戻る
見えない翼3 612(◆cboFLV.7rc)様
わたしが彼のためにこうした自主練習に参加しているということは、グループの誰かから周りに伝えられてしまっていて
いわば隠れた公然の事実になってしまっていて、そのときわたしがどうなるかがわたし自身には押し隠されてはいたものの
ずいぶん前から大勢の興味の対象になっていたみたいでした。
それで・・・・彼が参加する事になったその日、いつものその自主練習の部屋にはどこからかいつのまにか人が集まって来ていて、
結局わたしは男女合わせて10人以上の生徒たちに囲まれて・・・・まるで・・・・儀式か何かのように彼らに見守られる中で
その時を迎えることになってしまっていました。
わたしはそんな雰囲気の中でいつもと同じように下着を外し机の上で脚を開いて中に浮かせた足を伸ばし、
胸と性器を露出した半裸の恰好で彼に行為されるのを待っていました。
その息を詰めて見守る観客達の中から彼が一歩前に出て、彼はわたしの前に立って・・・・
ズボンの前を開いて自分の性器を取り出して・・・・その先端の膨らみをわたしの性器に銜えさせて・・・・
それから一気にそれを奥まで突き上げました。
その時のわたしは・・・・自分に性器が挿入されて行為が開始されたときから身をよじって泣き出してしまっていて・・・・そして
何故だか部屋の中が静まりかえってしまっていて、それで一層響き渡ってしまっている自分の声で自分のそんな様子を
強く意識させられてしまっている・・・・そんな状態でした。
多分それまでにわたしと一緒に行為したかその練習の様子を見慣れている観客たちは、すぐにそれまでの練習の様子とは
全く違うわたしの状態に気づいてました。わたしはそれまでそんな風に練習の最中に泣き出した事はなかったから・・・・。
観客たちはそんなわたしの様子を見て、期待のような物が入り交じった好奇の目で黙り込んだまま
じっと部屋の中央のわたしを見つめている状態だったのだと思います。
わたしがそれまで想いを寄せていた男子生徒はそんなわたしの様子を見ると自慢げな様子で行為する腰の動きを強めました。
でもその時わたしが泣いたのは・・・・多分わたしが欲しかったのはこんな事じゃなかった、という自責の想いの為だったんです。
想いを寄せている男の子に抱かれる女の子の反応を見るために集まった大勢の人間に見られながら、そんななかで
脚を広げ性器を差し込まれるのは、確かに悪趣味な事だと思います。でもわたしはずっと・・・・それでもいいと思っていました。
どんな風にしてでも彼とそういう関係が持てれば・・・・たとえそれがどんな気持ちのするものであったとしても・・・・
そうすれば自分はただ彼を遠くから見つめていただけのそれまでの自分とは違った新しい自分になれる。
わたしが大嫌いだったそれまでの意気地のない自分とは違った自分に。
それまで自主練習を続けてきて交代で男の子たちに行為されながら、寄せ集めの机の上で足を開き男の子たちの性器を
受け容れながら、そうされながら懸命に起こした上体を肘を張って支えて、腰を浮かせて突き上げる男の子たちの性器の動きに
自分も腰の動きを合わせながら、そうして懸命にぐらつく机の上でバランスをとりながら、ずっとそんな行為を続けて自分に
覆い被さった相手の顔を見つめ、そうすることでやがて身体の中に何度も何度も送られてくる事になる精液の感触を受け止めながら・・・・
そんな風に自主練習を続けながら・・・・そんな時ずっとわたしが心の中で考えていたのは、そうすることで今までの自分とは違う・・・・
別の新しい自分に変わることができる、という想いでした。
わたしは練習の合間に同じくこの練習に参加している女の子達とも親しくなっていて、卒業した後の進路で彼女たちが
予定している新しい生活、今までの延長線にあってその大抵が好きな男の子と恋愛して二人であんなことやこんなことがしたい、
あんな場所やこんな場所に行きたい、といったその女の子らしい内容の夢をわたし自身も夢見たりしていました。
多分・・・・そう上手くはいかないとは思うけど、わたしもわたしがずっと好きだったあの男の子と恋人同士になれれば
そんな恋愛の夢を見ることができる。そんな自分になれる。そんな風にも考えていました。
でも・・・・その彼との行為が始まってわたしが感じていたのは・・・・
これは結局・・・・ただのセックスでわたしが夢見ていたものなんかじゃない、という当たり前のものでした。
今、ずっと想いを寄せてきた彼との行為はそれまでの男の子たちとの物と同じ。ただ性急に腰を振る彼の性器に
揺り動かされるわたしが居るだけの行為なだけ・・・・わたしの両足を掴んでそれを広げながらひたすら自分だけの感覚に集中して
わたしのおなかの上に顔から落ちる汗まで伝わらせながら腰を振るその彼の姿は、それまでの男の子たちと同じくわたしには
とても幼く頼りなく見えていました。それは今までずっと想いを寄せながらわたしが見つめてきた彼の姿とは違っていて・・・・
わたしはそんな彼との恋愛の夢を見続けることができない自分に気がついたんです。
わたしは・・・・多分わたしは・・・・自分の、あなたが好きですという気持ちだけで走り出してしまっていて・・・・
それでこんな自主練習にまでずっと参加し続けて・・・・それでもそれが自分の一人芝居であることに気づくことさえ出来なかった。
今わたしはそんな夢を見続けることが出来ない自分に気が付いて、もうそれは後戻りができない。
結局わたしはこの自主練習に参加して別の新しい自分に変わることができたのかも知れないけれど・・・・
ようやく自分中心な腰の動きから伝わってくるわたしの性器の感触に満足したかのように彼が射精を始めて、それが終わって
身体の中心から満足げに濡れた彼の性器が引き抜かれるのを感じながらわたしは考えていました・・・・
変わることは出来たのかもしれないけれど・・・・。それでも今のこの時のわたしは・・・・自分の想いに夢中で一人芝居を続けた挙げ句、
その想いをとげるわたしの様子を見届ける為だけに集まった大勢の前で、部屋の中央の寄せ集められた机の上で、そんな中で
行為が終わった後のぐったりして伸ばしたわたしの足を広げて・・・・そのわたしの両脚の中心から、わたしの性器から
男の子から送り込まれた後の精液を溢れ出させて机の上に伝わらせている、そんなわたしの姿を周囲の視線にただただ晒していて・・・・
そんな自分の姿を皆に見て貰っている、そんな・・・・馬鹿な女の子にすぎないんだ、と。
でももう後戻りはできない。
いつものわたしの様子とはまるで違った反応を見てすっかり興奮してしまった男の子達が、そんなわたしの状態の
おこぼれにあずかろうと慌ただしく次にわたしに行為する男の子の順番を取り決めている様子の中で・・・・
その時わたしは・・・・そんな風に考えていたんです・・・・」
「その2週間後、わたしはわたしの住んでいた地区のステルヴィア進学の為の面接試験に参加しました。
試験の方は最終的にわたしの地区から8名が面接まで残っていて、女子が6名で男子が2名。そのほとんどが後方部隊の
エンジニアや看護生志望で、パイロットとして適性が認められてここまで残っていたのはわたしひとりでした。
何度か行われる予備面接はその度、ステルヴィアからやってきた面接官のいる場所に私たち全員が集められて
そこで行われるという形式になっていて、私たちの地区を担当していた面接官はステルヴィアの保安部門の責任者の方で
いつも武装した保安部員を引き連れて歩いている規律に厳格そうな印象の方でした。
その日行われたのは予備面接のうちのひとつで、面接もすでに数回が終わって最終面接が近い時期の物でした。
会場となる宇宙局の施設の一室では、いつもまず最初に面接官が部屋に集められた私たちの前で長々と
ステルヴィア進学にあたっての心得を訓辞するのが決まりになっていました。訓辞でいわれる内容はいつもだいたい
決まっていて、私たちはそれを起立して直立不動のままで聞いていなければなりませんでした。
「合格すれば君たちはステルヴィアでセカンドウエーブを体験しその為のグレートミッションの一翼を担う事になる。
グレートミッションは知っての通り人類の存亡を賭けて行われるもので一切の予断が許されない物である以上、
そこへ参加する事になる君たちは普通一般の学生ではない事を当然理解しているものと思う。
このような厳しい状況下でステルヴィアの一員となる君らには当然厳密な資質が要求される。それは
ステルヴィアはその設立目的の為に全員が協調して事にあたるひとつの確固たる社会であって
その社会の成員となる君らにはまず第一にその社会が要求する集団の義務に対する各個人の責任感の自覚と
任務を遂行できる忍耐力という重要な適性が必須だということだ。それが充分でない者は集団の不適格者として
この場を去って貰う事にならざるを得ない・・・・」
そんな内容の訓辞が終わった後、私たちは個別に行われる面談の他、集団で各面接官の任意で行われる色々な審査、
健康診断や筆記、口述試験を受けることになっていて、その日は女子受験者だけが集められて会場となっている
施設の建物の裏口に止められた装甲付きの兵員輸送車の前に集合しました。その中で特殊な健康診断と
適性審査が同時に行われるという説明でした。
面接官付きの武装保安部員の一人から私たち女子受験生の最初の3名が前に出るよう命令されて
兵員輸送車の入り口の一つから中に入っていった後、20分ほどして私たち残り3名も中に入るよう指示されて
中に入った私たちが感じたのはまず狭い車内のむせ返るような匂い、そして湿った空気だったように思います。
運転用のモニタの光以外に採光のない薄暗い車内に目がようやく慣れると、壁に沿ったベンチが2つ、その一つに
装備をつけたままの保安部員たちが3人並んで座っているのが見えて、その他に面接官の保安部門責任者の方が
運転席の近くに立っていました。そして、意外に奥行きのある車内の向こうにはカーテンの仕切が引かれてあって
その向こうからは先に車内に入った3人の女の子達のものと思われる、まるで唇を噛んで押し殺しているかのような
喘ぎ声が聞こえてきていました。
「彼女たちは今、社会参加に必要となる忍耐力をきちんと身につけているか、その審査を受けている。
順番が来るまで君たちはそのベンチに座って心構えをしていたまえ。」
保安部門の責任者の方は空いているベンチを指し示して私たち女の子にそう言いました。
私たちはそれからさらに20分間、そこで最後には泣き声に変わりつつあったカーテンの向こうの声を背筋を伸ばして
ベンチに座ったまま聞き続けて、そしてそれから決められた時間が過ぎてカーテンの向こうから女の子達が姿を現し
私たちの間の通路を通り抜けて外に出ていくのを見送り、そしてその後、合図と共に起立して
それぞれ私たちの横に立った保安部員に腕を取られてそのカーテンの向こうへと移動しました。
戻る