グラズノフのホルン作品

夢/ジョン・セルミナーロ(1991〜92)
CD(CRYSTAL RECORDS CD676)

1.ボザ/森にてOp40
2.F・シュトラウス/夜想曲Op7
3.ベートーヴェン/ホルン・ソナタ ヘ長調Op17
4.グラズノフ/夢Op24
5.ハイデン/ホルン・ソナタ(1939)
6.フォーレ/夢のあとにOp7−1
7.ヒンデミット/ホルン・ソナタ(1939)
8.グリエール/間奏曲Op35−11
9.シュミット/奥深い森でOp34−4

  ジョン・セルミナーロ(ホルン)
  ジタ・カルノ(ピアノ)
   録音 1991年〜1992年

  セルミナーロのソロ・リサイタルは古典から現代までの名曲を見事に吹きまくっています。ボザの「森にて」は迫力たっぷりの演奏で、音を割ってまで吹くのは珍しいです。
  フランツ・シュトラウスの「夜想曲」はセルミナーロのあまくやわらかい響きのホルンがとてもロマン的で優雅な演奏です。
  ベートーヴェンの「ホルン・ソナタ」は明るい響きと人間味あふれるホルンのビヴラートが素晴らしい。このようなベートーヴェンはなかなか聞かれません。演奏は完璧です。
  グラズノフの「夢」は情感たっぷりの演奏です。セルミナーロの表現力は群を抜いています。この演奏も素晴らしい。
  ハイデンのホルン・ソナタは1939年の作品です。同じ年にはヒンデミットもホルン・ソナタを作曲していますが、この作品は大変ロマンティックな作風になっています。3つの楽章から構成されています。
  フォーレの「夢のあとに」は歌曲からの編曲で編曲はセルミナーロ自身によります。高音域をきれいに吹いています。実にロマンティックな演奏です。
  ヒンデミットの「ホルン・ソナタ」はきれいな響きです。現代作品でありピアノの響きも独特ですがホルンは流麗な演奏です。このソナタは演奏が難しくこのように流麗な演奏はほとんどありません。驚きの名演といえます。
  グリエールの「間奏曲」はホルンとピアノのための4つの小品の中の1曲です。親しみやすい主題が流れます。アンコールピースとしても演奏されます。
  ハインリヒ・カスペル・シュミット(1874〜1953)の「奥深い森で」は狩の音楽ではなく森でさまよう狩人を表現したかのような音楽です。セルミナーロの魅力がぎっしり詰まったアルバムです。


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