J・S・バッハ/ブランデンブルク協奏曲第1番

マイケル・トンプソン他(1984)

CD1(DECCA POCL-4777)
CD2(DECCA POCL-4778)

バッハ/ブランデンブルク協奏曲全集
CD1
1.ブランデンブルク協奏曲第1番ヘ長調BWV1046a
                 (第1版)
2.      〃       第2番ヘ長調BWV1047
3.      〃       第3番ト長調BWV1048
4.2台のチェンバロのための協奏曲
           第1番ハ短調BWV1060
CD2
5.ブランデンブルク協奏曲第4番ト長調BWV1049
6.      〃       第5番ニ長調BWV1050a
                (第1版)
7.      〃       第6番変ロ長調BWV1051
8.2台のチェンバロのための協奏曲
           第3番ハ短調BWV1062

キャサリン・マッキントッシュ(ヴァイオリン)(1、2&6)
ミシェル・ピゲ(オーボエ)(1)
ミシェル・ピゲ(リコーダー)(2&5)
ク・エビンゲ(オーボエ)(1&2)
クレア・シャンクス(オーボエ)(1)
マイケル・トンプソン(ナチュラルホルン)(1)
ヘリック・ウォーノ(ファゴット)(1)
フリーデマン・インマー(トランペット)(2)
クリストフ・ルセ(チェンバロ)(4&8)
クリストファー・ホグウッド(チェンバロ)(4、6&8)
ヤープ・シュレーダー(ヴァイオリン)(5)
サビーネ・ワイル(リコーダー)(5)
スティーブン・プレストン(フルート)(6)
トレヴァ−・ジョーンズ(ヴィオラ)(7)
ジャン・シュラップ(ヴィオラ)(7)
ティモシー・メイソン(チェロ)(7) 
クリストファー・ホグウッド指揮
  エンシェント室内管弦楽団
  録音 1984年7月(1〜3&5〜7)ロンドン
      1987年7月(4&8)パリ

 クリストファー・ホグウッド率いるエンシェント室内管弦楽団によるブランデンブルク協奏曲全集と2台のチェンバロのための協奏曲です。ブランデンブルク協奏曲の第1番と第5番は第1版による演奏です。
 ブランデンブルク協奏曲第1番は第1版で3つの楽章で構成されます。第3楽章のアレグロがなく、第3楽章はメヌエットになります。第1楽章の古楽器独特の響き、ナチュラルホルンホルンの大きな音やオーボエの響きがバッハらしい音作りになっています。2本のホルンと3本のオーボエがにぎやかに響きます。第2楽章のオーボエ・ソロはきれいな響き、次いで流れるヴァイオリンはオクターブ低いのでびっくりします。第3楽章はアレグロではなく、通常は第4楽章にあたるメヌエットが演奏されます。管楽器の響きがきれいなメヌエットです。第1トリオのオーボエ三重奏はファゴットに支えられて大変きれいな響きです。中間のポロネーズはありません。第2トリオのホルンとオーボエのの演奏はよいアンサンブルです。ナチュラルホルンが素晴らしい演奏です。
 第2番はインマーのバロック・トランペットが華麗に響きます。リコーダーが良い響きです。第2楽章ではピゲのリコーダー、エビンゲのオーボエとマッキントッシュのヴァイオリンが良い響きを出しています。第3楽章のトランペット、リコーダー、オーボエとヴァイオリンの絡みは実に素晴らしい演奏です。
 第3番は第1楽章のエンシェント室内管弦楽団の厚みのある響きの演奏が素晴らしい。第2楽章のアダージョはチェンバロに載ったヴァイオリンの短いカデンツァがあります。第3楽章の弦楽アンサンブルは素晴らしい演奏です。
 2台のチェンバロのための協奏曲第1番ハ短調はオーボエとヴァイオリンのための協奏曲ニ短調BWV1060と同じ作品です。こちらが原曲のようです。ホグウッドとメイソンの2人のチェンバロによる演奏です。オーボエとヴァイオリンの方が親しみやすいですが、こちらもまた良い響きです。
 第4番では2本のリコーダーを使っています。ミシェル・ピゲとワイルのリコーダーの透明感のある音色は美しくて感動します。ヴァイオリン・ソロも素晴らしい。第2楽章:アンダンテはリーコーダーの響きがまた素晴らしいものです。第3楽章もフーガの軽やかな演奏が楽しそうです。
 第5番は第1版による演奏です。プレストンのフルート、マッキントッシュのヴァイオリン、ホグウッドのチェンバロによる演奏です。冒頭の軽やかな弦楽による演奏に続くフラウト・トラヴェルソ、ヴァイオリン、チェンバロがさわやかです。フラウト・トラヴェルソのやわらかな音色がきれいです。ホグウッドのチェンバロ独奏が聴きものです。第2楽章はフルートとヴァイオリンのソロにチェンバロの響きがやわらかで素晴らしい響きです。第3楽章の跳ねるようなリズムはヴァイオリンとフルートの息の合った演奏が聴きどころです。そこにチェンバロのきらめきが加わって大変楽しい雰囲気が伝わってきます。
 第6番は2つのヴィオラ、2つのヴィオラ・ダ・ガンバ、チェロと通奏低音によります。第1楽章から重厚な素晴らしい響きになっています。この作品はヴィオラが主役のようになって演奏していますがチェロの響きも良いものです。第3楽章も素晴らしい演奏になっています。
 2台のチェンバロのための協奏曲第3番は3つの楽章で構成されています。原曲は有名な2つのヴァイオリンのための協奏曲ニ短調BWV1043です。バッハが2台のチェンバロのために編曲したものです。


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