その他のホルン作品

ヴォーン・ウィリアムズ/クラリネット、ホルンとピアノ三重奏のための五重奏曲/ティム・ジャクソン
CD(NAXOS 8.573191)

ヴォーン・ウィリアムズ/室内楽作品集
1.ピアノ五重奏曲ハ短調1903/04,1905改編)
2.ヴィオラとピアノのためのロマンス
     (ショア&グリットン編)
3.クラリネット、ホルンとピアノ三重奏のための
      五重奏曲ニ長調(1898)
4.イギリス民謡による6つの練習曲
    (クラリネットとピアノ版)(1926)
  1)アダージョ(水の上の愛らしさ)
  2)アンダンテ・ソステヌート(はねつけるポイント)
  3)ラルゲット(ヴァン・ディーメンズ・ランド)
  4)レント(彼女は彼女の母からいくらか借金した)
  5)アンダンテ・トランクウィロ(お嬢さんとドラゴン)
  6)アレグロ・ヴィヴァーチェ(ロンドン橋を歩いたら)

  ロンドン・ソロイスツ・アンサンブル
  ロレーヌ・マッカスラン(ヴァイオリン)(1&3)
  サラ=ジェーン・ブラッドレイ(ヴィオラ)(1&2)
  カリン・ジョ−ジアン(チェロ)(1&3)
  ジョン・レネハン(ピアノ)(1〜4)
  アンソニー・パイク(クラリネット)(3&4)
  クリス・ウェスト(コントラバス)(1)
  ティム・ジャクソン(ホルン)(3)
   録音 2013年7月2〜4日

 ロンドンの演奏家たちによるヴォーン・ウィリアムズの室内楽作品です。
 ピアノ五重奏曲はピアノと弦楽四重奏ではなくヴァイオリン、ヴィオラ、チェロとコントラバスという編成でです。低音に厚みがあります。第1楽章はアレグロ・コン・フォコ、ハ短調の和音で始まり劇的な響きです。ブラームスのような響きもありますが、次第にイギリスの風景を思わせる弦楽の主題が歌われます。第2楽章:アンダンテはピアノで始まります。その主題が弦に受け継がれてふたたびピアノの深い響きが奏でられます。抒情的な歌が弦楽によって歌われます。第3楽章はファンタジア、クワジ・ヴァリアゾーニというヴォーン・ウィリアムズらしい楽章です。全曲31分という大作です。
 「ヴィオラとピアノのためのロマンス」は作曲年代は不明で、バーナード・ショアとエリック・グリットンが1962年に編曲したものです。落ち着いた響きのヴィオラで歌うロマンスはまた良いものです。
 「クラリネット、ホルンとピアノ三重奏のための五重奏曲ニ長調」:は1898の作品。珍しい組み合わせですが、小さなオーケストラともいえる響きがあります。4つの楽章からなり、第1楽章:アレグロ・モデラートはピアノ・トリオとクラリネット、ホルンが生み出すロマンティックな響きがきれいです。第2楽章は間奏曲:アレグレット、ピアノ主導で明るく歌われます。第3楽章はアンダンティーノ、ホルンのソロで始まり弦楽に受け継がれていきます。ここでもピアノの存在感は大きいです。再びホルンのソロがありますがアンサンブルの中のホルンですから短いです。第4楽章はアレグロ・モルト、ここではホルンの軽快なソロが聴かれます。この作品はクラリネットとピアノが活躍する作品ですが、そこにやわらかい響きのホルンが入って室内楽の素晴らしい響きが奏でられています。
 イギリス民謡による6つの練習曲はチェロとピアノのための作品ですが、これをクラリネットとピアノで演奏しています。英国ではスコットランド民謡、アイルランド民謡も有名ですがこれはイギリス民謡です。穏やかな歌がクラリネットによって歌われています。第6曲は軽快な歌です。楽しくなります。


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