ジャン・フランセ/ディヴェルティメント
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CD(NAR NARD-5044)
ホルンとギター&ホルンとピアノ
1.ジェルヴェーズ/アルマンド(松尾編)
2.モーツァルト〜カルッリ/ヴァイオリンとギターのための
「フィガロの結婚」の8つのアリアより
1)自分で自分がわからない
2)もう飛ぶまいぞ、この蝶々
3)恋とはどんなものかしら
(ホルンとギター編)
3.モーツァルト/ロンド変ホ長調K371(松尾編)
4.コレット/ホルンとギターのためのソナタ イ長調
(ルロワール編)
5.グリエール/ロマンスOp35−6
6.スクリャービン/ロマンス(ルロワール編)
7.ラフマニノフ/ロマンスOp6−1
8.フランセ/ディヴェルティメント
9.グラナドス/オリエンタル(松尾編)
10.栗山和樹/組曲「もうひとつのグラナダ」
〜ホルンとギターのための
11.モーツァルト/アヴェ・ヴェルム・コルプス(松尾編)
丸山 勉(ホルン)(1〜10)
〃 (フリューゲルホルン)(11)
松尾 俊介(ギター)(1〜4、9〜11)
岡崎 悦子(ピアノ)(5〜8)
録音 2013年6月17〜19日
横浜・かながわアートホール
丸山勉のソロアルバム第2作は26年ぶりの録音です。バロックから現代までの作品をギター伴奏で演奏した斬新なアルバムです。なお3つのロマンスとフランセの作品はピアノ伴奏です。
ジェルヴェーズ(1525〜1583)のアルマンドは5つの舞曲の中の1曲でルネッサンス時代の音楽をホルンで吹いたものです。ギター伴奏がよくあいます。
モーツァルトの「フィガロの結婚」の8つのアリアはカルッリがヴァイオリンとギターのために編曲したものをピストロッジがホルンとギターのために編曲したもので、その中から3つのアリアを演奏しています。「自分で自分がわからない」ケルビーノのアリアですがホルンで吹くとまるでホルンのために書かれたような歌です。モーツァルトのメロディの美しさが素晴らしい。フィガロのアリア「もう飛ぶまいぞ、この蝶々」はホルンで吹くととても楽しそうです。ケルビーノのアリア「恋とはどんなものかしら」も同様です。モーツァルトの作品の素晴らしさを改めて感じます。
モーツァルトのロンド変ホ長調K371をギター伴奏で演奏というのは面白いです。丸山がのびのびとホルンを吹いていますのでこれもまた良い趣向です。なお版は古いもので冒頭の提示部を欠いた昔の版からの編曲です。丸山のホルンは滑らかできれいなレガートが素晴らしい。
ミシェル・コレット(1707〜1795)のホルンとギターのためのソナタは原曲についての記載がありませんが、エドモン・ルロワールがホルンに編曲したものです。他に録音がみられませんので大変貴重な録音になります。作品は18世紀フランス王朝時代の優雅な響きを思わせる大変ロマンティックな作品で3つの楽章で構成されています。
グリエールのロマンスは4つの小品の中の1曲で度々演奏される名曲です。丸山のホルンのやわらかな響きがきれいです。スクリャービンのロマンスも人気のある作品です。こちらも大変ロマンティックな作品でホルンの魅力をたっぷり味わうことができましょう。ラフマニノフのロマンスは原曲がヴァイオリンですが、ホルンで聞くのもまたよいものです。ヴィブラートがとてもきれいです。
フランセのディヴェルティメントはホルンの定番曲で3つ小品で構成されれいます。第2曲「アリア・ディ・カンタービレ」の優雅な演奏が素晴らしい。第3曲「カンツォネッタ」もまた楽しい気分になります。
グラナドスのオリエンタルはスペイン舞曲第2番で、ピアノ作品ですが、これをギターの松尾が編曲しています。ホルンもまたきれいです。
栗山和樹の組曲「もうひとつのグラナダ」は丸山の委嘱作品で2013年の最新作品。ホルンとギターのために書かれ、第1曲「アルハンブラの光」はホルンの技巧的な部分、ギターのフラメンコスタイルの演奏など面白い小品です。第2曲「サクロモンテの陰」は緩徐楽章にあたり叙情的な部分やギターの力強い響きなどスペイン情緒の豊かな小品。第3曲「アセキアの中庭」はギター伴奏によるホルンのロマンスともいえそうな美しい小品です。第4曲「情熱のダブラオ」はスペイン情緒豊かな作品です。演奏も難しいと思われます。
モーツァルトの「アヴェ・ヴェルム・コルプス」はモーツァルトの最晩年の作品。短い賛美歌ですが傑作で度々演奏されます。これを松尾がフリューゲルホルンとギターのために編曲しました。丸山はフリューゲルホルンを朗々と吹いています。素晴らしい演奏になりました。閉めにフリューゲルホルンを入れた丸山らしいアルバムです。 |
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