J・S・バッハ/ホルン作品集
クレンペラー/バッハ/ブランデンブルク協奏曲全集(1946) |
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CD(VOX CD6X3605)6枚組
バッハ/ブランデンブルク協奏曲全集
1.ブランデンブルク協奏曲第1番ヘ長調BWV1046
2. 〃 第2番ヘ長調BWV1047
3. 〃 第3番ト長調BWV1048
4. 〃 第4番ト長調BWV1049
5. 〃 第5番ニ長調BWV1050
6. 〃 第6番変ロ長調BWV1051
オットー・クレンペラー指揮
パリ・プロ・ムジカ管弦楽団
録音 1946年7月2〜7日
クレンペラーがVOXにSP録音した中のひとつで、ブランデンブルク協奏曲全集です。オーケストラはフランスのメンバーのようでホルンはビヴラートをきかせた明るい音色で演奏しています。
第1番は録音が古いもののバッハの響きが伝わってきます。第1楽章はホルンの明るい響きが目立ちます。第2楽章はオーボエとヴァイオリンの響きがきれいですが、SP録音のためか低音楽器もよく響きます。第3楽章は弦楽器が元気良く響きます。ホルンは逆に奥になって聞こえていました。第4楽章は遅めのメヌエットで始まります。ホルンの響きはきれいです。第1トリオでは3本のオーボエとファゴットがバランスよく響きます。ポロネーズは速めのテンポですすみます。第2トリオは明るい音色のホルンがきれいな和音で響きますがリピートはありません。
第2番はクラリーノトランペットが完璧な演奏ですが奥に控えていますので大きくは目立ちません。むしろオーボエなどの木管楽器が目立ちます。第2楽章はゆったりとしたトリオ・ソナタになっています。第3楽章トランペットが目立たないためフルート、オーボエ、ヴァイオリンがよく響きます。
第3番は弦楽による演奏で重厚な響きになっています。第2楽章にあたるアダージョ部分はカットされていて第3楽章に入ります。弦楽の力強い響きがきれいです。
第4番は2本のフルートが華やかに奏でます。ヴァイオリン・ソロの速いパッセージが凄いです。ただ、SP録音のせいかバランスはあまりよくありません。第2楽章は弦楽の重厚な響きとフルートの織り成す響きが素晴らしい。第3楽章はフルートとヴァイオリンの活躍が素晴らしい。
第5番は弦楽の序奏のあとにフルート、ヴァイオリン、チェンバロがトリオ・ソナタのように語り合いながら演奏するバッハの代表的な協奏曲のひとつです。フルート、ヴァイオリンとチェンバロの見事な掛け合いが聞かれます。チェンバロの長いソロも見事です。第2楽章はチェンバロとフルートのやわらかな響きとヴァイオリンの対話がきれいです。チェンバロの響きの良さもまた聴きものです。第3楽章の跳ねるようなリズムはヴァイオリンとフルートの息の合った演奏が聴きどころでしょう。
第6番はヴィオラ、ヴィオラ・ダ・ガンバ、チェロ、コントラバスとチェンバロだけによるいわば中低音楽器だけによる演奏です。第1楽章は速めのテンポでヴィオラとガンバが主役でシンコペーションの主題が交錯します。第2楽章はガンバが抜けてヴィオラとチェロが優雅に演奏します。第3楽章は全合奏でフーガのように追いかけてゆく主題が繰り返されています。程よいテンポでこれも素晴らしい演奏です。 |
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