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1スレ361-365 (無題) / 93◆rJHrbLE77o氏

風が吹き渡って、瓦屋根を揺らす。
障子の色も薄鼠の夜更けは薄寒さが一段と強かった。
女性の喘ぐような息が奥の一室でひっきりなしに響いている。
肩ほどで切り揃えられた黒髪がもがく動きで乱れて井草のかおりにもつれた。
「何の、つもりよちょっと…!」
「何って。分かってるじゃん」
ははは、と緊張感のない不気味な声が降ってきて
春日夜未はよりいっそう身体を捩らせた。
両手首を頭上で畳に押えつけられたままの姿勢なので腕がぎりぎりと軋む。
着物の帯にもう片方の指がかかった。
「面倒なんだよね、これ。取っちゃっていい」
「いっ、……!この、変態ッ」
彼女は唇を噛み、黒い塊を睨み上げた。
夜行の頭領はその顔を見て心底軽蔑したように口をゆがめて笑う。
「変態ってひどいな春日さん。
 ある程度年がいった男女なら誰でもする極々一般の行為だと思うけど。
 それに、仕方ないじゃん。君、闘えないでしょ」
「……これくらいは役に立てって言いたいわけね」
夜未は部屋の隅に淡く光る立方体をちらと見遣った。
中の小瓶がどのような様子かまでは、暗がりで見えもしない。
「あんた、最低よ」
息を殺し、毒づいて顔を背けたまま全身の力をくたりと抜く。
失望に似たやる気のなさを見とめたのか、正守が目の色を深くする。
それでも手の動きを休めることはなく器用に着物をほどいて
彼女の肌を少しずつあらわにしていった。
ひどく白い。
腰を上げたりしながら脱ぐのに協力している夜未の目は相変わらず虚ろだった。
声だけがぽそりとはき捨てる。
「……ねえ」
「何」
「ヨキに見られたくないの」
「ふうん。だから?」
一瞬柔らかな肩に力が入った。
それでもすぐ、また諦めたように畳に四肢が落ちて溜息が漏れた。
敷いた布団に腰を落としたまま男がそれを観察していると、
やがて嫌そうに白い上半身がのろのろと起き上がってくる。
「何すればいいの?ご主人様」
「舐めてよ」
表情のない会話に被さって夜の冷気が染み透ってくる。
フン、と鼻を鳴らして夜未は膝を進め、既に露わになっていたそれへ首を屈めた。
確かめるように温い息をは、と吹きかけて横から咥える。
唇でゆっくりと上下しながら舌で側面をゆっくりつつく。
男特有の匂いが鼻につくのか、時折唾液を飲み込んで息継ぎをし、それを続ける。
それから鮭色の舌で根元まで、唾液を乗せて辿っていく。
半勃ちだった肉棒が反り返り大きさを増した。
目下で動く黒髪を無骨な指が軽く叩く。
応えるように小さな口が亀頭を呑み込んだ。
「ふ、…ふっ、ん」
巧みに舌を使いながらゆっくりと頭が上下する。
時折頭を離しては先端だけをちろちろと舐め、唾液を手にたっぷりとつけて
両手のひらで指先を這わすように扱きたてる。
低い息が薄暗い部屋に掠れて、夜未の漏らす吐息と音が混じり合った。
いくらもしないうちに、正守が頭を押えながらぐっと腰を押し付ける。
同時に吸い出すほど強くカリを咥えられて白い粘液が彼女の喉の奥まで迸った。
手が離れると苦しげに首を振って口を放し、彼女は残りを手のひらでも受け止める。
丸い肩がしばらく震え咳き込んでは吐き出し、口や頬についたものを拭う。
「…これで満足?」
掠れ声で吐き捨てて夜未は手のひらの中で糸を引く残滓と一緒に
それを弄び、嫌そうに眺めた。
口元が笑みの形に歪む。
「幾ら偉そうにしたって所詮はこんなもの?他愛ないのね」
直後、布団に肩ごと押し付けられ覆い被さられて
状況を認識する間もなく膝裏から太ももへと生温い体温が滑っていった。
押し倒されていると気付く前に薄く湿った入り口に指があてがわれる。
ひどく強い力で押えつけられたまま指を突き入れられてかき回され、
夜未は苦しげな悲鳴を上げた。
「あぁ…!や、んっ」
とはいえそれも最初だけで、すぐに背を何度も逸らして甘い声をあげはじめる。
夜行の頭領は声が出るたびに泣き出しそうな目で唇を噛む女を黙って見下ろしながら
よりいっそう攻めを激しくして親指で肉芽を擦った。
逃げようと身体を捩る夜未を逃がさず斜め後ろから押さえつけ、
背中に覆い被さってさらに指を二本に増やして入り口を強く掻く。
夜未は縋りつく先もなく(けして上の男には触れようとしなかった)、
黒髪を乱しながらシーツをしゃにむに握ってもがき苦しんだ。
そのシーツにも水滴が止まることなく落ちかかり染みになっていく。
首筋に荒い息がかかるのにさえ震えてしまう自分のふがいない身体に
悔しさで泣きながら夜未は喘ぎ続けた。
どこよりも弱い天井を引掻くように擦られて一際高い声で喉が泣く。
「うう、っ・・・、ぁ、あっあ、あ…ッ!」
びくびくと指を締め付け柔らかい尻が何度も突き出すように痙攣する。
長い絶頂の後、悔しげに顔を埋めたままの鬼使いに頭領がにやにやと笑った。
薄暗い中にもできた影で、振り返りかけた耳元で黒髪が揺れる。
「まさか、こんなにもたないとは思わなかったよ。
 意外に敏感なんだ、君」
「君、って言うのは止して…っ。年下のくせに」
耳元で囁かれて夜未は痛いほど奥歯を噛んだ。
はぁ、はぁと荒い息をつきながら悔しげなうめきが布団に押し殺される。
「最低よ、あんた……」
もう一度呟き、彼女はシーツを引掻いた。
夜行の頭領は、
「知ってるよ」
とさらりと笑い、無表情でまた彼女に覆い被さった。


こうですか!わかりません!ノシ

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