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無題 276(◆grMr.KOUTA)様


「あーーもーー!」
せっかくきれいに整えたツンツン髪をかき乱しながらアリサが叫ぶ。
おしゃべりを楽しみつつランチを食べていた一同が注目する。

「…みんな、、いい加減。何としよう!」
「なんだ? いきなり」
「しーぽんと音山くんの事よね…。」
「あの二人か…まったく何を考えているのやら……」

はぁ、と大きくため息をつくとアリサがつぶやく。
「もうこっちったら疲れて帰ってきたら毎日毎日悩んでるしーぽんの顔を見ないといけないからなんか調子狂ってくるは早く仲直りしろって言ってるのに二人とも中途半端な接近を繰り返しては…」
「アリサも大変だな…」
「大変だ…! じゃないわよ、もう疲れた……みんな友達or大親友だったら、、なんとかしてぇぇ」
力無くテーブルにへばりつく。

「あらら。……うーん、でも、二人の問題だし、あんまり口出しするのはどうかしら…」
「私もそうおもってました、はいはい、でも、もういい加減何ヶ月」
「あの、落ち着いてアリサちゃん」
「……何でもいいから、あの二人、好きなんだからいい加減仲直りを…」

「……私も、何とかした方が良いと思う。最近ミスが多い…。地球の未来に関わる。」
「あ、…そーだよ。うん。何とかした方が良い。」
ジョジョが続く。

「でも、どうするの?」


結局、しーぽん光太グレートラブ作戦、と誰が言い出したのか、この作戦は
その日の深夜までかかり、その詳細が検討されることになった。


「で、結局、ベタな案ね…」
「お、俺、疲れた…」

「夜中の3時だから、、私コーヒー入れてくるわね。いる人は?」
力無く手が上がる。

「あー、、でも、作戦はこれで良いとして、どこをどうやって使うんだ?」
「しーぽんなら一発でハッキングね」
「……あ、あの人なら…」
「誰?」


「では……えーと、、作戦を説明します」
「おーー、なんか緊張する」
「本当に協力してくれるとは、光栄です…。」

「え、いや、、私も、仲直りして欲しいし」
「その割には、、過激ですな。」
「……。提案したのは」
「ごめんなさい。」

「えーと、、」
ビッグ4でもっとも親しく色々とあったわけであるが、
その人、町田初佳は、作戦を記した用紙を手に6人の前で手順確認を行う。

「まず、アリサさんが片瀬さんをE3ブロックの使われていない医療研究センターへ呼び出します…理由は?」
「うーん、とりあえず最初の案、私が原因不明の病気にかかって心細い、というありえないやつで行こうかと」
良い案が他にないので、と付け足すと、視線が再び初佳に集中する。

「…まぁ、いいでしょう……。で、精密機器はもって入れないと言って取り上げた上でE3の第1隔離室へ誘い入れてください。一緒に入らないようにね。」
「はーい」
力のないアリサの答えだが、気を取り直して説明を続ける。


「それで、音山くんの方は…結局どうやって呼び出すことになったの?」

「えーと、それなんですケド…」
「思いつかねぇ…あいつよくわかんねぇし…」
「困りました…」
頼りにならない男連中だった。

「あの、…ちょっと良くないんだけど、志麻ちゃんが大けがをして…とかはどうかしら?」

「「「おおー」」」
「えげつなくて却下された案をさらりと…」
「え、やっぱりそうよね……」
お嬢は少し怖いことが明らかになった。

「こほん、、えー、ともかくそれで第2隔離室へ音山君を…入れてください。ロックします。」
「結局できそうなんですか?」

「あそこは建設当時から使われてないし、、セキュリティーキーは見つけました…」
少し罪悪感を覚えながらも、ハッキングに成功している事実を告げる。
再び感嘆の声が上がった。

「いや、そんなにたいしたことじゃ…、、と、ともかく。その後1と2、隔離用のシャッターを上げてご対面」
「でも、同じ部屋に閉じこめるだけで仲直りするのかしら…」
「電気を切る案と、、、…え、エ…」
「エッチな気分になる薬」
さらりと言う晶。
「…そ、それ、は?」

「それは、、過激すぎるのでやめようと…いうことに。」
「そ、そうだよ! あいつらだけそんな」
「ジョジョ……も、、」
「えっ? あ、いや、そ、そんなんじゃ!!」

「えーと、ということで…いいでしょうか」
何がいいのか、だんだんと混乱は深まるばかりではあるが、とりあえず場をまとめにかかる。

「時間とか詳細は私が調整するわ。あとはみんなよろしく!」
「「おー!」」


「……私たち…遅れてる?」
「い、いや、早いとか遅いとか、、そう言うんじゃなくてさ……」
「…ま、まだ……キ、、キスも、、してない…」
「え、、あ、、いや……」
気が付くとすでに解散となり、
しかし、二人の熱い語らいは続く。

その後の事を知るものは居ない。

「ひっ、く、、なんで私が…死んじゃうの? ねぇ?」
本格的な服(?)装のアリサたちに志麻が脅えながら部屋に入る。
「大丈夫! 必ず何とかなるから、今は、ここでしばらく安静に」
「わ、わたし! 元気だよっ」
「ともかく、しばらく安静よ!」
「えっ、あ」
プシューーー
実にそれらしい演技に、涙目になりながら、志麻は無事、閉じこめられた。
「ふっ」
「ばっちりね」


「…はぁはぁ、、ピエール! 志麻ちゃんが大変だって…はぁ、はぁ…」
「待ってたんだぞ、第2隔離室から話ができるから」
「なんか、超宇宙感染症らしいぞ!」

「……そんな!?、、医者はなんて…」
「ともかく! しーぽん心細くて泣いてるんだぞ! 声かけてやってくれ!」
「そうそう! 泣いてたぞ」
「う、うん、分かった。」
どことなく、いや、かなり演技がかったセリフに、あっさりだまされる光太は、
第2隔離室へ入った。

ガシャン!

「え、、あれ?」
てっきり、窓とマイク&スピーカーで話ができるものかと思っていたが
その部屋からは隣の部屋をうかがうことはできない。

[扉が開きます…]

警告音と共に、部屋を遮っていた扉が開く。
唖然と見つめる光太。

「……あ、、、こうた、、くん?」
「志麻…」
「…ひっ、、わたし、私!!」
ばさっ

ベッドに腰掛けていた志麻は、光太に抱きついた。
「ひ、ゃだょぅ…私、光太くん……あ、あれ?」
「志麻ちゃん、超宇宙感染症で身体が溶けてるんじゃ、、」
「へ?」

ようやく冷静になった二人は、事態をようやく認識した。


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