R・シュトラウス/アンダンテ
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CD(BERLIN Classics 0300530BC)
ホルンとピアノための作品集
1.ラインベルガー/ホルン・ソナタ変ホ長調Op178
2.グリエール/ホルンとピアノのための4つの小品
3.グラズノフ/「夢」変ニ長調 Op24
4.シューマン/アダージョとアレグロ変イ長調Op70
5.サン=サーンス/ロマンスOp36
6. 〃 /ロマンスOp67
7.R・シュトラウス/アンダンテ ハ長調
フェリックス・クリーザー(ホルン)
クリストフ・ケイマー(ピアノ)
録音 2012年12月13〜16日
フェリックス・クリーザーは1991年生まれのドイツのホルン奏者。生まれつき両腕がありませんが、両足を駆使してホルンを操作しています。左足の指でバルブの操作をするとは驚きです。彼は5歳のころからホルンには興味があったらしく、13歳でヤン・シュレーダーに師事しています。その後ドイツのヤングミュージシャンとして活躍、ペーター・ダムにも師事しています。アレキサンダー103を使用。
ラインベルガーのソナタは大変音楽性豊かな演奏で、とても21歳の学生の演奏とは思えない豪快なホルンです。スラーの巧みなことレガートのうまさなどベテランの領域のようです。第3楽章の余裕の演奏なども考えられないほどの良い響きと滑らかさです。
グリエールの4つの小品は「ロマンス」「悲しきワルツ」「ノクターン」「間奏曲」の順で演奏されます。「ロマンス」は感心しきりのロマンティックな演奏です。「悲しきワルツ」は滑らかなスラーのきれいなこと。弱奏の陰のある音、にくいほどオクターブのスラーがきれいです。「ノクターン」はアレキの音がこれほどきれいに響くものかと感心しました。「間奏曲」もまた素晴らしい演奏です。これほど見事に吹いてくれますと脱帽です。この曲をエチュードにしてるのかと思えるほどです。
グラズノフの「夢」はホルンの定番ですが、ピアノパートの奥深い響きも特徴です。それだけにホルンの演奏にも力が入ってきます。クリーザーはグリエールとは違う響きでこの作品を仕上げています。
シューマンの「アダージョとアレグロ」はアダージョの歌い方がポイントですが実にうまいです。アレグロの演奏もまた見事でコーダでテンポを少し落としたところもにくいです。
サン=サーンスのロマンスはヘ長調Op36のやわらかな響きが好印象で、レガート、スラーのうまさは抜群です。ロマンス ホ長調Op67は大変難しい作品ですが大変良い演奏です。細かいフレーズ、スラー、タンギングも鮮やかで最後のフレーズがまた見事でした。
R・シュトラウスの「アンダンテ」を最後に入れましたが、ハ長調の力強い響きを豪快に演奏するところは巨匠並みです。最も若い年齢での録音ではないかと思いますがここまで壮大な音楽になるとは驚きです。これからの活躍が期待されます。これは絶賛したい演奏です。ピアノも素晴らしい。 |
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