シューベルト/八重奏曲
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CD(EMI 0946 35086423)
1.ベートーヴェン/七重奏曲変ホ長調Op20
2.メンデルスゾーン/八重奏曲変ホ長調Op20
3.ベートーヴェン/管楽八重奏曲変ホ長調Op103
4.シューベルト/八重奏曲ヘ長調Op166、D803
メロス・アンサンブル
エマヌエル・ハーウィッツ (ヴァイオリン)(1、2&4)
ケネス・シリトー(ヴァイオリン)(2)
アイヴァー・マクマホン(ヴァイオリン)(2&4)
アイオナ・ブラウン(ヴァイオリン)(2)
セシル・アロノヴィッツ(ヴィオラ)(1、2&4)
ケネス・エセックス(ヴィオラ)(2)
テレンス・ワイル(チェロ)(1、2&4)
キース・ハーヴィ(チェロ)(2)
エイドリアン・ビアース(コントラバス)(1&4)
ピーター・グレーム(オーボエ)(3)
サラ・バリントン(オーボエ)(3)
ジェルヴェーズ・ド・ペイエ(クラリネット)(1、3&4)
キース・パディ(クラリネット)(3)
ウィリアム・ウォーターハウス(ファゴット)(1、3&4)
エドガー・ウィリアムス(ファゴット)(3))
ニール・サンダース(ホルン)(1、3&4)
ジェイムズ・バック(ホルン(3)
録音 1969年3月&10(1)
1968年1月(2)
1969年11月&12月(3)
1967年12月(4)
このアルバムはロンドンの名手たちが勢ぞろいしたメロス・アンサンブルによる名演奏ばかりです。
ベートーヴェンの「七重奏曲変ホ長調」は第1楽章の序奏から重みがあります。クラリネットとヴァイオリンがリードするこの曲を勢いのある演奏で引っ張っています。7つの楽器が調和のとれた演奏になっていてきれいな響きです。ホルンはイギリス流の美しさがあります。第2楽章「アダージョ・カンタービレ」はド・ペイエのクラリネットのきれいな主題に始まりヴァイオリンに受け継がれます。ファゴットとホルンのソロもあります。第3楽章「メヌエット」は親しみやすい主題に始まります。心がはずむような演奏です。トリオにはホルンのソロがあります。第4章の主題と変奏は足取り軽い主題が大変きれいです。スタッカートが素晴らしい。続くそれぞれの変奏が楽しそうに聞こえます。ホルンのレガートは素晴らしい。第5楽章「スケルツォ」はホルンで始まります。このホルンがリードするところが楽しいです。トリオのチェロが優雅に歌うところも聞き逃せないでしょう。第6楽章は序奏でホルンが哀愁的な主題を吹いています。プレストからは息の合った見事なアンサンブルを聞かせます。ホルンが楽しそうです。
メンデルスゾーンの「八重奏曲変ホ長調」は弦楽四重奏を2つ使うようにヴァイオリン4、ヴィオラ2、チェロ2の八重奏です。4つの楽章で構成されています。冒頭の勢いのある演奏に圧倒されそうです。弦楽アンサンブルの美しさがあります。中でも第3楽章の「スケルツォ」は有名で「真夏の夜の夢」のスケルツォを彷彿させます。
ベートーヴェンの「管楽八重奏曲変ホ長調」は1793年22歳の時の作品です。4つの楽章で構成されています。この作品はディヴェルティメントのようなものではなく、8本の管楽器のためのシンフォニーといっても良い作品です。ベートーヴェン独特の緊張感があります。 第3楽章のメヌエットはスケルツォのようです。
シューベルトの「八重奏曲」は第1楽章前奏のアダージョに続くアレグロでは整然としたアンサンブルが聞かれます。ド・ペイエのクラリネットの主題に続くサンダースのホルンの響きがきれいです。この楽章では同じ音型が楽器を変えてなんども繰り返されます。コーダはホルンで優雅に終わります。第2楽章:アダージョはクラリネットで始まる穏やかな雰囲気がきれいです。中間部ではホルンが朗々と歌われます。第3楽章:アレグロ・ヴィヴァーチェは快活なスケルツォです。トリオに響くド・ペイエのクラリネットが印象的です。サンダースのホルンもきれいです。 第4楽章:アンダンテは主題と変奏曲、「ロザムンデ」の間奏曲を思わせるような主題に始まります。クラリネットとヴァイオリンの美音が素晴らしい響きです。ホルンの変奏は優雅できれい演奏です。第5楽章:メヌエットはこの曲の中でも最も美しいといえる楽章です。クラリネットの美しい主題が転調しながら歌われ弦楽器、ホルンに受け継がれていきます。サンダースのホルンがデニス・ブレインが吹いているように聞こえます。第6楽章:アンダンテ・モルト〜アレグロは劇的な前奏に続くアレグロは壮大なフィナーレでまさにオーケストラの演奏を聞いているかのようです。演奏時間56分。 |
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