妄想的5題
1:開いた太腿(佐慶)
引き寄せられる、と、漠然と思った。
意図せずして、咽が鳴る。
伸ばした指先で、布の上から膨らみへと爪を立てた。
甘やかな喘ぎと共に、微かに、脚が揺れた。
同じく揺れる瞳に、もう我慢などする必要はないと確信した。
2:くぼんだ所(幸慶)
「甘い香りが致しまする」
「香油、付けてるからな」
「いいえ」
持ち上げる右腕。
脇の下は僅かに窪む。
幸村の鼻先がすっぽりと納まって、当たる鼻息が慶次にはくすぐったくてたまらない。
「慶次殿の、濃密な」
つ、と舌が触れていく。
そこが幸村の唾液で濡れて滴って、慶次の身体を伝っても。
3:まるめた指先(親慶)
「慶次、アンタの相手はこの俺だぜ?」
「…元親…」
「俺に全てを委ねろよ」
耳元で囁かれる声。
咽仏へと滑り降りる舌先。
開いた胸の上に落ちてきた唇。
丸めた手に重なる大きな掌。
それが合図の様に、掌を開き、指を絡めた。
そして身体も絡まって。
4:赤く尖らせた(政慶)
身体が反応するのを他人事のように見てた。
政宗の赤い舌先が、おんなにするみたいに、俺の胸の先に触れる。
妙な疼きが、股間に走る。
ぷくり、俺の胸の先が膨れて、尖って。
赤く熟れた。
政宗は、満足そうにそれを、口に含む。
吸われて響く濡れた音まで、口に含んでほしかった。
「政宗の、ばか」
「…ここも尖っちまったのか?」
見上げた唇から滴る唾液が淫猥で、俺は、唇も尖らせた。
5:解きほぐされて(佐慶)
佐助は、慶次を押し倒す。
ごちゃごちゃと考えていたことがバカみたいだった。
「大好きだからね」
「うん、知ってる」
笑顔で首に手を回されて、慶次の胸元へ頭を落とした。
佐助の気持ちはもう完全に、柔らかく。
「簡単なんだよ、佐助」
ああ、そうだね。
この気持ちさえあれば、性別も、何も。
温かく深い気持ちに埋れて、堕ちて、佐助は満足げに、微笑んだ。