社会人:野比のび太
抹消さん 作
第一話
結局、僕は「だめ人間」というレッテルを貼りっぱなしだ。せっかく転機があったのに…
社会人:野比のび太
あの日、彼と別れてから僕は彼に教えてもらったジャイ子ルート(ギャルゲーのやりすぎでしょうか)を阻止すべく、
浪人しないように必死に頑張った。そのおかげで高校・大学は浪人せずに入ることが出来たが、就職浪人になってしまった。
「僕の会社で働かない?」
幼馴染の一言で僕の浪人生活は幕を閉じる。そのとき俺は世間的に見ても嬉しい出来事だったのかもしれないが、
実際は違かった。なぜか、俺は理想に向かって走っているから。理想というのは絶対に届かないものだったからだ。
結局僕は変われなかった、結局僕は「だめ人間」のままだった。
「野比さん、この資料を集めてくれませんか?」
変わらないということにもいいことはある。小さいときからずっと一緒で、
ずっと好きだった人と同じ職場で働くことが出来るのだから。でも、僕は彼女につりあうのか、
こんな「だめ人間」があの人と対等に付き合うことが出来るのだろうか。そんなことを電話の音が鳴り響くオフィスの中、
白いプラスチック製のデスクで顔をくっつけながら、窓の外で広がっている秋の風を眺め一人、悶々と迷っていた。
「しってるか?人っていうのは互いに自分にないものを差し出して一緒に生きる生き物なんだぜ?
はい、これオマケな。」by 幼馴染の雑貨店店長
「芸術ってヤツはでこぼこしてるから良いんだ。人も同じだ、でこぼこしてるから魅力的なんだ。」
by 現在一緒に飲んでいる俺を会社に誘った幼馴染
そういうことを言ってくれるのはとってもありがたいのだが、果たしてそれが本当なのだろうか?
おごってもらった高いカクテルを一気飲みした。その酒が俺の頭をたたき更に自分を苦しめていく。
「んあこといったってさ、似たもの同士くっつくに決まってるだろ?ほら、あいつだよ。」
「そこまでネガティブになるなよ、あいつよりお前の方に静香ちゃんは気があるんだってば。
アイツとお前の対応を良く考えろよ、ニブチンだな。」
アイツと僕の対応?僕は彼女に部下としか見られていない、そんで持って彼とは対等な関係を保っている。
どう見たって僕に利はあるわけ無いじゃないか。くそ、ほんといらいらする。僕はバーテンに爆弾をたのんだ。
「おいおい、もう終わらせるつもりかよ。」
どうしても早く酔いたかった、だって俺には…
「俺のいいところってどこだ?」
久々にジャイアンの家で幼馴染で集まって聞いてみた。
「あやとりか?ガン捌きか?」
「それはガキの時だけだよ。」
「それじゃあ、きっちり睡眠が取れるところ?」
「もうちょい実用的なことは?」
「ないな。」
酒の勢いで聞いてみたところ何も無かったようだ。改めて長所が無いといわれるのは結構きついことだったり。
「あなたにはあなたのいいところがあるわ。」
と静香ちゃんは励ましてくれるが、その同情が結構痛かったり。みんな笑ってくれているが僕の事を本当は
どう思っているのだろうか。やっぱり使えないやつなのかな。
「でもそんなところ結構私は好きだよ。」
「はは、俺もだ。」
「僕もさ。」
く、静香ちゃんにだけ言ってもらえば嬉しかったのにお前等わざと…
「そんならイカズゴケになる前に付き合えばどうよ?」
「え、う~ん。」
「丁度同じ会社なんだし良いんじゃないの?」
ナイスお前等!前言撤回!
「それはちょっと…」
「がははは、だめだってさ、ははは!!」
そこまで笑うこと無かろう、さっきの言葉も前言撤回だ。やっぱり僕と静かちゃんは結ばれないのだろうか。
考えていくうちに前にスネオとのみに行った事を思い出してしまった。嗚呼…
「一緒にのみに行かない?」
仕事帰りの一声だった、上司が部下におごるということは極当然の事であり、
プライベートで呼んでることではないということに感ずく。それでもやはり嬉しいものだ。
「いきます。」
イスにかけてある上着を取って就職祝いに母に買ってもらった銀色のごっついアタッシュケースに荷物をまとめ
夜のネオン街へとしゃれ込んだ。
「最近どう?」
いつも行く大手チェーン店系の居酒屋だ。嬉しいことについてきたのは僕だけだった。
つっても僕が残業を一人で手伝っていたわけで、足手まといなので頑張ろうとした努力が報われたといえる。
「まあ、ぼちぼちですね。」
まあ、社交辞令として無難なのはこのセリフだ。からまれるのはあまり好きじゃないし、しゃべりやすい道を切り開くのにも最適だ。
「ふーん、最近私ね告白されちゃったんだ。」
流石にこのセリフには口からさっき飲んだビールと焼き鳥が口から吹き出そうになった。酒の行き酔いもあるだろう、
もしくは幼馴染だから…
「へ、へ~誰からかは聞かないけどどうするの?」
「聞いてよね~つまんない。」
怖くてはっきりと聞きたくなかった。だってそいつのスペックが……怖い。
「私も歳だと思うけど、やっぱ好きな人居るし。」
「その歳でまだ?」
「う、うるさい!」
どういうことだ、とりあえず荒波が一つ消え去ったが超巨大な荒波の卵が出来たということか?
「言ってみなよ、相談に乗ってあげれるかもしれないし。」
そうだ、夢を持っちゃいけない。俺が生れ落ちてからの教訓だ、決して叶う夢なんかありはしない。
低い人間は高い夢を見て決して届かない。なら、高い夢を眺めるだけでもいいのかもしれない。
俺はなんて卑屈なのだろう、でもそれが現実だ…
「まだわからないの?幼馴染なのにね。」
静香ちゃんの態度はさっきまでグデグデだったはずが元のきりりとした態度に戻った。
そして勘定をおいてさっさと先に帰ってしまった。
「だ、だれだ!」
オレかも!という淡い希望を信じられずに俺は一人居酒屋に居る。
「出木杉だろうな…」
アイツも静香ちゃんのことが好きだったということを僕は知っている。
お似合いのカップルだというのは誰が見てもわかる。オレは覚悟を決めたんだ。
彼女を見守ろう…
結局オレはむしゃくしゃして静香ちゃんが帰った後、一人で自棄酒をたしなんだ。
第二話
その1
頭が痛い、痛すぎる。
昨日からずっと飲んでは吐いて飲んでは吐いての日々だったからとっても朝日が憎らしい。
「飲むんじゃなかった…」
朝早くから座っている椅子に待たれかかる。そんでもって朝早くに買って机に置いといた栄養剤を一気飲みした。
「あ~きもちわりぃ。」
机にある仕事がはかどらない。それでも頭を押さえながら腕を動かし続けた。
「今日はおとなしく寝るべきかな。」
外はすっかり暗くなり、時間も夕飯時になり仕事が終わりかけてきた頃だった。
「今日、大事な話があるんだけどいいかな?」
出口の方から聞こえてくるのは一点のしわのないスーツを着こなした野郎だ。インテリ野郎だ。
そんなやつが静香ちゃんを呼んでありきたりで俺にとって憎たらしい言葉を吐きやがった。
「大丈夫時間空いてるから。」
ああ、僕は明日の朝日を怨まなくてはならない。しっかり追尾することにした。
ある人が言った
「人間はばかげている虫けら一匹作れないのに神様なら何人もつくるのだから」
「神とは究極の道徳等を持ち合わせた完璧な人間である(注:作者のうるおぼえです)」
僕は頭が悪いので本はあまり読まないほうだったがこういう本だけは高校時代に読んだ。
ゲーテのファウストとかサルトルの嘔吐とか、じぶんのアイデンティティが確立されてない時期なので当然なのだろう。
そんな本のおかげでそして彼との出会いで僕は自分の実力でやっていく無宗教な人間になっていたと思ったが、
やはり心の奥底に神を信じる神にすたる自分がいる。
誰でもいいからこいつ等を止めてくれ!
もう一つ、僕の心の底にあったのは彼女を諦められない気持ち、それでも自分につりあわないというプラグマティズムというジレンマ。
結局取った行動は、少女マンガのように胸ポケットに入れていた眼鏡拭きを噛みながら二人を電柱の後ろで見ているぼく。
周囲から異端視されていることはわかっていたが、そんなことは関係あらへんどす!(なぜ極妻だろう?)
「少しお酒でも飲もうか?」
にこにこしゃべりやがって!このインテリがああ!!しかも二つ返事で受け入れん「じゃねーよ!!
「ん?だれかいるのか?」
最後の方はつい口からはみ出してしまったようだ。スグに人ごみの中に隠れられたから良かったのだが。
それから3時間後、買っておいた牛乳とパン(刑事ドラマの見すぎです)食いながら待っていたところ二人が店から出てきた。
「少し歩こうか?」
二人ともすっかり真っ赤になって出来上がっている。こいつぁ、ベットインコースに行っちまう!!押さえろ野比のびた!!!
早とちりかも知れん、此処は様子見だ。
「丁度公園がある少しベンチに座ろうか」 すぐさま先に回って彼等の座るベンチの後ろへと回った。
「夜風が気持ちいいね」
今日は寒い、明日風邪ひくかも。
「僕、キミに話しておきたいことがあるんだ」
「なに?」
「単刀直入に言う結婚してくれないか?」
………ベンチの後ろに隠れているアホが青姦について妄想している頃話は急激に進んで言っている。
大体よそうしていた出来事だが邪魔してやりたい。でも手が出せねーし…祈ろう!
バイオモドキ…じゃなかったクライスト…キリスト教は好かん、ええい神様どうか私をおすくいくださいまし!
いや、どうかあのインテリやろうに天罰を!
第三話
興奮しながら、僕は妙なことをつぶやき始める。その言葉が通じたような通じなかったような、
「返事は明日にしてもらえないかしら?」
9回裏2アウト満塁状態
いや、 9回裏ノーアウト満塁みたいな感じだ
社会人:野比のび太
「ああ、時間を戻してやり直したい!!」
プロポーズ大作戦に上手く妖精さんが現れるわけでもなく、使い古した鉄の机から彼がやってきてくれるわけでもなく……
「今ピンチだから来てくれないのかな?」
と、淡い期待を抱きながら机を開けてみるとその中には紙切れ数枚と数本の鉛筆・赤ペン・消しゴム・ボールペンしか
入っていなかった。
捜しているうちにふと思った、
「よく考えたら静香ちゃんと結婚しないと人生終わるんだよな…」
彼の出会いは僕の人生を立て直すのが原因だ、静香ちゃんと付き合わないのは彼に対する冒涜かもしれない。
「それに…」
おれはまだ彼女が好きなんだ……自分が思っているほど不可能な組み合わせじゃない……能力が何だ…そんなもんくそくらえだ
ドラえもんはきっと僕に「過去を変えること」が大事なのではなく「未来を変えること」が大事だといっていたかもしれない。
「きっとそうだ…結局僕は自分で切り開くことをドラえもんに教えてもらったんだ」
自分の葛藤から生まれた答え
好きです…結婚してください
出木杉よりも早く言ってやる
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