一体志麻はどんな風になっているだろう・・・・
主任看護生は志麻と医師をそのままにいったん自室に戻る事にして退室する前、最後にこう考えてまた笑った。
そんなの私の知ったことじゃないわよね(笑)、と。

(つづく)


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