モーツァルト/室内楽作品
セレナード第10番/ロンドン管楽合奏団(1962) |
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CD(LONDON NDCC-15)
モーツァルト/室内楽作品集
1.セレナード第10番変ロ長調K361
「グラン・パルティータ」
2.音楽の冗談K522
ジャック・ブライマー指揮
ロンドン管楽合奏団(1)
テレンス・マクドナー(オーボエ)
ジャック・ブライマー(クラリネット)
アラン・シヴィル(ホルン)
ウィリアム・ウォーターハウス(ファゴット)
カール・ミュンヒンガー指揮
シュトゥットガルト室内管弦楽団
録音 1962年(1)
1960年(2)
モーツァルトのセレナード第10番「グラン・パルティータ」は別名「13管楽器のためのセレナード」とも言われますが、13番目の楽器はコントラバスになります。この作品は7つの楽章からなる大きな組曲ということから「グラン・パルティータ」と名づけられますが演奏時間は44分という大曲です。
ブライマー率いるロンドン管楽合奏団はロンドンの名手が揃った団体です。第1楽章は序奏に続くアレグロ・モルトの華やかな響き、第2楽章:メヌエットの美しい響きも素晴らしいです。第3楽章アダージョはアンサンブルの美しい響き、第4楽章のメヌエットは勢いのある演奏です。第5楽章のロマンスはアダージョからアレグロになります。第6楽章は主題と変奏、クラリネットに主題が歌われます。そしてオーボエの演奏がありますが、これがモーツァルトのフルート四重奏第3番ハ長調K285bの第2楽章にも使われています。またホルンとファゴットによる低音の充実も見逃せないでしょう。この第6楽章は最も長い楽章になります。フィナーレの楽しい雰囲気はモーツァルトの求めたセレナードやディヴェルティメントの特徴でもありましょう。名演奏です。
「音楽の冗談」はシュトゥットガルト室内管弦楽団の演奏です。この作品は辻音楽師が調子っぱずれの演奏するところを皮肉ったようにわざと音をはずさせるところが面白いです。作品には数か所しか指示はありませんが実際に初心者のアマチュアが演奏したらそんなものではなく笑えないミスは続出するでしょう。ミュンヒンガーの指揮ぶりはあくまでも完成作品としてのものですが、第1楽章ではテンポの変化を見せています。第2楽章のメヌエットは遅いテンポでいたずらっぽく指揮しています。ホルンの崩れる和音のところは弦を抑えています。第3楽章のアダージョ・カンタービレは弦楽のみの演奏で美の極致です。最後にヴァイオリン・ソロがちょっとぼけるところもきれいです。第4楽章のプレストはホルンが華やかに響きます。ここでは最後に不協和音で終わります。 |
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