シューベルト/八重奏曲
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CD(TESTAMENT SBT−1114)
1.シューベルト/八重奏曲ヘ長調D803
〜2つのヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、
コントラバス、クラリネット、ホルンと
ファゴットのための
2.タルティーニ/ヴァイオリン・ソナタ
「悪魔のトリル」
ダヴィド・オイストラフ(ヴァイオリン)(1&2)
ペーター・ボンダレンコ(第2ヴァイオリン)(1)
ミハイル・テリアン(ヴィオラ)(1)
ヴャトスラフ・クヌシェヴィツキー(チェロ)(1)
ウラディミール・ソロキン(クラリネット)(1)
ヤコフ・シャピロ(ホルン)(1)
ヨーゼフ・シュティーデル(ファゴット)(1)
ヨーゼフ・ゲルトヴィチ(コントラバス)
ウラディミール・ヤンポルスキー(ピアノ)(2)
録音 1955年10月27日(1)
1956年2月16&17日(2)
(モノラル録音)
オイストラフはソリストとしてだけでなく指揮や室内楽活動も多い演奏家でした。このシューベルトの八重奏曲はオイストラフのリードするロマン的な演奏で、ドイツの演奏家のような響きとは異なるものです。オイストラフの美音もまた素晴らしいですが、アンサンブルの奥に明るく響くシャピロのホルンは印象に残ります。第1楽章の提示部でクラリネットに続くホルンの主題はかなり押さえて吹いています。コーダのホルン・ソロは素晴らしい響きです。第2楽章では弦楽四重奏のバックにクラリネットのソロ、そして中間部でオイストラフのヴァイオリンと対話するようにシャピロのホルンが明るく響きます。第4楽章のヴァリエーション3ではホルンは押さえています。この演奏は弦楽を前面に出してその奥に管楽器を配置したような録音です。ちょうどバランスの取れた実に優れた演奏です。オイストラフのヴァイオリンを生かした録音といえるでしょう。
「悪魔のトリル」はオイストラフがロンドンのアビーロード・スタジオで録音したものでモノラルながら良い音質です。,欧米に演奏旅行した当時の真剣さがにじみ出ています。緊張感のある演奏で巧みなボウイングとトリルが素晴らしく、若き日のオイストラフの技量の高さがうかがえます。 |
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