ジョルジュ・バルボトゥのホルン作品

ホルン、フルートとハープのためのエスキース/ヤチェク・ムズィク(2011)
CD(SUMMIT DCD 563)

horn constellation
1.ブヤノフスキー/スペイン
2.スクリャービン/ロマンス
3.R・シュトラウス/アルプホルンAV29
4.ブヤノフスキー/ソロ・ホルンのためのソナタ
5.バルボトゥ/ホルン、フルートとハープのため
           エスキース
6.ケネス・フックス/夕べの祈り
7.アーバン/ヴェニスの謝肉祭
8.ローウェル・ショー/ビッパリーズ第1番
9.マラン・マレ/ル・バスク
  ヤチェク・ムズィク(ホルン)(1〜9)
  アンジェラ・バラネロ(フルート)(5)
  スザンヌ・トーマス(ハープ)(5)
  マイケル・ムズィク(ホルン)(8)
  グレース・チュー(ピアノ)(2&9)
  カタリーナ・ドメニチ(ピアノ)(3)
  ジョアン・ファレッタ(ギター)(6)
  セブネム・メキヌロフ(ソプラノ)(3)
  キャシー・ロバーズ(ピアノ)(7)
  録音 2011年

  ヤチェク・ムズィクのこのアルバムは「ホルンの星座」いわばさまざまなホルン作品をちりばめたアルバムといえます。ソロホルン、アンサンブル、ピアノ伴奏、ギター伴奏、声楽を伴う作品とまるで星座のようにさまざまな曲を演奏しています。
 ブヤノフスキーの「スペイン」は「ホルン・ソロの為の4つの即興的作品(航海よりの印象)」の第3曲です。スペインの印象を音にしたもので、フラメンコ風のフレーズも聴かれます。スクリャービンの「ロマンス」はオリジナルです。美しい作品でバウマンが最初に録音したように思います。
 R・シュトラウスの「アルプホルン」はこのアルバム唯一の声楽を伴う作品です。ホルンのやわらかで美しい響きが印象的です。ブヤノフスキーの「ソロ・ホルンのためのソナタ」は4つの楽章からなる作品です。第1曲では重音奏法を要求されます。第2曲;アダージョは雄大な雰囲気、第3曲:アレグレットではゲシュトップを使うところが金属的な響きになります。第4曲:アレグロ・ヴィヴァーチェ、モデラートはハイテクニックを要する難曲です。速いフレーズが素晴らしいです。
 バルボトゥの「ホルン、フルートとハープのためのエスキース」はバルボトゥの作品とは思えないほどロマンティックな作品です。ドップラーの作品かと思うようなフルートのメロディの美しさがあります。この曲はほとんどフルートが主役といっても良い作品です。
 アメリカの作曲家ケネス・フックスの「夕べの祈り(Evensong)」はギターの伴奏です。この作品はヴァージニア交響楽団のホルン奏者デイヴィッド・ウィックのために書かれています。この作品にはドヴォルザークの「4つの歌Op82」から引用されたメロディがふくまれます。
 アーバンの「ヴェニスの謝肉祭」はトランペットまたはコルネットのための作品ですが、大変な難曲でホルンで吹くこともあります。このムズィクの演奏は完璧です。
 ローウェル・ショーの「ビッパリーズ」は2本のホルンのための作品です。第1番は30秒ほどの小品ですがスイングの楽しさがあります。最後の「ル・バスク」はデニス・ブレインが吹いて有名になりました。ムズィクは最後にグリッサンドで終わっています。


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