ベートーヴェン/七重奏曲

エリック・テルヴィリガー(1992)
CD(DENON COCO-70524)

1.ベートーヴェン/七重奏曲変ホ長調Op20
2.    〃   /六重奏曲変ホ長調Op81b

  ウィーン室内合奏団
  ゲルハルト・ヘッツェル(ヴァイオリン1)(1&2)
   ヨーゼフ・ヘル(ヴァイオリン2)(2)
   ハット・バイエルレ(ヴィオラ)(1&2)
   アーダルベルト・スコチッチ(チェロ)(1&2)
   ヘルベルト・マイヤー(コントラバス)(1)
   ノイベルト・トイブル(クラリネット)(1)
   ミヒャエル・ヴェルバ(ファゴット)(1)
   エリック・テルヴィリガー(ホルン)(1&2)
  フォルカー・アルトマン(ホルン)(2)
   録音1992年6月10〜15日
   ウィーン、カジノ・ツェーガーニッツ

 ウィーン室内合奏団のベートーヴェンです。ウィーン・フィルのコンサートマスターだったゲルハルト・ヘッツェルが1970年に創立した団体です。ウィーン・フィルのメンバーが主体ですが、メンバーは代わっています。ヘッツェルはこの1ヶ月後に急死したため最後の録音でした。
  七重奏曲はヘッツェルのリードする演奏で勢いのある演奏は素晴らしく、あらゆる演奏の中でもトップに君臨する演奏といっても過言ではないでしょう。トイブルの甘いクラリネットがまた素晴らしい。ホルンのテルヴィリガーはミュンヘン・フィルの首席ですが、モーツァルテウム音楽院出身ということで参加しているのでしょう。ウィンナホルンではありませんが、かえって響きがきれいで曲の仕上がりが素晴らしいものになっています。
  六重奏曲変ホ長調はテルヴィリガーとアルトマンのホルンがよく響き合っています。大変華やかな響きの演奏です。ホールの響きが大変良くこの演奏が一層引き立っています。なお第1楽章の後半に珍しくホルン・ソロのカデンツァが短いながらも挿入されています。まさに2つのホルンのための協奏曲になっています。第2楽章は美しいホルン二重奏が見事です。第3楽章は速いテンポの演奏ですが、ホルンの滑らかな演奏が素晴らしい。ヘッツェルをリーダーとする弦楽の響きも抜群です。なお、この楽章にもカデンツァが挿入されています。低音から高音まで使った素晴らしいカデンツァです。数あるこの六重奏曲変ホ長調の録音の中でも異例中の異例の演奏です。


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