一誠「お前、よくデートでこういう店来てたんじゃないのか?
俺よりよっぽど慣れてると思ってたんだけど」
希美果「ううん、こんな高そうな店初めてだよ」
意外な言葉だった。
今までの緒方の彼氏は緒方のためにちょっとくらいは奮発してやらなかったのだろうか。
一誠「じゃあ、今までどんな店でデートしてたんだ?」
希美果「一番良くてもファミレスかなぁ。トリアノンくらいの。
あとは牛丼屋とかラーメン屋とか立ち食い蕎麦とか……?
あ、あたし天玉蕎麦が好きで……あれ? 一誠なんで泣いてるの?」
俺は緒方のあまりの不憫さに涙を我慢できなかった。
こいつ本当に、男運悪かったんだな……。
いや、そもそもそいつら緒方をまともに相手してない。
一誠「緒方っ! 今日は何でも好きな物腹いっぱい食ってくれっ!
あ、俺はいいからこれも食べるか?」
自分の皿をすずっと緒方の前に差し出す。
希美果「……どうして微妙に馬鹿にされてるように感じるのかしら?」
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