J・S・バッハ/ブランデンブルク協奏曲第1番
グレン・ボーリング&エドワルド・デスカー(1996) |
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CD1(TELDEC 2564 69812-3)2枚組
CD2(TELDEC 0630-17493-2)2枚組
Disc1
バッハ/ブランデンブルク協奏曲全集
1.ブランデンブルク協奏曲第1番ヘ長調BWV1046
2. 〃 第2番ヘ長調BWV1047
3. 〃 第3番ト長調BWV1048
Disc2
4.ブランデンブルク協奏曲第4番ト長調BWV1049
5. 〃 第5番ニ長調BWV1050
6. 〃 第6番変ロ長調BWV1051
エンリコ・オノフリ(ヴァイオリン)(1、2、4&5)
グレン・ボーリング(ナチュラルホルン)(1)
エドワルド・デスカー(ナチュラルホルン)(1)
パオロ・グラッツィ(オーボエ)(1&2)
アンドレア・ミオン(オーボエ)(1)
マルコ・セラ(オーボエ)(1)
アルベルト・グラッツィ(ファゴット)(1)
ガブリエリ・カッソンヌ(トランペット)(2)
ジョヴァンニ・アントニーニ(リコーダー)(2&4)
〃 (トラヴェルソ・フルート)(5)
ペトル・ゼイファート(リコーダー)(4)
ミケーレ・バルキ(チェンバロ)(1〜6)
ルカ・ピアンカ(リュート)(6)
ジョヴァンニ・アントニーニ指揮
イル・ジャルディーノ・アルモニコ
録音 1996年10月(2&6)
1996年12月(1、3&4)
オリジナル楽器でリコーダー奏者アントニーニ率いるイル・ジャルディーノ・アルモニコによるバッハのブランデンブルク協奏曲全集です。アントニーニはバーゼル室内管弦楽団とベートーヴェンの交響曲も録音しています。
ブランデンブルク協奏曲第1番はナチュラルホルンを2本使っていますが、狩猟ホルン(コルノ・ダ・カッチャ)のようでかなり派手な音を出しています。演奏は大変良いのですがかなり目立ちます。オーボエがかなり負けています。第1楽章から強烈な印象を与えてくれます。第2楽章のオーボエとヴァイオリンはきれいな響きです。古楽器としてのオーボエの哀愁的な音色が響きます。第3楽章はホルンがバリバリと響きますが、ヴァイオリンとオーボエが出てくると抑えてくれます。第4楽章のメヌエットは速めのテンポでホルンも目立ちます。第1トリオのオーボエとファゴットは大変きれいです。中間部のポロネーズは速めの演奏です。第2トリオのホルンとオーボエの演奏は速めのテンポでしかもホルンの音は強烈ですから凄い演奏になっています。
第2番はクラリーノ・トランペットとオーボエの響きがきれいです。リコーダーが霞んでしまうほどトランペットは目立ちます。第2楽章はヴァイオリンとオーボエ、リコーダーのトリオ・ソナタのようですがゆったりとしたきれいな演奏です。第3楽章ではトランペットの高域の音が華やかです。オーボエとヴァイオリンもリコーダーが消えないように抑えているようですが、やはりこの曲は難しいようです。
第3番はテンポのやや速い演奏です。弦楽の素晴らしいアンサンブルが聞かれます。第2楽章のアダージョにはヴァイオリンのカデンツァが入ります。第3楽章のアレグロは弦楽の見事なアンサンブルに聞き惚れます。
第4番は指揮のアントニーニとゼイファートによる2本のリコーダーがあたたかい響きで楽しそうに聞こえます。ヴァイオリンの響きもまた素晴らしいものです。第2楽章はリコーダーが穏やかに響きます。第3楽章は冒頭のフーガが見事です。
第5番の演奏は弦楽合奏に続くトラヴェルソ・フルート、ヴァイオリン、チェンバロの響きがこの曲を聞く楽しみです。木管のトラヴェルソ・フルートは響きがきれいです。ミケーレ・バルキの長大なチェンバロ・ソロも素晴らしい。第2楽章はチェンバロのアルペッジョに続くフルートのやわらかな響きとヴァイオリンがきれいです。第3楽章の跳ねるようなリズムはヴァイオリンとトラヴェルソ・フルートの息の合った演奏が見事です。そこに絡むチェンバロの響きも見逃せないでしょう。
第6番はヴィオラ、ヴィオラ・ダ・ガンバ、チェロ、コントラバスとチェンバロだけによるいわば中低音楽器だけによる演奏です。第1楽章はヴィオラとガンバが主役でシンコペーションの主題が交錯しますがこの演奏の最大の特徴は通奏低音にリュートを加えていることです。他では聞かれないやわらかなピツィカートの響きがあります。第2楽章はガンバが抜けてヴィオラとチェロが悠々と演奏します。そこにリュートが響くのは贅沢なものです。しばし我を忘れてしまいそうです。第3楽章は全合奏でフーガのように追いかけてゆく主題が繰り返されています。これも素晴らしい演奏です。リュートがきらめきを与えています。 |
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